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改正不動産登記法について〜背景〜 | ||
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不動産登記法の改正ポイント | ||
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改正不動産登記法の実務@<土地分筆登記> | ||
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改正不動産登記法の実務A<原本還付> | ||
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改正不動産登記法の実務B<地図訂正> | ||
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改正不動産登記法の実務C<地図訂正>補足 |
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改正不動産登記法の実務D<筆界特定制度の背景> |
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改正不動産登記法の実務E<筆界特定制度のポイント@> |
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改正不動産登記法の実務F<筆界特定制度のポイントA> |
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改正不動産登記法の実務G<筆界特定制度のポイントB> |
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改正不動産登記法の実務H<筆界特定制度のポイントC> |
今回の不動産登記法の改正は、行政手続きに関する申請手続きを電子化して行うことであります。平成6年12月25日に閣議決定された「行政情報化推進基本計画」や平成11年12月19日内閣総理大臣決定の「ミレニアム・プロジェクト」において電子政府を実現するための政府認証基盤整備が掲げられました。また平成13年1月22日の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部のe-Japan戦略では「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家になる」とうい目的を実現するために、「2003年までに国が提供する実質的にすべての行政手続きをインターネット経由で可能とする」という政府方針があります。 改正不動産登記法は、これらの政府方針に従って、不動産登記の正確性を確保しつつ、登記事務の簡素化・効率化を図り、オンライン申請手続きにより申請することを目的としています。登記所に出向くことなく、ネット上で申請処理状況を確認でき、登記完了後に交付される現在の登記済権利書に代わる「登記識別情報」もネット上で受領できるなど、オンライン申請のメリットを国民が享受でき、国民の利便性の一層の向上と負担軽減を図るものであるようです。
@当事者出頭主義の廃止:オンライン申請の本質から当事者の出頭主義は廃止されました。表示は勿論、権利に関する登記においても郵送による申請が認められるようになり申請情報の送達手段が多様になりました。 A登記識別情報の制度および新たな本人確認制度の創設:登記制度特有の本人確認制度は単に存続するにとどまらず、これまでの登記済証の偽造などの事故に類似した不正な申請を防ぐ意味から旧来以上に厳格な本人確認の制度がなされています。事前通知制度と保証書の廃止、登記官による本人確認、資格者(司法書士・土地家屋調査士)における本人確認の活用があります。また、オンライン申請の運用を可能とする制度構築として、登記識別情報があります。 B権利の登記における登記原因証明情報の制度:登記情報の正確性の確保のため、申請書副本の制度を廃止し、登記原因情報の提供が必須となりました。 C表示に関する登記における添付情報の提供に関する特則、登記官による実地調査に関し土地家屋調査士の作成する調査報告書の活用:令13条、規則第93条に明文化され、調査報告書の活用により登記事務手続きがよりスムーズになるようになりました。 D登記完了通知制度および完了証に関する規定の整備:従来の登記済証(権利書)の制度は廃止されることになり、登記完了通知の制度が整備され、登記完了証が発行されることとなりました。(従来の権利書という概念のものではありません。) E電磁的記録の本則化:添付図面情報は、XMLによる文書化が決定されました。登記簿の電子化は勿論、地図・建物図面・地積測量図の電子化がなされます。
