判例タイムズ1009号目次1999.10.25発売
ドイツの裁判所は開かれているか?〔世界の司法―その実像を見つめて2〕/田代雅彦
民事保全法(6)/瀬木比呂志
株主代表訴訟と担保提供制度の再検討/新谷 勝
運転代行業者の運行供用者責任―最高裁(二小)平成9年10月31日判決をめぐって/加藤 了
建物賃貸借契約の継続中における敷金返還請求権の存在確認を求める訴えの適否「「最一小判平11・1・21判タ995号73頁〔判例批評〕/川嶋四郎
不動産譲渡担保と清算金支払請求権、受戻権「「最二小判平11・2・26判タ999号215頁〔銀行実務と民事裁判418〕/吉田光碩
[最高裁判例]
=民事訴訟法=
再抗弁に対する判断の遺脱が上告理由としての理由不備に当たらないとされた事例(最高裁第三小法廷平11・6・29判決)93
心神喪失の常況にある遺言者の生存中に推定相続人が提起した遺贈を内容とする遺言の無効確認の訴えの適否(最高裁第二小法廷平11・6・11判決)95
[行政裁判例]
=行政法一般=
過去の入札予定価格調書に記載された設計金額・予定価格・制限価格等が情報公開条例に定める非開示事由に該当しないとして、これを非開示とした決定が取り消された事例(津地裁平10・6・11判決)98
=国家補償法=
東京都の所有する土地を敷地とする幅員一五メートルの区道の一部が不法建築により約七メートル幅になっている場合において隣地所有者から都及び区の権限不行使を理由とする国家賠償請求が棄却された事例(東京地裁平10・2・23判決)102
小学校一年生の男児が城の内堀の取水口に転落して溺死した事故につき施設の設置又は管理に瑕疵があったとされた事例(過失相殺七割)(広島地裁平10・2・16判決)107
執行官が共同住宅の現況調査を行うにあたりその二階部分については各居室を外部から視認しただけで占有はないと判断したことに国家賠償法上の違法性が認められた事例(東京地裁平9・12・9判決)112
=租税法=
一 酒税法九条一項の憲法二二条一項適合性
二 酒税法一〇条一一号の憲法二二条一項適合性
三 酒類販売業免許等取扱要領第二章第三の1(1)ハの合理性及び酒税法一〇条一一号適合性(東京高裁平10・5・26判決)119
=地方自治法=
信用組合の経営破綻に伴う補助金の交付につき、違法性を否定した事例(東京地裁平10・7・16判決)134
土地を収用し又は使用することにより土地の所有者及び関係人がうける損失につき、起業者以外の第三者たる町が補償義務者に代わって補償を行うことは、土地収用法六八条に違反しないとされた事例(長崎地裁平10・5・27判決)150
[労働裁判例]
=個別的労働関係=
大手鉄鋼総合メーカーの従業員に対する関連会社への出向命令が人事権の濫用に当たらないとされた事例(神戸地裁平11・2・18判決)161
=集団的労働関係=
中央労働委員会の労働者委員の任命につき任命権者の有する裁量権の範囲(東京高裁平10・9・29判決)169
[民・商事裁判例]
=民法=
大学教員が大学院開設認可申請のために文部省に提出される自己の研究業績書に共同研究者の果たした役割を過小に記載したことが名誉感情侵害による不法行為にならないとされた事例(東京高裁平9・12・25判決)175
主に情報提供者の発言を引用する形で構成された週刊誌記事について雑誌社に対して名誉毀損の不法行為責任を認め、情報提供者に対して名誉毀損の不法行為責任を否定した事例(東京地裁平11・7・19判決)181
一 町の記念行事に関し、民間会社と町との間の記念イベント等の計画・準備・実施に関する委託契約ないしその予約の成立が否定された事例
二 実施に関する委託契約の成立が確実であると期待してもやむを得ない準備段階に至っていたとまではいうことができないとして、契約締結上の過失ないし不法行為の成立も否定された事例(大阪地裁平10・8・31判決)193
