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| ライブ日記――gig report '98 |
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98年3月17日
Rolling Stones at 東京ドーム いまさらストーンズでもないだろう――というネガティブな思いを持ちつつも、来日すればついつい見に行ってしまうのは、若い頃の刷り込み現象のなせるワザか? 行けば行ったでもちろん盛り上がってしまうのは、最初からわかっていたことなのだ。 東京ドームのいいところは、酒をたらふく飲みながら、演奏を聴けること。アリーナ席に陣取って、生ビールをガブガブやっていると、それだけで気分が高揚してくる。 相変わらずの大がかりなステージは楽しかったが、アリーナ席の真中にせり出してきた別ステージで、メンバーだけでやった演奏が、ロックンロール・バンドの原点っつー感じで素敵だった。
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Jackson Browne at 新宿厚生年金ホール 冷たい雨。おまけに機材のトラブルとかで、30分以上開演が遅れるというかなりシビアな状況ではあったが、演奏自体はなかなか楽しめた。アンコール1回めの時点で、9時半を回ってしまい、そのまま終わってしまったのが物足りないとはいえ、ま、しょうがないか。 今回は、ここ2回ほどの来日公演と違い、わりと昔っぽい音になっていたようで、古くからのファンとしては、なんとなくうれしかった。そういえば、初来日のジャクソン・ブラウンを見に行ったのも、同じ厚生年金ホールだった。あのときいっしょだった同級生も、いまはこの世の人ではない。時はあっという間にすぎてしまう。ちょっぴりノスタルジックな気分になって、雨の新宿を1人で歩いた。 |
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宮崎勝之&David Grier at 秋葉原CLUB GOODMAN もしかしたら、アメリカで一番有名な日本人マンドリニストかもしれない宮崎勝之と、現在絶好調のアメリカ人ギタリスト、デビッド・グリア――のジョイントライブ。宮崎勝之の2枚めのソロ・アルバムをレコーディングする関係で、デビッド・グリアが来日したのを機に実現した企画だという。 この日は、エレクトリック・ベースの林孝明がサポートメンバーで参加していた。ケイコ・ウォーカーのバンドのリーダとして知られる林だが、いまではブルーグラス系のライブのベーシストとしても、なくてはならない存在となりつつあるようだ。 2時間におよぶコンサートは、2人のソロアルバムの曲を中心に、クラレンス・ホワイトの十八番、Alabama Jubilee、Beaumont Rag(Julius Finkbine's Rag)なども交えた盛りだくさんなものとなった。デビッド・グリアのギターは当然として、もう1人の主役である宮崎勝之のマンドリンも、たしかなテクニックに裏付けられた一級品だと思う。とにかく、ランディ・ウッド作F-5コピーの音色の美しいことといったら! とはいえ、2人とも地味めな性格のようで、わりと淡々とした展開が多かったのが、パフォーマンスとしてはちょっと物足りなかったような気も。欲を言えば、最後にやったような延々と続くインプロビゼーションを、もう1、2曲聴きたかったところだが・・・・。 ライブの終了後、デビッド・グリアの新譜HOOTENANNYにサインをしてもらって、握手。上背はそれほどでもないけど、手がめちゃくちゃデカい!
