朧:第七話
繭
●シーン1
SE:ヒュウウウゥゥーーーー(吹きすさぶ風)
チャキィッ(刀を納める音)
朔「―――お疲れ様でした、龍聖様」
郁美「これほどの数の魍魎を一振りで…お見事です、マスター」
SE:シュウゥゥーーー(変化を解く龍聖)
龍聖「―――ありがと、朔、郁美ちゃん♪」
郁美「――あ…」
SE:ザッ(膝を付く郁美)
朔「郁美様 !? 」
龍聖「郁美ちゃん !? 」
SE:タッ(駆け寄る龍聖)
龍聖「大丈夫かい、郁美ちゃん」
朔「お薬がきれてきたのです…さぁ郁美様、これを早く」
郁美「有難う、朔さん…」
SE:ごくっ(薬を飲む郁美)
郁美「――んっ…はぁ、―――もう大丈夫です。ご心配をお掛けしました」
龍聖「気にしないで☆…ゴメンね、僕の創った『月の意思』が完璧なら、郁美ちゃんにこんな辛い思いをさせなくってすむのに…」
郁美「いえ、そんな…勿体ないお言葉です、マスター」
龍聖「朔も、すまないね…郁美ちゃんの体の管理、宜しく頼むよ」
朔「はい、お任せください、龍聖様。―――――それにしても…」
龍聖「朔も思ったかい?」
朔「はい、あまりにも統率の取れていない個体ばかり…四神衆の時の情報とは随分違いますね」
龍聖「そうだね…なら、聞いてみようか?その訳」
朔・郁美『え…?』
SE:ザッ(近付く足音)
男「――――ほぉ…俺の気配が分かるんだな…たいしたモンだ」
龍聖「地獄耳なもんでね♪」
朔「い、いつの間に…龍聖様!この男、危険です!」
龍聖「大丈夫だよ、朔。――――――アナタもコイツラのお仲間?」
男「冗談、そんな半端モンと一緒にするのは止めてくれ…」
龍聖「たいして変わらないよ、僕には。アナタも…この肉の塊りもね――――」
男「口が減らんようだな、坊や…」
SE:ザッ(踏み出す男)
龍聖「よく言われるよ、それ…」
SE:ザッ(迎える龍聖)
朔「いけません、龍聖様!まだ郁美様の疲れが取れておりません、今闘うのは―――」
郁美「大丈夫です!マスター、私は―――――」
男「行くぜぇ、色男…」
SE:ジャリッ(更に詰まる間合い)
女「お止めなさいっ!」
朔・郁美『 !? 』
男「―――ちっ」
龍聖「ヒュウ(口笛)〜♪」

女「いい加減にしなさい!貴方の仕事は何?喧嘩?それとも―――」
男「分かった、分かったって!」
女「この男の無礼は私が詫びるわ、龍聖君」
龍聖「いいよ別に、綺麗なオネーさん☆」
女「あら嬉しい♪最近そんな事言ってもらってないから、ねぇ?」
男「けっ!言えっか、馬鹿馬鹿しい」
龍聖「あはははっ♪―――――で、僕の質問に答えてくれると嬉しいんだけど?」
女「そうだったわね。―――この魍魎たちは私達に従わず、欲望の趣くまま人を襲うだけの連中…
私達とは仲間でもなんでも無いわ。だから私もキミにどうこうって気持ちは無いの、分かる?」
龍聖「なるほど。―――それで僕には何の用?」
女「簡単に言うと、ウチのリーダーがキミに会いたがってるんで、一緒に来て欲しいんだけれど」
龍聖「うん、いいよ」
男「即決だな、おいっ」
龍聖「駄目かい?」
女「とんでもない、歓迎よ☆じゃ、付いて来て」
龍聖「それはイイけど…どうするの?もう一人の龍使いがこっちに向かって来てるって情報、入ってるよ」
女「ノープロブレムよ、既に手は打ってあるから♪」
●シーン2
SE:ブロロローーーーーーーッ(疾走するバイク)
龍司「――――いーい天気だなぁ、牙月ぃ」
牙月「――――いーい天気じゃのぅ、龍司」
龍司「――――空が青いなぁ、牙月ぃ」
牙月「――――空が青いのぅ、龍司君」
龍司「――――ところで、牙月ぃ…」
牙月「――――何じゃ?龍司」
龍司「――――ここ…何処だ…?」
牙月「うーん…何処じゃろうなー」
龍司「…もしかして…道に迷ったとか…?」
牙月「うーん…そうかものぅー…」
SE:ブロロローーーーーーーッ(走り続けるバイク)
龍司「―――――何がそうかもだぁっ!お前が自信満々に道案内するって言うから信じて走ってたんだぞ、俺はっ!」
牙月「わっ、悪かったのぅっ!千年も経てば道も色々変わっとるんじゃっ!」
龍司「かぁ〜っ、何が『ここいらはワシの庭みたいなものじゃ♪』だ…よく言うぜっ!」
牙月「じゃから悪かったって言っておろうがっ!男のくせに女々しすぎじゃぞ、お前はっ!」
龍司「何だとコンニャロっ、同じ展開2回もやられたモンの身にもなってみろってんだっ!」
