判例タイムズNo.944目次
判例タイムズNo.944(1997.9.15)9.10発売 ■<座談会>東京地裁・大阪地裁・名古屋地裁における倒産事件処理(上) ─破産の管財事件を中心として/(司会)伊藤眞・遠藤賢治・松山恒昭・大内撻司 ■代表訴訟勝訴株主の地位一第三者の訴訟担当と執行担当〔民訴法論点ノート19〕/中野貞一郎 ■訴状受理から送達まで〔シミュレーション新民事訴訟2〕/京都シミュレーション新民事訴訟研究会 ■裁判所に顕著な事実とその証明の必要一札幌高裁昭和60年5月7日判決 〔刑事証拠法に関する裁判例の研究23〕/松本芳希 ■譲渡担保の清算金請求権─最二小判平8・ll・22 (判タ931号159頁)〔銀行実務と家事裁判383〕/大西武士 ■保護者の実務〔成年後見制度の実務の現状と展望13〕/池原毅和 <判例紹介細目次> [特報] ■青森県議会議員連座制当選無効訴訟上告審判決 一 公職選挙法二五一条の三と憲法前文、一条、一五条、二一条、三一条 二 公職の候補者を当選させる目的で会社の指揮命令系統を利用して選挙運動を行った右会社の代表取締 役等が公職選挙法二五一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者等に当たるとされた事例 (最高裁第一小法廷平9・3・13判決) [最高裁判例] =個別的労働関係= ■業務に従事中に付近に重量物が落下して顔面を負傷するという事故にあった日の二日後に非外傷性の脳 血管疾患を発症した配電工の死亡が労働者災害補償保険法にいう業務上の死亡に当たるとされた事例 (最高裁第三小法廷平9・4・25判決) =集団的労働関係= ■一部の組合員の定年及び退職金支給基準率を不利益に変更する労働協約の規範的効力が認められた事例 (最高裁第一小法廷平9・3・27判決) =商法= ■満期の日として振出日より前の日が記載されている確定日払の約束手形の効力 (最高裁第一小法廷平9.2.27判決) =民事訴訟法= ■事実認定の根拠として判決に引用する文書が真正に成立したこと及びその理由を判決書に記載すること の要否 (最高裁第二小法廷平9・5・30判決) =倒産処理法= ■免責の効力を受ける破産債権に基づく詐害行為取消権行使の許否 (最高裁第三小法廷平9.2.25判決) [行政裁判例] =行政争訟法= ■最高裁判所が判事補採用願を提出した者を指名しをしなかったことが「行政庁の処分その他公権力の行 使に当たる行為」に該当しないとされた事例 (東京地裁平8・9・11判決) =国家補償法= ■柔道部の夏合宿に参加した高校生が、早朝のランニングの途中に脱水、熱射病を発症し、急性腎不全に よって死亡した場合、顧問教諭に指導上の過失があったとして、学校側の損害賠償責任が認められた事例 (福島地裁会津若松支部平9・1・13判決) =地方自治法= ■愛知県芸術文化センター住民訴訟控訴審判決 県の発注した芸術文化センターの工事請負代金の増額支払に関する住民監査請求が支払の二年六か月後に されたことにつき正当な理由がないとされた事例 (名古屋高裁平8・10・30判決) ■地方公共団体が不当利得金の元本の返還を受けたが、利息の返還を求めないのは公金徴収の怠りに当た るとする住民監査請求が監査請求期間を経過し、正当な理由もないとして不適法であるとされた事例 (大津地裁平8・10・28判決) [労働裁判例] =個別的労働関係= ■国鉄女子職員配転損害賠償訴訟第一審判決 昭和六二年三月に発令された国鉄女子職員に対する転勤命令が権利の濫用でないとされた事例 (仙台地裁平8・9・24判決) [民・商事裁判例] =民法= ■通行地役権を道路敷の一部を取得した第三者に登記なくして対抗することができるとされた事例 (広島高裁平8・10・22判決) ■売買の目的物が講負工事契約に基づき第三者のもとに取り付けら机た場合に売買契約に基づく債権者が 物上代位により請負工事代金債権を差し押えることができるとされた事例 (福岡高裁平8・11・18決定) ■既存の不動産賃貸借契約に基づいて将来発生する賃料債権につき、債権譲渡がなされた後に賃貸不動産 上の抵当権に基づく物上代位による差押がなされた場合、同賃料債権の発生に先立って登記を具傭した抵 当権に基づく物上代位は、債権譲渡に優先する (東京地毅平8・9・20判決) ■一 預託金返還講求権につき、国税滞納処分としての差押を受けてもその訴訟追行権を失わないとされ た事例 二弁護士報酬につき、同一不動産に関する複数の民事訴訟が一個の社会的紛争であるとされ、かつ信義則 と衡平の原則に照らして弁護士報酬が滅額されて、余剰分の預託金を返還すべきとされた事例 (東京地裁平8・7・22判決) ■証券会社の投信債券外務員による株式投資信託の勧誘行為につき、株式が投資対象に含まれると説明し ただけでは説明義務を尽くしていないと判断された事例(過失相殺六割) (大阪地裁平8・11・27判決) ■労働組合連合会の機関紙の事務職員に関する記事が名誉毀損に当たるとして損害賠償の支払を命じた事 例 (大津地裁平8・10・14判決) ■報徳会宇都宮病院訴訟控訴審判決 一 精神痛院を退院した患者に対しその意に反して会社で労働させたとして医師、病院、会社代表者らの 不法行為が認められた事例 二 精神痛院を退院後労働を強制されたとする不法行為による損害賠償請求権の消滅時効の起算日が病院 の医療体制に関する新聞報道のされた日であるとした事例 (東京高裁平8・9・30判決) ■衆議院議員選挙の立候補者が政見放送において、日本共産党の市議会議員が企業から公害対策費の名目 で二億円を受取った旨の虚偽の事実を摘示した場合、名誉・信用の毀損が成立するとして損害賠償請求が 認められた事例 (千葉地裁平8・9・25判決) ■執拗な街頭宣伝活動に対し、人格権に基づき差し止めが認められた事例 (東京地裁平8・1・16判決) ■脳動静脈奇形(AVM)に対する脳血管造影検査中、カテーテルが血管内で離断した事故につき、医師 に操作上の過失、説明義務違反等が認められないとした事例 (大阪地裁平8・12・16判決) ■病室内で転倒して胸椎骨折の傷害を負った患者の胸椎骨折を見落し診断が遅れた過失があるとしたが、 右過失と患者の歩行困難な体幹機能障害との間の因果関係の立証が不十分であるとして、病院に対する損 害賠償請求が棄却された事例 (熊本地裁平8・11・25判決) ■一 死者の遺骨は、埋葬、管理、祭祀、供養する死者の内縁の妻が承継するとされた事例 二 死後授与された表彰状及び勲章は、死者の内縁の妻が伝達を受けて保管している以上、相続人らがそ の引渡を請求することができないとされた事例 (高知地裁平8.10.23判決) =商法= ■建築請負工事に関する共同企業体が建築資材の購入によって負担した債務について、その構成員は、商 法五二条一項の適用により連帯債務を負担すべきであるとされた事例 (東京地裁平9.2.27判決) ■一 代表取締役の株式投資の失敗について、会社に対する善管注意義務違反が認められた事例 二 右損害賠償責任につき過失相殺の法理を類推して損害額が減額された事例 (福岡地裁平8.1.30判決) ■タバコの吸殻の不始末による住宅の火災による焼失事故について、保険契約者に重過失があるとして、 保険会社の免責が認められた事例 (旭川地裁平9.1.31) =知的財産= ■原告商標と被告標章の類否を判断するにあたり、原被告双方から証拠として提出されたアンケートの証 拠価値に言及し、商標権侵害による損害賠償を認容した事例 (東京地裁平9.3.31判決) ■工業的に量産されるスモーキングスタンド、ダストボックス等の商品の設計図の表現方法に独創性、創 作性が認められないとして、著作物性を否定した事例 (東京地裁平9.4.25判決) =諸法= ■一 加入電話契約者に無断で利用されたダイヤルQ2の情報料及び通話料のうち通話料については契約 者に支払義務があるが、情報料については支払義務はないとされた事例 二 加入電話契約者に無断で利用されたダイヤルQ2の情報料を契約者がNTTに支払い、 NTTが情報提供 者に支払った場合にNTT に不当利得が現存しないとされた事例 (大阪地裁平9・1・28判決) [刑事裁判例] =特別刑法= ■関税法一〇九条二項の禁制品輸入未遂罪において、実行の着手があったと認められた事例 (東京高裁平9・1・29判決) ■営利目的で覚せい剤を多数回にわたり譲渡した事案について、麻薬特例法八条に規定する覚せい剤を譲 り渡すことを「業とした者」に該当するとされた例 (東京地裁八王子支部平8・8・7判決)