遺言・遺産分割協議書の作成
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<正しい遺言の知識、遺言書の作成、遺産分割協議書の作成、相続の放棄/承認/限定承認>
(ご相談はこのページの巻末をご参照下さい。)

「正しい遺言の知識」
<遺言の重要性>
昔からよく言われていることに、「子孫に美田(ビデン) を残すな!] と言う諺があります。
つまり人間というものは、汗水流して働き、その結果財産というものは残るものであって、親が子供に財産を残したのでは、子供は真面目に働く意欲を失い、よい結果にならないから財産は残さないほうがよいと言う教訓です。
とは言っても、せっかく苦労して作った財産は家族に残していきたいというのは人情です。それならば、せっかく自分が残していった財産の配分が原因で、今迄仲良く暮らしてきた家族が喧嘩になり 「バラバラ」 にならないように、自分が健康なうちに、家族のことを考えた財産の配分を 「遺言書」 と言う形にして残しておくことは大変重要です。
<遺言書の作成>
「遺言書」とは、自分が亡くなった後の財産の配分を決めていく大切な書類ですから、法的にも厳しく制約された方式というものがあります。
この方式に従っていない遺言書は、せっかく家族のために残していっても無効になりますので注意が必要です。
一般的な遺言書の作成方式としては、(緊急時等の特別な場合を除く) 三っつの方式が有ります。つまり 「自筆証書遺言」 「公正証書遺言」 「秘密証書遺言」です。
<自筆証書遺言の作成の仕方>
自筆証書遺言とは、最も手軽な遺言方式ともいえます。 次のことを守ってください!
@ 「遺言書の全文は自筆で書くことが絶対条件です」
ワープロや代筆は無効ですが、筆記具や用紙については特別な制限はありませんので、極端に言えばボールペンでメモ用紙
に書いてもよいのです。
A 「作成した日付は必ず記入すること」
遺言書は何回でも書き直すことができます。一番新しい日付の物が有効となるからです。とは言っても、遺言書が何通も出て
きたのでは、相続人が戸惑いますので、古い遺言書は処分したほうがよいでしょう。
B 「氏名、押印は忘れずに」
氏名は、誰でも認識できるものであれば、ペンネームや芸名でも有効ですが戸籍上の氏名にしておけば間違いありません。
印鑑は認印でもかまいませんが、できれば実印にしておいたほうが良いでしょう。
遺言書が完成したら、封筒に入れ、何が入っているかすぐ解るように、表書きとして「遺言書」 と書き封印して使用した印鑑
で押印して保管します。
自筆証書遺言は自分で保管しなければなりませんので、紛失、破損、汚損が無いように注意しなければなりません。
又、この遺言証書は家庭裁判所で検認後、開封しなければなりません。検認前に開封した場合は無効ではありませんが過料
が課せられます。
<公正証書遺言の作成の仕方>
公正証書遺言とは、遺言書を公正証書にして、遺言の開始まで公証人役場に保管してもらう遺言書のことです。
「遺言の方法」
事前に、遺言する内容を公証人と打ち合わせをし、後日、証人を2名以上連れて公証人役場に出向きます。(公証人役場は
住所地を管轄する役場です)
次に、打ち合わせをした遺言を証人立会いのもと、公証人の面前で口授(クジュ)します。口授とは、声に出して伝えると言うことで
民法上の決め事ですので必ずしなければなりません。
口授が終わったら、公証人はその内容を筆記し、遺言者と証人の前で読み聞かせ間違いの無いことを確認し、遺言者と証人は
署名押印します。
署名押印が終わったら、公証人は公正証書であることを記載し、公証人が署名押印すれば終了です。
「公正証書遺言を作成する際に用意しとく物」
(イ) 遺言者の印鑑証明 (ロ) 戸籍謄本、住民票 (ハ) 遺言書に記載する遺産目録
「公正証書遺言の長所、短所」
(長所)・・・遺言書の原本は、相続開始まで公証人役場で保管するので、紛失、破損、汚損の心配がありません。
公正証書なので法的に無効となることはありません。(専門家の作成による。)
開封において、家庭裁判所の検認を受ける必要はありません。(煩わしさがない)
(短所)・・・証人を2名以上用意しなければならない。 (従って秘密が守りにくい。)
公証人役場まで出向かなければならない。 (費用がかかる。)
<秘密証書遺言の作成の仕方>
秘密証書遺言とは、遺言者が自分で作成した遺言書を、公証人役場で間違いなく遺言者が自らの意思で作成した遺言書であることを証明してもらうことです。
「作成の方法」
まず、自分で自筆証書遺言と同じ要領で、遺言内容を作成します。自筆証書遺言のように、自筆である必要はありませんが、
代筆は無効です。従って、ワープロでもかまいませんが、署名だけは自筆でなければなりません。
遺言書が完成したら、封筒に入れ「遺言書」と表書きし、遺言書で使用した同じ印鑑で封印をします。
必ず同じ印鑑を使用することに注意! 無効になります