牙月「それはワシでは無く依り代の方じゃろうがーーーーーーーーっ……
―――――(はっ)龍司、前っ!前ぇっ!」
龍司「はぁ?前が何だって――――えええぇっ !? 」
SE:キキキキイイィィィーーーーーーッ(スキール音)
牙月「みっ、道がーーーーーーーーっ!」
龍司「切れてるーーーーーーーーーっ!」
SE:キキキキイイィィィーーーーーーーーッ
龍司・牙月『うわああぁぁーーーーーーーーーーっ!』
SE:ガシャアアァァァァーーーーーンッ(転倒するバイク)
ザザザザザアアァーーーーッ(斜面を滑り落ちる二人)
静寂
龍司「ってて…おい、牙月!大丈夫か?」
牙月「な、何とかのぅ…しかし、これはどうした事じゃ?」
龍司「道路が陥没してたんだな…それにしてもデカイ穴だなぁ…まるで大きな臼の中みたいだぜ…」
牙月「ともかく、早く此処から抜けん事には…んっ、くっ―――」
龍司「どうした?牙月」
牙月「龍司、変じゃぞ!この砂…どんどん体が沈んでゆくっ!」
SE:ズズズズズズッ(砂にめり込む体)
龍司「何だって?――――うっ、くうっ…一体どうなってんだ、これはっ !? 」
牙月「―――くっ、どんどん体が中央に引き寄せられて―――――あっ、ああっ!」
SE:ザザザザアアァァッ(砂の中から現れる怪物)
怪物「シギャアアアァァァーーーーーーッ」
龍司「なっ、何だ !? あの化け物はっ!」
牙月「――――ぬかった!龍司、ここはヤツの巣じゃっ!」
龍司「ちいぃぃっ!蟻地獄かあぁぁっ!」

SE:ズズズズズスッ(尚も沈む体)
龍司「くそっ、このままじゃヤバイぜ…牙月、お前の力を貸して―――――
(はっ)牙月?どうしたっ、牙月っ !? 」
牙月「―――――はぁ、はぁ…す、すまぬ…龍司…―――体が…動かぬ…」
龍司「そうかっ、薬がきれたのかっ !? ――――しまった、バイクに積んだままだった―――――っ!」
牙月「はぁ、はぁ―――…」
龍司「牙月っ、しっかりしろ!牙月いぃっ!」
SE:ズズズズズズッ(沈み続ける二人)
怪物「シギャアアアアァァァーーッ」
龍司「―――くっ、ち…ちっくしょおおぉぉぉぉーーーーーーーーっ!」
●シーン3
SE:キキイィィーーーーッ
チャッ、バタンッ(車から降りる龍聖達)
男「着いたぜ、来な」
朔「ここは――――」
龍聖「ふーん…何か読めて来たねぇ、展開が」
女「うふふ♪――――ようこそ、私達の本部『青竜』へ―――――!」
●シーン4
SE:ドルルルーーーーーーッ(疾走するバイク)
深雪紀「――――『青竜』が謀反?」
父親「そうだ…残念だがな。――――――以前、奴ら魍魎たちが一斉に気配を消した事は覚えているな?」
深雪紀「はい…(はっ)―――まさか、その時にはもう…」
父親「そういう事だ…既に我々の手の内が筒抜けだったと言う訳だな。だから私は朱雀と玄武隊を引き上げたのさ」
深雪紀「なるほど…裏をかかれているウチはまだ彼らは敵では無いと―――」
父親「あたり〜、で残るは青竜と白虎だったんだが…ほら」
深雪紀「…龍聖…ですね」
父親「うむ、彼の率いる『白虎』が人工の『月の意思』を以って、独自に行動を開始してしまった…
確かにこれも謀反と言えば謀反だが、彼らの目的はあくまでも魍魎の退治だ。
と、なると情報をリークしているのは…」
深雪紀「そんな…彼らは組織の中でも特に戦闘力の高い精鋭達の集団です。
当然、志も結束も誰よりも強い筈―――――いったい…」
父親「この千年で世の中は大きく変わってしまった…そしてそれは我々「四神衆」も同じだったと言う事さ…
俗物に成り下がって本来の使命を見失う…怖いな、力というものは」
深雪紀「―――はい…確か、彼らのリーダーは…」
SE:ドルルルーーーーーーーッ(走り続けるバイク)
●シーン5
SE:ヴイーーーンッ(ドアの開く音)
コツン、コツン(足音)
龍聖「―――――へぇ…久しぶりだねぇ♪」
御堂「――――お前こそ、相変わらずのようだな…龍聖」
父親(モノローグ)《そう、『御堂 蓮』―――――私の…実弟だ――――――!》
SE:コツン、コツン…ドサッ(腰掛ける御堂)
御堂「噂は聞いているぞ…随分と派手にやっているみたいじゃないか」
龍聖「貴方には負けるよ…まさか魍魎達と、こんな事してるなんてね」
御堂「お前もさして変わらんだろう…四神衆もお終いだな、青竜に続いて白虎まで抜けてしまっては」
