2006.2.12(日) 学会の旅 1日目(パース → アデレード → マウント・ガンビア)
南オーストラリア州にあるマウント・ガンビアという小さな町で学会が開かれる事になり、夫が出席するという。
私も連れて行ってくれるらしく、2人分のエアチケットを取得済みだった。

学会をこの目で見るのは初めてだ。
アカデミックな仕事に就いている人でないと、なかなか体験する事はないと思う。

発表には2種類あるらしい。
講堂やホールの壇上でスクリーンを使って行われ、一度に大勢の聴衆相手に質疑応答をするものと、廊下などにポスターを貼って、その前に立って数人を相手に説明する“ポスター発表”だ。
夫は今回、後者の“ポスター発表”をする。

A0サイズの大きなポスターは、ラミネート加工されていた。
業者に任せたらしいが、加工に$100もかかったらしい。しかも業者はなぜか、ポスターの印刷面を外側にして巻いてくれた。
そりゃ確かに、ラミネート加工されているから印刷面が外側でも傷む事はないだろうし、他人に見られて困るポスターでもないけれど、オージーのこういう大雑把さは日本人の理解を超えていると思う。

飛行機がパースから離れると、眼下に薄い雲の絨毯が広がり始めた。
夫は「雪原みたいだね」。

やがて雲が切れると、飛行機はサザン・シーの上にいた。
いつも白波が立っているサザン・シーは珍しく凪いでいるのか、とてもフラットで青一色。まるで飛行機の下にも空があるみたいだ。
明るい宇宙の真ん中に放り出されたような心許ない不思議な感覚を味わった。

アボリジニ・アート風ペイントのカンタス。
ちょっと悪目立ち。

雪原みたいな雲の絨毯。

ピンク色に染まった塩湖があちこちにある。

多分、塩を作っているのだろう。
茶色い陶器のタイルみたい。

アデレード空港でレンタカーを借りて、一路マウント・ガンビアへ。
5〜6時間もかかるので、アデレード観光をしている暇は無し。

レンタカー会社のお姉さんが貸してくれた地図は、アデレード市内の物だけだった。
ガソリンスタンドで州の地図を買い、途中、ランチに立ち寄った店でテーブルの上に広げてルートを確認。
店員のお兄さんを呼び止めて「マウント・ガンビアへ行きたいんだけど…」と言った途端に、近くのテーブルに座っていた巨体のトラック運転手が近づいてきて、「俺もマウント・ガンビアへ行くんだ」とルートを教えてくれた。
どうやら、地図を広げて話している私と夫を見かねて、声をかけるタイミングを計っていたようだ。粗野な外見に似合わず控えめで親切。
すると後ろの席の女性もやってきて、「海沿いのルートもいいわよ」と提案。
トラック運転手は海沿いのルートを使った事がないらしく、女性にいろいろ尋ねている。
大きな地図の上に4人で覆い被さるようにして、進路の相談だ。

親切なオージーたちに助けられて、私たちはマウント・ガンビアまでの道を完全に把握した(そもそも単純な道順ではあるのだけど)。
そして海沿いのルートを走る事に決めた。

クーロンという町の海沿いには、海岸線と陸との間に長く続くラグーンがあり、メインの道路の他に、観光用のシーニック・ドライブも伸びていた。


ガソリンスタンドに寄ったら、私たちに道を教えてくれたトラック運転手が、バイクの2人連れと話をしていた。
彼も海沿いのルートを選んだようだ。
彼は行く先々で話し相手を見つけているんだろうか。控えめで親切で寂しがり屋の巨体のおじさんだ。なかなか魅力的。

ロブスター・レストランの巨大ロブスター。
ゴジラと戦えそうなくらい大きい。
正面から見ると「かかってこんかーいっ!」と強気だが、後ろから見ると逃げ腰だ。

オーストラリアにはこうした巨大オブジェがあちこちにある。

ロブスターの前に立っている看板には「町で一番安いロブスター」と書かれている。

マウント・ガンビアに近づくと、前方に厚い雲がかかっていた。どうやら目的地は雨らしい。
周辺の牧場には乳牛の姿が増えてきた。マウント・ガンビアは酪農の町なのだろうか。