ホテルが震災により崩落し、宿泊客が崩落部分の下敷きとなって死亡した場合、ホテルの設置に瑕疵があったとして、ホテルの所有者の損害賠償責任が認められた事例(神戸地裁平10・6・16判決)207
精神病院の管理者に、精神保健法(現、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)三九条一項の通知義務違反が認められた事例(東京地裁平10・3・20判決)211
一 大学の学長が教授を告訴し、名誉毀損文書を送付したことを理由に慰藉料一〇〇万円の支払及び謝罪広告の大学構内の掲示板への掲示を命じた事例
二 大学の教授が学長の名誉を毀損する文書を送付したことを理由に慰藉料一〇万円の支払を命じた事例(東京地裁平10・2・20判決)216
ページェット病患者に対するストーマ(人工肛門)造設手術において、突出型ストーマを造設しなかった医師に過失があるとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例(東京地裁平11・5・31判決)223
一 病院の患者ら・従業員のC型肝炎への罹患について、医師の注射が原因とされ、使い捨て注射器の不使用及び注射器の消毒不完全による注意義務違反が肯定された事例
二 右患者等の損害額について、いわゆる包括請求を認めた事例(大分地裁平10・8・24判決)231
協議離婚した後に内縁関係を結び、またこれを解消した男女間において、女性から男性に対して請求された財産分与の申立てにつき、慰藉料的財産分与・扶養的財産分与が認められず、内縁期間中の預金の増加から負債額を控除した実質的共有財産を基本とする清算的財産分与が認められた事例(名古屋家裁平10・6・26審判)241
=商法=
無免許業者の媒介行為について商法五一二条に基づく報酬請求権を有するとしても依頼者は自然債務を負うにとどまるとされた事例(東京地裁平10・7・16判決)245
一 株主代表訴訟により損害賠償責任が認められた取締役らを免責する旨の株主総会決議が特別利害関係人である株主が議決権を行使したことによる著しく不当な決議であったとされた事例
二 株主総会決議に特別の利害関係を有する者の強い影響下にある法人株主は特別利害関係人であると認められた事例(神戸地裁尼崎支部平10・8・21判決)250
=諸法=
死刑囚が拘置所において精神疾患に罹っていることを理由とする人身保護請求が決定により棄却された事例(東京高裁平10・6・25決定)258
更新料支払の合意が法定更新の場合にも適用されるとされた事例(東京地裁平10・3・10判決)264
=民事訴訟法=
訴訟引受決定後に義務及び権利の承継の事実がないことが判明した場合に、引受決定によって係属することとなった訴えを却下した事例(東京地裁平10・10・2判決)267
=民事執行法=
不動産の賃料債権の差押えがあった後に当該不動産が第三者に譲渡されても賃借人は債権者の取立てに応じなければならない(東京高裁平10・3・4判決)270
競売の対象となった居宅においてその所有者の夫が自殺したことが判明した場合について民事執行法七五条一項を類推適用して売却許可決定が取り消された事例(札幌地裁平10・8・27決定)272
[刑事裁判例]
=刑法=
原判決は、証拠能力のない供述調書を証拠として用いて事実を認定したもので、訴訟手続きの法令違反があり、これを除外した証拠によれば、原判決の認定した事実は認められないとした事例(名古屋高裁平10・6・30判決)274
一 近接した日時場所における傷害について包括一罪となるかが争われた事例
二 恐喝の犯意発生前後にわたる暴行によって生じた傷害と恐喝罪とが観念的競合の関係に立つかが争われた事例(いずれも消極)
(横浜地裁平10・10・13判決)283
=特別刑法=
関西国際空港汚職事件
関西国際空港の元代表取締役が職務に関して接待及び金品の供与を受けたという事案において、わいろ性及びわいろ性の認識を肯定した事例(東京地裁平10・9・1判決)285