龍聖「僕は僕のしたいようにしているだけさ…今までも、そしてこれからもね」
御堂「ふっ、喰えないヤツだ…」
女「――――御頭様…」
御堂「…そうだな…別に昔話をする為にお前を呼んだのではない…」
龍聖「だろうね」
御堂「単刀直入に言う―――――我々の仲間になれ、龍聖」
龍聖「仲間に?――――朔、どうしよっか?」
朔「龍聖様、お気を付けてください。この男、何を考えているのか分かりません」
SE:シュボッ(ライターの音・タバコに火をつける男)
男「(すはぁーーーーー)…何だぁ?お嬢ちゃんの顔色を伺わなきゃ、物事一つ決められねぇのか…」
朔「――――っ!」
SE:コツンッ(一歩前へ出る龍聖)
龍聖「―――朔を子ども扱いすると…―――――殺すよ」

男「おもしれぇ…――――やってみろや…」
SE:ジリッ(間を詰める男)
朔「龍聖様、朔は気にしておりません」
龍聖「僕が気にするのさ…朔」
男「へへっ…」
御堂「止めんか、馬鹿者」
男「けどよぉ、頭(かしら)ぁ」
御堂「同じ事を二度言わせるな…」
男「――――ちっ…分かったよ!何かあったら呼べや―――」
SE:カツカツカツ(去っていく男)
御堂「…すまんな、気の荒い番犬でなものでね…」
龍聖「ちゃんと躾けておかないと、飼い主に牙を剥くかもよ?」
御堂「…心しておこう…――――――さて、龍聖…もう一度聞こう。我々の仲間になれ―――――」
朔「龍聖様…」
郁美「マスター…」
龍聖「―――――…ひとつ教えて欲しいな…」
御堂「なんだ?」
龍聖「青竜は四神衆の中でも一番『契約』への忠誠は深かった筈だよね…
そして貴方も、もう一世代後なら間違いなく『龍使い』になってたほどの人物だ…それがどうしてさ?」
御堂「ふん、『契約』か…―――――俺が四神衆を抜けたのは、その馬鹿馬鹿しさに気が付いたからだ。
人間がこの世に出てきてから、たかだか何年経った?――――月はその遥か以前から、この地球を照らし続けていると言うのに…
所詮『契約』なぞ後から出てきた人間の作ったルールに過ぎん…そんなものに縛られて何になるというのだ、龍聖」
龍聖「盛者必衰はこの世の常…か」
御堂「そうだ、この星の歴史の中で人類が淘汰されるのならば、またそれも宿命というもの…
―――――ならば俺はその歴史を見届ける傍観者としてこの力を存分に振るってやるのだ、青竜の徒もろともにな…
龍聖、お前も同じだろう?俺のように自分の力を使って好き勝手に振舞っているお前なら、俺の片腕に相応しい!」
龍聖「…違うね…」
御堂「何…?」
龍聖「僕と貴方とは似ていても、全然違うよ…
―――――確かに僕は自分の力を使って好き勝手にしてる…でもそれは全て魍魎達を退治する為さ…
僕には、そうしなくちゃいけない理由があるんだ…僕の大切な人の為に…」
朔「龍聖様…」
龍聖「…その邪魔をするモノは誰だって容赦はしない…たとえそれが貴方でもね――――――」
御堂「――――――残念だ、龍聖…」
龍聖「交渉決裂…だね…」
SE:ダダダダダッ(御堂の配下に一斉に取り囲まれる龍聖達)
ジャキィッ(構えられる小銃)
朔「龍聖様っ!」
郁美「マスター!」
龍聖「―――準備のイイこと…」
●シーン6
SE:ズズズズズズズーーーーーッ(巣の中央へと引き寄せられる龍司と牙月)
龍司「牙月っ、しっかりしろっ!おいっ!」
牙月「りゅ…龍司…」
龍司「くそっ、何か無いのか?ロープの代わりになりそうな―――――」
SE:ガサガサッ(ジャケットのポケットを探る龍司)
龍司「ちくしょうっ、何か…――――んっ?何だ…これは…―――――『繭』みたいな…」
牙月「繭…じゃと…?」
龍司「牙月?ああ、何か変なのが二個、俺のポケットに…」
牙月「――――龍司、日頃の行いがモノを言うのぅ…ワシらはツイておる…」
龍司「何っ?」
牙月「説明している暇は無い、それを思い切り放り投げるのじゃ!そして強く念じよ、自分の下へ来いと―――――っ!」
龍司「えっ?…いっ、一体――――ええいっ、ままよぉっ!」
SE:ビュン、ヒュウウウウウゥゥゥッ(宙に舞う二つの繭)
カーーーーーーーッ(発光する繭)
龍司「うおっ!なっ、何だぁ?」
SE:ゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーッ(地響き)
龍司「な、何かが地中を…進んで―――――っ!」
