判例タイムズNo.953目次
■<座談会>新民事訴訟法の下における弁護士の活動 ─弁護士の意識改革・業務改善のあり方を探る /(司会)加藤新太郎・高橋宏志・酒井正之・山浦善樹・松森宏 ■共有物分割訴訟と全面的価格賠償について/奈良次郎 ■アメリカの懲罰的損害賠償判決は日本では執行できない/藤田泰宏 ■ドイツ新廃棄物法─日本の手本となりうるか?/ゲオルグ・レナーツ ■最高裁判所事務総局民事局 監修 『新しい民事訴訟の実務─事例に即した解説を中心として』 〔ブック・レビュー〕/春日偉知郎 <判例紹介細目次> [最高裁判例] =国家補償法= ■公正証書の内容となる法律行為の法令違反等に関する公証人の調査義務 (最高裁第一小法廷平9・9・4判決) ■一 不動産の現況調査を行うに当たっての執行官の注意義務 二 執行官が現況調査を行うに当たり目的不動産の現況をできる限り正確に調査す べき注意義務に違反したと認められた事例 (最高裁第三小法廷平9・7・15判決) =民法= ■一 事情変更の原則と契約締緒時の当事者の予見可能性及ぴ帰責事由 二 ゴルフクラブ入会契約締結後のゴルフ場ののり面の崩壊という事情の変更とゴ ルフ場経営会社の予見可能性及び帰責事由 (最高裁第三小法廷平9・7・1判決) ■遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が 定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文 (最高裁第一小法廷平9・7・17判決) =行政法一般= ■一 ある在留資格から別の在留資格への変更許可に係る申請が錯誤等によって無効 であれぱ、右変更許可も無効となる 二 在留資格変更の申請につき錯誤がないとされた事例 (東京地裁平8・9・20判決) =行政争訟法= ■市立養譲学校敦諭に対する転任処分取消しの訴えの利益がないとされた事例 (横浜地裁平9・1・16判決) =国家補償法= ■不正な代理人の印鑑登録申請書等を受理し印鑑登録証明書を発行した市の担当職員 に過失がないとして市に対する損害賠償請求が棄却された事例 (東京高裁平8・8・28判決) ■一 偽造の疑いがあるとして司法警察員がなした一〇万円金貨(天皇金貨)の押収 につき国家賠償法一条所定の違法がないとされた事例 二 大蔵省造幣局がなした貨幣の真偽鑑定につき国家賠償法一条所定の違法がない とされた事例 三 外国為替及び外国貿易管理法(外為法)一八条の輸入許可及ぴ関税定率法二一 条の定める輸入禁制品への関税法六七条に基づく輸入許可に当たり尽くすべき担当官 の注意義務は、公益的なものであって、国家賠償法一条所定の法的義務に当たらない (東京地裁平9・5・26判決) ■一 滞納処分を猶予するにあたり徴収した担保物件について担保権の実行をすべき 時期 二 滞納処分の猶予にあたり担保として徴収した不動産の価格が滞納国税全額を弁 済するのに足りないとして、他の財産について滞納処分による差し押さえを実施する 際に税務署長等が行うべき担保不動産の価格の評価の方法 (東京地裁平8・10・1判決) =租税法= ■一 酒税法九条一項の憲法二二条一項適合性 二 酒税法一〇条二号の憲法二二条一項適合性 三 酒類販売業免許等取扱要領第二章第三の1(1)八の合理性及ぴ酒税法一〇条二号 適合性 (横浜地裁平8・12・25判決) ■税務署長が、相続税延納申告者が相続税法三九条二項に定める担保変更の求めに応 じないとしてした相続税延納申請却下処分の取消請求が、棄却された事例 (千葉地裁平8・10・28判決) [労働裁判例] =個別的労働関係= ■大河原労働基準監督署長事件 従業員が飲食店で行われた会社の管理者としての経営知識の修得等を目的とする会 合に出庸して帰宅する途中の事故を通勤災害と認めた事例 (仙台地裁平9・2・25判決) ■配転(転勤)命令に違法はないとして、これを拒否した従業員の懲戒解雇を有効と 認めた事例 (東京地裁平9・1・27判決) [民・商事裁判例] =民法= ■売買契約の成立及び九四条二項類推適用の抗弁がいずれも排斥された事例 (東京地裁平8・12・26判決) ■一 登記義務者が登記権利者と共に司法書士に登記手続を委任した場合において登 記義務者が単独で委任契約を解除することができる特段の事情がある場合 二 右特段の事情があるとされた事例 (仙台高裁平9・3・31判決) ■みなし成功報酬の特約に基づく弁護士の報酬請求を認めず、民法六四八条三項の規 定により報酬の支払を命じた事例 (東京地裁平8・1・30判決) ■一 スポーツクラブのプールで行われた水中体操に参加後、水滴のままロッカー ルームに通ずる廊下を歩行中転倒して受傷した正会員が、施設の設置又は保存に暇疵 があったと主張してした損害賠償請求が、一部認容された事例 二 スボーツクラブの会則に定める免責特約(「本クラブの利用に際して、会員本 人または第三者に生じた人的・物的事故については、会社側に重過失のある場合を除 き、会社は一切損害賠償の責を負わないものとする。」