離婚は上手にしましょう

 今回この問題を取上げたのは、決して離婚を推奨するもので無いことを一応申し上げておきます。
 何故なら、夫婦の離婚によって被害を受けるのは、やはり一番にあなた方の子供さんであり、私と
しては出来るだけその事をお考えの上結論を出されることをお願いしておきます。
 しかし、子供のためとも言ってられない場合も、数多く見受けられます。
 たとえば、夫婦の意見の相違により喧嘩が絶えないとか、相手方の暴力という様に、むしろ離婚し
た方が子供にとっても良いのではないかと思われるケースも有ります。
 では、やむを得ず離婚しなければならなくなった場合には、新たな旅立ちにあたりどの様な事を夫
婦間で決めて於かなければならないか協議離婚の場合を基にして思いついたことを記載したいと思い
ますので、多少なりお役に立てればと思います。

 1.協議離婚は、夫婦に離婚する意思の合意があり、市区町村の窓口にある離婚届書に必要事項を
  記入し、双方が署名・捺印の上その戸籍係へ提出し受理されて成立します。

 2.離婚の際、その条件として子供の親権・監護及び面会の問題・養育費・慰謝料・土地家屋等の
  財産をどう分けるのか(財産分与)等々、人それぞれ解決しておかなければならない事項は違っ
  てくると思いますが、夫婦間でそれらを決める必要があります。

 3.上記の解決しなければならない問題はどの時点で決めたらよいのかですが、まず、子供の親権
  に付いては、離婚届書に記入する必要があり離婚の前に必ず決めておかなければなりません、そ
  の他の事項については、離婚前でも後でも離婚は可能です。但し、離婚後にその条件について相
  手方が誠意をもって話合いに応じてくれるかとなると、夫婦間の愛情が離れた(そうでない人も
  いるかも知れないが)今、自分のことが優先して、あなたの望むような解決は無理でしょうから
  出来るだけ離婚届の前に全部解決しておくことをお薦めします。

 4.尚、離婚条件に付いては、その届けの前に公証人役場において公正証書を作成しておくと良い
  でしょう。
   なぜなら、養育費や慰謝料等の支払が滞った場合に相手から回収しやすいからです。

 5.次に、離婚条件に付いて決定する上で参考にしてもらいたい事項を下記に記載します。

   ●子供の親権者及び監護者に付いて
      夫婦は離婚によって、お互いに相手方とはいわゆるあかの他人になりますが、子供につ
     いてはそうは行きません。親には子供が成人に達するまでは、養育及び監護の責任があり
     ます。
      未成年の子供がいる場合婚姻中は、父母が共同して親権及び監護を行いますが、離婚し
     た場合にはどちらかが親権者及び監護者となる必要があります。
      その場合一般的に、乳飲子又は幼児の場合に多くは母親が親権者及び監護者となるでし
     ょうが、子供がある程度の年齢になれば、離婚という内容も理解出来ると思いますのでよ
     く説明し、どちらの親と暮したいのか子供の意思を尊重した上で決められるようにしたい
     ものです。
      また、両親とも互いに親権を譲らず離婚話がうまくいかないと言う場合もよくあると思
     いますが、その場合には、親権者と監護者を分離してそれぞれが当るという方法も考えて
     みては如何でしょうか。

   ●養育費に付いて
      離婚して親権者がどちらかに決定したとしても親は、子供が成人に達するまでは、その
     子供の生活を保障する義務があります。
      その為には、離婚後も両親は共同して養育費を負担しなければなりません、養育費の算
     定については、まず、子供が成人に達するまでにどの程度の費用がかかるのか計算し、そ
     れぞれの収入に応じて負担することとなるでしょう。
      尚、その支払方法については
通常月極となるでしょうが、支払が滞らないようにする為
     にも相手方と子供との面接交流は、あなたが望まなくてもさせる必要があるでしょう。
      また、特別な事情により負担する金額を変更しなければならない場合も考えられるでし
     ょうが、その場合離婚時と違い話がまとまりにくいと思いますで、
調停・審判の手続を利
     用すると良いでしょう。

   ●慰謝料に付いて
      離婚の原因が、どちらかに責任がある場合には、その相手方は損害賠償として慰謝料を
     請求することが出来ますが、その責任の程度や回数により金額は違って来ますが多くても
     数百万程度と思います。支払方法については多少額が少なくなっても一括払いを要求した
     方が確実でしょう。
      尚、この請求は離婚後
3年以内に請求しないと時効により請求出来なくなります。
      又、税金については非課税扱いになります。

   ●財産分与に付いて
      婚姻中に、夫婦の協力により得た財産は、現在どちらの名義となっていても、その財産
     を築く為にお互いに貢献していたわけですから、財産分与という形で相手方に請求するこ
     とが出来ます。
      尚、財産分与の額の決定基準について、現在民法上詳細な規定はなく、改正案としては
     財産分与の明確な基準が設けられる予定ですが、現段階では財産の2分の1を基準として
     計算することとなるでしょう。
      但し、財産中に婚姻前より所有していた財産や親から贈与された財産などがある場合に
     はその対象から除外します。
      次に、財産分与に伴う税金についてお話しします。
       ア.財産分与によって取得した財産については、その額が相当な範囲のものであれば
        
税金は課税されませんが、婚姻中の協力により形成された財産の額等を考慮して、
        その額が過当の場合にはその部分については贈与税が課されます。
       イ.不動産の場合、
財産分与の日付は離婚届の日以降にしなければなりません、これ
        はその日以前であると、親族間で譲渡が行われたと取扱われ譲渡税の対象になりま
        す。
         尚、居住用の土地・建物を財産分与した場合には離婚届の日付の前に財産分与を
        行ってしまった場合は、居住用資産の譲渡の場合の3,000万円の特別控除が受
        けられないので多額の税金がかかる事がありますので注意して下さい。
         税務署の取扱として、離婚の日以前に財産分与されたとしても、その事情を上申
        書で提出することによって認められる事もあるようです。
         ですから、
離婚届前に財産分与の所有権移転登記に必要な書類を相手方から預り
        離婚届け以後の日をもって手続するようにして下さい。その方が相手方もスムーズ
        に必要書類を交付してくれると思います。
         以下に財産分与の所有権移転登記に必要な書類例を記載します。
            登記済権利証
            所有者の印鑑証明書
            不動産の評価通知書(市区町村役場で交付)
            分与を受ける方の住民票
            委任状(所有者は実印を押す)
            農地の場合には農地法の許可書

●公正証書又は調停に付いて
  協議離婚が成立したら、お互いの条件が確実に履行されるように、公証人役場で公正証書にして
 おくか、又は、家庭裁判所に調停を申立て調停調書を作成しておく事をお薦めします。

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