「インフルエンザの予防注射は受けたほうがよいのですか?」という質問をよく受けます。結論からいいますと、
「受けたほうがよい」と思います。インフルエンザの予防注射に関して、公費負担制度が無い国は先進国の中では
日本だけです。インフルエンザにかかると重症になるおそれが強いのは幼児や老人です。日本で以前行っていた
学童への強制接種は「学童防波堤論」といって、学校でまず流行るのだから学校での流行を抑えればよいのでは
ないかという発想から生まれたものです。しかし、インフルエンザの予防接種によってもインフルエンザの流行自体は
抑えられないのではないかという理由のために、この制度は廃止になりました。しかし、この選択は果たして正しかっ
たのでしょうか? → 否、 集団予防接種が廃止になってから、徐々にインフルエンザによる死亡者が増えていると
いうデータが、出てきています。又、インフルエンザ脳症に関しては不明な点が多いのですが、少なくとも集団による
予防接種が廃止になってきてから増えているのです。
インフルエンザの予防注射をすると、インフルエンザにかからないわけではないが比較的軽く済む、
というのは、専門家たちの比較的共通した意見です。実際インフルエンザの予防接種を受けた人は軽くすむ、
あるいはかからないことを診療の場で実感します。インフルエンザの予防注射はインフルエンザにかからないために
するのではなく、かかっても軽くすませること、そしてかかったためにインフルエンザの抗原刺激を強く受けることにより、
免疫反応をおこして抗体は翌年までしっかり残るというように、かかることも予定の上でやるような注射であると考えて
接種するのがよいと思います。
なお、学童以上の年齢の場合、昨年からの持ち越しの抗体(いろいろな型をすでに経験していますから)の残存も
期待できるので、予防注射は1回だけでもかなり効果があると考えられます(しかし、2度接種した方が確実です)。
幼児(就学前)の場合は、やはり2回は必要です。その2回の間隔は4週間程度がよく、
11月と12月に1回ずつというのが理想的です。
1回であれば11月中旬から12月上旬がよいと考えられます。
当院では10月後半からインフルエンザの予防接種を開始致します。