SE:ドシュウゥゥゥアアアアッ(砂の中から飛び足す一匹の魍魎)
土竜「ギュロロロオオォォォッ」
龍司「――――っ!お前っ、この前の土竜――――っ!」
怪物「シギャアアアァァァーーーーーッ」
土竜「ギュロロロロオオオォッーーーーーッ」
SE:ズズウウゥゥゥーーーン(格闘する二匹の怪物)
バキイィィッ、ドゴオオッ
龍司「お、俺達を守ってくれているのか…」
?「――――――龍司さんっ、目を閉じてっ!」
龍司「えっ?」
?「早くっ、アタシを信じてっ!」
龍司「――っ、分かったっ!」
SE:ハラハラハラ(宙に舞う粉)
怪物「シギャッ、ジギャアアアアッ!」
龍司「う…一体、何が起こっているんだ…?」
SE:バサッ(龍司に渡されるロープ)
?「私の燐粉でアイツの視界を奪ったの!さぁ、早くこのロープに捕まって!牙月さんもっ!」
龍司「誰だか知らないが、恩に切るぜ!行くぜ、牙月っ!」
牙月「あ、ああ…」
SE:ザザザザッ
ドサァッ(巣から抜け出す二人)
龍司「―――――――た、助かったぜ…(はっ)牙月っ!」
牙月「はぁ…はぁ…」
龍司「――っ、待ってろ!」
SE:タタタタッ
ガシャッ、チャッ(バイクに駆け寄りシートを起こす龍司)
龍司「―――あった、これだっ」
SE:タタタタッ(駆け戻る龍司)
龍司「牙月、薬だっ!早くっ」
牙月「す、すまぬ…(ごくっ)――――っはぁ…」
龍司「ふぃーーー…これで一安心だな…――――でも一体、誰がロープを…」
?「龍司さんっ!」
龍司「?」
SE:タタタタタッ(駆け寄って切る足音)
?「龍司さぁんっ!」
龍司「うわあぁっ」
SE:ドサアッ(何者かに抱きつかれて倒れこむ龍司)
龍司「ってて…な、何だぁ…?」
?「またお会いできて、本当に嬉しいです!龍司さん…」

龍司「え?え?え?…き、キミは一体…」
?「覚えて無いんですか?一夜を共にしたのに(ぐすっ)…」
龍司「えっ?――――えええええっ !? 」
牙月「ほぉ…その話、詳しく聞きたいものじゃのぅ…」
SE:ボキボキィッ(指を鳴らす牙月)
龍司「あああっ !? 牙月、復活早っ!てか俺、死兆星が見えるんですケドっ !? 」
牙月「――――(くすっ)冗談じゃ…お前もフザケるのは程々にせい、龍司はこういう事にまったく免疫がないのじゃ」
?「すいませんっ、牙月さん☆―――ではあらためまして、お久しぶりです龍司さん」
龍司「いや、お久しぶりって言われても…」
牙月「まだ分からんのか?こいつは以前、お前を助けようとして蟷螂の凶刃に倒れた、あの『蛾』じゃ」
龍司「え…ええええええっ?」
?(以下:燐)「はいっ☆あの時は有難う御座いましたっ。私『燐』って言います!」
龍司「えっ、マジ?」
燐「はいっ、マジですっ☆」
龍司「だってだって、あの時確かに『すめらぎ』で―――」
牙月「ワシから説明しよう…龍司、以前話したように『すめらぎ』は良き魍魎の呪縛を解き放ち、永遠の安息をもたらす…
じゃが、ソヤツが強く願った時、その魂は再び現世に戻ってくる事が出来る――――龍使いを守る為にのぅ」
龍司「…そ、そうなの…」
燐「はいっ!龍司さん…アタシ、龍司さんのお役に立ちたくって戻ってきちゃいましたっ☆」
龍司「ま、マジかよ〜…って事は、あの土竜も――――」
燐「はいっ、彼も龍司さんのお役に立つために戻って――――――あ…」
龍司「あ…」
牙月「忘れとった、土竜――――」
SE:ドカッ、バキイイィッ(闘い続けている二匹)
土竜「ギュロロロオオォォッ」
怪物「シギャアアアアァァーーーーーッ」
燐「―――苦戦中ですね…」
龍司「アイツ、俺の為に―――――牙月っ!」
牙月「うむ――――龍司、牙を貸そうか?それとも月を貸そうか?」
龍司「牙だっ!」
牙月「――――承知」
SE:ピシャアアァァァーーーーンッ(雷鳴)
スラァッ、チャッ(すめらぎを抜刀する龍司)
龍司「待ってろ、今行くぞっ!」
SE:ダッ、ヒュウウウウゥッ(巣に飛び込む龍司)
土竜「ギュロロロッ?」
龍司「お待たせーーーーーーっ、お前の背中借りるぞっ!」
土竜「ギュロロロォォッ」
SE:タッ(土竜の背に着地する龍司)
怪物「シギャアアアッ !? 」
龍司「騎馬戦は初めてだが…何とかならあっ!――――いっけぇーーーーーーっ!」
土竜「ギュロロロオオォォォォッ」
SE:ザザザザザザーーーーーーッ
キイィィンッ(土竜の背の上で刀を振るう龍司)
