序章 薔薇は生きてるの本の紹介文

          これは、薔薇は生きてるの本の最終ページに書かれてありました、いわ
          ゆる本の宣伝のコーナーの文です。実際は、旧仮名遣いで、書いてあり
          ますが、一応、今の仮名遣い、漢字等に直して、紹介させていただきま
          す。




         著者は歌人山川柳子氏の令嬢で胸をわずらって、十六で亡くなられた美
         しき少女である。本書は、弥千枝さんの短文や、絵、病聞日記、歌、童謡
         などを、集めたもの、早熟で、感傷的で恐ろしいほどセンシブルな少女
         が、じっと運命の黒い手を見つめながら、一進一退する病状の前に悲喜
         し、反省し、ダダをこね感傷に涙する心持が、いたいたしげな姿への連想
         をともなって読む人の心を打つ。(朝日新聞より)



         卓越した才能を恵まれた少女の八歳から十六歳までの感想、日記、書簡
         スケッチでかつて数年前、発表された時、杉山平助氏や、川端康成氏や
         私などが、期せずして激賞したものであった。
         この書の新装して出たのを見てやはり思われるのは、良書の生命という
         ことである。
         アリイ、パシュキルツェフの日記は十四歳からはじまっているが、この
         書は、年齢上その前衛をなすもので「琥珀に封ぜられし昆虫」の如く準古
         典の位置に列せられて、永久に愛読者を絶たないであろう。
         (木村毅氏)



         武者小路実篤、里見ク、宇野浩二、菊池寛、横光利一、川端康成
         尾崎士郎、吉屋信子、林芙美子、中里恒子、大田洋子、その他文壇
         各氏推選