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「平成8年度主要民事判例解説」目次




[民法]


〔総則〕


1 担保権の行使及び相殺が権利濫用に該当して効力が生じないとされた事例 大阪高判 (平)7・12・26 
沼田 寛

2 敷金返還請求権を目的とする質権設定についての第三債務者の異議をとどめない承諾に要素の錯誤があると
された事例 最三小判 (平)8・6・18 大工 強

3 物上保証されている債務の消滅時効完成後に、債務者が一部弁済して時効援用権を喪失した場合の、物上保
証人及び物上保証の目的物の第三取得者の時効援用権の有無 大阪高判 (平)7・7・5 長谷川恭弘

4 一 動産執行の目的物の売却の見込みがなく民事執行法一三〇条により執行官が差押えを取り消すことがで
きる場合に申立人が動産執行の申立てを取り下げた場合と消滅時効中断効の有無(消極)二 消滅時効の援
用が権利の濫用であるとされた事例 東京高判 (平)7・12・21 志田博文

5 物上保証人に対する不動産競売の開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合におけ
る被担保債権の消滅時効の中断 最三小判 (平)7・9・5 江原健志

6 物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期 最二小判 (平)8・7
・12 中本敏嗣

7 連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行と主債務の消滅時効の中断 最二小判 (平)8・9・27 
小久保孝雄

8 第三者の申立てに係る不動産競売手続において抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことと右債権の
残部についての時効の中断 最一小判 (平)8・3・28 市川正巳

9 請負人からの注文主に対する建物保存登記の抹消登記手続請求の訴えが、請負代金請求権の消滅時効を中断
する効力があるとされた事例 福岡高判 (平)7・12・26 波床昌則

10 信用金庫取引約定書七条及び九条に基づく相殺ないし弁済充当の処理と時効中断の効果 東京高判 (平
)8・4・23 松山恒昭

11 道路法の適用のある道路の敷地の一部について、黙示の公用廃止の意思表示の事実が認められないとして
、取得時効の成立が否定された事例 大阪地判 (平)7・9・19 松本清隆

12 預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効と会員権の消長 最三小判 (平)7・9・5 安藤一郎

13 司法書士の職務に関する費用及び報酬請求権について民法第一七二条(二年の短期消滅時効)の適用ない
し類推適用が否定された事例 東京地判 (平)8・4・22 大島 明

14 後遺障害における消滅時効の起算点 東京地判 (平)7・9・20 萩原秀紀


〔物権・担保物権〕


15 地上権付区分建物の所有者が地主に対して支払うべき地代支払債務は他の地上権付建物の所有者が支払う
べき地代支払債務との関係で分割債務となるとされた事例 東京地判 (平)7・6・7 佐賀義史

16 土地と建物に共同抵当権が設定された後、抵当権設定者によって再築された建物が第三者に譲渡された場
合に、建物に法定地上権が成立しないとして一括競売を相当とした事例 大阪高判 (平)7・9・13 井上哲
男

17 抵当権者の承諾を得たうえで抵当土地上に建築した建物については追加して抵当権を設定する旨の追加担
保特約がある場合には、抵当権者は、抵当権者の承諾を得ないで建築された建物についても抵当権の追加担保
設定を請求することができる 東京高判 (平)7・10・16 川口代志子

18 不動産に対する商人間の留置権の成否(消極) 東京高判 (平)8・5・28 和根崎直樹

19 将来の賃料債権の包括譲渡の通知に後れて物上代位に基づく差押えをした抵当権者が物上代位に基づく優
先権を主張できるとした事案 東京地判 (平)8・9・20 杉原 麗

20 譲渡担保権と滌除権 最二小判 (平)7・11・10 中山弘幸

21 他人の土地上の建物につき譲渡担保を取得して所有権移転登記を経由した者は、譲渡担保権設定者が土地
に対する占有権原を喪失した場合には、土地所有者に対し、建物収去土地明渡しの義務を負う 大阪高判 (
平)7・5・25 井上哲男

22 甲乙の共有に属する土地建物のうち土地の甲の持分の強制競売と法定地上権 最一小判 (平)6・4・7 
原村憲司

23 短期貸借権解除請求の要件である抵当権者の損害の意義と差押え後の更新を抵当権に対抗できない短期賃
借権解除の可否 最二小判 (平)8・9・13 廣田民生

24 買戻特約付売買契約を売渡担保と認定して買主の清算義務を認めた事例 高知地判 (平)7・7・14 中
山弘幸


〔債権総論〕


25 預金者の使者が預金通帳と届出印が押捺された払戻請求書を持参して普通預金の払戻請求をした事案につ
き、預金者本人の払戻意思確認の必要性を認めて銀行の履行遅滞責任を否定した事例 高松高判 (平)8・1
・23 影浦直人

26 医薬品の添付文書(能書)に記載された使用上の注意事項と医師の注意義務 最三小判 (平)8・1・23
 植垣勝裕

27 相続債権者が相続財産管理人の選任前に相続財産法人に属する債権を代位行使することの可否 東京地判
 (平)7・4・26 森冨義明

28 詐害行為が成立した場合に詐害行為取消権によって保全される債権の額と詐害行為後に発生した遅延損害
金 最一小判 (平)8・2・8 立石健二

29 金融機関が譲渡禁止特約の付されている敷金返還債権を貸金債権の担保として譲り受けた場合において、
右特約の存在を知らないことにつき重大な過失があるとされた事例 東京高判 (平)7・10・31 原啓一郎