怪物「シギャアアアアッ」
龍司「うおおおおっ!」
SE:ブンッ、キイイインッ(格闘する龍司達)
燐「―――凄い…二人の息がぴったりです…」
牙月「当然じゃな…闘いに措いて天武の才を持つ男と、その男を信じて安息を捨ててまでも馳せ参じたアヤツ…
―――息の合わない筈が無い…(にやり)―――――――――――龍司っ!」
龍司「 !? 」
牙月「ワシはさっさと片付けて休みたいぞ―――――っ♪」
龍司「牙月―――行けるのかっ?」
牙月「無論じゃ、早ぅ言うがよいっ☆」
龍司「―――よおおぉしっ!月を貸せえぇっ―――――牙月いぃっ!」
牙月「承知ぃっ!」
SE:ピシャアアァァァーーーーンッ(雷鳴)
ギュンギュンギュンギュン(唸りを上げる珠)
キィィィィィーーーーーーーン(共鳴音)
龍司「うおおおぉぉぉぉ―――――っ!」
牙月「行くぞ龍司っ!――――――変化退魔降臨身(へんげたいまこうりんしん)―――――ッ!」
龍司・牙月『変・身ッ !! 』
SE:カアアアァァァァァーーーーーーーッ(龍司を包み込む光)
朧「――――――我が牙は人の為に、我が月は愛の為に!
新たな千年紀を刻む者、その名は―――――――――『朧』ッ!」
土竜「ギュロロロォォォオンッ♪」
朧「俺の為にわざわざ…サンキューな…――――――――よおしっ、これで終いだぁっ!」
土竜「ギュロロロオオオオオッ!」
怪物「シギャアアアアアアァァァァァァッ」

SE:ザザザザザザーーーーーーーーッ(怪物に向かう二人)
朧「はああああああぁーーーーーーっ…とおおおぉぉっ!」
SE:ヒュウウゥゥゥゥーーーッ(ジャンプする朧)
土竜「ギュロロロロッ」
SE:ザブウウウウゥッ(砂中に潜る土竜)
燐「ああっ、龍司さんが飛んだと同時に彼が潜っちゃったっ!」
牙月「ふふ…アヤツら、楽しそうじゃのう…」
燐「でも、相手は砂の中を自由に動けるんですよっ!龍司さんが避けられたら――――」
牙月「じゃから、避けられんのじゃ」
燐「え―――?」
SE:ザバアアァァァッ(砂の中から出てくる土竜)
怪物「ジギャアアアァッ !? 」
土竜「ギュロロロオオオォォッ!」
燐「なっ、彼が魍魎を下から持ち上げて―――――――っ!」
朧「行っくぜえええぇぇぇぇっ!上手くやれよおおぉっ!」
土竜「ギュロロロオオオオォォッ!」
SE:ギュウウウウウゥゥゥゥーーーーーンッ(急降下する朧)
牙月「―――見ておれ…急降下から一気に敵を切り裂くぞ」
燐「でっ、でもあれじゃ下の彼も一緒に切っちゃいますよっ!―――――駄目えええぇっ!」
SE:ギュウウウウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーッ(尚も急降下の朧)
朧「うおおおおおぉぉぉーーーーーーーーーーーーっ!」
怪物「シギェアアァァァーーーーーーーッ!」
土竜「ギュロロロオオオォォッ!」
SE:ズバアアアアァァァァァーーーーーーーッ(怪物を切り裂く朧)
怪物「シギィエエエアアアァァァァァァーーーーーーーーッ !!!!!! 」
燐「きゃああああああああーーーーーっ!」
SE:カッキイィィィーーーーーーーンッ(金属の交錯する音)
静寂
燐「…あ、ああ…(ガタガタ)」
牙月「――――燐……目を開けて見てみぃ…」
燐「―――え…?………あ……」
SE:ボオオオオォォーーーッ(燃え上がる怪物)
朧「―――へ…ヘヘェ…♪」
土竜「ギュロロロォッ♪」
燐「―――――も…土竜の『真剣白刃取り』―――――…初めて見た…」
牙月「ワシもじゃ♪――――土竜の巨大な両手があればこそ可能な連係じゃな。
――――朧はそれを信じて打ち込み、アヤツもそれに応えた……見事じゃの、久しぶりに熱くなったわ…」
●シーン7
SE:ダダダダダッ(御堂の配下に一斉に取り囲まれる龍聖達)
ジャキィッ(構えられる小銃)
朔「―――龍聖様…」
龍聖「―――ひゅう〜(口笛)♪」
SE:カツン、カツン(歩み寄る女)
女「――――アタシもホント、残念よ…好みだったのになぁ…坊や」
御堂「龍聖、知っているぞ…お前の連れている依り代に眠る人造の『月の意思』には弱点がある事を…
一定時間内に定着剤となる薬を飲まないと、依り代も、その『月の意思』も死んでしまうと言う事をな――――」
朔「…くっ、―――――龍聖様!この男、郁美様がまだ回復していない事を見抜いています」
郁美「マ、マスター…」
