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デュナン統一戦争での都市同盟の軍師で、今はこの国の実質的指導者であるシュウの部屋に場違いな人物が二人いた。 その二人は若い娘で、二人ともこの大物の部屋に居ることに気後れしているのか、落ち着かない様子で俯いており、時折相手の顔をチラチラ見ていた。 「・・・遅いなぁ・・・・」 クリーム色のドレスを着て赤いリボンをヘアバンドのようにして髪を押さえた娘が思いの外ハスキーな声で呟いた。 「・・・・もう帰ろうよ・・・・」 青いドレスを着て、淡い色の髪を複雑に結い上げたもう一人の娘が、これまた思いの外低い声で言った。 「でもさぁ・・・」 「・・・分かるけど。せめてさ・・・」 二人がボソボソと話だしてすぐに扉が開いてシュウが入って来た。二人の娘を見てあからさまに溜息をつく。実にところ女性客には当分会いたくないといった心境なのだ。 「で。お嬢さん方、どういった御用件かな?」 わざと不機嫌そうに言う。馬鹿な企みを持って来ていたのなら思い直すこと請け合いの声だった。しかしこの声をきいてクリーム色のドレスの娘が憤然と顔を上げた。 「ちょっと、シュウさん!!よく見てください!」 シュウはその声を聞いて訝しげに相手を見た。肩までの黒褐色の髪で大きな美しい瞳をしたなかなか愛らしい娘だ。もう一人の娘はまるで白磁のような肌をした整った顔立ちの大変美しい娘で、二人とも一度会えば二度と忘れられないタイプだった。 「本当に分からないんですか?!シュウさんらしくもない!僕ですよ!フーロンですっ!」 シュウは唖然として二人を見た。 「・・・フーロン殿?その格好はいったい・・・ではこちらはジョウイ殿・・・・」 フーロンは憮然とした顔をしてそっぽを向き、ジョウイは首まで真っ赤になった。 「・・・あいつ、今度会ったら、シメる・・・・・」 「フーロン・・・・・」 「止めるなよ、ジョウイ、何があっても止めるなよ。」 「・・・止めない・・・手伝う・・・・・」 二人の会話を聞きながらシュウは訳が分からないといった顔をしていた。 そもそもの始まりはゼクセンで懐かしくも嫌な奴に会ったことだ。ゼクセンにも3年近くいるし、そろそろデュナン地方に戻ってみようか、などと酒場で話しているときだった。 「よう!フィン、ジャック、久し振り!変わらねぇなぁ、お前ら」 この街に来るときに使っていた偽名で声をかけられてぎょっとして振り返ると、そのときの傭兵仲間だったベインが立っていた。この男にはあまりいい思い出がない。げんなりしているとベインは二人の肩にがしっと腕を回し二人の顔を強引に引き寄せた。 「まぁ、そうあからさまに嫌そうな顔をするなよ、探してたんだぜ?」 そして二人だけに聞こえるような小声で言った。 「伝言があるんだよ、都市同盟の英雄フーロンにな。」 反射的にベインの腕を振り払っていた。フーロンもジョウイも椅子を蹴って立ち上がる。全身に緊張が漲っていた。酒場の他の客が何事かと振り返って見ている。 「ちょっとからかっただけじゃねえか、可愛い子ちゃん達よう、マジになるんじゃねえよ。」 にやにや笑いを浮かべながらベインが大声で言う。 「・・・行こう」 フーロンが険悪な表情でジョウイを促して店の出口に向かった。 「待てよ!」 ベインが二人を追いかけ、また肩に腕を回して耳元で囁いた。 「話くらい聞けって。ここで大声で本名叫ぶぜ?」 「・・・・いったい何だって言うんです。もう僕はあそこの指導者じゃない。」 低い声で言うフーロンにベインは肩をすくめた。 「さぁてね、俺は単なる伝書バトなんだ。」 そう言って一通の封筒を渡した。フーロンは眉を顰めて封筒を受け取り中をみる。 