有事法案反対論のあきれた駄々っ子ぶり


 16日、有事関連三法案が閣議決定し、後半国会に提出されることになった。戦後57年、議論することすら許されぬ雰囲気であったことを思うと、ようやく日本がまともな国家となる第一歩であり、大いに歓迎したい。
 そもそも、外国軍が攻めてきても、自衛隊が私有地に入れば不法侵入となり、防衛出動の戦車が信号を守らなければ道路交通法違反になり、衛生兵が麻酔薬を運搬すれば麻薬取締法違反となる、こんな奇妙な国は、世界にただ一つ日本をおいてほかにあるまい。
 ようやく他国から攻められてもまともな防衛できるようになったことは喜ぶべきことというよりもむしろ、これまでの不備を恥ずべきであろう。もちろん法案は完全ではない。大規模テロや不審船などの事態や附随法案は先送りされている。この辺は大いに議論をし、より良い有事法制を整えていくことが必要であろう。後半国会での有意義な論議を期待したい。

ところが、である

それですら反対する勢力がある。朝日・毎日・TBSをはじめとする極左マスコミである。
 なぜ、彼らが有事法制に反対するか。理由はいくつかある。
 まず第一、基本的にマスコミは反体制を守らなければならない(と彼らは盲信している)ため、国家権力の強大化には真っ向から反対したいからである。
 第二に、左翼勢力は戦前日本を軍部独裁ファッショと信じているため、軍事に関わることを極端に嫌う。「『反戦平和』というお題目さえ唱えていれば戦争は起きない」といういかがわしい宗教〜戦後民主主義という〜に嵌っている。
 第三に、極左勢力はソ連崩壊後、日本での共産主義革命が絶望的となったため、最後に残る共産国家・中国と北朝鮮による日本侵略を理想としているからである。そのためには日本の防備をなるべく薄くしておかねばならない。「そんな馬鹿な」と思う人がいるであろうが、事実である。これまでの極左メディアの報道ぶり、常に日本をおとしめ、中国・北朝鮮を礼賛していることからも明白である。新ガイドライン・周辺事態法が日米同盟によって中国の軍事行動を制限すると大音声で批判し、わざわざそのことを中国当局にご注進する一方、中国の軍艦がしばしば日本領海に出没していることを全く報じないことからも明かである。未だに上記のようなことを考えているコミュニストがマスコミには残留しているのである。信じがたいことではあるが。そしてそれを裏付けるかのように、有事法に反対するマスコミの論調は社民党・共産党の主張と見事なまでに一致している。この辺にもマスコミと無責任野党との癒着構造が見え隠れする。


 朝日新聞のWebページでは、今月1日無謀にも国際紛争の真っ最中であるにもかかわらず、非暴力を主張するだけのため、戦地に入ってわざわざ危険なベツレヘム近郊に入りイスラエル軍の邪魔をし、当然の如く戦車の威嚇射撃の銃弾を受けた清末愛砂という運動家の発言として「少しでも力で抵抗すれば、ますます撃ってくる。軍の暴力に立ち向かうには憲法9条などに表れている非暴力平和主義でじっくり取り組むしかない」などという馬鹿げた談話を添えている。殺気立っている現場の中で、少しでも抵抗しなければ撃たれなかったとでも言うのだろうか。銃を突きつけた相手に対しても「話し合えば解決できる」と思っているのは平和ボケの戦後日本人の妄想である。このようなごくごく少数派の意見をいかにも国民の総意であるかのように見せる同紙の手法は手慣れたものである。

 そして、極左テレビ番組として一二を争うTBS「ニュース23」(4月16日放送分)を見た。本日の番組ダッシュは「進まぬ改革……されど有事法制は着々と」という悪意に満ちたフレーズであった。有事法制を「改革」から切り離し、いかにも悪法であるかの印象を視聴者に与えようという偏向報道である。だが、戦後60年近くかかってできなかったことをやるのである。これが「改革」と言わず、なんと言うのか。良識を疑う。


 さて、番組はいざ本論の「有事法制反対への視聴者誘導」にうつった。その際のキーワードは「なぜ、今頃、有事法制か?」である。これに関しては私をはじめとする視聴者も全く同感である。なぜ本来きちっとはじめから整備されているべきの有事法制が、戦後60年近く経ってまだ議論しているのか、という想いは国民標準のものであろう。ところが、番組で使われているフレーズは、どうもこの意味と違うようなのだ。なにやら「特に大きな軍事衝突もなく、世界も平和なのになぜ今、軍備を拡大するようなことをするのか」というような意味で使われているのだ。時代錯誤も甚だしい。マスコミは今回の法案を「最近あわてて作った稚拙な法案」というイメージを視聴者に刷り込もうと必死である。が、有事法は長年にわたって研究されてきた。法案としての形にすることを決めたのも森前政権のときからである。数ヶ月のやっつけ仕事などでは断じてない。とにかく、有事法には反対なのだ。そこに理由はない。後からどんどん作られる。こういったマスコミの詐法こそ「稚拙」以外のなにものでもない。
内容の分析も私権制限や地方自治体への指示強化、あたかも国民が望まぬ義務を押しつけられるかのようなイメージなどマイナス面を取り上げるばかりであり、プラス面は全く取り上げない。これまでこういった法整備がないためにどれだけ日本が危機にさらされてきたか、という視点はまったく缺如しているのだ。まして、国民が国家の危機に協力を求められるなど当然のことであり、世界の常識だ。しかし「人権」を最大のご神体とするマスコミは、人権侵害にあたるとして、この国民努力を真っ向から否定する(その割にマスコミは取材される側の人権に配慮したことは一度もない)。