龍聖「うーん、これって結構ピンチかも―――――(はっ)んっ?」
朔「どうされました、龍聖様?」
龍聖「朔、日ごろの行いがモノを言うねぇ…僕らはツイてる」
朔「え?」
SE:ズズズスウウウゥゥゥッンンンンッ(爆発による地鳴り)
女「何事なのっ、これはっ?」
手下「何者かがアジトに侵入したもようです!既に最終ラインを突破され、ここに向かって――――――」
SE:ガシャアアアァァァーーーーーンッ
ドルルルルルルンンッ、キキイイィーーーーーッ(ガラスを突き破って突っ込んでくる深雪紀のバイク)
父親「――――久しぶりだな…蓮…」
御堂「これはこれは頭領、わざわざ出向いて来て下さるとは…お仕事、ご苦労様ですな―――」
父親「いや、これは仕事では無いさ…ただの愚弟をシメに、馬鹿兄貴が来ただけだ…」
御堂「そうですか…では兄者…ここでケリをつけようか―――――ああ?」
SE:ザッ(対峙する二人)
深雪紀「はあああっ!」
SE:ガッ、ガッ、バキイィィッ(手下達を薙ぎ倒す深雪紀)
手下「うあああっ!」
SE:ドサァッ(倒れる手下達)
深雪紀「こっちは全て片付けましたよ、頭領―――――(はっ)頭領っ !? 」
父親「下がっていろ、深雪紀くん…コイツの相手に、キミを庇っている余裕はないぞ…」
御堂「――――嬉しいねぇ、兄者…えらく買ってくれてるじゃないか…」
父親「俺はな…お前と違って自分の力を過信しない…驕らない…そうやっていつも生きて来たんだ…」
御堂「そうだったな…そんなアンタが大嫌いだったよ、俺は――――――」
父親「どこまでも愚弟か…行くぞっ!」
SE:ダダダダダダッ(御堂に向かっていく父親)
女「御頭様っ!」
深雪紀「頭領っ!」
父親「うおおおおおおーーーーーーーーっ」
SE:ダダダダダーーーーーーーーーーッ
御堂「――――――(ふっ)なんてな☆」
父親「―――っ !? 」
SE:フオオォンッ(空を切る父親の手刀)
深雪紀「頭領が―――外したっ !? 」
父親「…失礼な…見たまえ」
深雪紀「え…――――これはっ、ホログラムっ!」
御堂(スピーカー越し)「あっははははっ!兄者よ、血を分けた肉親の事となると、流石のアンタも目が曇るようだな。
悪いが、俺はここで遊んでいる暇は無い―――――また会おう―――――」
父親「――――相変わらず、逃げ足は早いな…」
深雪紀「と、頭領…」
SE:カツカツカツ(歩き出す父親)
深雪紀「――――頭領?」
父親「帰ろうか、深雪紀君☆」
深雪紀「いいんですか?追わなくっても」
父親「アイツの事は私が一番知っている…今の私の手持ちの装備では追いきれない事もね…
言ったろう?私は自分を過信しないと。無理な時は無理っ☆―――――ほれ、さっさと乗っけてってくれ」
深雪紀「頭領…――――はいっ」
SE:ドルルルンッ(火が入る深雪紀のバイク)
ドッドッドッドッ
父親「―――蓮…俺も次は本気で行くぞ…」
深雪紀「何か言いました?頭領」
父親「いや、別に」
深雪紀「そうですか―――じゃ、行きますよっ!」
SE:ドルルルルルルーーーーーーーーーッ(走り出すバイク)
●シーン8
SE:カツカツカツカツ(廊下を歩き続ける御堂たち)
女「御頭様、急ぎましょう」
御堂「そうだな…―――――――くっ…」
女「御頭様?――――どうされたのですか、この出血は!」
御堂「兄者だよ…流石と言うか…俺がホログラムと入れ替わる瞬間に指弾を撃っていたのさ…」
女「早く、手当てをしませんと―――――(はっ)!」
SE:コツン、コツン(ゆっくり歩いてくる足音)
御堂「―――ほぉ…あのドサクサで逃げたとばかり思っていたが…」
SE:コツン(立ち止まる足音)
龍聖「イヤだなぁ…僕がこんな美味しいチャンスを逃すと思うかい…?」
女「――――坊やっ!」
龍聖「ゴメンネ、お姉さん…でも僕も次にいつ、この人と会えるか分からないんでね…
――――――――――ましてや手負い…悪いけど、合理的に行かないと♪」
女「くっ!」
龍聖「二人の兄弟喧嘩にも感謝するよ…――――――おかげで郁美ちゃんが回復する時間を稼げたし…ねぇ?」
郁美「はい、マスター」
朔「龍聖様、郁美様の体調は万全、既にスタンディングバイです」
龍聖「オッケー、じゃ始めようか…――――郁美ちゃん、牙を貸してよ♪」
郁美「――――御意」
SE:ビシャアアアァァァァーーーーーンッ(雷鳴)