まだ二人の肩に腕を回したままのベインが囁いた。 「ところで俺への口止め料にどっちかが俺と一晩つきあうってのはどうだ?」 手紙を読みながらのフーロンの拳と必要以上にベタベタしてくるベインに眉を顰めていたジョウイの棍がそれぞれ同時にベインの顎と腹に炸裂した。 「なんだって?」 床にのたうっているベインを全く無視してジョウイが聞いた。 「・・・いや、よくわかんないんだけど・・・・」 これまたベインを全く無視してフーロンが答えた。 「なんか凄く困ってるみたいだ・・・シュウさん・・・・」 「どうする?」 「・・・・うーん。行きたくはないんだけど・・・・」 「シュウさんてあの人だろう?」 ジョウイは天山の峠で会った同盟の軍師を思い出していた。いかにも「切れ者」といった風情の男だった。 「あの人が困ってるんならよっぽどのことじゃないか?」 「うーん。ゲンカク師匠の道場、管理してもらってたしなぁ・・・」 「そろそろデュナンの方に戻ろうって話してたんだし・・・行ってみようよ。」 フーロンはジョウイをじっと見た。 「・・・・ジョウイ、いいの?」 デュナン地方に戻れば危険なのはジョウイの方だ。それが3年もゼクセンに留まっていた理由だった。ましてや行き先がノースウィンドとなると旧都市同盟の本拠地だ。危険は倍増する。 「久し振りにナナミの顔、見たいしさ。フーロンもそう言ってただろう、さっき?」 「だけど・・・」 「なんなら、また染めようか?髪」 微笑みながらジョウイが言ったとき、いきなりベインが復活した。 「そんなんよりいい方法があるぜ!」 その方法というのが「女装」だったのである。「髪を染めたくらいじゃ変装とは言わない」と言うのがベインの弁で、二人ともかなり抵抗はしたが現実に前にあっさりとリィナとアイリに正体がばれたこともあり、しかたなしにベインの勧めにしたがった。確かに悔しい位に二人の正体に気が付く者はいなかったが、ティントに着き、「この先もこのままの方が安全」とのベインの言葉に従ったのが間違いだった。 かえって危険が増したのである、別の意味で。 とにかく男が寄ってくる。下心があるのは本来男である二人には見え見えで気苦労が耐えなかった。よっぽど女装を解こうかとも思ったが、たしかに二人が「英雄フーロン」と「皇王ジョウイ」と気が付く者も皆無なのである。とにかくノースウィンドの城まではと、そのまま行く事にしたのだが、途中レイクウェストの村で飛んでもない目に会うことになった。 トゥーリバーの街を過ぎた辺りで心底疲れた二人は最短の道を選ぶことにした。レイクウェストからの水路である。で、レイクウェストの船着き場に行ったのだが肝心の船がない。なんでも久方ぶりに里帰りしているシロウという博打打ちに巻き上げられたらしい。シロウが船を出すと言えば出港できるという。 「そんなに話の分からない奴ではないから」 と交渉に行ったのだが・・・・。 「ふーん?船ねぇ?」 面識のあるフーロンよりその方がいいだろうと交渉にあたっていたジョウイを足の先から頭までじっとみながらシロウが言った。 「ふーん?」 ジョウイの後ろに立つフーロンにも目を走らせる。そうしてもう一度ジョウイに目を走らせた後言った。 「かまわねぇが・・・・条件がある。」 「・・・なんでしょうか?」 「俺は金で動くつもりはさらさらないし、情で動くつもりもねぇ。」 その言葉を聞いてフーロンは嫌な予感がした。 「こいつで俺に勝てば船をあんたにやる。これでどうだ?」 シロウはそう言って賽子とドンブリを見せた。キョトンとするジョウイの腕をフーロンが引っ張る。 「・・・・忘れてた、こいつの悪い癖だ。陸路にしよう」 小声で言うフーロンにジョウイが小声で聞いた。 「悪い癖?」 「そう。