判例タイムズNo.949目次
■保全異議の審理について〔民事保全の理論と実務9〕/中山幾次郎・久貝房士 ■新民事訴訟法における争点整理手続の運用─具体的事例に基づいて 〔大阪地裁新民訴法研究会報告4〕/小佐田潔・森富義明 ■令状に基づく捜索の現場で警察官が被告人に暴行を加えた違法と それ以前に発見されていた覚醒剤の証拠能力〔特別刑法判例研究34〕/洲見光男 ■民法判例レビュー■ 契約 △今期の主な裁判例 △リゾートクラブ会員権契約上の債務不履行に基づく リゾートマンション売買契約の解除(最三小判平8・11・12)/山本豊 担保 △今期の主な裁判例/新美育文 不動産 △今期の主な裁判例 △賃借人の債務不履行による賃貸借の解除と 賃貸人の承諾ある転貸借の帰趨(最三小判平9・2・25)/吉田克己 民事責任 △今期の主な裁判例/藤岡康宏 家族 △今期の主な裁判例/田中通裕 △摘出否認をした「継子」を特別養子とする申立を 認容した事例(東京高決平8・11・20)/床谷文雄 △被相続人が相続開始時に債務を有していた場合における 遺留分の侵害額の算定(最三小判平8・11・26)/佐藤義彦 <判例紹介細目時> [特報] ■団体定期保険訴訟被保険者の同意を得ずに締結された団体定期保険契約は無効とさ れた事例 (静岡地裁浜松支部平9・3・24判決) ■広島市新交通システム橋げた落下事故判決一 橋梁架設工事中に橋げたが道路上に 落下したため作業員や通行中の自動車の運転者らが死傷した事故について、元請会社 の工事部長、現場代理人らの過失責任が認められた事例 二 重過失致死傷罪で起訴された下請会社派遣の職員は現場監督の地位にはなく、同 人には本件事故発生の予見可能性及ぴ結果回避可能性のいずれも認められないとして 無罪が言い渡された事例三 元講会社の現場代理人に対し、禁固二年六月の実刑判決 が言い渡された事例 (広島地裁平8・3・28判決) [行政裁判例] =地方自治法= ■臨海副都心住民訴訟第一審判決東京都臨海副都心への進出企業に対する賃貸条件と しての権利金の額を公募時から二回にわたり引き下げたことを違法であるとして提起 された住民訴訟による損害賠償請求が棄却された事例( 東京地裁平8・6・26判決) [労働裁判例] =個別的労働関係= ■ 一 使用者が、従業員の職能資格や等級を見直し、能力以上に格付けされている と認められる者の資格・等級を一方的に引き下げる措置を実施するにあたっては、就 業規則等における職能資格制度の定めにおいて、資格等級の見直しによる降格・降給 の可能性が予定され、便用者にその権限が根拠づけられていることが必要である 二 降格・減給を基礎づける就業規則の新設は、従業員らにとって賃金に関する不利 益な就業規則の変更にあたるから、高度の必要性に基づいた合理的な内答のものであ ることを要する 三 就業規則の変更により、諸手当等を減額するには、その変更が、高度の必要性に 基づいた合理的な内容のものであることを要する(東京地裁平8・12・11決定) [民・商事裁判例] =民法= 民法区分所有法に基づいて設立された管理組合における、三階建て以上の建 物の建築を禁止する建築協定に基づき、同協定に違反して建築された三階建て建物の 三階以上の部分の取壊しが命じられた事例 (福岡地裁平8.5.28判決) ■架空の運送契約に基づき支払った代金の不当利得返還請求が非債弁潰により棄却さ れた事例 (広島地裁平8・12・4判決) ■銀行支店長が顧客にノンバンクから金銭を借り入れて仕手集団に貸し付けるよう あっせんした行為が違法であるとして銀行の使用者責任が認められた事例(過失相殺 九割) (東京地裁平8・10.30判決) ■地上げに伴う大手不動産会社の従業員の詐欺行為につき使用者責任の成立が認めら