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Kilaインストア・ライブ at 渋谷タワーレコード 渋谷クアトロの単独ライブに先だって行なわれた、渋谷タワーレコードでのプロモーションライブ。新しい世代のアイリッシュトラッド・バンドということで期待していったところ、噂に違わぬいい演奏だった。7人の大所帯ながら、しっかりまとまっているのは、ボーラン(バウロン=片面太鼓)、エレクトリックベースを中心にしたリズムセクションの功績だろう。特に裸足のボーラン弾き、ロナン・オスノディのテクニックには関心させられた。 ラッキーなことに、太鼓の裏側がよく見えるポジションを確保できたので、この人のミュートのテクニックをしっかりチェックすることができた。これがかなりユニークなものだったから、ここで長めに紹介しておきたい。 ボーランの裏側には、普通はリムを横切る形に木が渡してあり、ここにビーター(バチ)を持たないほうの手を添えて、楽器を支えるようになっている。この部分の形状は、十文字、一文字、あるいは円弧状・・・・といろいろあるのだが、ロナンが使っていたのはスッポンポンで何も付いてないタイプ。代わりにストラップがついていて、これを肩にかけて楽器を固定するようになっていた。 こうして自由になった左手で、2種類のミュート材を使い分け、音色を作り出す。1つは金属製の細い棒で、これを皮の裏側にぴったりくっつけ、上下にずらすことで音程を作り出す。これがトーキングドラムのような効果を生んでいた。 もう1つは黒い色の太目の棒。材質ははっきりしなかったが、あとで大島豊さんから教えてもらったところによると、どうやらプラスチック製のようだ。こちらは皮から浮かせた状態で持ち、ときどき皮を叩いて、ドンドンと鳴らす。つまり、左手で補助的なリズムを作るために使っていたわけだ。 こうした左手のテクニックに、これまたユニークな右手のリズムが加わると、従来のボーランの概念を根底からくつがえすような演奏が生まれてくる。おなじみのボーランからアフロ的なリズムが跳び出してきたときには、思わず興奮してしまった。 マンドリン、ローウィッスルのロッサ・オスノディは、アーミー&ネイビー風デザインのマンドリン(ブランドネームは確認できなかったがギブソンでないことだけは確か)で、コードストローク中心にリズムを支えていた。こちらもなかなかグッド。
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Kila at 渋谷クアトロ キーラが日本のアイリッシュファンにどれくらい支持されるものかよくわからないけれど、これだけのパフォーマンスを見せつけられてしまうと、チーフテンズやアルタンなんか見に行かなくていいから、こっちを見なさいと、よけいなおせっかいの1つも言いたくなる。・・・・かなり問題ある発言だな、こりゃ。 大衆というのは意外と保守的なものだから、こういう一聴トラッドっぽくない音に違和感を覚えるファンも多いかもしれない。しかし、これだけビートが強力で、個性的で、カリスマ性もあるバンドを聴かずして、おいそれとアイリッシュの未来を語ってはならないのではないかと思うのだ。 ボーラン、エレクトリックベース、ギター、マンドリンのリズム隊に、イリアンパイプ、ウドゥン・フルート、フィドルの7人編成。ボーラン奏者のロナン・オスノディがバンドの牽引車であることは間違いないとして、そのほかのリズム隊もなかなか強力だ。とくに、フレットレスベースを弾くブライアン・ホーガンの貢献度は高い。また、曲によって各種パーカッション類が加わるあたりにも、彼らのリズム重視の姿勢を感じた。アイリッシュ以外のリズムを、積極的に取り入れているのにも共感を覚える。 マンドリンのほかに、ブズーキ(ギリシャスタイル)、タカミネのエレアコ、ローホィッスルなども駆使したのがロッサ・オスノディ。それでもメイン楽器は、マンドリンのようだ。アルバムとは異なり、ほぼ7割くらいの曲でマンドリンを使っていたのが、個人的にはちょっとうれしい。曲によってはコード楽器がマンドリンだけになることさえあった。
