判例タイムズNo.947目次
<座談会>事実認定の客観化と合理化 /(司会)加藤新太郎・田尾桃二・春日偉知郎 ・太田勝造・三木浩一 因果関係部会ミニシンポ〔人身賠償補償研究60〕 素因競合と割合的解決 1 『素因競合と割合的解決』ミニシンポの序/野村好弘 2 いわゆる首長事件最高裁判決の問題点/古笛恵子 3 いわゆる首長事件最高裁判決の法的問題点/小賀野晶一 4 素因に関する平成8年10月29日の最高裁2判決をめぐって/高崎尚志 5 一 被害者の体質的要因についての最判(一) 二 被害者の身体的特徴についての最判(二)/加藤了 6 素因に関する平成8年10月の最高裁2判決を巡る臨床医学的考察/舟越忠 7 素因に関する平成8年10月29日の最高裁2判決をめぐって/八島宏平 被告側受任から答弁書提出まで〔シミュレーション新民事訴訟3〕 /京都シミュレーション新民事訴訟研究会 知的障害者の親亡きあとの生活 財産管理サービスの具体的検討 〔成年後見制度の実務の現状と展望15〕/長谷川泰造 賃貸建物の所有権移転と保証金返還債務の随伴性 〔銀行実務と民事裁判385〕/吉田光碩 <判例紹介細目次> [特報] ■宝塚市パチンコ店等建築規制条例事件第一審判決 市が制定した、いわゆる、パチンコ店等の建築を規制する条例が、風俗営 業等の規制及ぴ業務の適正化等に関する法律(風営法)及ぴ建築基準法に 違反するとされた事例 (神戸地裁平9・4・28判決) ■ニフテイサーブ事件第一審判決 一 パソコン通信の電子会議室に他人を誹謗する発言を書き込んだ者が 名誉毀損による不法行為責任を負うとされた事例 二 自己の運営・管理するフォーラムに他人の名誉を毀損する発言が書き 込まれた湯合におけるシステムオペレーターの作為義務 三 自己の運営・管理するフォーラムの電子会議室に書き込まれた他人の 名誉を毀損する発言の一部に対する対応につき作為義務違反があるとして システムオペレーターが不法行為責任を負うとされた事例 四 パソコン通信の主宰者がシステムオペレーターの不法行為につき使用 者責任を負うとされた事例 (東京地裁平9・5・26判決) ■塩酸プロカテロール事件 化学物質の発明及ぴ医薬品の発明にかかる特諦権の存続期間中に、薬事法 に基づくいわゆる後発品の製造承認申鯖に添付する資料を得る目的の試験 のための当該特許発明の実施晶の製造、輸入、使用等の行為は、存続期間 内に製造販売を開始するためのものでない限り、特許法六九条一項の「試 験又は研究のためにする特許発明の実施」に該当し、特許権の効力は及ば ないとされた事例 (東京地裁平9・7・18判決) ■ゼネコン汚職事件第一審判決─宮城県知事ルート 県知事が大手建設会社役貝等から収受した金員の賄賂性を肯定し、実刑 を言い渡した事例 (東京地裁平9・3・21判決) [最高裁判例] =民法= ■背信的悪意者からの転得者と民法一七七条の第三者 (最高裁第三小法廷平8・10・29判決) ■預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡を第三者に対抗するための要 件 (最高裁第二小法廷平8・7・12判決) ■預託金会員制ゴルフクラブの規則に会員の死亡後六箇月以内に届出をし た相続人が会員の地位を承継し得るなどの定めがある場合に右の届出期間 は遺産分割協議が成立した時から起算すべきであるとされた事例 (最高裁第三小法廷平9.5.27判決) =諸法= ■マンションの専有部分の区分所有者の特定承継人が分譲業者と建築当初 の取得者間の専有部分の用途制限に係る合意に拘束されないとされた事例 (最高裁第一小法廷平9.3.27判決) [憲法裁判例] ■在職中に禁鋼以上の刑に処せられたことのみを市長に対する退職手当の 不支給事由として定める特別職給与条例の規定が、憲法一四条一項に違反 するとして、地方白治法二四二条の二第一項四号に基づき、市長の職に あった者に対してされた退職手当相当額の不当利得返還請求が、棄却され た事例 (静岡地裁平8・6・25判決) [行政裁判例] =行政争訟法= ■建築墓準法六条一項に塞づく建築確認申請に対し、市建築主事が、前記 申請に係る建築物の計画は、建築物の敷地の形態を定める横浜市建築基準 条例四条に適合しないとして同法六条四項に基づいてした不適合通知が、 違法とされた事例 (横浜地裁平8・8・7判決) =国家補償法= ■逮捕状請求、勾留請求及ぴ勾留決定の違法を理由とする国家賠償請求が 