完成した遺言書を証人2名以上を連れ、公証人役場に持参し公証人と証人の面前で間違いなく自分の遺言書であることと
氏名、住所を申述します。
申述が終わったら、公証人は提出日、遺言者の申述内容を記載し、公証人、遺言者証人、各自署名押印して終了です。
「秘密証書遺言の長所、短所」
(長所)・・・自筆証書遺言のように、遺言の内容の秘密は守られる。
(短所)・・・公証人が遺言の内容を確認できないので、間違いがあっても訂正できない。
完成した遺言書の保管は、自分でしなければならないので、紛失、破損、汚損の危険性がある。
開封するには、家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
「遺言書でできること、できないこと」
<遺言事項> 法律的に効力を発する事項
@ 身分に関する事項
(イ) 非嫡出子(婚外子)を認知できる。 (ロ) 未成年者の後見人、後見監督人を指定できる。
A 財産処分に関すること
(イ) 遺贈することができる (ロ) 寄付行為ができる (ハ) 信託の指定ができる。
B 相続に関すること
(イ) 相続分を指定できる (ロ) 遺産分割方法を指定できる (ハ) 遺産分割を禁止することができる。
(ニ) 相続人の廃除、又は廃除の取り消しができる
(ホ) 特別受益分の持ち出しの免除ができる (遺産に加えなくてもよいということ。)
(へ) 遺留分減殺方法の指定ができる (遺留分を侵された場合、取り戻す方法)
(ト) 祭祀承継者を指定できる (チ) 遺言執行者を指定できる
<非遺言事項> 遺言はできるが、法律的に何の拘束力も無い事項
@ 結婚、離婚に関すること。
結婚や離婚は当事者の合意にもとづいて行うものですから、一方的にはできません。
A 養子縁組に関すること。
養子は、遺言によっては、縁組も解消もできません。
B 臓器移植や遺体解剖に関すること。
臓器移植や遺体解剖は、家族の同意を必要としますので出来ません。
<遺言執行者とは?>
相続が開始しますと、まず公正証書遺言の場合を除いて、遺言書を開封するには家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
次に、遺言の内容に沿って、執行をしなければなりませんが、遺言の内容によっては法律的手続きも必要となってくる場合もありますので、できたら遺言執行者は、行政書士や弁護士に依頼したほうがよいでしょう。勿論、相続人の中から選んでもかまいません。
<遺言執行者の主な職務>
@ 遺言者の財産目録の作成、不動産の場合には登記簿謄本、登記済権利証をそろえて目録を作ります。
A 相続人の相続割合を示し、遺産の分配をする。不動産の場合は所有権移転登記手続き債権のある場合は、債権の回収も行わ
なければなりません。
B 相続不動産に、不法占有者等がいた場合には、明渡し請求その他の処理をしたうえで相続させなければなりません。
C 相続人以外に、不動産の遺贈があった場合には、受遺者に対して所有権移転手続きをしなければなりません。
D 遺言書に、認知の遺言があった場合には、戸籍に認知の届出をします。
E 遺言書に、相続の廃除又は取消しがあった場合には、家庭裁判所に申立てなければなりません。
「遺産分割協議書の知識」
<遺産の分割とは?>
相続については、故人が 「遺言」 を残しておいてくれれば、遺言どうりに遺産を分配すればよいのですが、遺言書が無い場合は、相続人の間で話し合って(協議をして)、遺産の分割を決めなければなりません。これが、遺産分割協議と言うもので、決まったら 「遺産分割協議書」 を作成します。
<遺産分割の方法>
遺産分割の方法としては、民法による法定相続分によるか、又は、民法906条によると、遺産の分割は 「遺産に属する物、又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況、その他一切の事情を考慮してこれをする」となっているので充分協議をして決めるかです。
つまり、遺産の分割は法定相続分にとらわれず、充分に協議をして決めればよいと言うことです!
<分割協議の前にやっておくこと>
@ 「相続財産の調査、確定」
故人の財産を調査し確定しなければなりません。相続する財産は、資産(積極財産)だけでなく、債務(消極財産)もあると
いうことを、考慮に入れなければなりません。
A 「相続人の確定」
故人に法定相続人 (民法で定められた相続人) が何人いるか調査をして (戸籍調査)確定しておかなければなりません。
たまに、あることですが故人の戸籍謄本を取ってみたら、家族も知らない認知した子供がいたという場合もあります。認知した
子(非嫡出子) も立派な相続人の一人です。
B 「法廷相続人とは」
人が死亡すると、その財産的権利義務はすべて、当然に、一定の親族によって承継されるとあります。それでは、一定の親族
とは誰を指すのでしょうか?