宿は毎度お馴染みの、モーテル。学会出席者の多くがここに泊まっているようだ。
夕食はパスタのチェーン店「FASTA PASTA」で。意外な事になかなか美味しかった。
フェットチーネがちゃんと生麺でコシもあり、感心した。チェーン店だからとあなどれない。



2006.2.13(月) 学会の旅 2日目(マウント・ガンビア)
今日はついに学会に潜入。

会場に着いたら、受付のおばちゃんに「はるばる日本から!」と驚かれてしまった。
いや、正しくはパースからなんですけどね。

ホールでは既に開会の挨拶が始まっていた。
指示された場所に夫のポスターを貼り、夫は開会式へ、私は市内観光へと出かけた。

まずは学会が行われているホールから観光。
学会会場から古いタウンホールの建物へ続くドアには鍵がかけられていた。
ドアの窓に張り付いて中を覗いていたら、タウンホールの職員らしき女性がちょうど出勤してきて、私を中に入れてくれて、その上、ドアというドアの鍵を開けて中を見学させてくれた。親切だ・・・。

その後も、教会の前でメモをとっていたら通りすがりの女性に、「May I help you ?」と声をかけられたりもして、なんだかこの町の人はみんな親切なのだ。
都会では少なくなっている“親切オージー”だが、田舎にはまだまだ健在だ。

それにしても寒い。
パースの服装では風邪を引きそうなので、Targetでキャミソールを買い、ついでに安売りされていた子供服から私にも着られるサイズを探して何着か購入。1着800円くらい。

学会会場に戻ると、夫はまだホールでの発表を聴いていた。12時半からランチタイムのはずだが、なかなか終わらない。
廊下に出ると、無料のコーヒー・紅茶・マフィンが置いてあった。パッションフルーツのマフィンが美味しかった!

今回は田舎の小さな町での小規模な学会で、参加者も殆どが地元オーストラリアの研究者だ。
でも、大都会で行われる大きな国際学会では、同伴した家族が退屈しないようにとファッションショーなどのアトラクションがあったりもするらしい。

ホールでの発表は、大勢の聴衆との質疑応答が特徴。

ポスター(パネル)発表はこんな感じ。
中学校の「一人一研究」を思い出した。

コーヒーと共に置かれていたミント・キャンディ

学会参加者にはランチが配られた。
私の分はないので、スーパーで冷凍カレーを買って、夫と共に一旦ホテルへ戻った。


冷凍カレーの箱の写真。
お肉たっぷりで美味しそう。

レンジでチンしたところ。
・・・肉はどこ?

この日の学会を終えてから、車でブルー・レイク、タンタヌーラ・ケイブを順調に観光し、ちょっと欲張ってプリンセス・マーガレット・ローズ・ケイブにも行ってみる事にした。

ところが、私たちが到着したのは最後のツアーが出発した直後だった!ああ、ざんね〜ん!

肩を落として駐車場に戻ると、そこにはレンのつがいが2組。いやん、かわいい。
見ていると、1羽の雄のレンがどんどん私たちに近づいてくるではないか。
尻尾をピンと立てて、こちらを威嚇している様子。
どうやら「俺が囮になって奴らを引きつけるから、その間にお前たちは逃げろ!」てなことらしい。
他の仲間たちはどこかへ逃げ去ってしまって姿が見えない。

勇敢な雄のレンは、私からほんの1mのところまで近づき、挙げ句にわざわざ私のズボンをかすめて飛んでいった。向こう見ずなヤツだ。
きっと奥さんはこの様子を見て「あなた!もうやめて!」と気を揉んでいたに違いない。

帰る途中、「ウォーターフォール・ガーデン」と書かれた看板を発見。
ケイブの近くに大きな川があったから、もしかしたら滝が眺められるのかも。
そう期待して、針葉樹の植樹林の奥へと伸びる道へと進路変更。

するといきなり目の前を小さなキツネが横切った。あ〜びっくり。
これだけ広い森だったら、動物もいっぱいいるだろう。

看板を頼りに森の中を進んでいくが、一向に滝らしき音もガーデンらしき景色も気配すらない。
今日は6時半から学会のディナーがある。時間が気になるので引き返す事にした。
すると今度は野生のエミューが佇んでいるのを発見。よく見るともう1羽。つがいだ。
さらに行くと、今度はカンガルーの群れ。カンガルーが現れるようになったらもう夕方だ。

広大な針葉樹の森。
材木用に植樹されているらしい。
北欧のような眺めだ。

エミューがぽつねんと。
正面から見ると、ひょうたんみたいだな。

学会のディナーは私の分の参加費も払ってあるとのこと。
なんと1人$89!高い!フォーマルな服装じゃなくてもいいのか?

