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判例タイムズ971号目次

名古屋地裁(本庁)における最近の不動産執行事件の取扱い/原 道子

民事訴訟における主張と証明の法理はどうあるべきか(中)--適正で国民に分かりやすい民事裁判のために/並木 茂

新法下の文書提出命令と今後の課題〔現代民事法研究会〕/樺島正法

弁論主義の根拠カ〔民事訴訟の基本問題1〕/山本和彦

「悪意」報道と法的対応(下)〔人身賠償・補償研究64〕 /加藤雅信

平成9年の民事27部の交通事件裁判例等の動向について/飯村敏明

被害者側の過失の範囲--最高裁第三小法廷平成9年9月9日判決をめぐって/河田泰常

運転代行と自賠法3条の他人性--最判平成9年10月31日を巡る問題について/中村 心

違法性の錯誤の実体(6)--違法性の意識の可能性に関する判例の検討/中山 研一

証券取引法158条にいう風説の流布に当たるとされた事例〔特別刑法判例研究36〕/関 哲夫

届出印と異なる印章を押捺して作成された払戻請求書による預金の払戻しにつき、印鑑照合の過失の有無が争われた事例-東京高判平9・9・18金判1036号34頁〔銀行実務と民事裁判395〕/菅野佳夫

成年後見制度改正要綱試案と今後の福祉行政/川尻良夫

調停と弁護士--調停委員として感じること/石川 明

<判例紹介細目次>

[最高裁判例]

=刑事訴訟法=

重度の聴覚障害及び言語を習得しなかったことによる二次的精神遅滞により精神的能力及び意思疎通能力に重い障害を負っている被告人が刑訴法三一四条一項にいう「心神喪失の状態」にはなかったと認められた事例(最高裁第一小法廷平10・3・12判決)113

[行政裁判例]

=行政法一般=

養護学校の教諭が脳性麻痺で頚の座らない児童にスモックを着せる際、その頭部と体を左腕に抱きかかえたまま腰をねじったため発症した腰椎捻挫について、公務起因性が肯定された事例(東京地裁平9・10・30判決)118

=国家補償法=

住民監査請求の却下が違法であることを理由とする国家賠償請求が棄却された事例(東京地裁平9・4・21判決)129

=地方自治法=

林地開発許可申請において添付された水利権者の同意書に記載された住所、氏名、印影は、公文書の非公開事由を定めた秋田県公文書公開条例(昭和六二年秋田県条例第三号)六条一項一号本文に規定する「個人に関する情報」に該当するが、非公開事由の除外事由を定めた同号ただし書去Oに規定する「公開することが公益上必要と認められる」場合に該当するとした事例(仙台高裁秋田支部平9・12・17判決)131

[労働裁判例]

=個別的労働関係=

テレックス業務に従事する労働者の手根管症候群の発症について業務起因性が認められた事例(神戸地裁平10・2・13判決)136

=集団的労働関係=

使用者による組合事務所の便宜供与の解除及び明渡請求が不当労働行為を構成せず、権利の濫用にもあたらないとされた事例(東京地裁平9・6・4判決)151

[民・商事裁判例]

=民法=

対人賠償保険契約を締結していた保険会社が地方公務員災害補償基金の加害者に対する損害賠償請求権の消滅時効を援用することが信義則に反することになる場合において、保険契約の許諾被保険者である加害者がその消滅時効を主張することも信義則に反し権利濫用になるとされた事例(大阪高裁平9・3・27判決)155

一 相続人の一人が単独で相続したとして一定の根拠資料を示して被相続人名義の預金の払戻を請求した場合、金融機関が他の相続人の同意書を求めることは、不法行為責任はともかく債務不履行責任を免れない
二 自動継続定期預金の預金者から満期前に解約の申出があった場合これに応じる実務慣行の許に、この申出をされた金融機関が自動継続の特約を理由としてこれに応じない場合でも、相続人間の紛争に巻き込まれるのを避ける目的で必要な調査を完了するまで払戻を留保することは、権利の濫用となるものではなく、不法行為責任も債務不履行責任も構成しない(広島地裁平9・10・29判決)165

