「反戦」という偽善対イラク武力行使を敢然と支持せよ


 18日、小泉純一郎首相は、日本が米国をはじめとした同盟諸国がイラクに対して行った最後通告を国家として支持する考えを明らかにした。きわめて当然なことであり、高く評価したい。ところが、マスコミはまたしても空虚な「反戦」ムードを作り出し、あたかも世界中が米国の一国主義を批判しているかのように扱い、サダム・フセインを被害者のように報道して、世論をねじ曲げている。

 そもそもこのような事態に陥った責任はすべて、イラクの非道な独裁者=サダム・フセインが自らの政権に固執しため、そのために国際世論に反して大量破壊兵器の維持を図ったためのものである。米国側に開戦責任を求めるのはナンセンスだ。イラクが大量破壊兵器を廃棄しない限り武力事態は避けられないとする昨年の国連決議1441号を待つまでもなく、サダムは過去11年間、湾岸戦争時の国際連合下における停戦条件(大量破壊兵器の破棄・クウェート人捕虜の解放など)をことごとく無視し、さらに自分の政権を維持するために国民を圧制下に置いて軍国主義傾向を深め、国連に反抗してきた。これらは国連および国際社会に対する重大かつ許されない挑戦である。いわゆる査察継続派は、この点をまったく考慮に入れず、いたずらに国連安保理の決議優先を主張する。しかし、国連の決議を無視しているのは米国ではなく、イラクである。国際社会を脅迫しているのは米国ではなく、イラクである。国連の存在意義は、この無道なイラクの横車に屈するか否かにかかっている。
 そもそも国連査察団という組織が虚構である。反米派の主張の中には「核兵器があることは証明できても、無いことを証明できるはずがない。『悪魔の存在証明』だ」という意見があるが、全くのナンセンスである。もし、イラクが以前にも核・生物・化学兵器を所持したことがないのならそれも成り立とう。しかし、かつてこれらの兵器を所持どころか使用していたことさえ明白なのである。「廃棄した」という証明がなされなければ、所持し続けていると判断されるのは至極妥当である。
 かつて同様に国際社会からの圧力から核武装を放棄した南アフリカの例についてテレビ・マスコミは決してふれようとしない。1970年代、アンゴラ紛争に介入したキューバ(およびその背後のソ連)軍への脅威から反共とアパルトヘイト(人種隔離政策)という国策を守るため核武装を決断した南アは、ナミビア独立によるアンゴラ紛争の終結後、90年代に入り核兵器を廃棄した。その際、IAEA(国際原子力機関)の査察を積極的に受け入れて核関連施設を案内し、核開発に関わった科学者や施設のリスト・諸文書を提出、核廃棄を宣言した。これこそが「核廃棄」「武装解除」である。国連査察団などの世話にはなっていない。ところが今回、イラク側に全く廃棄の努力が無いどころか国連安保理の核廃棄要求をことごとく無視してきたがために、わざわざ「国連査察団」などという組織が誕生した。これこそが虚構である。ところが、その査察団に対してイラクは全く非協力どころか妨害まで行っている。時々国際世論の反応を見ながら、少しづつ譲歩しているのみだ。イラクの小出しの譲歩はあくまで国際社会を相手取った「瀬戸際戦略」というゲームでしかない。北朝鮮の金正日と同じである。査察継続派はこれ以上査察を続ければサダムが全面的に査察を受け入れると本気で思っているのであろうか。全くのナンセンスである。独裁者が自分の政権の正当性を疑われかねない国外からの圧力に屈した例は世界史に存在しない。イラク側から積極的に廃棄を宣言し、その証拠を見せるべきであるのにも関わらず、それをことさら無視するかのように、査察の継続を主張するのは、国連という組織がサダムからナメられているということを全く忘れている。国連至上主義者は米英の「安保理決議無き」武力行使を「国連および安保理の存在意義を認めない一国主義/国連をないがしろにするものだ」と主張する。しかし、安保理決議は存在するし、国連および安保理の存在意義を認めず国連をないがしろにしているのは、米国ではなくイラクのフセインであることを忘れてはならない。フセインこそが国連を中心とした世界秩序の破壊者なのである。

