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コラムNo.3 和紙と環境 |
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近年、「地球環境にやさしい素材」という点から、和紙が脚光を浴びています。 今回のコラムではその理由と、和紙の定義の曖昧さ(*)ゆえの誤解を紹介します。 1、和紙は循環する 和紙が環境にやさしい理由として、自然環境の中で比較的容易に循環 (再利用)できる素材であるということが考えられます。 ただし、この循環は「伝統的製法」の場合に成立しまするものであって、「近代的製法」の場合には、一部成立しない場合があることを最初に書いておきます。 では、伝統的製法における和紙の循環について、まずは下図をご覧ください。 |
*詳細はコラム1で。
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図では、和紙作りにおいて最も多く利用されている原料である、「楮」をモデルにしていまが、木の皮を使う、その他の原料でもこの循環は成立します。 まず、伝統的和紙の製造に必要な薬品は楮を煮るのに必要な「草木灰」です。
次に、再生紙としての和紙の特徴ですが、再生紙として作り直さずに、2次利用をしていた点が挙げられます。現在は少なくなりましたが、かつては墨などがついたままの和紙を襖やだるまの下張りといった見えないところで使っていたようです。これは、和紙が強度に優れ、複数回利用しても耐えられたということです。 このような再生和紙は反古(ほご)紙や宿紙(しゅくし)と呼ばれ、古くは平安時代から製造されていました。つまり、伝統的和紙の循環は1000年以上も昔から受け継がれてきたものなのです。 2、森林資源と和紙 和紙の原料が成長の早い木であることも、注目されている点の1つです。 楮は1年間に約2〜3メートル成長しますが、毎年、刈り取った株であっても数年は収穫が可能です。また、楮は地下茎によって次々と新しい芽を出す、非常に生命力の強い植物です。 日本における楮の生産は九州から東北までの広い範囲で行われていました。気候や風土によって品質に差は出ますが、その差を用途によって使い分ける(造り分ける)ことで問題なく製紙原料として利用できたため、楮は育成場所を選ばずに作ることのできるものとして重宝されました。
また、現在和紙の原料として多く使われているものに、主にタイ〜ラオス国境付近で収穫される「タイ楮」(*)があります。このタイ楮は2年で3回の収穫が可能で、栽培されたものではなく、自生しているものを刈り取っているようです。 3、近代的製法と「和紙」がもたらす環境問題?
ここまで、「伝統的製法の和紙が環境にやさしい」と言われる理由を紹介しましたが、現実にはすべての和紙が伝統的製法に基づくものではないことはコラム1、2でも触れました。 例えば、原料ですが、現在は洋紙と同じ木材を原料とする和紙もありますし、様々な用途に応じて化学薬品を使う和紙も多くあります。 また、現在では和紙の循環はほぼ見られません。この背景には、和紙の需要の減少により反故紙や宿紙を漉くだけの再生原料が無くなったことや、再生紙よりも安価な紙が多く流通してるためだと考えられます。 最も問題となるのは、現在の「和紙」は海外への依存率が非常に高いことです。
「和紙が環境にやさしい」といわれる昨今ですが、このような点を踏まえずにいわゆる「和紙」の需要が急激に伸びることは必ずしも環境によい影響を与えるとは言えません。特に伝統的製法での和紙作りには限界もあり、まかないきれない重要は機械や海外に依存していきます。
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*昔の洋紙と現代の洋紙は製法に違いがあるため、別のものとして扱います。
*実際に数年前、東南アジアの国から間接的に問い合わせがありました。 |