限定承認された相続財産である預金債権を受働債権とする貸金債権による相殺は、同債権が限定承認の申述前に取得され、債権債務に対立関係が生じていたものである場合には限定承認の申述受理後であっても許される(東京地裁平9・7・25判決) 167

一 ワラント取引について説明義務違反があったとして証券会社の使用者責任を認めた事例(過失相殺三割)
二 ワラント購入の勧誘に際し、説明義務とともに、被勧誘者の理解の程度を見極め理解が得られなければ、取引をしないよう助言する義務を負うとされた事例
三 権利行使期間に関する説明義務違反と損害との間に因果関係がないとする主張を斥けた事例(広島高裁平9・6・12判決)170

一 マンションの下の階の住民が騒音を原因として上の階の住人に対して騒音の差止め及び損害賠償を求めた請求が排斥された事例
二 マンションの下の階の住民が、管理組合の総会及び理事会で、上の階の住民が騒音の発生源であるかのように述べた発言が名誉毀損に当たるとして、損害賠償が認められたが、謝罪広告を求める請求は棄却された事例(東京地裁平9・4・17判決)184

一 派遣元事業主と派遣労働者との間に雇用契約があり、賃金が派遣料の三分の二にとどまり、派遣元事業主が定期的に派遣先を訪ねて派遣労働者を監督し、派遣先が派遣元事業主に派遣労働者の住民票の提出を求めたのに派遣元事業主がこれを拒否した等の事情がある場合、派遣労働者が派遣先での業務上なした現金横領行為は、派遣元事業主の職務の執行に付きなされたものといえる
二 派遣労働者の現金横領行為についての損害賠償請求に対し、派遣先に監督不行き届きがあっても、派遣労働者からの過失相殺を認めることは相当でないことや、横領行為が巧妙であり、派遣先が派遣元事業主に派遣労働者の住民票の提出を求めたのに派遣元事業主がこれを拒否した等の事情がある場合には、派遣元事業主からの過失相殺も認められない(東京地裁平8・6・24判決)190

原告は、昭和五八年三月、被告が経営する病院においてヒステリーを癲癇と誤診され、平成三年四月まで、右病院に通院し、その間、抗てんかん剤を投与されていたが、原告が意識喪失発作・転倒事故を繰り返したり、生命保険会社との契約を告知義務違反により解除されたことと右誤診の間の因果関係を否定したうえ、原告の右誤診による精神的苦痛について損害賠償を命じた例(大阪地裁平9・6・25判決)195

血管造影検査実施後の患者の急性呼吸停止による死亡について、医師の実施過程等に過失があったとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例(高松地裁平9・3・11判決)201

韓国人であったが、帰化して日本国籍となった養父母と配偶者のある韓国人の養子縁組について、韓国で届出がされ、日本の戸籍法四一条による届出がされなかった場合の養子縁組の効力(積極)(津地裁四日市支部平9・10・28判決)213

=商法=

株主代表訴訟における担保提供命令の申立てにつき、これを認容した原審決定を取り消して右申立てを却下した事例(大和銀行第二次株主代表訴訟担保提供命令申立事件の抗告審決定)(大阪高裁平9・11・18決定)216

株券の公示催告手続において質権の届出がされた場合でも提出された株券の同一性が認められるときは、除権判決の申立てを却下すべきであるとされた事例(大阪高裁平9・9・16決定)221

積雪の重みで鶏舎の屋根が落下した事故は、店舗総合保険普通保険約款一条二項にいう「雪災」に当たるとして、保険金請求が認容された事例(秋田地裁平9・3・18判決)224

=知的財産=

NHKドラマ「春の波濤」著作権訴訟控訴審判決
一 実在の人物を重要な主役の一人とするテレビドラマの製作が、同人の伝記的物語の著作者の翻案権を侵害しないとされた事例
二 右テレビドラマを紹介した書籍の製作出版が、右著作者の複製権及び翻案権を侵害しないとされた事例(名古屋高裁平9・5・15判決)229

=諸法=

一 民事調停法一三条により事件を終了させる措置に対しては、不服申立てをすることができるか(消極、@事件)
二 民事調停法一四条により事件を終了させる措置に対しては、不服申立てをすることができるか(消極、A事件)
三 裁判所が民事調停規則二五条により当事者に対して行う通知に対しては、不服申立てをすることができるか(消極、A事件)(@東京地裁平9・8・28決定)256 (A東京地裁平9・4・25決定)