30 将来の債権を担保として包括的に譲渡する旨の予約が有効とされた事例 大阪高判 (平)8・1・26 小
林昭彦

31 譲渡禁止の特約のある指名債権が二重に譲渡された場合において、いずれの譲受人も右特約の存在を知り
又は重大な過失により知らなかったときの右各譲受人間の優劣関係 東京地判 (平)8・3・19 田中俊次

32 預金者が死亡し、その同居人が葬儀費用に使用するとして相続預金の解約を求め、銀行が、相続人本人と
誤信して払戻しに応じた場合に、債権の準占有者に対する弁済として認められる範囲 東京地判 (平)7・11
・30 小倉 博

33 三者間にまたがる二つの債権の相殺予約と第三者の差押え 最三小判 (平)7・7・18 加藤正男


〔契約・不当利得〕


34 分譲マンション用地の売買契約が締結に至らなかった場合において、買主となろうとした者に契約締結上
の過失責任が認められた事例 福岡高判 (平)7・6・29 影浦直人

35 一 ローン提携販売に対する割賦販売法三〇条の四の適用ないし類推適用の可否(類推適用の可能性を肯
定)二 割賦販売法の指定商品以外の役務取引に対する割賦販売法三〇条の四の適用ないし類推適用の可否
(いずれも消極) 東京地判 (平)7・3・17 黒野功久

36 土地賃貸人が、賃料不払いを理由に土地賃貸借契約を解除し、これに基づき借地上の建物を取り壊すにあ
たり、賃貸人には、借地上の建物の根抵当権者に対し、事前にその旨通知する信義則上の義務はなく、右通知
をしないまま建物を取り壊す行為も権利の濫用にはあたらないとされた事例 東京地判 (平)7・5・2 石黒
清子

37 貸室を暴力団事務所として使用したことが背信行為であるとして賃貸借契約の解除が認められた事例 東
京地判 (平)7・10・11 杉田雅彦

38 一 賃借人の責に帰すべからざる事由によって家屋が滅失した場合における敷金不返還特約の効力(消極
)二 右の場合のおける敷引特約の効力(消極) 大阪地判 (平)7・2・27 井上泰人

39 借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法五六八条一項、二項及び五
六六条一項、二項の類推適用 最二小判 (平)8・1・26 塩崎 勤

40 国鉄の使用承認に基づく鉄道高架下の貸借関係につき借地法の適用がないとした事例 東京地判 (平)7
・7・26 岡本 岳

41 地代の増額請求における借地法一二条二項にいう相当賃料 最二小判 (平)8・7・12 塩崎 勤

42 公租公課の増額を理由とする小作料の増額請求が認められた事例 大阪高判 (平)7・9・22 牧 賢二

43 建物賃借人から修繕工事を請け負った者が賃借人の無資力を理由に建物所有者に対し不当利得の返還を請
求することができる場合(消極) 最三小判 (平)7・9・19 宮川博史

44 脱税をもみ消すための不正工作資金として交付した金員の返還請求について、不法原因給付に該当すると
して棄却した事例 名古屋地判 (平)7・7・13 和根崎直樹


〔不法行為〕


45 医師が未熟児である新生児を黄だんの認められる状態で退院させ右新生児が退院後黄だんにり患して脳性
麻ひの後遺症が生じた場合につき医師の退院時における説明及び指導に過失がないとした原審の判断に違法が
あるとされた事例 最三小判 (平)7・5・30 河野泰義

46 産婦人科開業医が患者の片側乳房に腫瘤に認めながら生理後の再来診を指示したため乳癌の発見が遅れた
場合に無視できない生存率の差が生じたとして医師の過失と「死亡」との因果関係を一定限度で認めた事例 
東京地判 (平)7・3・24 金田洋一

47 責任能力を有する未成年者が起こした交通事故について、監督義務者である親の不法行為責任が否定され
た事案 東京地判 (平)7・11・22 森田浩美

48 レンタカーを共同して旅行の用に供していた三名が、共同運行供用者の地位にあり、かつ自賠法三条の他
人に当たらないとされた事例 東京高判 (平)7・9・13 増永謙一郎

49 会社の従業員が自家用車を用いて、会社主催の宴会解散後、任意の二次会に向かう途中に惹起した交通事
故につき、会社の使用者責任が否定された事例 東京地判 (平)7・3・7 男澤聡子