<第一順位の相続人>
被相続人 (故人) の子である。 実子、養子、嫡出子、非嫡出子の区別はありません。(但し、相続分は異なる。)子が死亡
している場合は、子の子供つまり孫が代襲相続をする。
<第二順位の相続人>
子供が無く、又代襲すべき孫もいない場合は、被相続人の直系尊属が相続人になります。つまり被相続人の父母、父母がい
ない場合は祖父母となります。実父母、養父母の区別はありません。
<第三順位の相続人>
第二順位の相続人がいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹が死亡している場合には、その
子供(甥、姪) が代襲相続をする。代襲相続が出来るのは、甥、姪までです。
被相続人の配偶者は常に相続人となる!
C 「法定相続分」
<配偶者と子供の場合>
配偶者2分の1、 子供2分の1 (子供が数人いる場合は、人数分で均等割り)、死亡した子供に孫がいる場合は孫が代襲
相続をする。
非嫡出子は嫡出子の2分の1とする。(非嫡出子も嫡出子と同等にするという論議もありますが、まだ法律にはなっていません)
<配偶者と直系尊属の場合>
配偶者3分の2、 直系尊属3分の1 (直系尊属が数人いる場合は均等割り)
<配偶者と兄弟姉妹の場合>
配偶者4分の3、 兄弟姉妹4分の1 (兄弟姉妹が数人いる場合は均等割り)、死亡した兄弟姉妹がいる場合は子供が
代襲相続をする。父母の一方が違う場合は、父母を同じくする兄弟姉妹の2分の1、(異母又は異父兄弟)
D 「相続財産の範囲」
相続財産に入る主なものとしては、不動産(土地、建物) 家具 漆器 自動車 書画骨董品 宝石 機械器具 商品 現金
預金貸金 売掛金 証券(株券、債権) 特許権商標権 実用新案権 著作権など。
債務も勿論、相続財産です!!
<相続の放棄、承認、限定承認とは?>
被相続人が死亡しますと、その瞬間から資産は法定相続人に承継されたものとされます。
従って、民法では相続開始から3ヶ月以内に、相続の承認、放棄、或いは限定承認をするかを申立てなければならないことになってます。この届出をしないと単純承認をしたものとされます。
相続人は、相続財産の債権、債務をよく検討したうえで、相続の仕方を決めなければなりません。うっかりすると、相続財産では、債務が消滅しないことがあり、個人で負担しなければならない場合もありますので充分注意が必要です。
<生命保険金は相続財産となるのか?>
生命保険金というものは、相続財産には含まれませんが、誰が受取人となるかによって税法上の扱いが違ってきます。
@ (被相続人が保険金支払い者であり、保険金受取人の場合)
本人が死亡すると、結局相続人が受け取ることになるので、相続財産の扱いになり相続税の対象になります。
A (保険金の受取人の中に相続人がいる場合)
相続財産に含まれませんが、相続人間に不公平感が生じますので、特別受益があったということで、相続財産に加算して
相続分を算定すると良いでしょう。受け取った相続人が、相続税を支払います。
B (保険金の受取人を「相続人」とした場合)
この場合は、被相続人が死亡した場合の相続人を指定したものですから、相続財産に含まれます。
C (保険金の受取人が妻であり子供がいない場合)
この場合の相続人としては、被相続人の父母、又は兄弟姉妹ですが、保険金は相続財産に含まれません。
<死亡退職金は相続財産になるか?>
被相続人の死亡前に退職金を受け取っていれば、相続財産に含まれますが、死亡後受け取った退職金であれば、本来相続財産に含まれませんが、やはり相続人間に不公平感が生じますので、生命保険金と同じく、受け取った相続人に特別受益があったということで、相続財産に含めて算定するとよいでしょう。
<内縁の妻は死亡退職金をうけとれるのか?>
内縁の妻とは、「婚姻の届出はしていないが、事実上婚姻関係と同じ事情にあった者」と定め、退職金を受け取る権利のある配偶者と同じ扱いをしているので、ほとんどの場合受け取れます。
<香典は相続財産になるか?>
香典とは、死者への贈与ではなく、遺族に対する慰めの意味と、葬式費用の分担金という解釈をしますので、常識を超えた香典でも無い限り、相続財産には含まれません。
<寄与分とは何か?>
寄与とは、相続人の中に、被相続人に対して労務の提供や、財産上の給付、療養看護、など 「特別に」 寄与した者がいる場合には、相続人間で協議をし金銭に換算します。その金額を相続財産から控除して算定します。特別にですから、単なる親孝行や家の手伝いをした程度では特別な寄与にはなりません。
以上の準備ができたら、具体的に遺産分割の協議に入りますが、協議には必ず相続人全員の参加で行わなければなりません。協議が終了したら 「遺産分割協議書」 を作成します。
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