判例タイムズ1025号目次
〈座談会〉東京・大阪・名古屋地裁での民事再生法への取組(下)/小澤一郎・熊田士朗・園尾隆司・田原睦夫・多比羅誠・山本克己(司会) 4
執行・破産の名古屋地裁本庁への半田支部集約/原 道子 17
法の支配・法曹人口・法科大学院(上)「「司法改革三題噺/萩原金美 38
米国陪審裁判の実情(1)「「米国における陪審裁判の実情〔世界の司法「「その実像を見つめて9〕/森 倫洋 48
情報公開条例における非公開個人情報該当性の解釈について/大西達夫 53
遺産分割と遺留分減殺請求との関係〔関西家事事件研究会報告3〕/菱田貴子 76
執筆者代表 才口千晴・田原睦夫・林道晴『民事再生手続の運用モデル』
〔ブック・レビュー〕/高木新二郎 83
<判例紹介細目次>
[特報]
O一五七食中毒訴訟第一審判決
学校給食による集団食中毒によりO一五七感染症に罹患した児童が敗血症により死亡した場合、学校給食の実施管理に従事する職員に過失があったとして、学校設置者の国家賠償責任が認められた事例(大阪地裁堺支部平11・9・10判決)85
[最高裁判例]
=民法=
甲名義の不動産につき乙、丙が順次相続したことを原因として直接丙に対してされた所有権移転登記を甲の共同相続人丁及び乙に対する所有権移転登記並びに乙から丙に対する持分全部移転登記に更正することの可否(最高裁第一小法廷平12・1・27判決)114
一 いわゆるみなし道路の通行妨害と妨害排除請求権
二 いわゆるみなし道路に接する土地の所有者から右道路の敷地所有者に対する同人により右道路内に設置された金属製ポールの撤去請求が認められないとされた事例(最高裁第一小法廷平12・1・27判決)118
民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又は割合の確認を求める訴えの適否(最高裁第一小法廷平12・2・24判決)125
=刑法=
公職選挙法上の選挙長の立候補届出受理事務と業務妨害罪にいう「業務」(最高裁第二小法廷平12・2・17決定)128
[行政裁判例]
=国家補償法=
町立小学校の児童が学校プールで遊泳中に溺死した事故について、県の町に対する指導・監督に関して違法はないとして、県の国家賠償責任が認められなかった事例(静岡地裁沼津支部平10・9・30判決)133
=租税法=
有限会社に対する出資の価額を評価するに当たり、財産評価基本通達に定める評価方法を形式的に適用することなく、純資産価額方式を基本としつつ、法人税等相当額を控除しないで評価してされた相続税更正処分及び過少申告加算税変更決定処分が、適法とされた事例(東京地裁平10・9・29判決)142
=地方自治法=
市が第三セクターを事業主体とするゴルフ場の用地の先行取得のため土地開発公社に資金を貸し付けた行為が違法とはいえないとして住民の市長個人らに対する損害賠償代位請求等が棄却された事例(長崎地裁平10・11・10判決)162
[民・商事裁判例]
=民法=
一 いわゆる別件逮捕勾留等の違法捜査や報道機関に対する情報提供等を理由とする損害賠償請求が棄却された事例二 被疑者の逮捕の事実を別件逮捕であるなどと報道した新聞社に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求が一部の新聞社について認容された事例(大阪地裁平11・3・19判決)176
一 銀行とその系列ノンバンクが、当該銀行の発行する利付金融債を担保とする融資を繰り返した場合に、その取引が、融資利息が利付金融債の利息を常に上回る不合理な取引として、借主に対する不法行為を構成するか(消極)
二 融資の必要性・合理性は、借主が自ら判断すべきであり、それが可能であるのが通常であることに加え、借主は、融資を受ける必要性・合理性がないことを知りながら、あえてそのような行動に出る自由を有しているから、当該融資が、客観的に必要性・合理性を有しないものであっても、貸主が借主の自己決定権を侵害し、それが融資取引関係における信義則に反すると認められるような特段の事情がない限り、貸主は不法行為責任を負わないとされた事例(大阪地裁平11・3・4判決)209
マンションの建設に反対する近隣住民の建設工事妨害行為が違法なものであるとまではいえないとして、右住民らの損害賠償責任を認めなかった事例(大阪地裁平11・2・26判決)221
自用の建物及びその敷地のうち、建物が取り壊されたことによって所有者が被った損害額の認定事例(東京地裁平11・2・12判決)236
心神喪失者の放火行為について心神喪失状態を招くについて過失があったとして民法七一三条但書により損害賠償責任が認められた事例(神戸地裁尼崎支部平10・6・16判決)243
たばこの有害性を理由に、喫煙者及び非喫煙者から日本たばこ産業株式会社に対してなされた、たばこの製造及び販売の差止め、慰謝料、警告文表示の請求が棄却された事例(名古屋地裁平10・11・13判決)247
モヤモヤ病患者に対するEMAS術の実施について担当医師らに過失があったとして病院側の不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例(大分地裁平10・6・30判決)254