タイ・ホーさんもそうだったけど、こいつ、賭事で相手を判断するんだ。それに結構強い。」 「お金ならモンスター倒したときのが充分あるじゃないか、大丈夫だよ、やってみるよ。」 そう言ってからちらっとシロウの後ろを見た。 「それにあの人に船を返してあげられるかもしれなし・・・」 言われてフーロンがシロウの後ろに立つ元の船の持ち主に目をやると、縋るような目で二人を見ていた。船を取られて困っていたのだ。この二人なら自分達の用事がすんだら船を返してくれるかもしれないと考えているのだろう。フーロンは一瞬たじろいだが心を鬼にした。 「・・・・言っちゃなんだけど、自業自得だよ。やめよう・・・」 「だけど・・・」 小声で揉めている二人にシロウが声を掛けた。 「どうする?賭けにのるんならあんたが勝とうが負けようが船は渡してやるぜ?」 シロウの後ろに立つ元船主の縋るような瞳がさらに力を得た。フーロンはさらにたじろぐ。 「・・・だけど・・・」 「やるよ。これでどちらに転んでも船が手に入る。もう男にナンパされるのはこりごりだよ。」 フーロンの「嫌な予感がするんだけど・・」と言う言葉より早くジョウイが言ってシロウに向き直った。 「それでいいです。」 「よぉし!勝負は先に5000ポッチ勝った方の勝ち。俺は船を賭ける。これでどっちが勝っても船はあんたらのもんだ。」 そこまで言ってニヤリと笑った。 「で?あんたらは何を賭ける?」 「え?」 「金ならいらねぇぜ。そうだな・・・・」 フーロンの悪い予感がどんどん膨れ上がる。 「あんた自身を賭けな。一晩付き合ってもらうぜ。そっちのお嬢さんでもいいけどな。」 二人は一気に青ざめた。 「今更いやとは言わないよな?」 ニヤニヤと笑ったままシロウが言う。元船主の縋るような目とギャラリーの歓声に包まれて逃げようにも逃げられなかった。 「・・・・ジョウイ・・・・絶対勝てよ・・・・」 フーロンの低い、けれど心の底からの声援にジョウイは青ざめたままコクコクと首肯いた。 一回目。掛け金は1000ポッチ ジョウイの出した目は4・1・1。シロウは6・3・3 ギャラリーから溜息が漏れ、二人は青ざめた。 2回目。掛け金は同じく1000ポッチ ジョウイの目は4・5・6で2倍の貰い。これで勝ちは1000。 3回目。掛け金は1000ポッチ ジョウイの目は4・4・5。一瞬の安堵もつかの間、今度はシロウが4・5・6の目を出して2倍の貰い。これでシロウが1000のリード。 4回目。掛け金、同じく1000ポッチ。 ジョウイの目は4・2・2。シロウは6・3・3。 5回目。ジョウイの辛抱が切れた。掛け金3000ポッチ。ギャラリーからどよめきが起きた。これでシロウが勝てば一気に決着がつく。 「止めときなよ」 「だって、これで勝ってもやっと1000ポッチだよ。大丈夫」 慌てて腕を引き小声で言うフーロンにジョウイは答えた。そして賽子が振られる。ジョウイの出した目は・・・2・2・3。シロウは6・3・3。ギャラリーから溜息が漏れた。フーロンとジョウイは青ざめて思わず手を取りあってしまう。 「俺の勝ちだ。約束通り船はやる。あんたらにも約束は守ってもらうぜ。」 そう言うとシロウはニヤっと笑った。 宿屋の2階、シロウが使っている部屋にジョウイはいた。フーロンはかなりしつこく「自分が行く」と言っていたがフーロンの制止を聞かず賭けにのったのも馬鹿な賭けかたをしたのも自分である。 「・・・責任はとるよ・・・」 「ばかっ!責任うんぬんじゃないだろっ!僕ら男なのにっ」 ざめた顔で言うジョウイにフーロンは小声で言った。 「・・・フーロンだって僕とその・・・するじゃないか。」 「・・・・この際僕らの関係は置いといて。シロウの奴、僕らのこと女だって信じてるみたいじゃないか。男だって知ったらごねるよ、きっと。