市町村長 殿 平成17年11月10日
自治体には「交際費」という歳出科目があります。しかし、その額は必ずしも自治体の財政規模を反映しているとは言えず、支出内容も自治体によりまちまちです。交際費は、一般的には「行政執行上必要な外部との交際に要する経費」と解されますが、現状は明確な支出規定も無く、首長裁量で気前よく支出されています。しかし公費という性質上、納税者である住民からみて十分に納得のできる内容が求められるのは当然のことであります。
交際費については殆どの自治体に明確な支出基準がないため、内容が機密的であったり、住民の生活感覚とかけ離れていたり、また首長の選挙対策と疑われるような支出も少なくなく、それらが納税者である住民にとって行政不信の一因ともなっています。
そこで、各自治体に、今回私どもが作成したこの「交際費支出基準」を参考に、住民から十分に納得のできる独自の「交際費支出基準」を作成して、支出状況を毎月ホームページ等で公開し、行政と住民の確固たる信頼関係の構築に役立てていただきたいと思います。
折しも奄美の各自治体にとって、行財政改革は待ったなしの状況であり、交際費の大幅な減額は避けられない状況にあると考えます。この支出基準を導入することにより、現在の交際費の額を1/10以下に抑える事が可能だと考えます。人口約60万の岡山市は、市長交際費を毎月ホームページで公開し、年間140万円程(平成16年度)でまかなっています。鹿児島市でも今年からホームページでの公開を始めました。
是非、奄美の自治体が住民に開かれた行政のために先進的な取り組みをして下さるようここに申し入れます。
(参照 各自治体交際費額)
交際費の執行にあたっては以下の基準に沿って拠出すること。
(会費、賛助金)
懇談会や懇親会という名目で行われる宴会が目的の会費については認めない。ただし真摯な意見交換が目的の懇談会や意見交換会については、自己負担(会食代等)としての会費を認める。また行政執行上必要と認められ、首長(含議長)が構成員である団体の会費および賛助金であるものは「交際費」ではなく「負担金補助及び交付金」で予算化し、年度当初には支出が予想されなかったものについて支出を認める。
(香典、花代、見舞金)
市職員及び関連機関の職員は職員互助会があり、首長は住民の代表であることを考慮すれば慶弔意の対象は直接間接に住民から選ばれた以下の個人に限定すること。
1)現職の首長、議員、教育長、助役、収入役の本人及び一親等並びに同居の養父母。
2)前職の首長、議員、教育長、助役、収入役の本人。
3)現職の教育委員、選挙管理委員、監査委員、農業委員の本人。
4)名誉市民、功労者の本人。
*支出金額については住民感覚や社会相場を考慮して決定すること。
(祝い金、祝儀等)
当自治体と直接関係または貢献のある以下の個人、団体について認める。
・名誉市民、功労者の顕彰、表彰に伴う式典等への祝儀。
・市民にとって名誉となる行為、業績をあげた個人、団体への祝儀。
・自治体主催の各種祝賀会への祝い金。
*支出金額については住民感覚や社会相場を考慮して決定すること。
(贈答・物品供与・経費補填)
首長(含議長)またはその代理の者が、他の団体や個人を視察等で訪問する場合に社会通念上認められる範囲の手土産については認める。
役所や政治家、官僚、マスコミ関係への贈答等については認めない。
宴会が主目的の懇談会や懇親会への物品供与や経費補填は認めない。
(餞別金、結婚祝金、建築祝金、中元、歳暮、寄付)
これらは公費負担になじまないため私費で負担すること。
(名刺)
対外交渉において名刺の必要性は認めるものの、作成枚数については節度が必要である。行政上の対外交渉においては年間で2千枚もあれば十分であると考えられるので、年間2千枚以内の作成は認め、これを超えるものについては私費で負担すること。
申し入れに対する自治体の反応
現在までに市町村長からの回答は無く、支出基準作成の報道発表もない。飲み食い代や贈り物を削ることには首長はやはり消極的なのだろうか。自らを律する立派な首長さんが出てくることを期待している。