 ところが「反戦」を標榜するテレビ・マスコミは、あたかもサダムを被害者のように扱い、戦争をしたがっているのは米国であるかのような伝えぶりである。国際常識というものがあるのだろうかと疑いたくなる。実際にはまるで逆なのだ。ところが、「ジョージ・ブッシュは戦争屋である」「父のブッシュ元大統領からの2代に渡るイラクへの恨みである」、果ては「テキサスの石油グループ会社を支持母体とするブッシュ大統領が石油を獲得するための戦争である」などという愚にもつかぬ噂を真面目に"報道"する馬鹿さ加減である。そもそも日本は、必要とする石油資源の9割を中東に頼っている過度の中東石油依存国であるために中東=油のイメージが抜けないが、米国の対中東石油輸入額は3割に満たず、総エネルギー量に占める中東石油の割合は5%にも満たない。それも半分はお義理で政治的に輸入しているサウジアラビア原油であり、米国(あるいはメジャー=石油会社グループ)にとって、たとえ埋蔵量世界第二位とはいえ、イラクの原油に興味は無い。わざわざ高いコストとリスク(周辺諸国も政治的に安定していない)を払って中東から石油を輸入するより、お膝元の中南米から豊富に産出する原油を輸入する方が効率的である。昨今の石油価格の高騰も、イラク情勢の不安化というよりはむしろ南米ベネズエラの政情不安による長期ストライキでの産油量の減少が原因である。しかし、マスコミはブッシュ=利権政治家のイメージをすりつけようと必死になっている。ところが実際は中央アジア原油のパイプライン敷設問題を巡ってブッシュ政権はむしろテキサスの石油会社グループと対立しているのだ。しかしこのことはどのテレビ局も伝えようとしない。ましてブッシュ米国が戦後のイラク石油を獲得しようとしているなどという戯言は聞くに値しない。米国は戦後のイラク石油を国連の管理下に置くことを明言している。ブッシュ大統領の戦略は決して近視眼的な自国企業の石油利権のためでも陰謀でもない。むしろ米国は過去20年間、中東石油の供給量が世界の原油価格に与える影響力を重視し、それを相対的・安定的な方向に持って行くように尽力してきた。自国の利益よりも中東原油の安定が世界経済および世界政治の安定に与える利点を考えた立派な世界戦略である。

 そもそも米国一国が武力行使を主張し、他の諸国はすべてそれに反対しているというイメージも、メディアが勝手に作り出した虚構である。米国の提案には、常に英国が強力なパートナーとして支持してきた。さらに言えば、イラクの脅威に対して、武装解除を求める努力を主張し、国連安保理の無策を糾弾し武力攻撃もやむを得ないと賛同する国は米英二ヶ国にとどまらない。スペイン・ポルトガル・イタリア・デンマーク・ブルガリア・ハンガリーなど東欧諸国、トルコ・クウェート・イスラエル、オーストラリア・韓国…賛成諸国は他にも多数存在する。また、その他の中立諸国とてサダムという独裁者の存在・そして彼が握る大量破壊兵器の存在をそのままにして良いと主張している訳ではない。ほとんどが中立して様子を見守っているだけである(そしてそれこそがサダムに期待を持たせている逆効果でしかないのだが)。むしろ積極的に米国に反対するフランス・ドイツ・ロシアといった国の方がEU(欧州連合)やNATO(北太平洋条約機構)などから孤立しているのである。
 そもそもフランスやロシアがこれほどまでに国連査察継続にこだわり、サダム独裁政権維持を擁護しているのはなぜか、それをこそ考えてみるべきであろう。それはこの二ヶ国こそがイラク国内の石油利権を保持しているからである。ブッシュ陰謀論者は、この点を全く無視する。さらに言えば過去のイラクに対して、核兵器開発施設への転用が可能な各関連施設および技術を供与したのは、60年代のフランスと70年代のソ連であることは国際常識である。彼らがサダムと彼が率いる独裁政党=バース党を支持するのは、言ってみれば当然なのだ。この2ヶ国が米国に反対するのは決して「反戦」「平和」という美名からではない。イラクに対する過去の援助と、その見返りとしての石油利権と、それにスーパーパワーとなった米国に対する感情的な反撥、以外の何者でもない。そもそも、たかが数年前に「平和」「軍縮」を求める国連安保理の中止決議を無視し、国際社会からの抗議に真っ向から挑戦する形で核実験を強行したのはどこの国のどの大統領か。フランスのシラク、その人ではないか。フランスが「反戦」「平和」を求める国とは笑止千万だ。ドイツに至っては、いっこうに復興しない経済とそれに伴い危険水域に達している失業率の高さからくる国民不安を背景に、反米感情を総選挙に利用して勝ってしまったシュレーダー首相が単に国内政治の道具に使っている反米に過ぎない。EU内部でもドイツの経済悪化は諸国の足を引っ張っており、ここ数ヶ月の開戦か否かで米英と仏独がもめたことでさらに株式市況も悪化し(株式市場は実体経済とは無関係であり、実際に戦争がはじまるよりも、始まるか始まらないか不安定な状況が長期間続くことが悪化の原因である)、ドイツは欧州内で孤立しているのである。フランスとドイツは欧州の盟主を自任し、米国と連携する英国を牽制するために、反米を政策として標榜しているにすぎない。冷徹な国際政治であり、「反戦」「平和」とは無関係だ。日本の小泉首相が米英などの行動に理解を示し支持したことについて「米国追随外交」との下らぬ批判を野党がしているが、むしろ野党の方が仏露追従外交を推奨しているのは滑稽である。(もちろん彼ら自身の不利になるため、絶対に仏露追従とは言わないが、対米追従よりもさらに意味が不明である。)