それに・・・・」 フーロンはシロウの方ほちらっと見て言った。 「あいつに抱かれたいのかよ?」 「ばかっ!そんな訳ないだろっ」 小声でぼそぼそと話す二人にシロウが寄ってきた。 「何話してるんだよ、いくぜ」 そう言うとジョウイの腰に手を回し抱くようにして2階に向かって歩きだす。 「ちょ、ちょっと待って!」 「なんでぇ?おめぇの方が相手してくれんのかい?」 思わず硬直するフーロンを残してシロウはジョウイを連れて行ってしまった。 そしてシロウの部屋に居るわけなのだが、ジョウイは壁にへばり付くように立っていた。シロウは悠々と酒を飲んでいる。 「そんなとこに立っていないでこっちに来いよ。」 「・・・はぁ・・・・」 責任は取ると言ったものの、いざとなるとやはり怖けつく。壁に張り付いたままでいるとシロウが苛立ったような声を出した。 「来いってんだよ。そんなとこに立っててどうやって俺を楽しませるつもりだよ」 「・・・はぁ、でも近づいてもどうやって楽しませたらいいんでしょうか・・・?」 一晩中チンチロリンとかカードだったらいいな、などと甘いことを考えつつ答える。 「なにカマトトぶってんだよ、男と女がベッドのある部屋でやることっつったら一つしかないだろ」 やっぱり女だって信じてるのか、と考えつつ沈黙してしまう。フーロンは自分が代わりに行くと言っていたがどうやってこの場を乗りきる気だったんだろう、などと何処か呑気なことを考えていると目の前にシロウが来ていた。 「まったく手間のかかる。よっぽどイイトコのお嬢さんみたいだな。」 そのままジョウイを抱き上げるとベッドの上にほうり投げた。 「ちょ、ちょっと待ってっ」 「またねぇ、俺は気が短いんだ。いい加減覚悟を決めな。」 そう言って服の上から胸を弄る。 「・・・スレンダーだな・・・・」 男だからね、と思いつつジョウイは焦った声を上げた。 「そ、そうなんです。こんなの抱いてもつまんないですよ」 「でもこんなに綺麗な女は初めてだ・・・」 そのままドレスの裾を割り、脚に手を這わせ始める。 「ちょっと待って!すみません!ストップ!」 「観念しなって・・・楽しませてやるから、初めてかい?」 初めてじゃないけど、でも嫌だと思いつつじたばたと暴れる。しかしシロウの手は構わず脚の付け根あたりの這い回り始めた。 「っ!やめっ!」 シロウの手が股間に触れ思わず身体がすくむ。 「や、いやっ!」 這い回る手が何か確認するように動き、止まった。 「・・・・・なんかここにあるのは俺のと同じもののような気が・・・・」 数瞬の沈黙。シロウがジョウイから飛んで離れた。 「お前、男かっーーーーーーーー!」 白い肌を上気させて羞恥に潤んだ目でドレスの裾を慌てて直すジョウイは、そんじょそこらの女よりよっぽど艶っぽい。呆然としてジョウイを見つめるシロウの耳にどさっと重いものが落ちる音が聞こえた。音のした方を振り返るとそこにはベッドの上の人物の連れが落ちていた。 「いってぇー」 可憐な見かけに似合わない言葉を呻いている人物は、どうやら天井を走っている梁から落ちたらしく、尻餅をついた格好で目に涙を浮かべている。 「・・・・もしかして・・・お前も男か・・・?」 呆然と呟くシロウに落ちてきた人物は顔を向けた。 「どうも、お久し振りです」 そう言ってにこっと笑う人物をシロウはじっと見た。 「・・・・・も、もしかしてっ!リー・・」 最後まで言うことができずシロウは崩れ落ちた。崩れ落ちたシロウの向こうにはジョウイが大きな花瓶を持って立っている。どうやらそれでガツンとやったらしい。 「大丈夫?」 「フーロンこそ。大丈夫かい?」 「うん、しかし酷い目に合った・・・」 「それは僕の科白のような気がする・・・・それに何でドレス着てるんだよ。