スラアッ、チャキイイィッ(抜刀、剣を突きつける龍聖)
龍聖「―――さぁて…覚悟してもらうよ…」
御堂「――――く…」
SE:ジリッ(御堂に近付く龍聖)
龍聖「――――ふふ……――――――ぅん?」
朔「龍聖様?」
郁美「マスター、邪魔が入った様子です」
龍聖「――――ふぅ…今、イイとこなんだけどなぁ…」
SE:ジャリッ(立ちはだかる男)

男「――――そうも行かなくてなぁ…俺と遊んでいけや、坊や…」
龍聖「へぇ…遊べるの?この僕と…」
男「――――けっ!」
御堂「っ、お前―――――」
男「――早く行け」
御堂「しかし…」
男「行けってんだ!」
御堂「―――――分かった…死ぬなよ…」
男「あー、分かった分かった!早よ行け」
御堂「くっ…」
女「御堂様、こちらです」
男「――――――おい…」
女「何よ」
男「お前―――イイ女だったぜ…」
女「―――――男って、ホント卑怯ね―――」
SE:カツカツカツカツ(去っていく御堂と女)
龍聖「―――なーんか、僕が悪役みたいだね…」
男「んなこたぁどーでもイイんだよ!テメーとはどうしてもヤリたかったんだ、俺はなぁ…」
龍聖「奇遇だねぇ、僕も同じさ…」
男「――――ホント気に入らねぇヤツだぜ…お喋りは終ぇだ…(ペッ)」
龍聖「いけないんだ、タバコのポイ捨ては☆」
男「まだ点けてねーからイイんだよ!―――――行くぜぇ…」
SE:ザワッ(男をつつむオーラ)
メキメキメキッ(変化する男の体)
怪物「グルルルルル…ガオオオォォォーーーーーッ」
龍聖「いいよ…やろうか…―――――郁美ちゃん」
郁美「はい、マスター」
龍聖「貸してよ…キミの―――――月を―――――!」
郁美「――――御意」
SE:ビシャアアアァァァァーーーーーンッ(雷鳴)
ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン(唸りを上げる珠)
キィィィィィーーーーーーーン(共鳴音)
怪物「グオオオオオォォォッ!」
龍聖「―――全力で来なよ…僕の相手をするならね――――」
郁美「マスター、私の全てを委ねます!――――――変化破邪降臨身(へんげはじゃこうりんしん)―――――ッ!」
龍聖・郁美『変・身ッ !! 』
SE:カアアアァァァァァーーーーーーーッ(龍聖を包み込む光)
朧「―――――――我が牙は神をも砕き、我が月は天をも照らす!
新たな千年紀を統べる者、その名は―――――――――『朧』ッ!」
SE:カアアアァァァァーーーーーーッ(雷鳴の中に立つ朧)
怪物「ウガアアァァーーーーーーーッ」
朧「ふんっ!」
SE:ガキイイィッンッ!(朧の刀を牙で受ける怪物)
朔「―――龍聖様の刃を口で受け止めたっ?」
郁美「マスター!」
SE:グググググッ(組み合ったままの朧と怪物)
怪物「グルルルルル…」
朧「――ふっ…やるねぇ…――――ぬんっ!」
SE:ビュンッ(空を切る朧の攻撃)
朔「――――くっ、あの至近距離からの龍聖様の肘をかわすとは…」
郁美「でも、刀は自由になりました―――――マスター!」
朧「そうだね…楽しみたいけど郁美ちゃんの体も心配だ――――そろそろ行くかい?」
朔「?」
郁美「はい、マスター」
朧「よぉーーーし、郁美ちゃん!もう一本、牙だあぁっ!」
郁美「―――――御意」
SE:ビシャアアアァァァァーーーーーンッ(雷鳴)
スラアッ、チャキイイィッ(抜刀する朧)
怪物「グルルルルッ !? 」
朔「――――ま、まさか…二刀―――――っ!」
朧「驚いたかい?――――――朔にはサプライズにしたくってね…僕の『月の意思』にはあるんだよ…
―――――――――二本目の牙がね―――――」
怪物「グルル…ウガアアアアァァァーーーーーーッ!」
SE:ダダダダダダターーーーーッ(朧へ駆け出す怪物)
朧「――――悪いね…彼女にはもう―――――会えない…」

SE:スバシュウウゥゥッ(斬撃音)
ポタ、ポタッ(地面に落ちる血)
怪物「グ…グルルルッ…」
朔「す…凄い…手も足も出させなかった…―――――お見事です、龍聖様」
SE:シュウウウゥゥ(変化を解く龍聖)
カツン、カツン(怪物に近付く)
龍聖「――――――逃げても良かったのに…力の差は分かっていた筈だよ」
SE:シュウウウウゥゥ…(人間体に戻る男)
男「………てめぇにゃ分かんねぇだろーが…忠義を失ったら…犬は、お終ぇなんだよ…(がはっ)