50 加害者から損害賠償を受けた交通事故の被害者からする自賠法一六条一項に基づく損害賠償請求の可否(
消極) 大阪地判 (平)7・3・28 平林慶一

51 自賠法七二条一項前段に基づく請求権の消滅時効の起算点 最三小判 (平)8・3・5 加藤新太郎

52 自家用自動車保険普通保険約款の第一章賠償責任条項八条三項の免責条項にいう「配偶者」と内縁の配偶
者 最二小判 (平)7・11・10 前田英子

53 一事件一 一般国道等の道路の周辺住民が受けた自動車騒音の屋外騒音レベルの認定に違法はないとさ
れた事例二 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害が社会生活上受
忍すべき限度を超えるとして右道路の設置又は管理に瑕疵があるとされた事例三 自動車騒音によるいわゆ
る生活妨害を被害の中心として多数の被害者から一律の額の慰謝料が請求された場合についての受忍限度を超
える被害を受けた者とそうでない者とを識別するための基準の設定に違法はないとされた事例 最二小判 
(平)7・7・7 中本敏嗣

53 二事件一般国道等の道路の周辺住民からのその供用に伴う自動車騒音等により被害を受けているとして
右道路の供用の差止めが請求された場合につき右請求を認容すべき違法性があるとはいえないとされた事例
 最二小判 (平)7・7・7 中本敏嗣

54 通信社からの配信記事に基づいて報道した報道機関につき、いわゆる配信サービスの抗弁の適用を否定し
た事例 東京高判 (平)8・5・20 田中 敦

55 閉鎖的な精神病棟の現実及び精神医療の在り方を訴える題材として特定の精神病院の実態を取り上げて批
判、論評するテレビのドキュメンタリー番組の放送につき名誉毀損の不法行為が成立しないとされた事例 大
阪地判 (平)7・11・30 貝阿彌誠

56 変額保険の勧誘が説明義務に違反しているとして保険会社及び外務員に損害賠償責任が認められた事例 
東京高判 (平)8・1・30 田中 治

57 婚姻関係が既に破綻している夫婦の一方と肉体関係を結んだ第三者は他方配偶者に対して不法行為責任を
負うか 最三小判 (平)8・3・26 小林元二

58 一 障害年金受給者が他人の不法行為により死亡した場合に、受給者が将来受けるべき年金は逸失利益と
なるか(積極)二 障害年金相当の損害賠償請求権を相続した遺族が遺族年金の受給権を取得した場合その
額を請求債権額から控除すべき限度 那覇地判 (平)7・10・31 齋藤憲次

59 労働者災害補償保険支給金支給規則による特別支給金を被災労働者の損害額から控除することの可否 最
二小判 (平)8・2・23 齋藤 隆

60 再婚禁止期間について男女間に差異を設ける民法七三三条を改廃しない国会ないし国会議員の行為と国家
賠償責任 最三小判 (平)7・12・5 大沼洋一

61 国立大学研究所附属実験所における実験に従事していた同研究所助手が実験準備中の爆発事故により死亡
した事案につき、指導教授に実験の安全確保のための注意義務を怠った過失があったとして、国に損害賠償責
任が認められた事例 仙台高判 (平)7・12・11 吉井隆平

62 請求棄却を申し立て、請求原因については追って調査の上認否する旨記載された答弁書を擬制陳述されて
口頭弁論を終結し、翌日請求認容判決を言い渡した裁判官の措置を違法とする国家賠償請求が棄却された事例
 東京高判 (平)7・9・28 徳岡 治

63 調停委員会の調停条項作成上の過失及び裁判官の訴え取下げ勧告の違法を理由とする国家賠償請求が棄却
された事例 東京地判 (平)7・2・28 市川 昇

64 違法な利息金を定めた準消費貸借公正証書の作成につき公証人に過失がないとして国賠責任が否定された
事例 札幌高判 (平)7・5・10 山本 博

65 登記官は、登記申請書類の偽造を発見した場合。(一)どういう事情があれば、その旨を直ちに申請人な
いしはその代理人に告知する義務を負うか、(二)当該申請を即日却下すべき義務を負うか(消極) 大阪地
判 (平)7・3・3 浦木厚利

66 司法警察員による被疑者の留置についての国家賠償法一条一項所定の違法性の判断基準 最二小判 (平
)8・3・8 河本晶子

67 拘置所の独居房の窓の外側に設置された遮へい板が日照・採光・通風・眺望を違法に妨げるとしてなされ
た国家賠償請求が棄却された事例――独居房遮へい板訴訟控訴審判決 東京高判 (平)7・5・22 宇田川基

68 市が、要綱により、獣医師に飼い犬、飼い猫の不妊手術を受けさせた市民に補助金を交付するに当たり、
その獣医師を獣医師会に所属する獣医師に限定したことに国賠法一条の違犯はないとされた事例 最三小判 
(平)7・11・7 金子順一

69 一 普通河川からのいっ水によって生じた水害につき河川管理の瑕疵がないとされた事例二 設置済み
の河川管理施設の瑕疵の有無の判断基準 最二小判 (平)8・7・12 田中 敦


〔親族・相続〕


70 人の死亡時刻の戸籍訂正方法 大阪高決 (平)7・9・11 田中恒朗

71 婚姻当事者以外の利害関係人の身分上の地位を及ぼす影響を考慮して婚姻無効確認請求が信義則に反する
とはいえないとされた事例 最二小判 (平)8・3・8 北野俊光

