判例タイムズ1004号目次1999.8.10発売
専門訴訟はなぜ時間がかかるのか「「米国の実務との比較考察〔世界の司法―その実像を見つめて1〕/中村 愼
行政犯における事実の錯誤と法律の錯誤との限界/福田 平
民事保全法(4)/瀬木比呂志
法的観点指摘義務「「裁判官の行為準則として〔民事実務研究〕/阿多麻子
新民事訴訟法220条をめぐる論点の整理と考察「「貸出稟議書に対する文書提出命令を契機として/平野哲郎
情況証拠による価格カルテルの認定(下)/村上政博
相続財産の破産能力/石川 明
請負代金債権に対する動産売買先取特権に基づく物上代位権の行使
「「最判平10・12・18判タ992号90頁〔判例批評〕/下村信江
不動産仮差押えによる時効中断の効力「「最三小判平10・11・24判タ990号127頁〔銀行実務と民事裁判415〕/片岡宏一郎
裁判官の判断におけるスジとスワリ(13)/岡本浩一・松村良之・太田勝造
[特報]
中古ゲームソフト販売事件
テレビゲーム用ソフトは著作権法上の映画の著作物に該当せず、同ソフトの著作権者は著作権法二六条一項の頒布権に基づく差止請求権を有しないとされた事例(東京地裁平11・5・27判決)98
[最高裁判例]
=諸法=
離婚等の調停の進行過程における夫婦間の合意に基づく幼児との面接の機会に夫婦の一方が右幼児を連れ去ってした拘束に顕著な違法性があるとして夫婦の他方からした人身保護法に基づく幼児の引渡請求が認められた事例(最高裁第一小法廷平11・4・26判決)107
[行政裁判例]
=行政法一般=
都議会議員の海外視察に関する文書の非開示決定を取り消した事例(東京高裁平10・6・29判決)111
一 電波法四条所定の無線局の開設免許に当たり、開設免許される周波数が一つであるのに複数の申請がされた場合における各申請の優劣判定と手続の適否
二 電波法四条所定の無線局の開設免許に当たり、開設免許される周波数が申請者の数に足りない場合において、郵政大臣が割り当てられる周波数に応じて申請を調整するいわゆる一本化の調整のための行政指導をすることの適否(東京高裁平10・5・28判決)113
集中治療室で治療中に震災が発生し、その直後に患者が死亡したことについて震災と患者の死亡との間に相当因果関係があるとして災害弔慰金不支給決定が取り消された事例(大阪高裁平10・4・28判決)123
=行政争訟法=
自転車競技法四条一項に基づく場外車券売場設置許可処分につき、周辺住民にはその取消し及び無効確認を求める原告適格がないとされた事例(東京地裁平10・10・20判決)130
=租税法=
一括支払システム契約の代物弁済条項につき、国税債権者との関係で効力が否定され、譲渡担保権者である銀行が国税徴収法二四条の物的納税責任を免れることはできないとされた事例(東京高裁平10・2・19判決)138
いわゆるコンドミニアム形式のリゾートホテルの一室を購入してホテル経営会社に貸し付けていた者の所得税に関して、同建物は所得税法六二条一項、同法施行令一七八条一項二号所定の生活に通常必要でない資産に当たるとして、同建物の貸付けに係る損失につき、所得税法六九条二項により損益通算を認めないこととしてした更正が、適法とされた事例(東京地裁平10・2・24判決)142
[労働裁判例]
=個別的労働関係=
一 腎臓移植を受け免疫抑制剤を含む投薬治療を継続していた市職員が、血栓症を発症した場合につき、公務起因性が否定された事例
二 同市職員が、肝炎を発症・増悪した場合につき、過重な公務による肉体的精神的ストレスによるものであるとして公務起因性が肯定された事例(広島高裁平10・12・1判決)151
[民・商事裁判例]
=民法=
農業振興地域の整備に関する法律上の農用地区域内の農地の売買契約が一定日までに開発許可の見通しのあることを停止条件としていた場合に条件不成就が確定したとして所有権移転請求権の移転登記の抹消と引換えに売買代金の返還が命じられた事例(東京高裁平10・7・29判決)159