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Nickel Creek at 渋谷オンエア・ウエスト 天才マンドリン少年クリス・シールを擁するニッケル・クリークが、いよいよ来日した。ニッケルクリークのメンバーは、クリス・シール(マンドリン・17歳)、サラ・ワトキンス(フィドル・17歳)、ショーン・ワトキンス(ギター・21歳)、スコット・シール(ベース・39歳)の4人。ベース(クリスのお父さん)以外のメンバーは、本当に若い。 おめあてのクリス・シールは、ソロアルバムのジャケット写真のイメージとは見違えるほど大人っぽくなっていた。このくらいの年齢の子って、あっという間に大きくなってしまうから油断できない。肝心のマンドリンの腕前はというと・・・・、ひとことで言って、よくあれだけ指が回るもんだ! みずからのテクニックをもてあましているようなところが、チラチラ見えたのは気になるところだが、ここまで順調に伸びてきたのなら、それも時が解決してくれるのではないかと思う。 コンサートの当日が17歳の誕生日だというサラ・ワトキンスのフィドルとボーカル、それにチャーミングな容姿も気にいった。このまま素敵なおねーさんに育ってほしいもんだ。 ところで、クリス・シールが持ち替えでオクターブマンドリン(おそらくフラットアイアン製)をプレイしたのには、ちょっと驚いた。本人は「アイリッシュ・ブズーキ」と紹介していたが、ボディのサイズ、弦の様子、チューニングなどを考慮すると、やっぱりオクターブ・マンドリンと呼んだほうがいいのでは? いずれにしてもニッケル・クリークのみなさんはアイリッシュ・チューンがお好きなようである。ブルーグラス界にも確実に新しい世代が育ちつつあるということか。
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明和電機 at 渋谷クアトロ 明和電機がミュージシャンであるかどうかは難しいところだが、彼らのライブパフォーマンスは――まあ演奏そのものはともかく――やっぱりなかなか面白いと思う。パチモク、コイビート、ゴムベース、ギターラ、タラッター・・・・といったユニークな楽器群には、実はかなり共感する部分がある。――というか、はっきり言って大好きなのだ。ゲラゲラゲラ。 今回のライブは、グラインダーマンの起用が目新しかったが、全体として見ると、いささか食い足りなかったような。 しかし、明和電機を見に来ているお嬢さんたちって、あんまりライブハウスとかに出かけそうもないような雰囲気の人が多いよなぁ。いつもはどんな音楽を聴いているんだろう? ・・・・と思ってる間にも、2人ほど倒れるのを目撃する。まさか感電したわけじゃないだろうし、酸欠かな? ま、くれぐれもお大事に。
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ハード・トゥ・ファインド at 町屋ブームホール ハード・トゥ・ファインドは、札幌に本拠地を置く4人組のトラッドバンドだ。ハンマーダルシマーを中心に、フィドル、ギター、オクターブマンドリン(曲によってペニーウィッスル、ボーランなどと持ち替え)という編成で、アイルランドのトラッド曲などを聴かせてくれた。 個人的な趣味をそのまま書いてしまうと、アイリッシュのレパートリーよりも、むしろフィンランドのトラッドなどのほうが面白かったような気がする。さらに一番感激したのが、オリジナル曲の「天気輪の柱」だったというのは、どう解釈すべきか? ぜいたくを言わせてもらえば、あまりアイリッシュにこだわらず、もっともっといっぱいオリジナル曲を聴かせてほしかった。 使用していたオクターブマンドリンは、おそらくフラットアイアン製だろう。ギブソンのアーミー&ネイビー・モデルの伝統を受け継ぐシンプルなデザインだった。ギターとオクターブマンドリンとのコンビネーションには、もうちょっと工夫の余地があるような気もしたが。
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ミュール・プロジェクト at 銀座ロッキートップ ミュール・プロジェクトは、いまがまさに旬である。CDをリリースした勢いをそのままに、ノリにのった演奏を聴かせてくれた。いまの日本で、これだけのライブができるブルーグラスバンドはそう多くないだろう。 3回ステージの1回めは、レコーディングで没になった曲を中心に。2回め以降は、ゲストのドラムスも加えて、エンジン全開。とにかくそのパワーには圧倒された。なにしろフィドルの茂泉次郎は、最後の曲で弦を切ってしまい、アンコールではマンドリンを弾いていたくらいだもの。 それにつけても、このあとしばらくライブの予定がないというのは残念。たぶん箱根のブルーグラスフェスティバルには出るのだろうが・・・・。