=民事訴訟法=

甲乙両地間の境界線を分筆経過及び甲地と乙地に隣接する丙地との間の石垣の存在に照らして認定した事例(東京地裁平9・8・1判決)2 58

=民事保全法=

暴力団組長に対し暴力団事務所の使用を差し止め占有を解いて執行官保管とする等の仮処分命令申立てが認容された事例(神戸地裁平9・11 ・21決定)267

=倒産処理法=

主債務者が手形不渡りを出した場合に物上保証人所有不動産について根抵当権設定仮登記申請をすることができる旨の特約はその旨の承諾書を作成交付した時点で原因行為たる権利変動があったとして否認権行使が認められた事例( 東京地裁平9・9・19判決)270

[刑事裁判例]

=刑法=

オウム真理教武器製造未遂事件 被告人は宗教団体によるいわゆるマインド・コントロール下にあったとして責任能力又は期待可能性の不存在をいう主張が排斥された事例(東京地裁平9・5・28判決) 274

=特別刑法=

一 覚せい剤及び大麻の所持につきその証明が十分でないとして営利目的を否定した原審の判断に事実誤認があるとされた事例
二 いわゆる麻薬特例法における不法収益の追徴につき共犯者が追徴の判決に基づき納入した分を差し引いた残額を追徴した事例(大阪高裁平9・6・20判決)277

審級別裁判年月日順索引最高裁第一小法廷平10.3.12
判決〔平8(あ)204〕…113

大阪高裁平9.3.27判決〔平7(ネ)1925〕…155
名古屋高裁平9.5.15判決〔平6(ネ)556〕…229
広島高裁平9.6.12判決〔平8(ネ)146〕
 〔平8(ネ)165〕…170
大阪高裁平9.6.20判決〔平8(う)527〕…277
大阪高裁平9.9.16決定〔平8(ラ)954〕…221
大阪高裁平9.11.18決定〔平8(ラ)327〕…216
仙台高裁秋田支部平9.12.17判決〔平9(行コ)1〕…131

東京地裁平8.6.24判決〔平7(ワ)11249〕…190
高松地裁平9.3.11判決〔平3(ワ)282〕…201
秋田地裁平9.3.18判決〔平7(ワ)158〕…224
東京地裁平9.4.17判決〔平5(ワ)17961〕 〔平6(ワ)3295〕…184
東京地裁平9.4.21判決〔平8(ワ)15725〕…129
東京地裁平9.4.25決定〔平9(ソ)14〕…256
東京地裁平9.5.28判決〔平7(合わ)247〕…274
東京地裁平9.6.4判決〔平6(ワ)13841〕 〔平6(ワ)21996〕…151
大阪地裁平9.6.25判決〔平4(ワ)6557〕…195
東京地裁平9.7.25判決〔平8(ワ)25603〕…167
東京地裁平9.8.1判決〔平7(レ)234〕…258
東京地裁平9.8.28決定〔平9(ソ)54〕〔平9(ソ)86〕〔平9(ソ)118〕〔平9(ソ)150〕〔平9(ソ)182〕〔平9(ソ)214〕〔平9(ソ)246〕〔平9(ソ)278〕〔平9(ソ)310〕〔平9(ソ)342〕〔平9(ソ)375〕…256
東京地裁平9.9.19判決〔平8(ワ)25440〕…270
津地裁四日市支部平9.10.28判決〔平6(タ)13〕…213
広島地裁平9.10.29判決〔平9(ワ)637〕…165
東京地裁平9.10.30判決〔平7(行ウ)206〕…118
神戸地裁平9.11.21決定〔平9(ヨ)457〕…267
神戸地裁平10.2.13判決〔平6(行ウ)43〕…136

[訂 正]

本誌968号 143頁第1段25行目に「京都地判平7・10・13(本誌九
〇六号一九二頁、」とあるのは、「九二〇号一六五頁」の誤りでした。
慎んでお詫びし訂正いたします。〈編集部〉
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