しかし$89とはいえ所詮はオージーのディナー、日本の宴会と変わりなかった。
みんな最初から自分の席になんて座っていやしない。
席が空いていれば勝手に移動してしまい、そこに来た料理を食べる。そうやって、いろんなテーブルを転々とする人もいる。
夫が言うには、こうした席で大物の博士に顔を売っておくのも研究者の仕事のうちなんだそうで。
そう言いつつも早速、今回の学会の主催者に挨拶に行っている夫。
案外、普通の会社員と変わりない世界なんだなぁ。

$89の食事は贔屓目に見ても$50くらいのクオリティだった。田舎だからなのかな。
あっ、飲み放題だったからか!


2006.2.14(火) 学会の旅 3日目(マウント・ガンビア → アデレード)
今日はバレンタインデー。チョコレートは自宅の冷蔵庫の中で眠っている。夫には内緒。

夫は今日も学会だが、午後にはアデレードに向かわねばならない。
私は昼まで町をぶらついて時間を潰した。

↑中学生くらいの男の子たちがクリケットをしていた。

マウント・ガンビアに来る時には海沿いの道を通ったが、帰りはトラック運転手が教えてくれた内陸の道を行く。
途中のナラコート(Naracoorte)という町にはまたケイブがあるらしいので、立ち寄る予定だ。

ナラコートまでの道は両側にブドウ畑が続き、ワイナリーが多い。
時間があれば寄って、ワインを買えるのだが、夜になる前にアデレードに入りたい私たちにそんな余裕はない。

空気はヒンヤリしているものの、日差しは強く、道路も車もカンカンに熱せられている。
行く手を逃げ水が覆い、地平線には蜃気楼が浮かんでいる。

ナラコート・ケイブでは、小さなWet Caveを自力で見学する以外はガイド付きツアーに参加する必要があり、所要時間も40分とか1時間とか、かなりかかる。
先を急ぐ私たちはWet Caveを選ぶしかない。
料金を払うと、ゲートの開け方を教えてもらえる仕組み。開け方といってもなんてことはないのだけど。

Wet Cave見学を終えて、私が運転を代わった。
道路は空いていて、前後に車の姿はない。
でもどこにお巡りさんが潜んでいるか分からないので、スピードを制限時速の110kmに保ち続けた。
この車にはスピードを一定に保つ、オートクルーズ機能がついていて、こういう時にとても役立つ。
ただ、アクセルもブレーキも踏まずにハンドルだけ操作していると頭がボンヤリしてしまい、ちょっと危険かも。

ふとバックミラーを見たら、遙か後方にゴマ粒のような車の姿。
しかし見る間に近づいてくる。何kmで走ってるんだろう?追い越して貰う時にスピードを落とした方がいいかな?でもブレーキを踏んだらせっかく110kmにセットしたのが解除されちゃう・・・・などと考えているうちにも、後ろの車はどんどん迫ってきた。
・・・・・・あれ?なんだ、ポリスじゃん。
正しく110kmで走るこの車に、あっという間に追いついた・・・ということは、お巡りさん、スピード違反だね?
いいなぁ、誰にも捕まらない人は気楽で。ふん。

他に車の姿は無く、余裕を持って走れる道なのに、ポリスは都会並みの車間距離でピタリと後ろを付いてくる。
鬱陶しいので途中のガソリンスタンドに逃げ込んでやり過ごした。

太陽が傾いて、黄色い西日が運転席をダイレクトに照らす。眩しい〜!