 「反戦」「平和」は誰しもが望むことである。しかし、それを壊したのは独裁者サダム・フセインである。ジョージ・ブッシュではない。平和を壊そうとするものに対しては、敢然と戦争という手段を取らなければならないことはやむを得ない処置であることを平和ボケ日本人は知るべきである。そもそも無責任な感情論から「反戦」「平和」を主張するグループは、それが独裁者サダムを喜ばせるものでしかないことに気づいていないのであろうか。声高に「反戦」「平和」を叫べば叫ぶほど、サダムはそれを利用し、国内の反フセイン勢力を弾圧し、イラク国民を苦しみの極みにおいやっているのである。最近ようやく北朝鮮の庶民が、金王朝の維持のためだけに圧制下に苦しめられ、人権も無い状態にさらされており、諸国が北朝鮮に妥協すればするほど、北朝鮮国民の苦しみが増大することに気づく人が増えてきた。が、イラクが北朝鮮と全く同じ構造の国家であることを指摘するメディアはほとんど無い。サダムと彼の息子、ウダイやクサイらは、まるで金日成・金正日親子とうり二つである。北朝鮮からの亡命者が最近よく日本のメディアに出演し、金親子の残虐性や大量破壊兵器の開発証言を行っている。実は全く同様にイラクからの亡命者が、サダム・クサイ親子の残虐性・大量破壊兵器開発の証言を西側メディアに対して行っているのにもかかわらず、日本のメディアはそれを伝えようとしない。あたかもイラクは北朝鮮よりも民主化された国家のようである。だが、イラクは昨年行った大統領信任投票での投票率・信任率が100%ということでもわかるとおり、国民に自由も人権もなく、すべてがやらせの北朝鮮と同じ独裁国家である。日本や反戦国のジャーナリストが現地に入ってイラク国民の反戦主張やフセイン支持発言を取材し「やはりイラクに圧力をかけているのは米国であり誰も戦争など望んでいない」などと、したり顔で報道しているが、それらはすべてイラク政府が用意したものであり、やらせである、と亡命者は証言しているのだ。ソ連・中国・北朝鮮…独裁体制下の国の報道・取材に真実がないことに日本人は何度だまされれば気づくのだろうか。ブッシュ大統領が48時間という期限を区切ったのも、国内の反政府グループや反サダムグループの軍人・政治家の蜂起を暗に期待しているためだ。北朝鮮と同様、サダムファミリーの独裁に不満を持つグループは多数存在する。これらの勢力がサダムを自力で排除すれば戦争は発生しないのだ。
 感情論的で浅薄な反戦運動家は「罪のないイラクの子供を戦渦に巻き込むな」と主張する。だが、戦争という手段でサダムという独裁者を排除しない限り、彼によってイラクの子供たちは今も次々に殺されているのである。そもそも今回も「反戦」「平和」を声高に主張しているのはピースボートなどの左翼グループであり、彼らがかねて北朝鮮を擁護してきたために北朝鮮国民が塗炭の苦しみに瀕してきたことは明白である。「反戦」「平和」を主張する偽善的なグループは、そのために独裁政権が維持され、そのために国民が圧政を受け、少数民族が虐殺され、周辺諸国が大量破壊兵器の脅威におびえることを支持するグループである。彼らは自分たちの主張する「反戦」が達成されさえすれば、その後どんなに国民が苦しもうが関係ないのである。まさにサダム・フセインにとって無二の味方であろう。私にはそんな非人道的な残虐行為に荷担することはできない。

 日本が米国をはじめとする同盟国の主張に賛同し、武力行使もやむを得ないとの判断を下したことは、日米同盟や北朝鮮問題を抜きにしても、国連を尊重し国際社会の一員として生きる国として、当然の行動といえる。国民も安易・感情的な「反戦」「平和」を叫ぶ残虐的な偽善者たちは無視し、敢然と米英の主張を支持すべきである。日本も後方支援・戦後復興など、できることは少なくないはずだ。(03.03.19)


(3/23追記)20日から開始された米英軍を中心とするイラクへの武力行使は、まさに精緻を極めた作戦であり、なるべく民間人・民間施設に被害が及ばぬよう極力配慮されたものである。かつてこれほどまでに民間の犠牲を少なくしようと努力された戦争・紛争は存在しないと言っても良い。この点、米英同盟軍には敬意を表したい。だが、にも関わらず日本の狂信的反戦グループは「米国は無辜の民間人を戦渦に巻き込むな」と意味不明な批判を行っている。無辜の民間人を巻き込もうとしているのはイラクのフセイン政権側なのである。一刻も早く戦争を終結させるのは世界の誰しもの望みだが、それを握っているのもイラク側である。早々に無条件降伏すべきである。

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