 極めつけは、解説である。TBSの報道番組であるにもかかわらず、なぜか朝日新聞の編集委員を連れてきて解説させていた。TBS・毎日新聞では極左ぶりがまだまだ甘いと見たのだろうか。極左の本元・朝日新聞におうかがいをたてたようである。その編集委員の解説が、また呆れるばかりのものであった。
「この法案には起案理由として『昨今の事情に鑑み』とあるが、昨今どのような軍事的緊張があるのだろう。ソ連が崩壊し北朝鮮は衰弱した。今や日本を攻められる国はアメリカしかないのだ。(中略)この法案は米軍を日本が守るという周辺事態法の補強でしかない」
………もはや呆れを通り越して怖ささえ感じる。ここまで時代錯誤の人物が、日本を代表する大新聞の編集委員なのだ。

 ソ連が崩壊したのは昨今ではない。10年以上も前のことである。この人物は、それよりも最近の事態、96年に中国軍が台湾海峡にミサイルを発射して台湾を脅迫した事実も、北朝鮮のテポドンミサイルが日本の頭上を通過したことも、ここ数年何十隻もの中国の軍艦が日本領海で不審な調査活動を行っていることも、昨年9月11日にテロリスト集団が堂々と大国の中心都市に自爆テロをしかけたことも、昨年末北朝鮮船籍の不審船が堂々と日本領海に入り込んで工作活動をしていたことも、全く無視し、「ソ連が崩壊したから北朝鮮が衰弱したから日本は大丈夫。危機はない。いたずらに軍備を整えるな」と平気で述べているのである。挙げ句の果てに、現在日本の唯一の同盟国たる米国を指して「日本を攻撃できる唯一の国」とは……安保反対やら全共闘時代の学生レベルの主張でもあるまいし、21世紀を迎えた日本のジャーナリストが吐くべきセリフではない。今時このような認識を持つのは反政府運動家しかあり得ず、直ちに職を辞して北朝鮮なり中国へ亡命すべきであろう。日本国民たる資格を持たないことは言うまでもない。


 このような時代錯誤的な極左マスコミが世論を誘導し、まともな国家になろうとする国民の意志を60年にわたってゆがめ、封印してきた。しかし、世界の事情は、日本周辺の事態は、このようなくだらぬ議論を待っていてはくれない。日本を愛する国民の一人として、安全な暮らしを確保するためにも、この有事関連法案の一刻も早い成立を望む。そしてまた同時に日本を愛さない反国家極左グループの報道界からの排除が望まれる。(2002/04/16)


4月17日加筆

※呆れたことに、マスコミは、普段あれだけ批判し中傷する野中広務(元幹事長)ですら、「野中氏など有事法制に反対する勢力は自民党内にもある」と強調する。普段は散々けなしておいて都合の良い時だけ利用しようとする態度は浅はかと言うほか無い。
※翌日のフジテレビ「とくダネ!」に至っては、司会者小倉智昭は「加藤紘一議員は辞職、河野洋平議員は手術中、田中真紀子議員も疑惑のさなかで、ハト派の戦争体験者がいない状況(での法案提出は裏を感じる)」とまるで小泉首相の陰謀であるかの歪曲ぶりである。ちなみに前述三人は全く戦争体験者ではない。戦時中に生まれただけでる。番組はその後、生体肝移植を行う河野洋平への激励・礼賛特集を組み「森内閣のころ外相として国のため人よくした」だの「良い議員には不運が襲い、悪い議員が得するばかり」とまで持ち上げた。ちなみに森政権時代は河野外相は当然ひどくけなしていたのである。無節操きわまりない。
さらに小倉某は「かつての安保反対闘争などの時代は、我々若者は真剣に国のことを考えて運動した。最近の若い人はあまりよく考えていないのではないだろうか」と、とうとう視聴者まで中傷し始めた。反対論に固執するのは一人の人間としては理解できるが、そんなものを視聴者に押しつけ、あろうことか視聴者に「ものを考えていない」と暴論を吐くとは何事か。このような人間に報道に携わる資格がないのは言うまでもない。

続いて番組は田中真紀子疑惑にもふれ、「こんなことに時間を費やしている間に有事法制(みたいなとんでもない法律が)バーンと出てきちゃうんだ(中略) 我々は矛先を有事法制に向けなければなりません」と暴論。田中真紀子の疑惑など全く重要でないものをそもそも自分たちがゴシップ的に取り上げた問題である。自分たちで勝手に時間を割いておきながらそれすら否定し、番組全体で反有事法案キャンペーンを行い、議論すら許さない……これで報道番組をうたっているのだから日本のマスコミというのは気楽なものである。