眩しさと闘っているうちに、アデレードに到着。ここから夫にホテルまでのナビを頼んだ。
が!夫の言うとおりにシティを走ったら、病院に到着。
インターネットからプリントアウトした白黒の地図には確かに大きく「H」の文字があるけど、これはホスピタルの「H」なのよ。
夫に運転を代わってもらい、私がナビを担当したら、あっという間にホテルに着いた。さすが私。

ホテルはアデレードの駅前。
堂々とそびえ立つヒルトンホテルの、道路を隔てた目の前にある、ヒルトンより格下のホテルだ。
学会帰りの研究者が宿泊するにはちょうどよい。

しかしこのホテル、最悪だった。

フロントの対応はにこやかで、なかなかよろしい。
問題は部屋だ。
私たちが通された部屋はタバコの匂いが染みついているせいで、すごく貧乏くさい。
その上、窓からの景色がかなり悪いらしく、全体にシールが貼られて外が見えないようにしてある。
そのせいで室内が暗く、すごい閉塞感&圧迫感。
テレビのリモコンが機能しないと思ったら、2つ必要な乾電池が1つしか入ってないし、ティーカップも1つしかない(スプーンもソーサーも2つずつあるのに…)。
部屋を替えてもらえばよかったのだが、この時は考えが及ばなかった。

夕食はタイ・レストランで。
外に掲げられたメニューを吟味していたら、店の女主人に「コンニチワ〜」と日本語で声をかけられ、人懐こい表情に誘われるまま店内へ。
料理はどれも美味しかった。辛い辛いと言いながら、腹一杯食べた。



2006.2.15(水) 学会の旅 4日目(アデレード → パース)
飛行機の時間は12時5分。ちょっと早いがホテルをチェックアウトして空港へと向かった。

アデレード空港はシティから近くて、レンタカーを返して搭乗手続きを済ませても、まだ搭乗時刻まで2時間近くもある。
国内線の空港は店の数も少なく、Cafeで朝食を済ませたらもうすることが無い。
夫は搭乗ロビーの椅子に座るなりイビキをかいて熟睡。

カンタスは男性アテンダントがとても多いのだが、今回の飛行機には見事に男性しかいなかった。
離陸と着陸前後に女性の声でアナウンスがあったが、あれはビジネスクラスやファーストクラスの女性アテンダントだったのだろうか?

楽しみにしていた映画はナント、来る時と同じ『THE CONSTANT GARDENER』。
セリフでストーリーが進んでいく重厚なイギリス映画なので、前回は観るのを諦めたが、せっかくなので今度は腰を据えて観てみることにした。

主人公ジャスティンにレイフ・ファインズ(この人が主役という時点で陰鬱な作品ではないかと予想)、その妻テッサにレイチェル・ワイズ。
ある日テッサはアフリカ・ケニヤで車の事故(?)で死んでしまう。ジャスティンが悲しみに暮れながら妻の遺品をまとめているうちに、彼女が大手薬品会社のスキャンダルを探っていた事を知る。

不思議なもので英語があまり聴き取れなくても粗筋は分かる。
5年前のヒアリング能力があれば、もっと細部まで理解できたかも。

で、やはりレイフ・ファインズ主演の映画は後味がどうにも切ないのであった。
彼が『ロレンス1918』で演じた、“その後のアラビアのロレンス”はとても繊細で、ピーター・オトゥールが演じたロレンスよりも私は好きだった。
このころから既に彼の“切なげな表情”は健在だった。

うちに帰って調べてみた所、原作はジョン・ル・カレの『ナイロビの蜂』。
ジョン・ル・カレの作品は大学時代に『寒い国から帰ってきたスパイ』をタイトルに惹かれて購入したことがあったが、本棚に並べただけで終わってしまった。
帰国したら、ちゃんと読んでみようかな。

映画前に昼食が配られ、映画が終わる頃に今度はおやつが配られた。マンゴ味の棒付きアイスクリームだ。
おばさんも、ネクタイ締めたビジネスマンも、アイスをペロペロ。
私もペロペロしようとしたら、舌がアイスに張り付いてしまった。冷やしすぎ!

