身近な法律
(1)
相続争い、近接関係、離婚問題、交通事故、悪徳商法など日常生活でしばしば見られるトラブルについての対処法をなるべくわかりやすくポイントのみまとめたものです。
身近な法律(2)




1.商標権

他社が自分の会社の商品の商標を無断で使用した場合、その会社に対して、直ちに当該商標の使用を中止すること、すでに販売したものはすみやかに回収すること、商標の原版を廃棄すること、謝罪公告すること、損害を蒙っておれば損害賠償金を支払うことを請求できる。

2.埋蔵物
小判などの埋蔵物は公告して6カ月以内に所有者が出ないときには、発見者が所有権を取得する。ただし、他人が所有している土地の中にあった埋蔵物はその持ち主と発見者が折半する。

43.利息の最高限
利息が次の利率により計算した金額を超えるときは、その超過分は無効となる。元本10万円未満のときは年2割。10〜100万円未満のときは年1割8分。100万円以上のときは年1割5分。しかし、いわゆる「消費者金融」「サラ金」とよばれる業者は、この法定金利より多い利息(年利25〜29%程度)を取っているのが現実。利息制限法で定められた利率で返済すればいい。

4.遺失物
公告して6カ月たっても持ち主が現れなかったら、拾った人のものになる。ただし、それから2カ月以内に引き取らないと権利はなくなる。

5.他人の電源を無断使用するのは窃盗の罪
目の前にコンセントがあったからといって、公共の建物や他人の建物に付属しているコンセントから、電源を断りもなく使用することは許されません。 たかが“1円”といえども、他人の財物を盗むことは、窃盗の罪になります
また、電気は目に見えないもの“無形物”であっても、法に律(刑法第245条)により“財物”( 保護に値する価値または効用を有し、窃盗・強盗・詐欺・恐喝・横領などの犯罪の客体となる物)と定められています。

6.農地の転用
農地を転用する場合は、知事の許可を受けなければならない。受けないと3年以下の懲役、10万円以下の罰金を課せられる。

7.改正労働者派遣法のポイント
改正労働者派遣法が平成15年6月6日に可決成立し、16年3月1日に施行されました。今回の「改正」の主なポイントについて示します。
(1) 「一時的派遣」も1年を越えて3年以内まではおこなうことが可能に
1年を越える場合は、派遣先があらかじめその期間を定めなければならない、変更があるときには労働組合または労働者の過半数代表の意見を聴くなどの「条件」はあるが、殆どの職種で「3年間OK」となってしまった。

(2) 製造業の派遣「解禁」
当面の間は、1年の期間制限あり。

(3) 社会福祉施設における医療業務解禁
今まで派遣が禁止されていた医師、看護士も、社会福祉施設については可能に。

(4) 「紹介予定派遣」が条文に掲載
今まで、厚生労働省の「文書」によるものだったのが、法律の条文に“格上げ”。のみならず、紹介予定派遣については、派遣を決めるときの派遣先の労働者の特定行為(事前面接、履歴書送付)が制限されないことに。

(5) 「月末月初・土日派遣」(月10日ぐらい?)が期間が無制限に
「1カ月に行われる日数が、派遣先の通常の労働者の所定労働日数に比べ、相当程度少なく、かつ厚生労働大臣の定める日数以下である業務」が期間制限なしに。これは労働者にとってメリットがあるのか?

(6) 3年を越えて同一業務に派遣労働者を受け入れている場合
「3年を越えて同一業務に派遣スタッフを受け入れている場合、派遣先は該当労働者に対して『雇用の申し込み』をしなければならない。」
つまり、労働者にとっては直接雇用のチャンスということになるが、どこまで「使える」?



8.失踪宣告
家族らは失踪した家族が7年間生死不明の場合、失踪宣告を申し立てることができる。失踪宣告されると最後の生存の確認のときから7年たったとき失踪者は死亡したものと見なされる。また、戦争や船舶事故などの危機が去ったあと一年を経過したときに同様の手続きをとることができる。これにより配偶者は再婚できることになり、相続も開始することになる。後から生存が確認された場合、配偶者の再婚は重婚として取り消され、相続も無効となる。

9.身元保証
身元保証人の期間は原則として3年。期間を決める場合も5年まで。自動更新は認められない。3年後に使い込みされて、泣きベソをかかないように、3年目ごとに切りかえておくことが大切。

10.婚姻の禁止
継母と先妻の子とは結婚できない。直系姻族間は結婚できない。舅と嫁も同じ。これが日本の倫理観。

11.公正証書
公正証書は公証人が作る公文書で契約とか遺言の時に使う。契約の時はもし契約違反をされた場合、要式を整えれば強制執行を行うことができる(裁判の判決と同じ効果)。公正証書は公証役場で作ってくれる。公証役場はどの町にもある。今は、公正証書遺言はコンピューターに登録されている。