土地の分筆登記を申請する場合、提供する分筆後の土地の地積測量図については、新不動産登記法の施行後においても、1筆の土地ごとに作成しなければならないとしています。しかし、分筆の登記の申請において、「※特別の事情がある場合」を除き、分筆後の土地の全ての土地について地積の求積方法を明確にすることになりました。 では、どのような場合を「※特別の事情がある場合」というのでしょうか。次の@〜Cとしています。 @分筆前の土地が広大であり、分筆後の土地の一方がわずかであるとき。 A法14条地図が備え付けられており、分筆前の地積と分筆後の地積の差が誤差の限度内であるとき。 B座標値が記録されている地積測量図など既存の資料により分筆前の地積と分筆後の地積の差が誤差の限度内で あるとき。 C道路買収などの公共事業に基づく登記の嘱託が大量一括にされ、かつ、分筆前の地積と分筆後の地積の差が誤 差の限度内であるとき。 一般的な場合の分筆で、土地を2筆に分筆する場合、旧法では、一方を実測求積して、一方は登記簿の面積からの引き算(残地求積)が可能でした。新不動産登記法の施行後は分筆する土地の両方とも求積する必要があります。ということは、殆どの場合、分筆登記を前提に地積更正登記(面積を正しくする登記)が必要になるということです。 また、土地の一部分のみ境界が確定できないような場合、旧法では、境界が確定できない部分を残地処理(登記簿の面積からの引き算する手法)できましたが、新法からはこのテクニックが通用しないということになります。(境界が一部でも確定できなかった場合、地積更正登記が出来ない為です。) このような背景には地図の精度および正確性を維持するとともに、地籍の明確化を図りたいという意図があるようです。しかし、実務的には、もっと柔軟な判断が必要になるのではないかと感じています。
新不動産登記法の施行後、原本還付の考え方が変わっております。まず、原本の還付してもらえる時期について記述します。旧不動産登記法では、登記申請と同時に、原本を「即日還付」するという手続きが可能でした(登記業界では「ソッカン」と言っていました)。ところが新法では、この「即日還付」ができなくなりました(不動産登記規則第55条第3項)。「即日還付」ができなくなることの弊害は次のとおりです。 一般の請負建築の場合、建物表示登記の時期と建物の完了検査の時期が重なる事がしばしばあります。その場合、建物表題登記の申請時に建築確認書を「即日還付」して、その翌日に完了検査をするということが可能でした。ところが、新法施行後は、このような融通がききません。 次に、原本還付できない書類について記述します。新法では、原本還付しない書類を明記しています(不動産登記規則第55条)。まず、登記申請の「委任状」は還付できません。次に、登記申請のために作成された書類に添付する「印鑑証明書」は還付できません。 実務的に次ような「印鑑証明書」は還付できないとの見解です。 ・「委任状」に添付する印鑑証明書 ・「上申書」に添付する印鑑証明書 ・「直営工事理由書」に添付する会社の印鑑証明書 ※「引渡証明書」に添付する会社の印鑑証明書は還付できます。 上記のとおり、還付できない印鑑証明書もありますので、事前に何枚、印鑑証明書が必要になるのかを考えておく必要がありますね。旧法までは、建物表示登記の「上申書」の印鑑証明書を還付して、抵当権設定用に流用するようなケースが多々ありましたが、新法施行からは出来ません。 また、建売住宅の場合、旧法では会社の印鑑証明書1枚で全ての登記が出来ましたが、新法施行後は、「直営工事理由書」用、土地所有権移転の「委任状」用で2枚の会社印鑑証明書の原本が必要になります。
土地の地積を更正登記する場合や土地を分筆登記する場合に、公図(地図)と現地が合致しない場合、地図訂正の申出をしなければなりません。公図(地図)と現地が合致しないというのは、例えば、 ・隣接する土地の地番が現況と異なる ・申請地の形状が異なる ・隣接する土地との配置がずれている ・登記したい土地の地番がない(公図に記載されていない) などがあります。地図が現地と異なる理由は、色々と有るのですが、法務局としては「登記をする際にこれらの間違いを訂正させよう」という考えです。 平成17年3月の不動産登記法改正以前は上記のことが、明文化されていませんでした。しかし、今回の改正により明確にされています。まず、誰が地図訂正を申出できるかというと、 ・土地の所有権の登記名義人 ・土地の所有権の登記名義人の相続人、一般継承人 になります。(不動産登記規則第16条第1項) また、上記の地図訂正の申出をする場合において、当該土地の登記記録の地積に錯誤があるときは、地積に関する訂正の登記の申請と併せてしなければならない(不動産登記規則第16条第2項)とされています。地図の訂正では、登記申請したい土地1筆の地図だけを訂正するわけではなく、当然、隣接の土地の形状、地番、区画線も訂正します。ということは、「公図を訂正する土地の全筆の地積更正登記を同時にしないと訂正できない」ということになります。この条文を鵜呑みにすると、地図の訂正は殆ど不可能になり、依頼を受けた申請地の分筆登記ができないという事態になってしまいます。 このような背景には地図の精度および正確性を維持するとともに、地籍の明確化を図りたいという法務省の意図があります。しかし、実務的には、もっと柔軟な対応が必要になるのではないかと感じています。弊事務所としては、今までどおり、地図訂正がスムーズに出来るように法務局に対して積極的に相談・打合せをしていきたいと考えています。