72 離婚に伴う不動産の財産分与が詐害行為に当たるとされた事例 東京地判 (平)7・5・16 飯原一乗

73 妻からの離婚に伴う財産分与付帯申立事件において、妻が持出した財産額が、分与相当額を上回るとして
、夫からの申立てがないのに、その差額を夫に分与した事例 東京高判 (平)7・4・27 大津千明

74 婚姻生活中に形成された財産及び夫の特有財産上に抵当権が設定され、被担保債務の返済が順調に行われ
ていない場合、財産分与について担保権の消長等を見た上で家事審判等に委ねるべきであるとして、妻からの
財産分与の請求を棄却した事例 東京高判 (平)7・3・13 後藤 勇

75 夫と不倫関係にあった女性に対し、妻が慰謝料の支払いを求めた事案において、その請求権を行使するこ
とが、信義則に反し、権利の濫用として許されないとされた事例 最三小判 (平)8・6・18 水野有子

76 中国人女性から日本人男性に対して請求した離婚慰謝料を算定するに当たり、同女が居住する中国の物価
水準を重要な要素として考慮すべきか(消極) 仙台高秋田支判 (平)8・1・29 南 敏文

77 一審が、離婚請求事件の被告である夫に自省の機会を与えて棄却判決を下した後、控訴審において自省の
跡が見られないとして、同請求が認容された事例 東京高判 (平)8・7・30 井垣康弘

78 一 妻の不貞を理由とする戸籍上の父と子の親子関係不存在確認訴訟において、右父子関係の不存在につ
き血液鑑定などの科学的証拠による証明がなく、右訴えは不適法であるとされた事例 東京高判 (平)7・1
・30 梶村太市

78 二 妻の不貞を理由とする損害賠償請求訴訟において、供述証拠等の全証拠によれば戸籍上の父と子との
親子関係の不存在について証明があるとして、右訴えの一部が容認された事例 東京高判 (平)7・1・30 
梶村太市

79 戸籍上養父との養子縁組の記載しかないにもかかわらず、養母との養子縁組もあったとして養親子関係確
認請求が認容された事例 福岡高判 (平)7・3・29 東條 宏

80 父に対する認知の裁判中で母子関係が判断されたことに伴い戸籍訂正がなされ、母の非嫡出の子として記
載された者について、他の子からの母子関係不存在確認の訴えが認められた事例 東京高判 (平)7・10・30
 村重慶一

81 日本人男性と外国人女性との間の非嫡出子につき、認知により日本国籍の取得を認めた事例 東京高判 
(平)7・11・29 松本哲泓

82 日本国籍を有し、わが国内に住所する者が、大韓民国国籍を有し、同国内に住所する者を被告として提起
した婚姻無効確認請求訴訟について、わが国の裁判管轄が認められた事例 名古屋地判 (平)7・2・17 横
田勝年

83 遺産分割審判についての民法五六三条三項の損害賠償請求権は、当該財産が既に第三者に売却されている
ことを当該相続人が審判前から知っていた場合でも、否定されることはないとされた事例 大阪高判 (平)8
・7・9 西口 元

84 単独名義で相続の登記を経由した共同相続人の一人から不動産を譲り受けた者と相続回復請求権の消滅時
効の援用 最三小判 (平)7・12・5 坂本慶一

85 一 遺産に属する預金につき、共同相続人の一人が自己の法定相続分に応じた払戻請求をすることの可否
(積極) 東京高判 (平)7・12・21 小林 亘

85 二 右払戻請求があった場合の銀行の対処方法 東京地判 (平)8・2・23 小林 亘

86 財産全部の包括遺贈に対し遺留分減殺請求権が行使された場合における遺留分権利者に帰属する権利の性
質 最二小判 (平)8・1・26 島田充子

87 限定承認者(推定相続人)が被相続人の不動産につき死因贈与を原因に所有権移転に関する仮登記を経由
し、その本登記を了しても、同不動産は、民法九二二条の「相続によって得た財産」に含まれるとされた事例
 東京高判 (平)8・7・9 浦野雄幸

88 相続財産分与の審判前に特別縁故者に当たると主張する者が提起した遺言無効確認の訴えと訴えの利益 
最一小判 (平)6・10・13 清水 節

89 異なる筆跡鑑定を詳細に比較検討して、遺言書の真正な成立を否定した事例 東京地判 (平)7・12・26
 住山真一郎

90 前の遺言が後の遺言と全面的に抵触し、前の遺言が後の遺言により全面的に取り消されたものとみなされ
た事例 東京地判 (平)7・7・26 中田昭孝

91 遺贈を受けた相続人が、共同相続人から遺留分減殺請求を受けた後に遺産を売却し、売得金の一部を共同
相続人に分配した事案について、換価分割の方法による遺産分割と認定し、遺留分減殺請求に対する価額弁償
と認定した所得税更正処分と取り消した事例 福岡地判 (平)8・2・2 永井尚子

92 遺留分減殺請求権の消滅時効の起算点 大阪高判 (平)7・8・24 安倍晴彦


[商事法]


〔商事法一般〕


1 スーパーマーケットに出店しているテナントと買物客との取引に関して商法二三条の類推適用によりスーパ
ーマーケットの経営会社が名板貸人と同様の責任を負うとされた事例 最一小判 (平)7・11・30 山口和男