パースは雨。アデレードで見た天気予報では今週1週間は晴れ続きの筈だったんだけどなぁ。

タクシーでフラットに到着したら、駐車場のゲートがまた壊れて開きっぱなしになっていた。
もしや、と思ったら、やはり隣の一家がシンガポールから帰国していた。
奥さん、帰国早々やってくれたわね。



2006.2.16(木) チョコレート / ドラッグフリー
バレンタインのチョコを、1日遅れで昨日夫に渡した。
先週から用意していたのだが、店の主人に「必ず冷蔵庫で保管する事」と、念を押されていたのだ。
旅先に持って行って車の中で溶けても困るし、ホテルの冷蔵庫に入れたまま忘れてしまう恐れもあるので(私ならやりかねない)、やむなく自宅の冷蔵庫で留守番して貰う事と相成ったわけだ。

5年前の滞在中も同じ店でバレンタイン・チョコを買った。
トリニティ・アーケード(Trinity Arcade)にあるLEONIDASというチョコ専門店。
主にプラリネ・クリーム入りチョコを扱っているが、リカー・チョコもある。

ここのチョコはトロリとなめらかで、食べ始めると止まらなくなってしまう。
値段が高いだけに、かなり自制心を必要とするチョコだ。
それもそのはず、LEONIDASはベルギーに本店があり、各国の店に毎週チョコを空輸しているのだとか。
調べてみた所、日本にも支店があった。

前回買ったリカー・チョコの詰め合わせはさすがにもう扱っていなかったが、店の主人に「ビターのリカー・チョコだけ8〜10個くらい適当に箱に入れて下さい」とお願いしたら、各種それぞれ1個ずつ入れてくれて全部で7個、計り売りで$15也。
バレンタイン・プレゼントだと言ったらリボンも付けてくれた。

チョコはもちろん夫のために買うのだが、結局は私が半分食べてしまう。
今回のチョコも美味しかった。ビターチョコの中に、アルコール入り生チョコがトロリと入っている。
このチョコを食べている間、感覚が舌に集約されて、ちょっと呆けた顔をしちゃっていたかもしれない。



昨日、ポストに溜まっていた郵便物の中に、UWAからの通知が混じっていた。それにはこう書かれていた。

Dear Resident

This is a courtesy letter to remind you that the UWA Student Guild will be holding its annual event on James Oval-Orientation Day 2005. This alcohol and drug free event is to welcome the first year and returning students to UWA .
The event is Friday the 24th of February open between the hours of 10:30AM and 3:30PM. We are not anticipating any disturbance to the surrounding community, however should you feel that the music is disturbing your public amenity we have a staffed complaints line that you can call. The number is xxxx-xxxx and your complaint (no personal details) will be recorded and relayed to me the event organizer.
Orientation Day is not limited to the UWA student population and open to the general public so if you want to come down and see what all the fuss is about please join us.

どうやら酒とドラッグフリー(!!)の新入生歓迎イベントのようなものがあるらしく、「うるさくするからよろしく。苦情歓迎。参加歓迎。」というお知らせらしい。
多分、5年前の夫の日記にあるこれだ。「2005」は「2006」の間違いだろう。去年の文面を流用したな?

それにしても酒だけでなくドラッグもフリーって・・・・。
オーストラリアの若者がインドネシアやシンガポールにドラッグを持って入国し、捕まって裁判にかけらているニュースをひっきりなしに聴くのだけど(この4ヶ月間にシンガポールで1人が絞首刑、インドネシアで1人が懲役20年、つい先日も同じくインドネシアで2人が銃殺刑の判決を受けたばかり)、大学に入学するなり新入生にドラッグを覚えさせる事自体、罪悪感の薄さの表れだと思うんだよなぁ。
UWAの学生が本当にドラッグに関わっているかどうかはともかく、こうしてご近所への通知に平気で書いちゃうあたりがどうにもこうにも。

と思ったら、読者の方からご指摘が。
FREEは「自由」ではなく「禁止」の意味なのであった。
確かにそうだ。英語の基本中の基本ではないか!
でもよかった…。実は酒とドラッグでベロベロになった学生が住宅街に入って暴れたらどうしよう、と心配だったのだ。

ちゃんと英語を勉強しなくちゃ。

◇ 追記 ◇
グレアムに聞いてみたところ、「フリー」の意味は単語の前に来るか後ろに来るかで180度変わるようだ。
ドラッグ・
フリー = ドラッグ禁止
フリー・ドラッグ = ドラッグ自由