上記の改正不動産登記の実務B<地図訂正>について、補足をさせていただきます。日本全国の法務局に地図は約640万枚備え付けられているようです。その内、不動産登記法14条地図(境界が確定しており、地積も確定されている地図)は約350万枚あるようです。つまり、概ね54%の地図は法14条地図ということです。この法14条地図の訂正をする必要が生じた場合、上記のように「地積測量図を提出して、地積が誤差の範囲を越えるときは地積更正登記をしなければならない」(不動産登規則16条2項)という考え方は理解できます。 それでは、残りの45%の地図(地図に準ずる図面)を訂正する場合もこの不動産登記規則16条2項をあてはめるのでしょうか?下表のように、大阪法務局管内に限りますと約95%がこの地図(地図に準ずる図面)になります。この地図(地図に準ずる図面)は地番と区画線があるのみで、境界が確定している地図ではありません。境界が明確ではない地図(地図に準ずる図面)を訂正するために、わざわざ、地積更正登記を義務付けされるのは不思議でなりません。 法14条地図でない地図(地図に準ずる図面)を訂正する場合は、従来どおり、「土地所在図」(土地の区画と地番のみ記載した図面)を提出して地図(地図に準ずる図面)を訂正するという考え方もあるべきと思います。「土地所在図」には求積表を記載しないので、勿論、地積更正登記を前提とする事もないと思います。
平成17年4月6日、第162回国会において、「不動産登記法の一部を改正する法律」が成立し、同月13日に公布されました。この法律は、不動産登記法を改正して筆界特定制度を新たに導入するとともに、これにともない、土地家屋調査士法、司法書士法に筆界特定の手続の代理業務についての規定を加え、かつ、司法制度改革推進本部決定に基づき、裁判外紛争解決手続の代理業務について土地家屋調査士法、司法書士法に所要の規定を整備すること等を内容とするものであります。 この筆界特定制度とは、筆界特定登記官が、土地の所有権登記名義人の申請に基づき、外部専門家から任命される筆界調査委員(土地家屋調査士、弁護士)による調査結果及び意見を踏まえ、1筆の土地と他の土地との間の筆界の現地における位置について判断を示す制度であります。(必ずしも境界点を決定されるということではありません。) これまで、筆界が不明な場合は、境界確定訴訟による以外に公の機関による判断を得る方法がありませんでしたが、今回の筆界特定制度で、行政レベルで土地の境界を適正かつ迅速(6ヶ月程度)に特定することを目的としており、これにより、筆界をめぐる紛争を早期に解決し、又は予防するとともに、地図整備にも活用されることを期待されています。 この筆界特定は境界確定訴訟の判決が確定したときは抵触する限度で失効しますが、筆界特定における迅速かつ充実した審理に役立つことが期待されます。また、これまで境界確定訴訟により解決されてきたいわゆる境界紛争について、境界特定制度という選択肢が広がることになります。
現行の制度では、土地の筆界について争いが生じた場合には、境界確定訴訟により境界を明かにすることが可能です。しかし、境界確定訴訟は証拠資料の収集は当事者の負担となるほか、専門家の関与が当然には保障されません。本来、筆界は行政が定めたものであるから、その位置が明らかでなくなったときは、訴えを提起するまでもなく、行政レベルで適正かつ迅速に筆界を明らかにするための制度を設けるべきという事から筆界特定制度が創設されました。今回から数回に分けて、その概要を報告いたします。 筆界特定の対象となる筆界とは、登記されている1筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、当該1筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点およびこれらを結ぶ直線をいいます。よって、未登記の土地間には、この制度の対象となる筆界はありません。 筆界特定とは、筆界の現地における位置を特定することであります。筆界特定は、過去に1筆の土地が登記された時に当該土地の区画を構成するとされた線を現地において発見し、特定する作用であり、新たな筆界を形成するものではありません。仮に調査を尽くしても筆界の位置を特定することができないときは、筆界確定訴訟のように筆界を形成をせず、筆界の位置の範囲を特定することになります。(「概ね、この当たり」ということになります。)