2 一 自家用自動車保険普通約款の搭乗者障害条項にいう「正規の乗車用構造装置のある場所」の意義二 
右条項にいう「正規の乗車用構造装置のある場所」に当たらないとされた事例 最三小判 (平)7・5・30 
小西義博


〔会社法〕


3 有限会社における社員総会招集手続の瑕疵 仙台高判 (平)7・11・24 寶金敏明

4 取締役会決議につき特別利益関係を有する代表取締役が取締役会の議長となって取締役会の議事を主宰し、
議決権を行使したことは決議の無効事由となるか 東京地判 (平)7・9・20 田中信人

5 株主代表訴訟における担保提供が抗告審において変更された事例――芦浜原発反対株主代表訴訟担保提供申
立事件抗告審決定 名古屋高決 (平)7・11・15 丸地明子

6 一 代表訴訟の提起が株主権の濫用に当たらないとされた事例二 倒産の予測可能なグループ企業に対す
る多額の融資及び債務保証をした代表取締役の行為が善管注意義務・忠実義務に違反するとされた事例三 
取締役の監視義務違反が認められた事例 東京地判 (平)7・10・26 生田治郎

7 同族会社の代表者が退職取締役との間で退職金を支払う旨の合意をした場合に、株主総会の決議があったと
同視でき、決議のないことを主張して支払を拒むことは信義則上許されないとされた事例 東京高判 (平)7
・5・25 小林邦夫

8 株主総会が代表取締役の退職慰労金の支給を決定し、金額等の決定を取締役会に一任した場合、取締役会が
合理的期間経過後も、その決定を放置することは、特段の事由がない限り、取締役会の任務懈怠を構成する―
―佐世保重工代表取締役退任慰労金訴訟第一審判決 東京地判 (平)6・12・20 末吉幹和

9 商法二八〇条ノ三ノ二の規定に違反する新株発行は、取締役会の決議に基づき会社を代表する権限を有する
取締役により既に発行された以上、有効である 東京高判 (平)7・10・25 太田剛彦

10 新株発行差止仮処分に違反する新株発行が無効とされた事例 東京高判 (平)7・5・31 山田知司

11 企業の乗っ取りに対抗して株式を買い戻す工作を依頼し、金員を交付した行為が商法二九四条ノ二の「株
主の権利の行使に関」する利益供与に該当するとされた事例 東京地判 (平)7・12・27 坂倉充信

12 貸金債権の未発生の利息の支払のために振り出された約束手形であることを知って右手形を取得した行為
と手形法一七条ただし書 最二小判 (平)7・7・14 永井裕之


[民事訴訟法]


〔判決手続〕


1 第三者による宗教法人の代表役員等の地位にないことの確認を求める訴えにつき原告適格を否定した事例 
最二小判 (平)8・6・24 須藤典明

2 損害保険の保険契約者は、被保険者の保険会社に対する保険金請求に関する訴えについて、任意的に訴訟を
担当することは許されず、原告適格を欠くとして、右訴えが不適法却下された事例 東京地判 (平)7・10・
3 高橋 徹

3 控訴審が重要な書証の成立について第一審の判断を覆す場合にその著名部分の筆跡鑑定の申出をするかどう
かについて釈明権の行使を怠った違法があるとされた事例 最一小判 (平)8・2・22 杉山正己

4 控訴審の第三回口頭弁論期日において主張された相殺の抗弁が時機に遅れた攻撃防御方法であるとして却下
された事例 大阪高判 (平)7・11・30 後藤 勇

5 単なる債権的請求権でなく背後に物権的性請求権である所有権を兼ね備えている引渡請求権を認めた判決の
効力は、口頭弁論終結後の承継人にも及ぶ 仙台高判 (平)7・10・31 坂本慶一

6 不適法なことが明らかであって、当事者のその後の訴訟活動により訴えを適法とすることが全く期待できな
い訴えにつき、口頭弁論を経ずに、訴えを却下するか又は控訴を棄却する場合における被告に対する訴状、控
訴状又は判決正本の送達の要否 最三小判 (平)8・5・28 後藤 勇

7 訴訟係属中の事件において相殺の抗弁を主張している場合にその自働債権を別訴で請求することは不適法と
して許されないと判断された事例 大阪地判 (平)8・1・26 佐藤陽一

8 禁治産者の後見人がその就職前にした無権代理による訴えの提起及び弁護士に対する訴訟委任の行為の効力
を再審の訴えにおいて否定することが信義則に反して許されないとはいえないとされた事例 最一小判 (平
)7・11・9 滝澤孝臣

9 過料の裁判の申立てに対し職権を発動しない旨の判断がされた場合に、民事訴訟法四二〇条二項後段に該当
するとされた事例 東京地判 (平)7・10・26 山田知司


〔民事執行〕


11 民事執行手続において、訴訟上の救助が受けられるための要件 東京高決 (平)7・2・3 宮尾成明

12 記載内容が事実に合致しないため公正証書が無効とされた事例 最三小判 (平)6・4・5 岩木 宰

13 債務者の共同相続人のうちの一名が単独相続したものとして債務名義に承継執行文が付された場合、これ
による強制執行を執行文付与に対する異議の訴えにより排除できるか(消極) 大阪地判 (平)7・11・22 
峯 俊之