2006.2.18(土) 魚屋のお兄さん
10月にパースに到着してすぐに、クレアモントの魚屋で日本語が達者な中国系の店員に出会った。
「彼女が日本人なんです」と言う彼は釣りも好きだとのことだった。
今日は買い物のついでに、夫が彼から釣り情報を仕入れるため、クレアモントに向かった。

魚屋に入ったものの、どの人がその彼だったのか思い出せない。
夫がアジア系店員の1人に、「日本語が達者な店員さんってどの人?」と尋ねると、「それ私デス」。

相変わらず、日本の魚屋さんみたいに威勢のいい、人懐こいお兄さんだ。
あれこれ買い物をしながら夫が何気なく、「日本人の彼女は元気?」と尋ねたら、お兄さんは「何で知ってるの!?」とものすごく真剣な表情を見せた。
その様子から、彼がまだその彼女を大切にしている事が容易に想像できた。
案の定、「彼女が世界で一番キレイね」とのろけてみせる。
彼女にベタ惚れな様子を見ると、彼は韓国系なのかな?とも思う(韓国の男性は愛情表現がストレートだと聞くので)。

今日は、私の誕生日からの念願だった伊勢エビを買うのが主な目的。
値札を見ると、1匹$21.9だ。$1を90円で換算すると、1971円。
日本で伊勢エビを丸ごと1匹買った事がないので、安いのか高いのか判らない。
少なくとも5年前の$1が60〜65円だった頃に比べたら割高だけど。

でも日本より高いという事は絶対にないだろうと信じて「2つ下さい!」。1人1匹まるかぶりだ。
(家に帰って、日本の通販のHPでチェックしてみたところ、活伊勢エビが3000円くらい、ボイルが2500円くらい。送料も含めたらプラス700円か?コレは明らかにパースの方が断然お買い得!)

他に、活きが良さそうなカレイが入っていたので1枚。
それからキング・プロウン(大きめのエビ)を500g、ウナギの蒲焼きを2枚購入。

私が会計を済ませている間に、夫はお兄さんからキング・スナッパーが釣れる場所を聞き出していた。
お兄さんは「ボクが一番好きな場所はね・・・・」と地図の上に印を書いてくれた。
そして「餌は生きたアジね。アジを釣るのはここ」、他にも気象条件など懇切丁寧。

今夜は鰻丼。丼がないので皿を使った。じゃあ鰻皿か。
パースで初めて食べる鰻は、ちょっとばかり生臭かった・・・・・。



2006.2.19(日) ビーチとサメ / とうもろこし
久しぶりにビーチを見に行く事にした。
泳ぐわけではない。見るだけで十分。だってサメが怖いもの。

オーストラリアにいると、映画『ジョーズ』は絵空事ではないんだと実感する。
特撮のような大きなサメに、リアルに人が食われるのだ。しかもビーチで。

でもサメが現れるのは、浅瀬に魚が集まる早朝と夕方だというし、日中のビーチは常に複数のライフセーバーが目を光らせていて、旗の間でなら安心して泳ぐ事ができる。

しかし最近、何も知らない海水浴客のすぐ横で巨大なサメが泳いでいる…という様子を上空から撮影した映像を、テレビで見てしまった。
人口密度から言っても有名なビーチだと思われる。
背びれでも見えない限り、サメが近づいていることはライフセーバーにも分からないんじゃないだろうか?

私たちが行ったスカボロービーチでも、目の前で2人のライフセーバーがエンジンつきゴムボートに乗り込んで、走り去った。
すわ事故か!と目で追ったが、単なるパトロールだったようだ。あー驚いた。

海水は温かく、波は「波のあるプール」という程度。
大きく盛り上がった波に、男の子たちが飛び込んでいく。とても楽しそう。



夜は昨日買った伊勢エビで夕食。

付け合わせには温野菜。
パースに来て初めて、トウモロコシを購入。
これまでもレストランやBBQなどで何度か食べたが、どうやら当たり外れがあるらしく、買うのをためらっていたのだ。

皮を剥きながら、そういえばパースの野菜は時々虫がついているけれど、これは大丈夫かな?と心配になった。
オーストラリアの農産物って、改良が進んでいない、比較的原種に近い物が多いような気がするのだ。

1本目は無事に剥き終えた。
そうよね、いかなオーストラリアといえども、収穫高を上げるためには虫に食われにくいように改良しないと農家が大変だものね。

そう思って2本目を手に取った瞬間、皮に開けられた直径3ミリほどの穴を発見。
こっ、これはまさか!

