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サンタがいつもそばにいる1
・・・・・これは別の世界の,そして,ちょっと未来のお話です。・・・・・
今日,たっくんは,けんかをしてしまいました。
相手は,幼稚園のころから仲良しだったまーくんです。
小学校に入って半年。
他にも友達は出来たけど,まーくんが一番の親友であることは変わりません。
でも,今日は違いました。
まーくんと,とっくみあいのけんかです。
誰かが呼んでくれた先生がけんかを止めました。
その前に,二人とも疲れて,にらみ合いだけになっていましたが。
先生は,二人のけがが大したことがないことを確認して,けんかの理由を聞きました。
たっくんは考えます。考えて,考えて...
「....忘れた」
........まぁ,子供のけんかの原因なんて,そんなものでしょう。
自分でも忘れてしまうような些細なことが,大事になってしまいます。
もう放課後だったので,先生は,みんなに,すぐ帰るよう指示しました。
帰り道,歩いていると,いつの間にか出来ていたほっぺと肘のすり傷が,ひりひりしてきました。
痛みを感じながら,いろいろなことを考えてしまいます。
「まーくんが悪いんだ」
「なんでなぐっちゃったんだろう」
「ぼくも悪かったかなぁ」
なんだか悲しくなって,泣きそうになります。
あっ,目に涙がにじんできました。
でも,たっくんはぐっと涙をこらえます。
そうです,たっくんは男の子ですから。
さぁ,家につきました。
「おかえり」
お母さんのお出迎えです。
「あら,どうしたの」
お母さんが,ほっぺの傷と,元気のない様子を見て,さらに声をかけます。
けんかのことは学校からお母さんに連絡済みですが,たっくんに直接聞きます。
「なんでもない!」
たっくんは,お母さんを見て,また泣きそうになるのをこらえて,部屋にかけ込みます。
そのままふとんにもぐってしまいました。
ここは,そっとしておきましょう。
その晩,たっくんはサンタさんにメールを書きました。
おっと「サンタにメールってなんだ」とは聞かないでください。
この世界では,そういうものなんです。
さて,たっくんが書いたメールです。
「サンタさん,こんにちは。
きょうぼくは,まーくんとけんかをしちゃいました。
それで,まーくんをいっぱいたたいちゃいました。
まーくん,ごめんなさい。
でも,ぼくもほっぺと,てがいたいよ。
サンタさん,あしたはまーくんとあそべるかな?」
だいたい,こんな感じです。
子供の文章ですから,細かい文法は気にしないでください。
その日はなんだか疲れてしまって,たっくんはぐっすりと寝てしまいました。
朝起きると,「おーちゃん」から,メールが来てると声がかかりました。
「おーちゃん」は,たっくんの家のインターネット端末です。
端末といっても,画面とキーボードだけではありません。
人工知能を備え,パソコンやテレビなど,いろんなところにつながっていて,家中どこでもお話しできます。
外から,電話を通じて指示を出すことも出来ます。
たっくんはおーちゃんに頼んで,メールを開きます。
差出人はサンタさんです。
「たっくん,おはよう。
昨日はまーくんとけんかしちゃったんだってね。
けんかの理由はなんだったのかな?
覚えてないなら覚えてないって,正直に伝えて,まーくんをぶってしまったことをあやまろう。
そうすれば,きょうはまた,まーくんと遊べるはずだよ。
なんて話しかければ分からなかったら,まず,おはようっていうんだ。
それから,昨日のことをあやまろう。
だまってたら,もう遊べなくなっちゃうぞ。
じゃあ,いってらっしゃい。」
いくつか分からない漢字があるけど,おーちゃんが読み上げてくれます。
「うん!」
たっくんは,いつもより一杯多くあさごはんを食べて,家を飛び出していきました。
今日の空には,雲一つありません。
みんなで元気よく遊ぶのに,いい天気でした。
2001/03/23
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