―――――――アイツには…恩があんだよ…アイツに拾われなかったら、
俺も…そこいらの一山いくらの魍魎と同じだった…」
SE:スッ(タバコを差し出す龍聖)
男「?」
龍聖「―――――吸うかい?アナタがさっき捨てたタバコだよ」
男「て、テメー…」
龍聖「ライターは要らないよ…もうじき、アナタ自身が燃え上がる…」
男「……――――けっ、最期まで嫌なヤローだぜ、テメーはよ」
龍聖「――よく言われるよ、それ…」
SE:ボオオオォォォッ(燃え上がる男の体)
男「(すはぁーーーーーー)――――――美味ぇ…」
SE:ボオオオオオォォーーーー(燃え続ける男)
男「―――おい、お前」
朔「 !? 」
男「朔って言ったっけか…――――――悪かったな、ガキ扱いして…」
朔「――――いえ…良い輪廻を…」
男「へ…―――――――こんな最期も…悪かねぇ……」
SE:ボオオオオオオーーーーーーーーーーーーーー…(燃え尽きる男の体)
パチ、パチ…(燻り)
龍聖「―――――朔」
朔「はい?」
龍聖「主を間違えた犬は…可哀想だね…」
朔「――――いえ…この男はそれでも幸せだったと思います。自分の信じる主君の為に殉じたのですから…」
龍聖「そうかな…――――朔は、僕について来て…ホントにいいの?」
朔「――――――――聞くまでもない事です、龍聖様」
龍聖「郁美ちゃん…」
郁美「――――同じくです、マスター」
龍聖「…ありがとう」
朔「―――――さぁ、行きましょう。仲間が心配しています」
龍聖「そうだね…うん、行こう♪」
SE:コツコツコツ(歩いていく三人)
●シーン9
SE:シュウウウゥゥゥッ(変化を解く龍司)
牙月「龍司―――…」
SE:タタタタターーーーーッ(走ってくる燐)
燐「龍司さぁーーーーーんっ」
龍司「うわあああぁぁ」
SE:ドサアァッ(倒れる龍司)
龍司「っててて…いちいち飛びつくなっ!」
燐「だって、嬉しくって…」
龍司「それはもう分かったから―――――あ…牙月、体は大丈夫か?」
牙月「大丈夫じゃ!」
龍司「…何怒ってんだよ…?」
牙月「怒っとらんわっ!」
龍司「やっぱり怒って…(はっ)」
SE:タッタッタッタッ(駆け寄ってくる足音)
龍司「?」
?「兄貴ーーーーーーーーっ!」
龍司「いいいいっ?うわああああぁぁぁーーーーーーーっ」
SE:ドサアアァァァァァーーーーーッ(再び倒れこむ龍司)
牙月「――――吹き飛んだ…のぅ」
燐「痛そう…ですねぇ」
龍司「くーーーーーっ、痛ってぇ…何なんだっ、お前は!」
?「兄貴っ、俺ッスよ!会いたかったっスーーーーーーーっ!」
龍司「は?いや、俺はお前なんか知らんぞ――――」
SE:ザッ(近寄る牙月)
牙月「鈍いのー、ソヤツはさっきの土竜じゃ」
龍司「えっ、マジっ?」
?(以下:檄)「はい、マジッス!俺『檄』って言うッス!龍司兄貴、これから宜しくっス!」
龍司「…キャ、キャラ濃いなぁ…兎に角離れろって、暑苦しいっ!」
檄「えええっ?兄貴、酷いっスよぉ〜」
牙月「やれやれ…いきなり大所帯じゃの…(小声)せっかく、二人で旅が出来ると思っておったのに――――」
龍司「え、何か言った?牙月」
牙月「何も言っとらん!」

燐「うふふっ♪――――あっ、でもこうなったらユニット名決めちゃわないと」
龍司「ゆ…ユニット名?」
檄「そーっスよ!やっぱり、旅するならパーティの名前は必要っス!」
龍司「い、いや…そんなのいらないって、おい…」
燐「んーーーー、何がいいかなぁ…」
檄「そーーっスねぇ…」
龍司「…聞いてねぇ…」
燐「――――あっ、これなんかどうですか?―――――『龍司と愉快な仲間達』っ!」
龍司「どこの動物王国だよ、そりゃ!」
牙月「――――却下じゃっ!」
龍司「牙月(ほっ)…」
牙月「―――『龍司と』では無くて『牙月と』じゃろうが!」
龍司「…『愉快な』部分はイイんだ…」
燐「あ、そっかー」
檄「そうっスねー」
龍司「納得かよっ!」
檄「いや、それならいっそ『帝国牙月団』とか」
龍司「それなんて『櫻大戦』っ?」
燐「あー、それもイイかもー」
牙月「んー、難しいのぅー」
龍司「やっぱり俺は無視ですか、あー、そーですかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
第七話終幕
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