14 強制競売の目的建物が先行する不動産競売の目的建物の付属建物であることが判明した場合、後行の強制
競売手続は取り消されるべきであるとされた事例 大阪高決 (平)7・6・23 原 敏雄

15 最低売却価額の決定に重大な誤りがあるが、最高価買受申出人の申出額が不動産の適正な価額に達してい
るので、右瑕疵は治癒されたとされた事例 名古屋高決 (平)7・8・14 城所淳司

16 一 未登記の所有権に基づいて不動産を占有する者は、不動産引渡命令の対象となるか(積極)二 不
動産の二重譲渡において劣後する買主が、売主に対する手付金返還請求権を被担保債権として、当該不動産を
留置できるか(消極) 大阪高決 (平)7・10・9 高橋 徹

17 貸金庫利用者の債権者による内容物引渡請求が、内容物の現実の存在に関する主張立証を欠くという理由
で否定された事例 大阪高判 (平)7・11・22 本田 晃

18 債権差押命令の申立てが差し押さえるべき債権の特定を欠くため不適法とされた事例 東京高決 (平)7
・10・18 小川 浩

19 地方共済組合への貸付金の返済のための控除を給与から受けている公務員が他の債権者から給与の差押え
を受けた場合に差押禁止範囲変更の判断に当たって右給与からの控除を民事執行法一五三条一項の「債務者の
生活の状況その他の事情」として考慮することの当否 大阪高決 (平)7・4・17 廣田民生

20 差押禁止債権の範囲の変更(拡張=差押命令の全部の取消し) 奈良地葛城支決 (平)7・2・16 久保
田三樹

21 債権執行において、第三債務者が供託した後配当手続がなされるまでの間に債務者につき免責決定が確定
した場合の執行手続の帰すう 大阪地判 (平)7・6・30 窪田正彦

22 診療報酬債権に対する管理命令の申立てが、管理人による適切な職務の執行が著しく困難であるとして却
下された事例 福岡高決 (平)7・6・28 原啓一郎

23 後順位抵当権者の任意競売と剰余主義 東京高決 (平)7・8・8 小野寺忍

24 不動産の譲渡担保権設定者が譲渡担保権者との約定により当該不動産を無償で占有を続ける場合、譲渡担
保者が設定した担保権の実行手続においては、右譲渡担保権設定者は、引渡命令の相手方とならない 東京高
決 (平)7・10・3 大塚慶之

25 抵当不動産について将来発生する賃料債権の包括的譲渡がありその対抗要件が具備された後における抵当
権者の当該賃料債権に対する物上代位権行使の可否 大阪高判 (平)7・12・6 小野 剛


〔民事保全〕


26 契約上の義務に基づく請求権を被保全権利として、写真集などの出版等の禁止及び写真集などの執行官保
管の仮処分申立てを認容した事例――ヘアヌード写真集出版差止等仮処分申請事件 東京地決 (平)8・3・1
4 中山弘幸

27 不動産の所有権移転登記請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分がされた後に仮処分債務者である根
抵当権設定者がした根抵当権譲渡の承諾は右処分の効力に抵触するか(積極) 大阪高決 (平)7・10・9 
岡本 岳


〔倒産手続〕


28 債務の弁済が破産法七二条一号の「破産債権者ヲ害スルコトヲ知リテ為シタル行為」に当たるとされた事
例 東京地判 (平)7・3・22 牧 真千子

29 債権申立てによる破産事件において、手形の不渡りを出したことのない営業継続中の株式会社が、支払不
能の状態にあるか否かを判断するにつき考慮すべき要素 名古屋高決 (平)7・9・6 金子武志

30 債務者による自己破産の申立てがあった場合における個別的権利行使の可否(積極) 東京地判 (平)7
・7・24 村上亮二

31 一 株式投資により損失を被った者がその損失補填のためにさらに株式投資をした場合の免責事由の有無
二 破産者が誠実に債務の支払に努めた場合の裁量免責 東京高決 (平)8・2・7 佐賀義史

32 会社更生の申立につき「更生の見込みがない」として棄却した原決定を取消し、原審に差戻した事例 大
阪高決 (平)7・7・17 清水信雄


〔渉外〕


33 日本に居住する日本人夫からドイツに居住するドイツ人妻に対する離婚請求訴訟について、わが国の国際
裁判管轄が肯定された事例 最二小判 (平)8・6・24 小野寺規夫

34 離婚反訴請求事件の国際裁判管轄につき、外国人原告の常住居所が明らかでないこと及びその原告の提起
した訴えに対する反訴であることを理由に、被告住所地主義の例外とすべき事情を認めわが国の国際裁判管轄
権を肯定した事例 名古屋高判 (平)7・5・30 小田敬美


[行政・労働法]


〔租税〕


1 登録免許税法三一条二項による同条一項の過誤納税額等の通知を税務署長にすべき旨の請求に対して、登記
官がした右通知ができない旨の通知の処分性 東京高判 (平)7・11・28 都築 弘

