悪質借家人撃退作戦


借地借家法の保護のもとにあぐらをかく悪質賃借人に泣いている貸主様は多くいらっしゃいます。いかにしてこの悪質賃借人を追い出すかは、知恵と法律を駆使して作戦を練らなければなりません。貸主様とご一緒に塀事務所がお手伝いします。どうぞご相談下さいませ!

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   (2012/02/05 現在)



時代遅れの借地借家法
                 

終戦直後は、特に都会では戦災で家を焼かれたものも多く貸家も極端に少なく、家を借りようとする者は家主の厳しい条件をのまなければ家も借りられませんでした。(実際に横暴な家主さんは多くいました。)



そこで法律は借家法を制定し、借家人を極端に保護する条文にした結果、少々の契約違反では契約解除の「正当事由」にはならず、家主は泣く泣く契約を続けるか法外な明渡し料を支払って出て行っていただく皮肉な結果となりました。


法律も遅ればせながらこれらの矛盾に気がつき、やっと平成4年8月1日より旧借地法、旧借家法を一緒にした改正借地借家法を制定しましたが、大きな特色としては更新のない「定期借地権、定期建物賃貸借、期限付き建物賃貸借、事業用借地権」等を制定したものですが、借家人保護の精神はいまだに変っておらず、法律を悪用し契約を守らない借家人がいても裁判はなかなか明渡しの許可を出してくれません。



滞納賃料を免除して追出す作戦

家主のAさんは借家人が家賃を3ヶ月ぱったり払わなくなってしまったので、まず内容証明で賃料支払の督促をし、あわせて契約解除の通知も出して、弁護士に明渡訴訟を起こしてもらいました。



第一回目の裁判では裁判官に和解を勧告されました。その理由は「3ヶ月ぐらいの滞納では、即時明渡せという判決は難しいし、証拠調べに6ヶ月から1年ぐらいかかってしまう」と言われました。



そこでAさんは弁護士とも相談し、滞納賃料の3か月分を免除し、預かっている敷金2ヶ月分を返し、2ヵ月後には明渡すという約束を得、早速「即決和解調書」を作成してもらい無事明渡しに成功しました。






使用貸借でも明渡料を出して追い出す


老夫婦の面倒を見る約束で娘夫婦を無償で同居させたが、暴言は吐く、食事は作らない、勝手に留守にするなど虐待に近い扱いを受けているので、いっそのこと家を売却し老人ホームにでも入ろうと思い、娘夫婦に出て行ってくれるよう求めたが出て行かないので裁判に及んだ。第一審では「権利の濫用」などとして明渡しを認めませんでした。



本来賃料を受領していないので「使用貸借」になりいつでも明け渡しは可能なはずですが、裁判は認めてくれないのです。結局は娘夫婦に300万円の明渡し料を支払うことにより追い出しました。



老夫婦が「使用貸借」だから一銭も払う必要がないと意地を張っていたら裁判はもっと長くかかり、健康までも損ねたかもしれないと考えると、これも仕方なかったことと納得せざるを得ません。




貸店舗の無断改築改装禁止の条項

貸家や貸店舗には無断増改築改装禁止の特約条項があります。単なる禁止条項ですと借家人は口頭で承諾を得たなどというかもしれません。そこで「文書による承諾」を得ることと図面を添付させ、家主が承諾したら承諾書と図面に割印をするくらいのことをしなければなりません。






借地上の建物を賃貸する場合

借地上の建物を第三者に貸す場合、特に借家人の無断増改築には注意しなければなりません。うっかりすると借地契約まで解除されることになりかねません。



そこで禁止条項を入れる場合は、「本件建物の敷地の所有者はAであり、家主はこれを賃借しているため、地上建物の増改築は厳重に禁止されているため、これに違反すれば契約解除の恐れがある。よって賃借人が無断で改築改装することを禁止する。」このように借地上建物の賃貸の場合の増改築禁止の条項は具体的に理由を入れると良いでしょう。


即決和解にして確実に明渡させる


すったもんだして、やっと明渡しを承諾させたら明渡承諾書や念書をとると思いますが、これだけでは不完全です。いざ明渡しの次期になったらのらりくらりとして、なかなか明渡さないものです。そこで「即決和解調書」を作成しておくとよいでしょう。



これは将来に向かってその次期が来たら、手続きの上、確実に「明渡しの強制執行」が可能な方法です。賃借人も承諾していなければ作成できませんので、ある程度の期間は賃料も無償にしなければなかなか上手くいきません。



契約解除通知後に賃料を受領をすると無効になる

契約解除は「形成権」なので賃借人に通知した時点から解除の効力が発生します。賃借人が明渡さないからといって再度「賃料」として受領すると解除の効力がなくなります。


このような場合は契約解除の通知をしたのにも拘らず賃貸建物を使用されて損害を被っているという意味で「使用損害金」として受領すると良いでしょう。


又、不当に居座る賃借人には「損害賠償請求」で対抗します。通常の訴訟では従前の賃料と同額でやっています。


供託された賃料は損害金として受け取ればよい


借家人は家主から賃料の増額を請求され払わないと賃料滞納により契約解除をされる恐れがあるため、供託をします。



家主はそのままにしておきますといつまでも家賃が入ってこず、甚だ経済上不利な立場に追い込まれます。かといってそのまま還付を受けますと借家人の供託した額を認めたことになり、以後増額請求ができません。


そこでこのような場合には矢張り「使用損害金」として受領するか、「賃料の一部」として還付を受ければ増額請求はそのままで争えます。


 市販契約書の問題点

※ 一方的「一時使用」は更新される恐れがある。

外国に2年ばかり出張するので、契約書に「一時使用賃貸借契約書」と表題を書き、賃借人は特約事項で「2年の期間満了後に明渡す」とした場合、明渡しを拒否される場合がある。つまり家主の側だけの都合による一時使用というのは説得力に乏しいわけです。



このような場合賃貸人としては借地借家法に基ずいて、6ヶ月から1年前に賃借人に対して「本契約は一時使用の賃貸借契約」につき2年後に帰国して、自己使用の必要性があり更新を拒絶するという通知を出さなければなりません。


※ 1ヶ月の賃料滞納で無催告の契約解除は無効

よく市販の契約書で「1ヶ月たりとも賃料を滞納した場合は催告をせず契約解除ができる」とありますが、これは家主の「権利の濫用」として無効になる場合があります。


※ 子供が生まれたら立ち退く

契約の条件として「子供不可」とするのは有効とされますが、独立性のあるアパートや貸家で「子供が生まれたら立ち退きます」という条項は無効と考えられます。


これは夫婦である以上、将来的に子供が生まれるのはごく自然のことであり、これを規制するのは「公序良俗」に反すると解釈されるからです。


※ 賃貸借契約は「私的契約自由」の原則から何を約束しても基本的には有効ですが、家主の「権利の濫用」や「公序良俗」に反するものは無効と考えられていますので注意!



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