そろそろと剥いていくと、やはりいたいた。イモムシ。
しかも大きい!4センチはある。
日本のトウモロコシにつく虫とは全然違う。緑と黒の縞々でグロテスク。
やはりオーストラリアの野菜は、虫が食べるくらい健康だということか。

でも、イモムシが食べていたのはトウモロコシの上部、まだ若い実の部分だけだった。
もっと下の方の熟した実の方が美味しいのに。
お陰でイモムシが食べた部分だけ切り落として、美味しい部分は人間様の食卓へ。

虫に目を付けられただけあって、そのトウモロコシは甘くて美味しかった。
もちろん、伊勢エビも美味しかった。



2006.2.20(月) 美しい人 / 韓国語レッスン
暑い暑い真昼の停留所のベンチに、インド系のほっそりした女性が座っていた。
みんながTシャツやキャミソール1枚で肌を露出して歩き回る中、彼女はインドの民族服・パンジャビードレスを颯爽と着こなし、その上に同色のレース編みのストールを巻き、サンダルも同色でコーディネート。
とってもおしゃれ。

凄い量の布を身にまとっているにも関わらず、「颯爽」という字その物のように彼女はとても涼しげで爽やかに見えた。
ジメジメした暑さの国から来ると、パースのカラリとした夏は暑いうちには入らないのだろうか。
それともパンジャビードレスの彼女が暑そうに見えないのは、彼女が醸し出す雰囲気のせいか。

何か書き物をしている彼女は、バスが近づいてきた事に気付かない。
私が手を上げてバスを止めたら、「あっ」という顔をした後でニッコリと微笑んでくれた。
聡明な感じの美女だった。



常に持ち歩いているノートに、韓国旅行をした時のメモが残っているのを発見した。
自分でスケジュールを組み立ててあり、どの駅の何というレストランで何をどうやって注文するか、日本語と韓国語と、韓国語の読み方をカタカナで書いてある。

英語教室の後でミンさんに見せたら、思いがけなく盛り上がり、ベンチに座って韓国語レッスンが始まった。

ハングル文字は母音と子音のマークの組み合わせでできているので、規則さえ覚えてしまえば簡単に読む事ができる。
ミンさんに教わった読み方に従うと、自分が書いたハングル文字の料理名が次々読めて楽しい。

また、韓国語の発音には英語と同じ物が混じっていることも、薄々感づいてはいたものの(ピビンパプの「プ」は明らかに「P」だ)、再確認。
キムチの「ム」は「m」だから口を閉じて発音するし、「カルククス(韓国風うどん)」の「ル」は「L」の発音だと教わった。
この点が、韓国人が英語を勉強する時に有利なんだよなぁ。
ただ彼女たちは「F」も「P」になっちゃうんだけど。

盛り上がっている所へ変なおじさん登場。突然隣に座って話しかけてきた。
イヤだなぁ…。と思っていたら、どうやらミンさんも同じらしく、2人でタイミングを見計らって「See you!」。
今度は、「日本人女性となら安易に個人的関係が結べると考えている白人が多くてイヤだね」、「そうそう!」という話題で盛り上がり。

ミンさんと別れての帰り道、ノートを見ながら教わった事を復習してみる。文字が読めるようになる喜びってとても久しぶり。
しかしハタと気がついた。たとえ読めるようになったとしても、意味が分からないんじゃ役に立たないのであった…。

←ミンさんが書いてくれた、ハングルの読み方。
左上の「が」の文字はミンさんが書いた。彼女は日本語が少し分かるのだ。
彼女だけでなく、学校で日本語を習ったという韓国の若者は意外に多い。
「が」の隣に書かれているハングル語は、韓国の街頭でよく売られている鯛焼き「ブンオーパン」。
日本の物よりずっと小振りで、餡も甘すぎず、とても美味しい。いくつでも食べられる。









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