2 一 帳簿書類の提示の拒否と青色申告書提出承認取消(消極)二 青色申告書提出承認取消処分取消訴訟
において、青色申告書提出取消処分通知書に記載されていない事実を追加的に主張されることが許されるとさ
れた事例 広島地判 (平)7・2・22 加藤就一

3 相続不動産の相続時価を超える相続税が生じる場合に租税特別措置法六九条の四の適用を否定した事例 大
阪地判 (平)7・10・17 岡田幸人

4 土地課税台帳に登録された平成六年度の価格が、地方税法三四一条五号にいう「適正な時価」を上回る違法
なものであるとして、登録価格に対する審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の決定が、その上回る部
分について取り消された事例 東京地判 (平)8・9・11 橋詰 均

5 移転価格課税により生じた二重課税の回避のために行われた対応的調整が日米租税条約二五条に基づく適法
なものであるとされた事例 東京高判 (平)8・3・28 高須要子


〔地方自治〕


6 何者かに殺害された労働組合幹部の合同葬に使用するためにされた市福祉会館の使用許可申請に対する不許
可処分が違法とされた事例――上尾市福祉会館使用不許可国家賠償事件 最二小判 (平)8・3・15 内田義
厚

7 一 行政事件訴訟法一五条は地方自治法二四二条の二第一項四号前段所定の住民訴訟に準用される二 地
方自治法二四二条の二第一項四号前段所定の住民訴訟において被告の変更が認められた場合に、当初の訴えの
提起時に変更後の被告との関係においても損害賠償請求権の消滅時効が中断されるとした事例――京都市民生
局架空接待費住民訴訟第一審判決 京都地判 (平)7・10・20 徳岡 治

8 「回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合」に当たらないとして公金支出の差止めを求める住民訴訟の
訴えが却下された事例――旧陸軍軍医学校跡地の人骨火葬費用支出差止住民訴訟控訴審判決 東京高判 (平
)7・12・20 太田幸夫

9 町が県に対してした寄附が地方財政法二八条の二に違反するとされた事例 最二小判 (平)8・4・26 杉
山正己

10 国が提起した公文書公開決定の取消を求める訴えが法律上の争訟に該当しないとされた事例――那覇市情
報公開決定取消請求事件控訴審判決 福岡高那覇支判 (平)8・9・24 加藤就一


〔行政作用〕


11 生活保護の対象を日本国民に限る生活保護法一条の規定は憲法二五条、一四条に違反するか(消極) 東
京地判 (平)8・5・29 金子順一

12 戦傷病者戦没者遺族等援護法の国籍条項・戸籍条項により在日韓国人である旧日本軍の軍人軍属を同法の
適用外とする取扱いは、いわゆる日韓請求権・経済協力協定の締結後は、憲法一四条に違反する疑いがあると
された事例――元日本軍属在日韓国人援護法障害年金請求却下処分取消訴訟 大阪地判 (平)7・10・11 藤
原弘道

13 信仰上の理由により剣道実技の履修を拒否した市立高等専門学校の学生に対する校長の原級留置処分及び
退学処分が裁量権の範囲を超える違法なものであるとされた事例――エホバの証人退学処分等取消訴訟上告審
判決 最二小判 (平)8・3・8 太田幸夫

14 市立中学校の「中学校生徒心得」に男子生徒の頭髪は丸刈りとするなどの定めを置く行為が抗告訴訟の対
象となる処分に当たらないとされた事例 最一小判 (平)8・2・22 脇 博人

15 行政行為の無効原因の有無の判断基準 大阪高判 (平)7・7・28 榮 春彦

16 出入国管理及び難民認定法別表第二所定の「日本人の配偶者等」の在留資格をもって本邦に在留していた
外国人の在留資格につき同法別表第一の三所定の「短期滞在」への変更許可がされた後における在留期間の更
新不許可が右変更許可の経緯を考慮していない点で違法とされた事例 最三小判 (平)8・7・2 佐久間健吉


〔行政争訟〕


17 職務執行命令訴訟における補助参加の許否と憲法三二条 最二小決 (平)8・2・26 中込秀樹

18 市営水道事業の特定事業者開発負担金算定の基準水量の増量変更が低きに過ぎるとして住民が提起した右
負担金差額の賦課徴収を怠っている事実の違法確認請求がその後条例等が改正されたことを理由に一部排斥さ
れた事例――赤穂市水道事業開発負担金不徴収違法確認住民訴訟控訴審判決 大阪高判 (平)7・12・20 太
田幸夫

19 国民年金法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)に基づく老齢年金受給権者が未支給老齢年金
の支払を求める訴訟の係属中に死亡した場合における訴訟承継の可否 最三小判 (平)7・11・7 西口 元

20 ぱちんこ店の近隣住民である原告らは、当該ぱちんこ店についてされた風俗営業等の規制及び業務の適正
化等に関する法律(風営法)三条一項所定の営業許可の取消しを求める原告適格を有しないとして、右許可の
取消しを求める訴えが却下された事例 東京地判 (平)7・11・29 近田正晴