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Hothouse Flowers at 原宿ラフォーレミュージアム ホットハウス・フラワーズを見るのは、初来日のとき以来だから、ずいぶんと久しぶりのことになる。もっとも、バンドのフロントマンであるリアム・オメンリーだったら、一昨年、ドーナル・ラニーらといっしょに来日したのを見に行ったから、それほどごぶさたという気はしない。ぶっちゃけた話、このときの印象がよかったので、今回も足を運ぶ気になったようなものなのだ。 今回はピアノとアコギ2本という、いたってシンプルな編成ながら、以前にも増して熱いステージだったように思う。とりわけ、おめあてのリアム・オメンリーのパフォーマンスが素晴らしかった。とにかく、直球一発真っ向勝負という感じで、気持ちがいい。飛ばしすぎて、最後は息が上がっていたのも、かえって好印象なくらいだった。 曲によっては、ティンホイッスル、ローホイッスル、ボーランといった楽器も入れて、以前よりもトラッド色を強く打ち出しているように感じた。実際にトラッド曲も多数取り上げていたし。残念ながら、ギターの持ち替えでちょこっとだけ出てきたソリッドボディのエレクトリック・ブズーキの演奏は、あまりたいしたことなかったようだが。 ドーナル・ラニー・バンドで来日したときは、ビーター(バチ)なしでボーランを叩いていたリアムも、今回はしっかりビーターを使っていた。ただし、それはトラッドのインスト曲での話。エンディングのCATHAINでは、ドーナル・ラニー・バンドのときと同様に、ビーターなしだった。この曲では、ボーランの音をサンプリングしてループをかけ、さらにエフェクトを使った面白い効果を出していたけれど、ここはもうちょっとシンプルにまとめてもよかったかもしれない。 熱気あふれるステージは、アンコールも含めて、3時間に及んだ。満腹まんぷく。
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マルセの悪だくみ at 東京・恵比須 The Oak Room 物書きの端くれとして、こういうことを書くのは情けないのだが、私には、このコンサートのおかしさ、楽しさ、バカバカしさ・・・・、etc.を、文章で伝える自信がない。この手のライブは、実際に体験してもらうのが、一番早いのだけれど、そういうわけにもいかないだろうから、できる範囲で悪戦苦闘してみる。そのつもりで、覚悟してお読みくださいませ。 「マルセの悪だくみ」は、そのタイトルにもあるとおり、マルセという一風変わったバイオリニストのおねーさんが、傍若無人に好き勝手なことをやるという、いわばワンウーマン・ライブである。バックを支えるのは、ティングルタンゴというデュオグループでマルセの相方を務めている良原理恵(アコーディオン、ピアノ)、マルセに負けず劣らずの強烈な個性を持ったパーカッショニスト山口ともなど、なかなか個性豊かな面々だ。全体は3部構成になっていて、それぞれ別のバンドが出演というふれこみながら、なんのことはない。3つとも、ほとんど同じメンバーなのだった。 1部のティングルグルタンゴ(誤記にあらず)は、バイオリン、アコーディオンを中心に、タンゴをベースとしているらしいオリジナルインスト曲などを聴かせてくれる。ここはわりとオーソドックスな演奏だった。 2部は、まじめなクラシックファンなら憤死してしまいそうな、クラシックオーケストラのパロディ。ピッチはデタラメ、テンポも変幻自在で、有名曲をグチョグチョにしてくれる。途中で出てきたおねーさん(なかなか可愛い)が、いきなり両胸からお椀を取り出して、それをパーカッションに使ったり、指揮者がぐるぐるまわり出したり、楽屋へ飛び込むヤツがいたり・・・・で、そりゃーもう大騒ぎ。指揮者兼シンバル奏者兼タップダンサーの山口ともが、本領発揮とばかりに暴れまわるのを見て、めちゃくちゃ笑う。また、主役のマルセも、バスター・キートンのごとき無表情なギャグで、イイ味出していた。 3部は音楽的にもなかなか面白かったけれど、突然ヘタクソな手品が始まったりして、やっぱりちょっとヘン。楽器編成も、バイオリン、アコーディオン、パーカッションに、エレクトリック・アップライトベースとウッドベースという、かなりアバンギャルドなものだった。エレクトリックアップライトが弓を使って生音で弾いてるのに対し、ウッベはディストーションをかましたエフェクト音だったりするのも、何を考えているのかよくわからない。バックのスクリーンには、コラージュっぽいビデオ映像が流れて、ビジュアル的にも笑えた。肝心のサウンドは、よくわからんけど、クレツマーの影響もあるのだろうか? とりあえず、「マイムマイム」をヘブライ語(?)の歌入りでやっていたが・・・・。 −−というわけで、出演者全員が、最初から最後までひとこともしゃべらないという、まるでパントマイムを見ているような、奇妙な間のあるコンサートだった。幕間に入るビールのCM(ライブハウスだもん)も、すっげーおかしかったことを付記しておく。
