判例タイムズ977号目次
濫用的株主代表訴訟と対策上の問題点/新谷 勝
聴覚言語障害を理由とした訴訟無能力と手続打切り「「米・加の裁判例を参考にして/指宿 信
リング・リング・サーカス事件最高裁判決(最判平成9年9月4日、民集51巻8号3657頁、判タ969号138頁)〔判例批評〕/西谷祐子
別除権の処遇に関する二つの裁判例
「「@東京地判平8・11・21、A東京地決平9・6・19〔銀行実務と民事裁判399〕/吉田光碩
呼気検査を拒んだ者を処罰する道路交通法120条1項1号と憲法38条1項〔特別刑法判例研究37〕/佐々木史朗・津田 薫
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<判例紹介細目次>
[最高裁判例]
=民事訴訟法=
訴訟上の相殺の抗弁に対し訴訟上の相殺を再抗弁として主張することの許否 (最高裁第一小法廷平10・4・30判決)48
[行政裁判例]
=行政争訟法=
村長選挙において不在者投票の管理執行手続に違法があり、それが選挙の効果に異動を及ぼすおそれがあるとして、右選挙を無効とした県選挙管理委員会の裁決が適法とされた事例 (高松高裁平9・7・28判決)55
一 行政事件訴訟法三四条一項にいう「判決に影響を及ぼすべき攻撃又は防衛の方法」の意義
二 裁判所は取消判決によって権利を害される第三者に対し訴訟係属を通知すべき義務を負うか(消極)
(東京地裁平10・7・16判決)57
=国家補償法=
一 市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)一四条一項は、受刑者が自己の民事事件の訴訟代理人である弁護士と接見する権利をも保障していると解するのが相当である
二 受刑者とその民事事件の訴訟代理人である弁護士との接見について、具体的に三〇分以上の打合せ時間が必要と認められる場合には相当と認められる範囲で時間制限を緩和した接見が認められるべきであり、接見を必要とする打合せの内容が当該刑務所における処遇等の事実関係にわたり、刑務所職員の立会いがあっては十分な打合せができないと認められる場合には、その範囲で刑務所職員の立会いなしでの接見が認められるべきである
(高松高裁平9・11・25判決)65
建築主事が建築主に対し行政指導を行い、建築主が任意にこれに従う態度を示している場合においては、社会通念上合理的と認められる期間、建築確認申請の受理をしないまま留保し、行政指導の結果に期待することがあったとしても、直ちに違法な措置であるとまではいえないとされた事例 (横浜地裁平9・12・26判決)87
=租税法=
建物賃貸借契約の合意解除に際し賃借人に支払った立退料に係る消費税相当額を消費税法(平成六年法律第一〇九号による改正前)三〇条一項にいう「課税仕入れに係る消費税額として控除しないのは違法であるとしてした消費税の更正の取消請求が棄却された事例 (東京地裁平9・8・8判決)104
同族会社が会社資産を売却して解散するに当たり、取締役に過大な退職金を支給したため、右会社に係る法人税の徴収不足が生じたとしてした国税徴収法三九条に基づく当該取締役に対する第二次納税義務の告知が適法とされた事例 (東京地裁平9・8・8判決)111
建築した建物を土地と一括譲渡した場合の課税仕入れに係る消費税額の控除税額を一括比例配分方式により計算して確定申告をした後、計算方法の誤りを理由として個別対応方式による計算に基づいてした更正の請求に対し、一括比例配分方式を適用してした消費税の更正の一部取消請求が、棄却された事例 (福岡地裁平9・5・27判決)118
[労働裁判例]
=個別的労働関係=
私企業において使用者が労働組合員の組合バッジ着用等を理由として夏季期末手当の減率査定を行ったことは考課査定権の濫用に当たるか (広島高裁平10・4・30判決)124
函館信金時間外手当請求訴訟控訴審判決ス 完全週休二日制の導入に伴い、平日の勤務時間を二五分間延長した信用金庫の就業規則の変更が合理性を欠くとして時間外手当請求が認容された事例 (札幌高裁平9・9・4判決)147
NTT年休権事件
職員の訓練・研修施設での約一月間の電話交換機に関する集合訓練に参加していた被控訴人(一審原告)の一日間の年休請求に対して控訴会社(一審被告)のした時季変更権の行使が違法であるとされた事例
(東京高裁平8・1・31判決)171
=集団的労働関係=
事務職本務、視能訓練士兼務の辞令を受け、視能訓練士の業務に従事していた組合支部の執行委員長に対し、病歴管理業務に従事することを命じた配転命令につき、雇用契約上職種が視能訓練士に限定されていたことを窺わせる証拠はなく、右配転は、視能訓練士の過員解消という業務上の必要性があり、その人選についても合理性があるとして、不当労働行為の成立を否定した事例