助けに来る気でいたんなら」 フーロンの埃まみれのドレスを見ながらジョウイは言った。 「・・・・僕だけ男の格好に戻っても良かった?」 「なんだよ、それ」 「脱いだら一人じゃ着れないからね、こんな面倒臭いもの。」 「着替える時間ぐらい・・・」 「ない」 きっぱりとフーロンが答える。 「このまま出発するから。船着き場で船頭さんと船主さんが待ってる。」 「・・・待ってるって・・・」 「このままですむわけないだろ?このまま逃げる!」 「・・・・・了解・・・・・・」 そのまま部屋を出ようとしたが、フーロンがふと何かに気が付いたように立ち止まった。 「何?」 「・・・・・先に行ってて・・・・・」 そう言うと部屋の中に引き返した。10分ほど何かをしていたらしいが部屋から出てくると妙に嬉しそうな顔をしていた。 「何してたの?」 「内緒!さぁ、行くよ!」 二人はこっそりと宿を抜け出すと、ノースウィンドに向けて出港した。翌朝、なかなか部屋から出てこないシロウの様子を見に来た宿屋の主人は目の回りに青あざを作り、下着一つで縛り上げられ猿轡をはめられて、さらに腹には墨ででかでかと「すけべ」と書かれて転がっているシロウを見つけた。 「・・・・フーロン殿?」 不機嫌な顔でむっつりと黙り込んでいるフーロンにシュウは声をかけた。 「・・・・こんな訳の分かんない手紙をあんな奴に預けたりして、いったいどうしたって言うんです?」 ゼクセンで受け取った手紙を投げ返しながら不機嫌な声のままフーロンが聞いた。ジョウイは黙って二人を見ている。 「・・・まさかジョウイ殿が同行なさるとは思いませんでしたが、一つお願いがあります。」 「何です?」 フーロンの目には滅多に見せることのないキツイ光が宿っている。 「一年で構いません。指導者としてこの国に戻ってもらえませんか?」 フーロンは椅子から立ち上がった。シュウを睨みつけている。 「この国はまだ安定したわけではありません。むしろ今が一番大事な時期です。」 「行こうジョウイ。用事はすんだよ。」 シュウから目を離さないまま斬り付けるように言うとジョウイを促してそのまま部屋を出ようとした。その腕をシュウが掴む。 「待ってください。あなただってこの国のことを気に掛けているから今回私の手紙を受けて戻られたんでしょう?」 「この国にはナナミがいる。」 その腕を払ってフーロンが言った。 「ナナミの居るところが僕とジョウイの故郷です。この国への関心はそれだけです。」 「フーロン殿!」 そのとき扉が開いて一人の女性が入ってきた。 「・・・・誰も入るなと言っておいたはずだが?」 シュウの不機嫌な声を聞いてその女性は目を伏せる。青い澄んだ目の大人しやかな女性だ。 「すみません。お客様と聞いたので、お茶をと思いまして・・・」 「あーら?もう奥様気取り?」 扉の方から別の女性の声が聞こえた。そこには燃えるような赤毛の猫のようなキツイ目をしたチィナドレスの女性が立っていた。 「でも、あんたのとこのチビがシュウ様の娘だって決まったわけじゃなかったと思うけど?」 「ファーナはシュウ様のお子です!」 青い目の女性がきっとして言い返す。 「あら、じゃあシュウ様ってば二人の女を孕ませたのね、やるじゃない?」 流し目をシュウに向けながら赤毛の女性が言った。 「でも惣領娘はウチのライザですからね。」 フーロンは思いっきり顔を顰めてシュウを見た。シュウはこの男にしては珍しいことに心底困った顔でフーロンを見ていた。 |
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続く
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