実親子として生活してきた戸籍上の母子につき、DNA鑑定を採用して母子関係を否定した事例(東京高裁平10・8・26判決)266
=商法=
一 フィリピンで母子が殺害された事件につき、母親が息子の殺害を殺し屋に依頼したものであるとの保険会社の主張が排斥され、保険金請求が認容された事例
二 傷害保険契約約款における「不慮の事故」の立証責任について判断した事例
三 保険金請求権の消滅時効は、保険会社において必要な調査を終え、保険金支払の可否に関する結論が保険金請求者に到達した時点から起算されるとされた事例(東京地裁平11・9・30判決)268
=知的財産=
特許権に基づく侵害行為差止、損害賠償請求事件において、特許出願当時の公知技術を参酌して特許発明の技術的範囲を限定的に解釈し、被告製品が本件発明の技術的範囲に属しないとした事例(東京地裁平11・6・30判決)277
=民事訴訟法=
第三者が債務者の補助参加人として申し立てた支払督促に対する異議の適否(浦和地裁平11・6・25判決)284
産業廃棄物処理場設置についての付近住民の同意が無効であることの確認を求める訴えに確認の利益がないとされた事例(名古屋高裁平10・11・12判決)286
前訴と当事者及び訴訟物を異にする後訴が、実質的には前訴の蒸し返しであり、しかも前訴における証人の証言が偽証であったとの判断を得て前訴の再審事由とすることを目的とするものであり、正当な訴権の行使とはいえず訴権を濫用する不適法な訴えであるとして、訴えを却下した事例(東京地裁平10・6・25判決)291
[刑事裁判例]
=刑法=
覚せい剤精神病により幻覚妄想を生じた状態下の覚せい剤使用の犯行について完全責任能力が肯定された事例(大阪地裁平11・1・12判決)295
日本道路公団接待汚職事件
日本道路公団の理事が大手証券会社等民間金融機関七社から自己の職務に関し多数回にわたる飲食接待等を受けた収賄被告事件について、被告人側の社会的相当行為の主張が排斥され、執行猶予付き有罪判決が言い渡された事例(東京地裁平10・12・24判決)297
審級別裁判年月日順索引
最高裁第一小法廷平12.1.27判決〔平8(オ)1248〕…118
最高裁第一小法廷平12.1.27判決〔平11(オ)773〕…114
最高裁第一小法廷平12.2.24判決〔平11(受)110〕…125
最高裁第二小法廷平12.2.17決定〔平9(あ)324〕…128
東京高裁平10.8.26判決〔平9(ネ)4830〕…266
名古屋高裁平10.11.12判決〔平9(ネ)694〕…286
神戸地裁尼崎支部平10.6.16判決〔平7(ワ)539〕…243
東京地裁平10.6.25判決〔平9(ワ)16330〕…291
大分地裁平10.6.30判決〔平5(ワ)246〕…254
東京地裁平10.9.29判決〔平8(行ウ)24〕…142
静岡地裁沼津支部平10.9.30判決〔平8(ワ)115〕…133
長崎地裁平10.11.10判決〔平5(行ウ)2〕
〔平5(行ウ)6〕〔平5(行ウ)9〕
〔平6(行ウ)1〕〔平6(行ウ)6〕…162
名古屋地裁平10.11.13判決〔平8(ワ)1180〕…247
東京地裁平10.12.24判決〔平10刑(わ)209〕
〔平10刑(わ)390〕…297
大阪地裁平11.1.12判決〔平10(わ)1123〕…295
東京地裁平11.2.12判決〔平9(ワ)23775〕…236
大阪地裁平11.2.26判決〔平9(ワ)3718〕…221
大阪地裁平11.3.4判決〔平5(ワ)8955〕…209
大阪地裁平11.3.19判決〔平3(ワ)10347〕…176
浦和地裁平11.6.25判決〔平11(ワ)835〕…284
東京地裁平11.6.30判決〔平5(ワ)24753〕…277
大阪地裁堺支部平11.9.10判決〔平9(ワ)28〕…85
東京地裁平11.9.30判決〔平9(ワ)7544〕…268
[訂 正]
本誌1001号189頁2段目5行目大阪地裁「平10(ワ)第11628号」とあるのは、「平8(ワ)第11628号」、
本誌1018号225頁2段目12行目「一 土地賃借人が」とあるのは、「一 土地賃貸人が」、
本誌1021号5頁3段目27行目「すずき ひろみ」とあるのは、「すずき ひろよし」
の誤りでした。
本誌1016号245頁東京高判平10・7・7は「高民集登載予定」で、以下の「決定要旨」が脱落しておりました。
決定要旨
一 市議会が設置した特別委員会の会議要録につき民事訴訟法二二〇条にいう文書の所持者に当たる者は、市である。
二 民事訴訟法二二〇条三号所定の法律関係文書であっても、内部文書、自己使用文書に該当するものは文書提出命令の対象とはならない。
三 市議会が設置した特別委員会の会議要録は、当該特別委員会が秘密会とされたことがなく、法令によりその作成、保管が義務づけられているなどの事実関係の下では、外部に公表することを予定しない内部文書ではなく、自己使用文書でもない。
慎んでお詫びし、訂正いたします。
〈編集部〉