ゴルフ場を経営する会社からゴルフ会員権を購入し、代金の原資となった銀行借入れについて同社の連帯保証を得、その求償権を被担保債権として同会員権を譲渡担保に供した場合においてゴルフ場の開場の遅れを理由とする入会契約の解除の意思表示が効力を生じないとされた事例(東京地裁平9・12・25判決)166
外貨建ワラント取引に五八歳の主婦を勧誘して損害を被らせた証券会社外務員に説明義務違反があるとして、証券会社に使用者責任が認められた事例(過失相殺三割)(大阪高裁平10・4・10判決)169
一 弁護士の民事訴訟における他の弁護士の行為に関する主張の一部が名誉毀損に当たるとして慰藉料五〇万円の支払を命じた事例
二 弁護士の民事訴訟における他の弁護士の行為に関し、反対尋問に応じてした証言が名誉毀損に当たらないとされた事例(東京高裁平9・12・17判決)178
落語居眠り訴訟
落語会の途中で居眠りをした観客を主催者側が会場から退出させた行為が、不法行為上の違法性を有しないとされた事例(飯田簡裁平11・4・21判決)185
地区住民らの住民に対する共同絶交宣言(村八分)、いじめ、仲間はずし、嫌がらせについて人格権を侵害する共同不法行為が成立するとされた事例(津地裁平11・2・25判決)188
プロモーターが米国のプロバスケットボール選手を日本に招聘してその試合の興行を企画したところ、プロバスケットボール試合の興行権を有する企業等が出場予定選手、プロモーターの取引先に警告的書簡を送付する等したことが不法行為を構成しないとされた事例(東京地裁平10・10・30判決)197
大蔵官僚に関する写真週刊誌の記事が名誉毀損に当たるとして、損害賠償の支払及び謝罪広告の掲載が命じられた事例(東京地裁平10・9・25判決)204
一 肝臓疾患の患者が肝癌で死亡したことにつき、肝癌に進展しやすい肝硬変と疑いながら、専門病院での精密検査の必要性を指示説明しなかった開業医に過失が認められた事例
二 医師の過失と患者死亡との間に因果関係はないが、適切な医療を受ける機会及び癌の発生を遅らせることのできる可能性の喪失に対する慰謝料が認容された事例(東京高裁平10・9・30判決)214
一 生命保険契約において、保険金受取人が単に相続人と指定されたときは、特段の事情のない限り、保険金請求権は、相続人の固有財産に属するとされた事例
二 生命保険契約において、相続人が保険金受取人として生命保険金を取得した場合、右生命保険金は、特別受益財産に当たらないとされた事例(東京高裁平10・6・29判決)223
=商法=
新聞折込広告取扱業者は新聞販売店に配送された折込広告の一部がアロウアンスの範囲内で購買者に配布されなくても履行責任を負わないとされた事例(東京高裁平9・9・30判決)226
=知的財産=
書籍の題号としてスイングジャーナル青春録・大阪編と表示した行為が不正競争防止法二条一項二号所定の他人の商品等表示であるスイングジャーナルと同一若しくは類似のものを使用する行為に該当しないとされた事例(東京地裁平11・2・19判決)246
=諸法=
フィッシュミールの海上運送において、貨物の濡損、焼損が運送中に発生したものとは認められず、また運送品の隠れた欠陥に当たるとして、運送人の損害賠償責任が認められなかった事例(東京高裁平10・11・26判決)249
=民事訴訟法=
税理士会支部を被告とする損害賠償等請求訴訟において当該税理士会の会則に関する中間確認の訴えが被告適格を欠くとして却下された事例(東京高裁平10・4・22判決)254
夫が妻の不倫相手を被告として提起した損害賠償請求訴訟において、夫が陳述書の原稿ないし手元控えとして作成した大学ノートが、妻によって持ち出され被告から書証として証拠申出された場合、信義誠実の原則に反するとして証拠申出が却下された事例(東京地裁平10・5・29判決)260
=民事執行法=
建物建築請負人の敷地に対する商事留置権の成立が認められなかった事例(@事件)