棄却された事例 (東京地裁平8・10・14判決) =地方自治法= ■住民訴訟において解決金が支払われ、訴えの取下げ条項を含む和解が成 立した場合も地方自治法二四二条の二第七項の「勝訴した場合」に当たる とされた事例 (大津地裁平8・11・25判決) [労働裁判例] =個別的労働関係= ■社長の女性従業員に対する性的嫌がらせが不法行為にあたり、社長個人 と共に会社(民法四四条一項)も責任を負うとされた事例 (東京地裁平 9・2・28判決) =集団的労働関係= ■一 会社と労働組合との間に、所属組合員の配転に関し組合の同意を要 すること等を内客とする労使慣行の成立が否定された事例 二 会社の労働組合員に対する配転命令が不利益取扱いにあたるとはいえ ないとされた事例 (東京地裁平9・1・22判決) 民・商事判例 =民法= ■幅一五センチメートル、長さ一八・六メートルの土地を他人が取得した のを知って二重譲渡を受けた者が背信的悪意者に当たらないとされた事例 (浦和地裁平8・10・7判決) ■マンション建築による日照阻害、建築工事による騒音・振動等、及ぴそ の工事強行につき、日照侵害補償及ぴ工事迷惑料の支払提案による損害金 支払約定の成立、並ぴに不法行為の成立がいずれも否定された事例 (東京地裁平8・8・26判決) ■患者の急激な呼吸器症状の悪化が予見の困難な成人呼吸窮迫症候群によ るものであるとして、個人開業医の転医に関する措置に義務違反はなかっ たとされた事例 (宮崎地裁平8・11・29判決) ■出産に伴って妊婦が死亡した医療事故につき、その原因が羊水塞栓症に よるものであり、医師の輸血措置の遅れ等の不手際と右死亡との問に因果 関係があったとまではいえないものの、患者の「適切な治療を受ける権 利」が侵害されたことを理由とする慰謝料請求権が認められた事例 (大阪地裁平8・11・20判決) ■共同相続人の一人(の相続人)が他の共同相続人らに分割案を示す方法 でなされた遺産分割協議が、その分割内容、方法等に信義に反する不公平 が存するため、その効力を生じないとされた事例 (大阪地裁平8・2・20判決) =商法= ■車両火災が故意により生じたとして車両保険金の請求が棄却された事例 (浦和地裁平8・9・13判決) =諸法= ■マンション一階のいわゆるピロティー部分は、マンションを建築、販売 した建設会社の区分所有権の目的たる専有部分に属するとされた事例 ( 神戸地裁平9・3・26判決) [刑事裁判例] =刑法= ■国分川分水路トンネル事件第一審判決 千葉県が発注した公共工事である地下分水路トンネル建設工事の作菜中 に右トンネルが水没し、作業中の作業員七名が死亡した事件について、工 事を監督する県の改修事務所建設課長には、作業現場に緊急事態が差し 迫った際には、作業中止・作業員退避指示を出すぺき義務が認められる場 合があるとして、建設課長に業務上過失致死罪の成立を認め、実刑判決を 言い渡した事例 (千葉地裁平8・10・29判決) 速報 ■一 商法五二一条の「物又は有価証券」には不動産が含まれるとされた 事例 二 建物建築請負契約の請負人による債務者所有の建物敷地に対する占 有は、商人間の留置権の成立に必要な占有とは認められないとされた事例 三 建物建築請負契約の請負人に建築建物に対する商人間の留置権が成 立した後、被担保債権の債務者が破産宣告を受けた場合、右商人間の留置 権は特別の先取特権へと転化し、その留置的効力は消滅するとされた事例 四 抵当権者が土地に抵当権を設定した後に右土地上に建物が建築され た場合において、抵当権者が右土地を更地として評価したうえ抵当権を設 定したとの事情があるときは、建築建物のために法定地上権は成立しない とされた事例 (福岡地裁平9・6・11判決) ■一 宅地造成請負契約の請負人による債務者所有の造成土地に対する占 有が、商人間の留置権の成立に必要な占有といえるとされた事例 二 宅地造成請負契約の請負人に造成土地に対する商人間の留置権が成 立した後、被担保債権の債務者が破産宣告を受けた場合、右商人間の留置 権は特別の先取特権へと転化し、その留置的効力は消滅するとされた事例 三 商人間の留置権の転化した特別の先取持権と根抵当権の優劣は、右 商人間の留置権の各成立要件(被担保債権の弁済期到来及ぴ目的物の占 有)が整った時点と根抵当権設定登記が経由された時点の先後によるとさ れた事例 (福岡地裁平9・6・11判決)