れた事例 (東京地裁平8.6.25判決) ■タクシーの代車損害につき、無線配車による収入部分は他の空軍タクシーによって 填補されるとして損害の算定がされた事例 (高松高裁平9・4・22判決) ■豊島産業廃棄物公害訴訟第一審判決産業廃棄物処理業者が住民との間で締結した裁 判上の和解条項に違反したとして産業廃棄物の除去及び慰籍料の各請求が認容された 事例 (高松地裁平8・12・26判決) ■小脳出血等の入院患者が褥瘡が一因となって腎機能悪化により死亡した場合、病院 側の褥瘡の予防及び治療に過誤があったとして病院側の損害賠償責任が認められた事 例 (東京地裁平9・4・28判決) ■ 一 医療契約の内容が自由診療であったのか社会保険診療であったのか争われた 事例 二 交通事故被害者に対する自由診療の過剰性が争われ、医師の裁量的判断は尊重さ れるべく、本件でも明らかに不合理ではいえないから過剰ではないが、事故と相当因 果関係を有する報酬額は健康保険法による診療報酬の一・五倍にとどまるとした事例 (福岡高裁平8・10・23判決) =商法= ■自動車運転中の正面衝突の際の被保険者の死亡について、「急激かつ偶然な外来の 事故」に該当しないとして、保険金講求が棄却された事例( 静岡地裁平9・3・10判決) ■ 一 着物の帯やテーブルクロス等の裂地の模様が周知商品表示と認められるため の要件 二 周知性を判断する基準となる需要者及ぴ消費者について 三 着物の高級帯の模様が周畑商舶表示と認められた事例 四 テーブルクロス等の裂地の模様が周知商品表示とは認められなかった事例 (東京地裁平9・3・31判決) =民事訴訟法= ■地代不払を理由とする建物収去土地明渡請求事件において成立した裁判上の和解に つき被告の訴訟代理人の和解権限の濫用を理由とする請求異議が排斥された事例( 福井地裁平9・3・28判決) =倒産処理法= ■根抵当権の極度額を超える被担保債権の部分につき、破産法二七七条後段の不是額 の証明があったとはいえないとされた事例 (東京池裁平9・6・19決定) [刑事裁判例] =刑法= ■他人の刑事被疑事件について、参考人として検察官に虚偽の供述をし、その旨の供 述調書を作成させた行為について、証拠偽遺罪は成立しないとした事例 (千葉地裁平7・6・2判決) =特別刑法= ■ 一 破産法三七四条の「破産財団に属する財産」には、隠匿、毀棄又は不利益処 分行為がなければ破産宣告時に破産財団に属すべき財産も含まれる 二 破産法三七四条によワ破産宣告前の行為が処罰されるためには、行為当時におい て、現実に破産宣告を受けるおそれのある客観的な状態にあることが必要であるが、 破産申立てがなされることまでは要しない 三 破産法三七四条一号所定の行為と破産宣告との間に要求される事実上の牽連関係 とは、行為時に存在した、現実に破産室昔を受けるおそれのある客観的な状態がその まま継続して破産宣告の確定に至ったという関係を指す 四 無償の地上権を設定しその仮登記をする行為は、破産法三七四条一号の不利益処 分行為に該当する (東京地裁平8・10・29判決) [速報] ■大韓航空機撃墜事件第一審判決 一 日本国外で発生した航空機事故の犠牲者の相続人らによる外国航空会社へのワル ソー条約に基づく損害賠償請求が認められた事例 二 近親者固有の慰謝料につき、不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例 三 公海上の不法行為について、被害者の本国法を適用法とすることができるとされ た事例 (東京地裁平9・7・16判決) ■強盗強姦、強盗殺人等を犯した被告人に対し死刑を言渡した第一審判決を破棄し、 無期懲役刑を言渡した事例 (東京高裁平9・5・12判決)