(東京地裁平10・5・21判決)190
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[民・商事裁判例]
=民法=
消費税の過払金の不当利得返還請求権について、不当利得発生原因に関する損失者と受益者の帰責性を斟酌し、一定割合を超える請求部分を信義則に反するとした事例 (東京地裁平10・3・31判決)199
未熟児網膜症姫路日赤病院事件差戻審判決
昭和四九年一二月に出生した児が未熟児網膜症により視力障害になった事故につき、光凝固法に関する知見の普及の程度等につき検討し、担当医師は頻回に眼底検査を実施すべきであったとし、眼底検査を一回実施したのみで以後実施しなかった担当医師には過失があるとして、右過失と視力障害との間に相当因果関係があるとされた事例
(大阪高裁平9・12・4判決)204
実親子として生活してきた戸籍上の父子につき、DNA鑑定を採用して父子関係を否定した事例 (福岡高裁平10・5・14判決)228
=商法=
住友商事株主総会決議取消等事件
従業員株主の協力を得て株主総会の議事を進行させたことが、著しく不公正な決議方法とはいえないとされた事例
(大阪地裁平10・3・18判決)230
一 商法八六条一項(除名)の強行法規性
二 「社員は他の社員の過半数の決議により退社す。との定款規定に基づいてされた退社決議による社員の退社の登記(合資会社変更登記)が商法八六条一項に違反し無効とされた事例
(東京地裁平9・10・13判決)238
=知的財産=
一 特許発明の技術的範囲の解釈に関する一事例
二 特許権侵害による実施料相当額の補償金及び損害賠償金の額について、売上額の七パーセントを認めた事例
(東京地裁平10・3・30判決)243
=民事訴訟法=
開発行為許可処分に基づいてなすゴルフ場建設によって、水利権もしくは安全な飲料水を安定的に確保する権利、入会権、環境権等が侵害されるとして多数の原告らのなす処分取消の訴えの訴訟物は非財産権上の請求であるが、これらの権利ないし利益は原告らそれぞれが亨有し、その行使によって得ることのできる利益も、個々の原告らごとに別個独立に帰属するものと解するのが相当であり、また、処分の取消そのものがひとつの共通の利益であるとは解しがたい (広島高裁平10・3・9決定)260
=民事執行法=
不動産の強制競売手続において仮登記担保権の付着する債権として届け出られた債権が差押債権と同一である場合と民事執行法六三条にいう差押債権者の債権に優先する債権の範囲 (東京高裁平9・8・20決定)266
[刑事裁判例]
=刑法=
一 裁判所が一旦任意性があるとして採用した被告人の上申書及び捜査官に対する供述調書を事実認定の用に供することなく有罪認定をした事例
二 傷害致死、死体損壊事件につき、死体の発見状況、現場の状況、死亡当日の被害者及び被告人の言動等を詳細に検討し、被告人が犯人である旨認定した事例
三 最初の起訴から判決宣告まで、約一一年二か月を要したため、懲役八年の刑期の全部に未決勾留日数が算入された事例(浦和地裁平10・1・12判決)268
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審級別裁判年月日順索引
最高裁第一小法廷平10.4.30判決〔平5(オ)789〕…48
東京高裁平8.1.31判決〔平6(ネ)3792〕〔平7(ネ)5139〕…171
高松高裁平9.7.28判決〔平8(行ケ)2〕…55
東京高裁平9.8.20決定〔平9(ラ)1123〕…266
札幌高裁平9.9.4判決〔平7(ネ)13〕…147
高松高裁平9.11.25判決〔平8(ネ)144〕…65
大阪高裁平9.12.4判決〔平7(ネ)1588〕…204
広島高裁平10.3.9決定〔平9(行ス)5〕…260
広島高裁平10.4.30判決〔平5(ネ)392〕〔平5(ネ)476〕…124
福岡高裁平10.5.14判決〔平9(ネ)1160〕…228
福岡地裁平9.5.27判決〔平8(行ウ)4〕…118
東京地裁平9.8.8判決〔平7(行ウ)37〕…111
東京地裁平9.8.8判決〔平8(行ウ)34〕…104
東京地裁平9.10.13判決〔平8(行ウ)241〕…238
横浜地裁平9.12.26判決〔平6(ワ)2983〕…87
浦和地裁平10.1.12判決〔昭61(わ)1175〕〔昭62(わ)61〕〔昭62(わ)176〕〔昭62(わ)326〕…268
大阪地裁平10.3.18判決〔平8(ワ)9789〕…230
東京地裁平10.3.30判決〔平7(ワ)10353〕…243
東京地裁平10.3.31判決〔平7(ワ)15889〕…199
東京地裁平10.5.21判決〔平8(行ウ)45〕…190
東京地裁平10.7.16判決〔平9(行オ)1〕…57