一 建物建築請負人の敷地に対する商事留置権の成立が認められた事例
二 商事留置権の被担保債権の債務者が破産宣告を受けた場合、原則として商事留置権の留置権能は失われる
三 商事留置権が転化した特別の先取特権と抵当権との優劣は、商事留置権の成立時期と抵当権設定登記時期との先後により決すべきである(A事件)(@東京高裁平10・12・11決定)(A東京高裁平10・11・27決定)
不作為義務の義務違反物除却の代替執行が、第三者の同意を得られずに執行不能となった場合に、間接強制が認められた事例(東京地裁平11・1・18決定)270
[刑事裁判例]
=刑法=
殺人、死体損壊・死体遺棄並びにわいせつ目的誘拐、強制わいせつ、殺人未遂、強姦致傷の事案について、無期懲役が言い渡された事例(東京地裁平10・3・27判決)274
=特別刑法=
免許を有する本店が酒類の販売をしているのであり、営業所は酒類を保管・配達しているにすぎないとの主張が排斥された事例(宇都宮地裁平10・10・15判決)282
=刑事訴訟法=
本位的訴因を排斥して予備的訴因を認定した原判決に対して、被告人のみが控訴している場合、控訴審において、再び本位的訴因を認定することができるか(積極)
(大阪高裁平10・9・1判決)289
[速報]
大蔵省審議官が銀行の不正融資事件に関連して人事の口利きと株情報の漏洩を行ったとする写真週刊誌の記事について、名誉毀損の成立を認め、二五〇万円の慰謝料請求が認容された事例(東京高裁平11・6・30判決)292
審級別裁判年月日順索引
最高裁第一小法廷平11.4.26判決〔平11(オ)133〕〔平11(受)116〕…107
東京高裁平9.9.30判決〔平4(ネ)2753〕…226
東京高裁平9.12.17判決〔平9(ネ)2459〕…178
東京高裁平10.2.19判決〔平9(行コ)42〕…138
大阪高裁平10.4.10判決〔平9(ネ)508〕…169
東京高裁平10.4.22判決〔平9(行コ)160〕〔平10(行コ)34〕…254
大阪高裁平10.4.28判決〔平9(行コ)44〕…123
東京高裁平10.5.28判決〔平8(行ケ)48〕…113
東京高裁平10.6.29判決〔平10(ネ)25〕 〔平10(ネ)275〕…223
東京高裁平10.6.29判決〔平10(行コ)39〕…111
東京高裁平10.7.29判決〔平9(ネ)503〕…159
大阪高裁平10.9.1判決〔平10(う)428〕…289
東京高裁平10.9.30判決〔平9(ネ)619〕…214
東京高裁平10.11.26判決〔平9(ネ)3760〕…249
東京高裁平10.11.27決定〔平9(ラ)1996〕…265
広島高裁平10.12.1判決〔平9(行コ)4〕…151
東京高裁平10.12.11決定〔平10(ラ)604〕…265
東京高裁平11.6.30判決〔平10(ネ)4531〕 〔平11(ネ)1585〕…292
東京地裁平9.12.25判決〔平7(ワ)23026〕…166
東京地裁平10.2.24判決〔平8(行ウ)146〕…142
東京地裁平10.3.27判決〔平8合(わ)160〕 〔平8合(わ)217〕…274
東京地裁平10.5.29判決〔平9(ワ)20985〕…260
東京地裁平10.9.25判決〔平8(ワ)7649〕…204
宇都宮地裁平10.10.15判決〔平6(わ)389〕〔平6(わ)390〕…282
東京地裁平10.10.20判決〔平9(行ウ)17〕〔平9(行ウ)122〕…130
東京地裁平10.10.30判決〔平6(ワ)25156〕…197
東京地裁平11.1.18決定〔平10(ヲ)201〕…270
東京地裁平11.2.19判決〔平10(ワ)18868〕…246
津地裁平11.2.25判決〔平9(ワ)97〕…188
東京地裁平11.5.27判決〔平10(ワ)22568〕…98
飯田簡裁平11.4.21判決〔平10(少コ)4〕…185