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谷五郎と東京ゴローショー at 東京・浅草木馬亭 東京生まれの東京育ちなもので、もうウン10年東京で暮らしているはずなのに、浅草方面の土地感はまったくない。花やしきの隣といういいかげんな情報を頼りに木馬亭を探したものの、しっかり迷って、開演時間に遅れてしまった。 すっかり暗くなった浅草の街は、私にとってはまったくの異世界で、まるでつげ義春の作品の中に紛れ込んだような気分。薄明かりの中に浮き上がる見世物小屋や、ひっそりとした路地裏が、不気味でもあり、なぜか心地好くもあった。 谷五郎はコテコテの神戸の「芸人」だが、浅草の寄席の風情もよく似合う。CD「笑ってください40分」の発売記念という今回のライブでも、あいかわらずのどっしりとした話芸を聞かせてくれた。先日のマルセのライブが、たとえばマルセル・マルソーのパントマイムだったとするなら、谷ゴローショーは吉本新喜劇とでも言うべきだろうか。けっして洗練されているとは言い難いけれど、強引とも言えるギャグが、これでもかというほど連発されるのも、それはそれでいいもんだ。 バックを支える東京ゴローショーのメンバーは、東京のブルーグラス界ではよく知られている人たちばかりである。大阪ゴローショーと比べてどうこう言うのはヤボな話かもしれないが、さすがに楽器もコーラスも決まっている。このタイトな演奏と、谷五郎(および同じ関西人のフィドラー畠田靖久)とのキャラクターのコントラストが面白い。久しぶりに、腹の皮がよじれるほど笑った。とくにベースとボーカルの海宝ゆり子が、意外なほどのギャグのセンスを見せていたのに、感心した。 久々に見て、あらためて感じたのだが、やはりゴローショーはライブに限る。CDのネタもCDの何倍もおもろかった。逆に言えば、このライブのパワーを、そのままCDに収めきれないところがくやしい、ということにもなるわけなのだが・・・・。
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宮原芽映,中川五郎「詩の朗読と音楽」 at 渋谷 2'S YOSHIHASHI 小編成のコンボ、おまけに詩の朗読付きと聞かされて、実は半信半疑で出かけたのだが、めでたくこれが大当たりだった。 ともすればないがしろにされがちな歌の言葉を、大事に育てている人たちがいる。1人はギター1本の弾き語り、もう1人も、前半はベース1本のみをバックに加えた弾き語り。このシンプルなサウンドが、言葉の持つ力を、よりピュアな形で伝えてくれたように思う。 中川五郎さんのライブを見るのは、ほんとに久しぶりだ。たぶん10年以上はごぶさたしてただろう。それでも、ちょっぴり肉がついて、頭が金髪になっていたくらいで、五郎さんはほとんど昔と変ってなかった。いつもどおりの飄々とした語り口。そしておなじみの歌をギター1本で聴かせてくれる。 ぶっちゃけた話、「25年目のおっぱい」「ともこのまぶたにはとさんがとまった」「まがり」−−と、20年以上前に出たアルバムからいきなり3曲やられたのには、ちょっと動揺してしまった。懐かしさと奇妙な共犯意識のようなものとが渾然一体となった不思議な気分。とはいえ、最後のほうで、Come To My Bed Sideもやってくれたときには、こっちがだいぶリラックスしてきたせいか、ただただ懐かしさだけを感じることができたのだが。ま、過去を振り返るのも、たまにはいいさ。 一方、宮原芽映さんの歌は、あくまでも現在進行形である。いつもは、もうちょっとバンドっぽい編成でやることが多いので、ギターとベースだけというシンプルなサウンドは、わりと珍しい。これが、思っていた以上の収穫だった。今回初めて挑戦したという自作の詩の朗読も、なかなかきまっていたと思う。等身大の女の人をリアルにスケッチしていく、さりげない描写力がすばらしい。 後半のステージは、パーカッションの山口ともさんを加えて、一転してハデな音になった。今回は、台所用品を改造したとおぼしき手製のパーカッション類を中心に、ダラブッカやらタムタムやら、さらに得体の知れないパーカッションやらを駆使して、主役を食うくらいの大活躍。間奏の部分では、ほとんどリードパーカッションという風情もあった。こういう性格の人がバンドに1人いると、たしかに重宝ではある。
