Jul.11th.2004
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GWのアウェイツアー記をほぼ書き終えて、最後の締めに走行距離を調べる。 2500キロ? あれ、「中年チャレンジ3000キロ」と謳ったのに足んないじゃん。 しょうがないので、その3日後に行った新潟までの距離を調べてみた。 花園ICから新潟中央ICまで245.8キロ。 なんとまあ、まるで測ったように往復で500キロ。 こりゃちょうどいいや、ってんで新潟アウェイツアー記を書く。 これでタイトル通りになるのでカンベンしてください。 でも新潟じゃ『ゴー・ウエスト』ってわけにもいかないのでタイトルは変えました。 広島から帰った翌日、埼スタでの鹿島戦に快勝。 次節に迫った新潟戦に向け、ワタシは新潟に住むF君に電話をかけた。 F君は我々夫婦の共通の友人である。 我々の友人には、良く言えば独特なライフスタイルを持つ、悪く言うなら ちょっと普通ではない経歴を持つ人が多い。 ちょっと差し障りがあるケースもあるのでここに書くことは控えるが、 いい歳をしてレッズにウツツを抜かしている我々自身も含めて、 いわゆる「真っ当なオトナ」生活を送っている人は極めて稀なのである。 F君は、数少ないその「真っ当なオトナ」のひとりである。 例えば、今を遡ることウン年前、我々も一応人並みに結婚式を挙げたのであるが、 そのときの司会はF君にお願いした。 結婚式の司会など真っ当なオトナ以外に任せられるものではない。 彼は学校を出たあと、故郷の新潟に戻り地元の有力企業に勤めた。 今はお母さん、奥さんと娘2人の平和な家庭を築いている。 文字通り一家の大黒柱である。 そんな彼とは、彼の結婚式以来会っておらず、毎年の年賀状が唯一のやり取りとなっていた。 ここ2年ほどはお互いアルビレックスの話題を書き足すのが常であった。 だから、去年新潟がJ1昇格を決めたとき、最初に思い浮かんだのがF君のことだ。 「久しぶりに彼に会えるな。」と。 5月8日(土)午前8時、我々は新潟に向け自宅を出発した。 ゲームは明日だが前泊にしたのは、今夜F君と会うためである。 途中関越道を走っていると、前方にどこかで見た色合いのバスが走っている。 近づいてみると、
![]() しかし、車内には大量のおじさんおばさん、というかじーさんばーさんが乗っていた。 一瞬、史上最年少ゴールばかりでなく、 史上最年長ゴール記録も塗り替えてやる というヴェルディの作戦かと思ったが、ナンバーまで緑であることを考えると、 今日は一般の営業運行のようだ。 こんなとこで思いがけずサッカーネタに当たるとは、サッカーの神様ならぬ 「サッカーサイトの神様」がいるんじゃないだろうか。そう思ってしまった。 しかし、これはまだ序章に過ぎなかった。 新潟県に入り、越後川口SAで小休止していると、今度は、どこかで見たどころか、 いつも見慣れた色合いのバスが入ってきた。
![]() もちろん「タイヤは取れてないか?」とお約束のギャグを飛ばしたのは言うまでもない。 選手こそ乗っていなかったが、やはり「サッカーサイトの神様」は存在するようだ。 午前10時半、新潟に到着。 高速を下りて最初に立ち寄った道の駅で、早速『がんばれアルビレックス新潟』の旗を目にする。 予想通り地元には深く浸透しているようだ。 そういえば、走っている地元ナンバーのクルマの9割はアルビのフラッグを付けている (↑ウソ それでも1割くらいは付けていた)。 次に、明日の下見にビッグスワンへ。 さすがに並んでいる人はいなかったが、並びのシートは11番まできていた。 外から見る限りなかなかいいスタジアムという印象だが、近くの交差点の名前が 「清五郎」というのが唯一奇異に映った。 あとで調べたら、アルビサポの間で「清五郎」はビッグスワンの代名詞になっているらしい。
![]() 万代橋のほとりに建つホテルには午後2時に着いた。 万代橋とは、美川憲一の歌う『新潟ブルース』に出てくるあの万代橋である。 『新潟ブルース』といえば、F君の結婚式のときどっかのおっさんが唄っていたのを思い出す。 ♪別れーるまーえにー 抱きしーめたぁーー と結婚式で思いっきり唄っていたのである。 おっさん、空気読め。 そのあと司会者が「新潟で出会い新潟で愛を育んだおふたりに相応しい曲でした。」 とかなんとかフォローしていた。 ナイスフォロー。 F君との約束は5時、まだ時間があるので市内を散策することにした。 まずアルビのオフィシャルショップを探して繁華街の古町へ。 場所は前もって調べておいた。 アーケードのある商店街に入る。さすがは多くのサポーターを抱えるチームだけあって 賑やかな通りに店を構えているのだな。 そう思いながら先に進んでいくと、途中でアーケードが途切れてしまった。 その先は商店街の続きではあるものの少し寂れた感じの古い店が並んでいる。 人通りも格段に少なくなり、ぽつりぽつりと空き店舗も見受けられる。 どうやら道を間違えたか!? そう思いかけたとき、先にオレンジ色ののぼりが見えた。 思いのほか ![]() 店内へ入ると、BGMが普通の家庭用ステレオから流れていた。選手の応援歌である。 ♪まるくすごおる〜 まるくすごおる〜 まるくすごおる〜 お〜いぇ〜 まるでお経のようだ。 その歌らしきものはどうやらマルクス本人が歌っているようだった。 でも、そもそもマルクスもういないし。 いまやマルクスは『Mr.マッスル』『村井国夫』という2つの芸名を使い分け、 芸能界を席巻するほどの売れっ子である。 そんな彼が少しでも全国ネットのTV局に近いチームに行きたいという希望を持ち、 川崎に移籍してしまったことに、何の不思議があろうか。 例によって我々はミニフラグを買って店を後にしたのであるが、改めて レッドボルテージは立派だ という認識を新たにしたのだった。 それから、歩いて近くにある白山神社に向かう。 明日のゲームの快勝をお祈りして、絵馬のコーナー(?)に行ってみると、 あったあった、やっぱり予想通りのものがあった。
![]() そして何故かこんなのもあった。 ![]() F君は変わっていなかった。 少し白髪が目立つくらいで、極端な話、学生の頃と外見のイメージがまるで変わらない。 もっとも、今が若いというよりも当時が老けていたと言ったほうが正しいのであるが。 そして、嫌味のないインテリであるところも変わっていなかった。 我々は学生時代の思い出話から地域経済の現状までいろいろな話に花を咲かせた。 彼はその中で、アルビが完全に地元に定着したこと、J1に昇格した今年以降が勝負であること、 ビッグスワンは清五郎地区の住民の協力なしには建設できなかったことなどを語ってくれた。 また、ビッグスワンで行われたW杯のとき、彼は勤務先の出店で店員をやっていたそうで、 そのときのことも話してくれた。 ゲームの前やハーフタイムはそれこそ物凄い忙しさだったが、一旦ゲームが始まると、 客がぱったりと来なくなるので、その間は店員が交代でゲームを見に行った。 その身をもって味わった体験によると、アイルランドのサポーターはいいヤツが多くて最高で、 イングランドのサポーターは思ったほどヤバくなかった。 あと、失敗談として、決勝リーグに来そうなフランス、イングランド、アルゼンチンのグッズを しこたま準備したらやってきたのがイングランドだけ。 すっかりフランスとアルゼンチンのグッズが余りまくって困ったそうである。 翌朝、ホテルを出た我々はF君の自宅に向かった。 試合後のビッグスワンの周辺は大渋滞するので送り迎えをしてくれると言うのである。 しかもその間、ワタシのクルマをF君の自宅に置かせてくれるとのこと。 恐縮ではあるが非常に有難い。 我々は喜んでその提案を受け入れた。 F君の愛車はメルセデスのAクラスである。 これがまたF君のキャラとぴったりだ。 凡庸でなく、かといって派手でもなく、合理性と意外性を兼ね備えている。 清五郎の交差点で下ろしてもらい並びの列を目指す。 だいたいにおいて、アウェイのスタジアムであっても、早い時間からスタジアムの周辺で 多く見かけるのはレッズサポである。 しかし今日は圧倒的にオレンジに「亀田製菓」のユニフォームが多い。 そんな中、なんとかNURUの皆様の姿を見つけ合流する。 思えばこのGWで4試合め。いつもお世話になります。 スタジアム内に入ると、ホーム側にヘタクソな手書きのダンマクが出されていた。 目を細めよ〜く見てみる。 ![]() 画像提供:SS総裁 確かにあのシーズン鳴尾にはやられまくった記憶しかないが、もう新潟にいないじゃん。 (どうでもいいが『鳴尾直軌』ってどっかの路面電車の会社みたいだ) あと、キックオフ直前にも「卵買ったか?」とかいうダンマクが出た。 あのね、ネタが古すぎるから。 わかんない人もいるから。 てか、ワタシはこの手のダンマクを出されたときいつも思うんだが、たぶん相手サポが 「やられたー!」って思うのは、笑かされたときだよ。 「ひさしぶりですね。 4年前はどこでお会いしましたっけ?」 とか 「白鳥の湖はもうやめたよ」 とか出してよ(ってこれも古いが)。 で、肝心のゲームであるが、 エメ、エメ、エメーーーー!! の3発。 って初昇格チームに対して反則なくらいのエメ攻撃で3−0の完勝であった。 新潟関係者はこの日以降数日間は、ゴール前に走りこんでくるエメの夢を見て うなされたことだろう。 F君は「いやあ、やっぱりあの凄い選手に決められちゃったね。」 迎えに来てくれた車内で口を開いた。 特別サッカーに興味があるわけでもないのだが、たまたま前節の鹿島戦をTVで観て、 エメのことを凄い選手だと思ったのだそうだ。 「ウチのが勝てるかなあって言ったから、あんな凄い選手がいるんだから 勝てる訳ないって言っておいた。だって全然レベルが違うよ。」 このへんがF君の凄いところである。 あまり縁のないことについても眼力は確かなのである。 そんなF君が、こうも言った。 札幌や仙台を例に出し、J1で勝てなくなったら観客が減るのではと危惧する我々に、 力強く断言した。 「新潟は大丈夫。地元全員が支えてるから。」 眼力が確かなF君が言うんだからきっと間違いない。 頼むぞ新潟。サッカー熱を永遠に持ち続けてくれ。 埼玉へ帰る我々に、彼が差し出した土産は一升瓶。「越の寒梅」。 我々にとっての最大の問題は、どうやらこの高級酒を我が家の台所に永遠に持ち続ける ことになりそうだということだ。 (完) |