判例タイムズNo.946目次
判例タイムズNo.946(1997.10.1)9.25発売 新民事訴訟法下における争点整理手続の概要 〔大阪地裁新民訴法研究会報告3〕/森宏司・大西忠重 サブリース賃料減額請求における減額賃料の鑑定/澤野順彦 家事調停における釈明─職権主義と抗弁権/東孝行 公判期日外の証人尋問〔刑事証拠法に関する裁判例の研究24〕/毛利晴光 違法性の錯誤の実体(2)─「法令の内容の不知」に関する判例の検討/中山研一4 公職選挙法─三七条の二第二項但書にいう「選挙運動のための労務に 使用する場合」に当たらないとされた事例〔特別刑法判例研究33〕/佐々木史朗・内山良雄 社会福祉との接点を求めて─日本社会福祉会青年後見制度 研究委員会における検討に参加して〔成年後見制度の実務の現状と展望13〕/大澤理尋 裁判官の判断におけるスジとスワリ(11)/松村良之・太田勝造・岡本浩一 <判例紹介細目次> [特報] ■一 シベリア抑留者が日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同 宣言六項後段に定める請求権放棄により受けた損害につき憲法二九条三項 に基づき国に対して補償を請求することの可否 二 シベリア抑留者が長期にわたる抑留と強制労働により受けた損害につ き憲法一一条、一三条、一四条、一七条、一八条、二九条三項及び四〇条 に基づき国に対して補償を請求することの可否 三 国が連合国最高司令官総司令部の発した覚書に従い南方地域から帰還 した日本人捕虜に対して抑留期間中の労働賃金を決済する措置を講じてき たことを理由としてシベリア抑留者が憲法一四条に墓づき国に対して抑留 期間中の労働賃金の支払を請求することの可否 (最高裁第一小法廷平9・3・13判決) ■中京銀行株主代表訴訟事件判決 借入金の増加、利益率の低下のみられた取引先に対し担保割れの状態と なる融資を決定した判断につき銀行の取締役に善管注意義務違反があると はいえないなどとして、代表訴訟に係る損害賠償請求が棄却された事例 (名古屋地裁平9・1・20) [最高裁判例] =国家補償法= ■国税犯則取締法に基づいて犯則嫌疑者の取引金融機関において差し押さ えた多数の帳簿書類等の中に相当の時間をかけて平穏な状況の下で差押物 件の選別を行うことができたならぱ犯則事実との関連性ないし差押えの必 要性がないという判断をすることが可能な物件が含まれていたとしても右 差押えに違法がないとされた事例 (最高裁第二小法廷平9・3・28判決) =民法= ■いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される 特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすぺき ものとした原審の判断に違法があるとされた事例 (最高裁第二小法廷平9・4・25判決) =刑法= ■一 刑法三六条一項にいう「急迫不正の侵害」が終了していないとされ た事例 二 過剰防衛に当たるとされた事例 (最高裁第二小法廷平9・6・16判決) [行政裁判例] =行政争訟法= ■県議会議員選挙に立候補したが落選し、立候補の際に供託した金員を没 収された者が公職選挙法九二条一項三号及び九三条一項に定められた供 託及び供託金没収の制度が憲法に反するとして、国に対してした供託金の 返還を求める訴訟が、適法とされた事例 (神戸地裁平8・8・7判決) =国家補償法= ■偽造の印鑑登録廃止届等を受理し、これに基づいて印鑑登録廃止・印鑑 登録・印鑑登録証明書の交付をした市職員の過失を否定した事例 一福岡高裁平8・12・19判決) =地方自治法= ■市職員が土地所有者に土地買取希望申出書用紙を交付したとしても市と 土地所有者との間に売買の一方の予約が成立したとはいえないとされた事 例 (浦和地裁平8・9・6判決) [労働裁判例] =個別的労働関係= ■私立男子高校の教師が、体育の授業中に生徒を全裸にさせてプールで泳 がせたことなどを理由としてなされた懲戒解雇が、懲戒権の濫用に当たる として無効とされたが、予備的になされた通常解雇は有効であるとされた 事例 (大阪地裁平8・12・25判決) [民・商事裁判例] =民法= ■土地とともに共同根抵当権の目的となっていた建物が滅失し、新建物が 建築されてこれに第三者の根抵当権が設定され、かつ不動産競売において 土地建物が一括売却されて同一人が競落した場合において、もともと共同 根抵当権を有していた土地の根抵当権者がいわゆる底地部分の価値のみな らず借地権部分の価値も把握していたとされた事例 (大阪地裁平9・3・21判決) ■宅地を造成して引き渡す旨の契約の履行期後に買主がした解除が催告及 び履行の提供の有無にかかわらず有効とされ、違約金の請求が認められた 事例 (大阪高裁平8・12・10判決) ■出版物制作供給契約において裁判所が相当な代金額を算定した事例 (東京地裁平8・8・29判決) ■水道加入金を納付しない者に対する給水拒否が不法行為に当たらないと された事例 (甲府地裁平9・2・25判決) ■ビジネス情報週刊誌に掲載された会社の人事及び債券格付けに関する記 事について真実の立証があるものとされ、謝罪広告及び損害賠償の請求が 棄却された事例 (東京地裁平8・12・17判決) ■七八歳の会社社長に変額保険の勧誘をした保険会社の営業所長に説明義 務違反がないとされた事例 (浦和地裁平8・10・25判決) ■週刊現代に掲載された大川隆法生誕祭の記事に関し、名誉毀損であると する幸福の科学側の請求が棄却された事例 (東京地裁平9・1・20判決) ■膀胱癌、S状結腸癌で、膀胱、S状結腸の切除手術を受けた患者が手術後 にMRSAに感染して死亡した事案において、MRSA感染・死亡は、病院の債務 不履行によるものではないとして遺族の損害賠償講求を棄却した事例 (東京地裁平8・5・15判決) =商法= ■積雪時に駐軍場で暖機運転中排気ガスにより運転手が中毒死した事故に つき自動車の運行に起因するものとして自動車総合保険による保険金の請 求が認められた事例 (富山地裁平9・2・28判決) ■自動車運転中被保険者が自動車ごと海中に転落して死亡した事故につい て、「偶然の事故」に当たらないとして傷害保険金請求が棄却された事例 (長野地裁伊那支部平8・11・11判決) [刑事裁判例] =特別刑法= ■日航機ハイジャック事件控訴審判決 日本赤軍による二件の航空機ハイジャック事件において、被告人を実行犯 人と認め無期懲役を言い渡した第一審判決に対する控訴が棄却された事例 (東京高裁平9・4・22判決) ■オウム審理教武器製造未遂事件 一 武器等製造塗一二条一項の罪と同法二二条の二第一号の罪との関係 二 武器等製造法三一条一項の罪の未遂に当たるとされた事例 (東京高裁平8・12・25判決) 速報 ■暴力団組員が居住する中古マンションにつき、右組員の迷惑行為が一時 的ではなく通常人にとって明らかに住み心地の良さを欠く状態に至ってい るとして買主の売主に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認めら れた事例 (東京地裁平9・7・7判決)