現行の制度では、土地の筆界について争いが生じた場合には、境界確定訴訟により境界を明かにすることが可能です。しかし、境界確定訴訟は証拠資料の収集は当事者の負担となるほか、専門家の関与が当然には保障されません。本来、筆界は行政が定めたものであるから、その位置が明らかでなくなったときは、訴えを提起するまでもなく、行政レベルで適正かつ迅速に筆界を明らかにするための制度を設けるべきという事から筆界特定制度が創設されました。今回から数回に分けて、その概要を報告いたします。 もともと国家が土地を人為的に区画するのは、1個の所有権の客体として、その範囲を明らかにする点にあることから、1筆の土地の範囲は、当該土地を目的とする所有権の範囲と一致するのが本来の姿です。したがって、筆界が特定されるということは、事実上、所有権の及ぶ範囲を推定する機能を持ちます。 しかし、土地の一部の時効取得や土地の一部を譲渡することにより、1筆の土地の一部に所有権が成立することが認められていますので、筆界と所有権界とは別ものと言わざるを得ません。また、筆界が特定されてはじめて、所有権が1筆の土地の一部に成立しているかどうかも正確には判明することになります。 筆界特定制度は、登記された土地の区画を特定する制度であり、所有権の範囲そのものを特定するものではありません。これは、境界確定訴訟においても、その対象がいわゆる公法上の境界であって、所有権の範囲の確認ではないと解されていることと同様であります。 したがって、筆界の特定を求めるのではなく、時効取得やその他の理由により成立した所有権の範囲を特定することを求める請求は却下されることになります。もっとも、筆界の特定を求める申請である限り、それが事実上、所有権の範囲を特定することを意図するものであったとしても、却下されることはありません。却下されるのは、あくまでも、筆界の特定とは無関係に所有権やその他の権利の成立範囲の特定を求めるような場合だけであります。
筆界特定の実務は、対象土地の所在地を管轄する法務局または地方法務局が司ります(124条)。法務局の支局や出張所ではありません。対象土地とは筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する二つの土地をさします(123条3)。筆界特定は、筆界特定登記官が筆界調査委員の意見を踏まえて判断します(125条、143条)。筆界調査委員は、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出することを任務とし、そのために必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから任命されます(127条)。筆界調査委員は、土地家屋調査士・司法書士・弁護士などから構成されます。筆界調査委員は、筆界特定の申請があったときに、事件ごとに指定され、具体的な事件について事実の調査および意見の提出を行うことになります(134条)。尚、対象土地や関係土地についての一定の利外関係を有することは、筆界特定登記官または筆界調査委員の除斥事由となります(126条)。
現行の制度では、土地の筆界について争いが生じた場合には、境界確定訴訟により境界を明かにすることが可能です。しかし、境界確定訴訟は証拠資料の収集は当事者の負担となるほか、専門家の関与が当然には保障されません。本来、筆界は行政が定めたものであるから、その位置が明らかでなくなったときは、訴えを提起するまでもなく、行政レベルで適正かつ迅速に筆界を明らかにするための制度を設けるべきという事から筆界特定制度が創設されました。 数回に分けて、その概要を報告いたします。 筆界調査委員は、土地家屋調査士・司法書士・弁護士などから構成されます。筆界調査委員は、対象土地または関係土地その他の土地の測量または実地調査をすることができます。また、申請人若しくは関係人から知っている事実を聴取ること、資料の提出を求めることができます(135条)。また、測量・実地調査にあたり、必要と認めるときには、筆界調査委員を他人の土地に立入らせることができます(137条)。 土地の占有者は、正当な理由が無い限り、筆界調査委員による立入りを拒み、または妨げてはならず、これに違反した場合には罰則による制裁があります(137条5項、162条3号)。 このように、筆界特定の手続きは行政側が専門家を利用して職権で必要な資料を収集し、また、境界立会の協力をいただけない場合でも隣地に立入ることができる権限を持っているところに特色があります。 |
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※毎月1回程度、更新いたします。次回をお楽しみに!!
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