〔行政組織〕


21 一 大韓民国国籍を有する外国人登録上の永住資格者らは、市・町選挙管理委員会に対し、選挙人名簿に
登録されていないことについて、無名抗告訴訟として違法確認の訴えを提起し得るか二 右永住資格者らに
は、普通地方公共団体の長及び議会の議員の選挙権が憲法上保障されているか 名古屋高金沢支判 (平)8・
6・26 白石研二

22 不在者投票の管理執行の違法が不在者投票全体について公正を疑わしめるに足りるものであって選挙の結
果に異動を及ぼすおそれがあるとされた事例――珠州市長無効訴訟上告審判決 最二小判 (平)8・5・31 
太田幸夫

23 公職選挙法二五一条の二第一項が定める連座制による立候補禁止規定が憲法一五条、三一条、九三条に違
反しないとされた事例 最一小判 (平)8・7・18 成川洋司

24 東京都がその職員である外国人に対し東京都管理職選考試験の受験を拒否したことは、憲法二二条一項、
一四条一項、地方公務員法一三条、一九条に違反しないとされた事例 東京地判 (平)8・5・16 加藤美枝
子

25 職務執行命令訴訟における司法審査の範囲――沖縄県知事に対する職務執行命令訴訟上告審判決 最大判
 (平)8・8・28 宇賀克也


〔個別的労働関係〕


26 会社が職制等を通じて特定政党の党員又はその同調者である従業員を監視し孤立させるなどした行為が人
格的利益を侵害する不法行為に当たるとされた事例 最三小判 (平)7・9・5 松本光一郎

27 使用者が企業秩序維持のために講じた措置によって労働者が損害を被った場合における不法行為の成否及
びその要件事実 最一小判 (平)8・3・28 夏井高人

28 病院経営者は、病院施設の所有権及び営業権に基づいて、当該病院に対する業務妨害行為の差止めを求め
ることができるとした事例 東京地判 (平)7・9・11 中園浩一郎

29 取締役の従業員兼務の有無の判断基準 大阪地決 (平)7・10・6 林 豊

30 労働者を被保険者とし、使用者を保険金受取人とする生命保険契約と退職金・弔慰金請求権――東京大林
計器事件 東京地判 (平)7・11・27 山川隆一

31 夫婦共働き家庭の妻で満三歳の幼児を保育中の女性従業員に対する異動命令が権利濫用に当たらず有効と
された事例 東京高判 (平)7・9・28 合田智子

32 会社が新たに設立した別会社への転籍出向命令を拒否した従業員に対し就業規則所定の懲戒事由に当たる
としてした解雇が有効とされるための要件――三和機材転籍出向事件 東京地判 (平)7・12・25 太田晃詳

33 医師が病院における抗生物質の過剰投与等を保健所に対し内部告発したことを理由とする普通解雇が解雇
権の濫用に当たるとされた事例――医療法人思誠会(富里病院)事件 東京地判 (平)7・11・27 西崎健児

34 一 労作型の狭心症を発症した当日及び翌日に公務に従事した地方公務員の心筋梗塞による死亡が公務上
の死亡にあたるとされた事例 最三小判 (平)8・1・23 島岡大雄
二 地方公務員が午前中に出血を開始した特発性脳内出血により当日午後の公務に従事中に意識不明とな
って倒れ入院後死亡した場合につき、死亡の公務起因性を否定した原審の判断に違法があるとされた事例 最
三小判 (平)8・3・5 島岡大雄
三 長距離トラックの運転手が荷卸作業中にくも膜下出血を発症して死亡した場合につき、脳動脈瘤の基
礎疾患と過重な業務が共働原因となってとして業務起因性が認められた事例 大阪高判 (平)7・4・27 島
岡大雄


〔団体労働関係〕


35 五五歳以上の従業員の給与の支払額を下げることとなる専任職制度を採用した就業規則の改定が合理性を
失わないとされた事例――みちのく銀行事件控訴審判決 仙台高判 (平)8・4・24 長久保尚善

36 一 組合の第三者に対するビラの配布と組合活動の正当性二 会社らの組合らに対するビラ配布行為者
を理由とした損害賠償請求が棄却された事例 大阪地判 (平)8・1・24 三浦隆志

37 部長、次長、課長、営業所長の職にあった者が労働組合を結成したこと等を理由としてなされた懲戒解雇
が無効とされた事例――大阪相互タクシー事件 大阪地判 (平)7・9・4 梅本圭一郎

38 経営合理化の一環としての子会社への移籍を拒否したことを理由とする、組合内少数派組合員に対する解
雇が不当労働行為とされ、救済を命じた一、二審判決が維持された事例――千代田化工建設事件 最二小判 
(平)8・1・26 中路義彦

39 一 使用者が労働組合に対し組合集会等のための従業員食堂の使用を許諾しない状態が続いていることを
もって不当労働行為に当たるということはできないとされた事例二 使用者が労働組合に三六協定の締結適
格があるかどうかを確認する目的で従業員に記名式の照会票を配付して組合加入の有無を調査したことが不当
労働行為に当たらないとされた事例 最二小判 (平)7・9・8 片田信宏

40 労働協約の拡張適用とその限界――朝日火災海上保険事件 最三小判 (平)8・3・26 山川隆一



 

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