=刑事訴訟法=
一 警察官によるホテル客室内への立入りが違法であって、殴りかかってきた全裸の被告人を警察官が二人がかりで約三〇分間ソファーに押さえ続けたのは、職務質問を継続するために許される有形力の行使の範囲を著しく逸脱した違法な身柄拘束であり、その間に発見・押収した覚せい剤等を証拠として許容することは将来における類似の違法な捜査を抑制する見地から相当でないとされた事例
二 強制採尿令状の発付を求めるにあたって添付された疎明資料の主要なものが右の違法な先行手続きにより収集されたものであり、強制採尿令状の発付には重大な瑕疵があるから、同令状の執行により得られた被告人の尿の鑑定書等を有罪認定の証拠として許容することは、将来における違法な捜査を抑制する見地から相当でないとされた事例(東京地裁八王子支部平10・10・28判決)295
審級別裁判年月日順索引
最高裁第二小法廷平11.6.11判決〔平7(オ)1631〕…95
最高裁第三小法廷平11.6.29判決〔平10(オ)2189〕…93
東京高裁平9.12.25判決〔平9(ネ)128〕…175
東京高裁平10.3.4判決〔平9(ネ)3356〕…270
東京高裁平10.5.26判決〔平9(行コ)5〕…119
東京高裁平10.6.25決定〔平7(人ナ)4〕…258
名古屋高裁平10.6.30判決〔平9(う)230〕…274
東京高裁平10.9.29判決〔平9(行コ)76〕…169
東京地裁平9.12.9判決〔平8(ワ)11543〕…112
広島地裁平10.2.16判決〔平7(ワ)997〕…107
東京地裁平10.2.20判決〔平7(ワ)12518〕〔平8(ワ)353〕…216
東京地裁平10.2.23判決〔平8(ワ)23177〕…102
東京地裁平10.3.10判決〔平7(ワ)22446〕…264
東京地裁平10.3.20判決〔平8(ワ)5865〕…211
長崎地裁平10.5.27判決〔平8(行ウ)4〕…150
津地裁平10.6.11判決〔平9(行ウ)2〕…98
神戸地裁平10.6.16判決〔平8(ワ)884〕…207
東京地裁平10.7.16判決〔平8(行ウ)133〕
〔平9(行ウ)250〕…134
東京地裁平10.7.16判決〔平8(ワ)19650〕…245
神戸地裁尼崎支部平10.8.21判決〔平9(ワ)2〕
〔平9(ワ)362〕〔平9(ワ)363〕…250
大分地裁平10.8.24判決〔平6(ワ)11〕
〔平6(ワ)180〕〔平8(ワ)183〕
〔平8(ワ)293〕〔平9(ワ)322〕…231
札幌地裁平10.8.27決定〔平10(ヲ)1211〕…272
大阪地裁平10.8.31判決〔平8(ワ)4924〕…193
東京地裁平10.9.1判決〔平9特(わ)325〕…285
東京地裁平10.10.2判決〔平8(ワ)10578〕
〔平8(ワ)14405〕…267
横浜地裁平10.10.13判決〔平10(わ)1692〕…283
東京地裁八王子支部平10.10.28判決〔平9(わ)1013〕…295
神戸地裁平11.2.18判決〔平6(ワ)1742〕…161
東京地裁平11.5.31判決〔平7(ワ)5771〕…223
東京地裁平11.7.19判決〔平7(ワ)19593〕…181
名古屋家裁平10.6.26審判〔平8(家)1220〕…241
[訂 正]
本誌1008号45頁 に以下の誤りがあります。
段目8行目「座談会二一頁伊藤眞発言」は「座談会二八頁」
段目12行目「座談会一三頁那須弘平発言」は「座談会一六頁」
段目11行目「座談会一六頁菅原郁夫発言」は「座談会二〇頁」
段目25行目「座談会三〇頁参照」は「座談会四一頁参照」
段目29行目「座談会二六頁西口元発言」は「座談会三七頁」
段目33行目「座談会三〇頁菅原発言」は「座談会四一頁」
に訂正いたします。
本誌994号198頁 「東京高裁平9・12・31第一一民事部判決」は「平9・12・3」
の誤りでした。
慎んでお詫びし、訂正致します。〈編集部〉