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Donal Lunny Coolfin & ALT & Solas in Celtic Christmas '98 at 東京・五反田ゆうぽうと簡易保険ホール 世は不景気だのなんだのと騒いでいるが、日本のアイリッシュ・トラッド・ブームは、いま真っ盛りのようだ。この日も、ケルティック・クリスマスと称してアイルランドがらみの3バンドが競演するという、なかなか豪華なイベントが行なわれた。こんなにめちゃくちゃ寒くて、雨もバンバン降っている日に、広いゆうぽうとの会場がほぼ満杯になってしまうんだから、ボーイズ・オブ・ザ・ロックが初来日した頃のことを思い出すと、ほんとに隔世の感がある。ともあれ、親が死んでも並ぶのはイヤ――という私にとって、全席指定のコンサートは何よりもありがたい。 トップバッターは、アメリカ東海岸からやってきた5人組のソーラス。比較的オーソドックスな演奏だったが、なかなかうまい。バンドの中心人物らしいシェイマス・イーガンは、フルートの持ち替えでテナーバンジョーやマンドリン(ギブソンAスタイル・オーバルホール)も演奏して器用なところを見せてくれた。 次に登場したのが、リアム・オメンリー、アンディ・ホワイト、ティム・フィンの3人がジョイントしたALT。この来日公演のために3年ぶりに再結成したとかで、さすがにラフな演奏だったと思うが、2流のロックバンドのかっこよさみたいなものを感じた。 最後はお目当てのドーナル・ラニー・バンド。最新アルバムのデキにはそれほど関心もしたわけでもなかったのだが、さすがにライブになると冷静ではいられない。最初の音が聞こえてきたところで一気に盛り上がってしまった。やっぱりこういう音には弱いんだよなあ、オレ・・・・。ナリグ・ケーシーのフィドル、ジョン・マクシェリーのイリアンパイプも最高! 今回のゲストは、メロディオンのシャロン・シャノンとボーカルのモーラ・オコンネル。とりわけ、個人的にアイリッシュの女性シンガーの最高峰だと思っているモーラ・オコンネルの歌が聴けたのがうれしかった。
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かしぶち哲郎 presents ノエル・バーレスク at 東京・吉祥寺 Star Pine's Cafe ノエル・バーレスクというのは、1つのコンセプトでまとめられた音楽劇というか、(最近はあまりこういう言い方をしないが)ロックオペラのようなものらしい。 かしぶち哲郎のアイデアの元、集まったメンバーは、岡田徹、松尾清憲、あがた森魚、みうらじゅん、渚十吾、宮原芽映など。 全体は2部構成になっていて、1部は、出演者の紹介を兼ねたソロパフォーマンス。あがた森魚のギター弾き語りによる「赤色エレジー」が久々に聴けたのと、岡田徹と宮原芽映のデュエットをおがめたのが、個人的なハイライトだった。 2部が問題のノエル・バーレスク。はちみつぱい時代のかしぶちの代表曲「釣り糸」が最初と最後に演奏されて、その間にいろいろな曲が挿入される。どうやら、釣りをしている間に夢を見て、時間と空間を超越した旅をするというような設定らしい。曲と曲の間には、宮原芽映のナレーションが入る。この詩の朗読のようなナレーションがなかなか効いていて、奇妙な旅をいっしょに体験することができた。完成度についてはよくわからないが、ともあれ意欲的なステージだったと思う。
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たま at 東京・吉祥寺 Star Pine's Cafe 開演前に流れていたBGMが何だか思い出せなくて、ずっと頭の片隅に引っかかっていたのだが、ライブが終わって帰り支度を始めたところでやっと気がついた。あぁ、チーフテンズのクリスマスアルバム、BELLS OF DUBLINじゃないか! メンバーの知久寿焼がチーフテンズのライブにゲストで参加していたくらいだから、まんざらつながりがないわけでもない。なるほどなるほど、と1人で納得した。 ――というわけで、今回のたまのライブは、おごそかな上にもおごそかな、聖夜当日に挙行されたのだった。クリスマスといっても、特にそれを意識した風でもなく(最後に演奏された「ぎが」だけは、ちょっとそれっぽい選曲だったが)、たんたんとステージがこなされていった。とはいえ、一筋縄ではいかない連中のことだから、うかつに聞き流していると、いきなり飛び道具を出されるから油断できないのだ。 クリスマスであっても、お盆であっても、たまはやっぱり面白い。強いて不満をあげれば、マンドリン(おなじみのケンタッキー製アーミー&ネイビー・タイプ)を弾いてくれたのが1曲だけだったことかな? 長年の付き合いになる3人の息が合っているのは当然として、サポートメンバー風のキーボーディスト、斉藤哲也のひかえめなプレイが、なかなか素敵!
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