旨の規定)は施設の設置又は 保存に暇疵があるため生じた事故には適用がないとした事例 (東京地裁平9・2・13判決) ■ワラント取引につき証券会社の担当社員の勧誘行為が違法であるとして損害賠償請 求を認容しながら、八割の過失相殺がなされた事例 (大阪地裁平8・10・14判決) ■月刊誌の記事が漫画家の名誉を毀損したとして損害賠償の支払を命じ、謝罪広告の 請求は棄却した事例 (東京地裁平7・11・17判決) ■観光ビザで来日し、在留期間の延長許可や在留資格の許可を受けるなどして日本で 稼働している日系ブラジル人の後遺障害による逸失利益について、症状固定時から五 年間は日本で得ていた実収入額を、その後の三四年間は母国ブラジルで得られる収入 額を基礎として算定するのが相当であるとされた事例 (岐阜地裁御高支部平9・3・17判決) ■胃癌のため胃亜全摘術を受けた患者が、縫合不全により発生した坦腔内膿瘍の治療 のために残胃穿孔が生じ、腹腔内出血を引き起こして死亡した場合に、術後管理上の 過失があるとして病院の損害賠償責任が認められた事例 (広島地裁平9・5・29判決) ■髄膜炎の小児患者の初診時に熱性けいれんと誤診してルンバール検査等を実施せ ず、かつ、再診時に診察により患者の状態を十分把握しないでルンバール検査を実施 した医師に過失があったとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例 (東京地裁平9・3・24判決) ■陣痛促進剤の投与により妊婦の子宮が破裂し、胎児が死産するに至ったことにつ き、担当医師に過失があったとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例 (大分地裁平9・2・24判決) =商法= ■大和銀行株主代表訴訟(第一次訴訟)担保提供命令申立事件 株主代表訴訟における原告らの主張内容が、請求原因の重要な部分に主張自体失当 の点があり、主張自体を大幅に補充あるいは変更しない限り請求が認容される可能性 がなく、しかも、そのことを認識しながら訴えを提起したとして、原告らの「悪意」 を認め、担保の提供を命じた事例 (大阪地裁平9・4・18決定) =知的財産= ■特許権の存続期間延長登録出願につき、平成七年政令第二〇六号による改正前の特 許法施行合一条の四ただし書の「特許権の存続期間の延長登録の出願をする者がその 責に帰することができない理由により当該期間内にその出願をすることができないと き」に該当しないとして、不受理処分を適法とした事例 (東京地裁平9・7・25判決) ■平成六年法律第一一六号特許法等の一部を改正する法律附則五条二項にいう「特許 権に係る発明の実施である事業の準備」をしたというためには、準備のために相当な 投資をしたことが必要であるとした事例 二 被告は、工場設備の増設工事等、相当額の投資をしているが、その投資が本件 特許発明の実施である事業の準備のためにされたとみるには疑いが残るとして、結 局、本件特許発明の実施である事業の準備をしていたものと認められないとした事例 (東京地裁平9・4・11判決) =諸法= ■一 消費者金融業者に対する借入金の返済に過払いがあったとして、利用者からの 不当利得返還請求を認容した事例 二 消費者金融業者に対する借入金の返済について、現金自動貸付返済機(ATM )を使用した判示の返済が、貸金業の規制等に関する法律四三条に基づくみなし弁済 とは認められないとした事例 (東京地裁平9・2・21判決) ■建物の区分所有等に関する法律第六〇条一項に基づく占有者に対する専有部分の 賃貸借契約の解除及び引渡しの請求が認容された事例 (東京地裁平8・5・13判決) =民事訴訟法= ■アメリカ合衆国を被告とする航空機離発着の差止め及び損害賠償請求の訴えにつき わが国の裁判権が及ばないとされた事例 (東京地裁八王子支部平9・3・14判決) =民事執行法= ■預金債権の差押えにつき、その預金の取扱店舗として、同一銀行の三支店に順序を 付して表示した債権差押命令の申立ては許されるか(積極) (東京高裁平8・9・25決定)