安達論文「神様は、貴方に何を期待しておられるか」

第1章、科学的真理の中に神様のお振る舞いを探す
第3節 人類の登場
2、サルの地上復帰

(4)神様を発見
[神様の存在に気付き人類になった] 動物行動学(エソロジー)の研究者達は、これまで、動物の中に宗教を持つものがあるかどうかを、かなり熱心に観察研究し続けて来ている。だが、未だにそれらしきものは発見されていない。どうやら神様の存在することに気付いている動物は、唯一人間だけであるらしい。神様は、我々人間だけに、その存在を、そっとお教え下さったのである。いうなれば、神様の存在に気付いたとき、サルは人間になったのである。
 神様は、そのときは、人間に、神様の存在すること、唯それだけを御啓示下さっただけで、神様の本当のお姿や、神様の本当の御意志は、その時には教えては下さらなかった。何故教えて下さらなかったのかだが?
[本能より学習の方が能率的] それは、神様のお力の有限性によるのである。人間の頭の中に、アプリオリ(先天的)に、神様の本当のお姿、本当の御意志が理解できるようなソフト・プログラムを備え付けるためには、交尾式生殖のところで述べたように、遺伝子の中に、それと同じ内容のソフト・プログラムを作り上げねばならない。そうした進化を人間の神経中枢に齎(もたら)すためには、億年単位の年数が掛かってしまうのである。それよりは、単に神様の存在を気付かせておいて、あとは、人間の大脳新皮質が備えている学習機能(真理探求力)によって、人間自身に、真の神様のお姿や、真の神様の御意志を探索させた方が、遥かに短年月で、人間に真理を悟(さと)らせることが出来るのである。
[大脳の能力開発] 人間作りが、神様の最終目標ではない。前述したように、神様は、御自身の御意向実現の道具として、人間をお作りになったのである。だから、人間が、真の神様の御意向を知っても、人間に、その御意向実現の道具になる能力が無ければなんにもならない。そして、その頃には、まだ人間の大脳新皮質は、神様の御期待に沿えるほど高度なものにはなっていなかった。大脳新皮質の能力は、ハードのコア部分の容量と、後はソフト如何によって決定する。そのうち、ハードの容量は、細胞分裂の回数をあと一回増やすだけで、倍になるというように、かなり簡単にその増加拡大が行なえる。大脳新皮質も、コンピュータと同じで、ある程度大型になってから以降は、その能力は、結局は、ソフト如何によるのである。神様としては、その時点で既に、人間の大脳新皮質の容量の増加に目処(めど)が付いておられた。その時点では、大脳新皮質の容量はまだ充分ではなかったと思うが、神様は、早晩それが十分なものになることの確信を得ておられたのである。そのことは、この後で説明する。いずれにしても、神様は、その時には、人間の大脳新皮質に、ソフトの開発能力を付与することの必要性の方をより強くお感じになっておられたのだと思う。
[神様探しを教材に] 神様の本当のお姿、神様の本当の御意向の探索は、大脳新皮質のソフト開発能力を高度化する恰好の教材になる。人類の学術は、真の神様探しから始まった。哲学は神様探しの学術そのものだった。科学は、哲学以上に、果敢に真の神様のお姿に肉薄して行った。ニュートンが著書の『プリンキピア』の中で述べているように、科学が、神様探しのより正しい方法として登場してきたものであることは間違いない。何れにしても、人間は、その後、真の神様探しを一生懸命やって、大脳新皮質のソフト開発能力を高度化して行った。学術というのは、つまりは今でも真の神様探しに尽きるのである。そういうことで、神様は、その時点では、人間に、神様の存在を気付かせるだけにお留(とど)めになり、人間の大脳新皮質の鍛練のために、人間に、真の神様探しという大きな宿題をお授(さず)けになったのである。
[御啓示の方法] 神様は、どういう方法で、人類に、神様の存在を御啓示遊ばされたかを述べておこう。
 食欲については、視床下部に満腹中枢と摂食中枢があって、その二つで具合良く調節されている。性欲についても、動物の場合は、同様の調節機能があり、特定の季節にのみ性衝動が起る等よく調節されている。だが、人間だけは、性に関する調節機能が無い。人間は生殖年齢に成長してから以降は、常時性的衝動に駆られっぱなしの状態で生きている。多分人間は、完全地上復帰を果たす直前に、性に関する調節機能が破壊されるという退化的突然変異を被(こうむ)ったに違いないのである。ところで、その壊れ方はかなり酷(ひど)いものであった。同性に性衝動を覚(おぼ)えたり、異種の動物にそれを感じたり、生命のない物体にまでそれを感じるというように、それが逸脱し、迷走することさえ制御できなくなってしまったのである。他方、大脳新皮質の方は、その頃、既にかなり大型化していた。大脳新皮質は、幻想,空想という独(ひと)り歩きをする性質を持っている。その大脳新皮質が、調節機能を失った本能的性的欲求からの刺激を、常時受けっぱなしでいる分けである。逸脱・迷走する性欲の刺激を受けて行なわれる大脳新皮質の独(ひと)り歩き、それが何を産み出してくるかだが?

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