12.刑事責任
刑に服したからといって金銭の支払いは逃げられない。代金の請求ができる(時効は20年間)。刑事責任と民事上の責任とは別のもの。たとえば車を運転していて事故を起こした場合を考えてみる。軽い事故で反則金ですむこともあれば、重大な過失を問われ裁判の結果懲役に処せられることもある。これら一連の措置が刑事責任であり、交通事故の場合はこれに加えて減点・免許停止・免許取消などの行政処分も行われています。そしてこれらとは別に、事故の相手方に対して治療費や慰謝料・物損の賠償金などを支払わねばならない。これが民事責任である。

13.内容証明
内容証明を出すには、複写紙で同文の手紙を3通書くこと。半紙は1行20字以内、1枚26行以内に書くこと。3通のうち、1通は局に保存、1通は差し出し人に返還される。ヘンに格式ばって書くよりも、コンマや、ピリオットを打たずにノッペラボーに書くのがお徳用。内容証明郵便で催告状を出しておけば、それだけで時効が中断できるように考えている人がいるが、それは大きな間違い。催告は、ただ時効期間を6カ月だけ延長させる効果しかない。この6カ月の間に裁判を起こすか、仮差し押さえの手続きをしておかないと、たちまち時効で消えてしまう。さりとて少額の債権を訴訟にかけるのも、手間とヒマでソロバンに合わないので、少額債権は時効で消されてしまうのがほとんどである。

14.手付金と内金
手付金と内金の違いは、契約の解除権があるかないかという点にある。手付金は相手が履行に着手する前ならば、何の法律的な理由がなくても、契約が解除できる。買い主が契約をやめたければ手付金を流せばよいし、売り主がやめたければ、手付金の倍額を払えばよい。内金は当事者双方とも法律上の解除原因がなければ、契約をやめにすることはできない。契約が解除されてしまえば、内金を受け取った方は、これを全額返してやらなければならない。

15.根抵当権(ねていとうけん)
根抵当とは増減変動する不特定の債権を一定限度額で担保する抵当権。例えば、普通の抵当権は借金を返せばその抵当権は消滅する。根抵当権は借金を返済しても、その根抵当権は消滅せず次にお金を借りる時の担保になる。

16.失火責任
火事の場合、特に重い過失がなければ損害賠償の責任はない。火事の場合、失火をした者もまた、焼け出されており、その上損害額も大きいのが通常であるから、特別のはからいで、この賠償を免除しようというのがこの法律のネライである。

17.土地の売買
登記簿謄本には土地の広さがのっているが、その広さは実際の広さとは必ずしも一致しない。土地の売買時は登記謄本にある広さを基準にするか、実測を基準にするか決めなければならない。

18.ゴルフ会員権の相続
ゴルフクラブによっては会員権の相続を認めず、プレーできないところもある。その場合は入会金の払い戻しや預託金の返還ということになる。よく規約を読んでおくこと。

19.表見代理
妻が夫の名でお金を借りる場合、夫の実印を持っているだけでは、夫が代理権を与えたことにはならない。実印のほかに委任状等をもって行かないと貸してくれない。

20.遅延損害金
金銭債務の不履行の時、遅延損害金を決めていなくても法定利率で損害金を取ることができる。この場合は年5%である(商売の場合は6%)。

21.留置権
パソコンなどの修理代金などを支払わない場合、修理代金の支払いがあるまでその品物を預かっておく権利がある。ただ、預かっている品物を勝手に使ったり人に貸したりすることはできない。

22.送りつけ商法
申し込みもしない本が送られてきた時は、代金を支払らったり返送する必要はない。ただし、その本は使用してはならない。送ってきた日から14日間、引き取りを請求した日から7日間経過したらその本は勝手に処分できる。引き取りを請求は内容証明郵便など書留でした方がよい。

23.即時取得の特則
物をなくした人はなくした時から2年間、現在の持ち主から取り戻すことができる。ただし、現在の持ち主が、それと知らずにお店などで買った時は、原則的に代金を返さなければ取り戻せない。

24.夫婦の財産
妻のものを無断で持ち出したり、処分すれば妻から損害賠償の請求をされる。妻が勝ってにした借金でも夫婦の日常生活に必要なお金であれば夫は返済の義務がある。ただし、巨額な借財は別。

25.到達主義
原則として意志表示は相手に届いた時から効力を生じる。

26.手紙の無断閲覧
手紙の持ち主の承諾なしにその手紙を見てはいけない。ただし、開封済みの手紙を読むことは夫婦間では一般的承諾の範囲の行為とされている。

27.ホテルなどでの寄託
ホテル、レストラン、ゴルフ場、浴場などの、大勢の人が集まるところでは、高価な物を預かるときには、客からその種類、価格を告げられていないかぎり、万一紛失しても、ホテルとしては弁償する義務がない。

28.運送約款
列車が遅れて商談がこわれても損害賠償を請求できない。列車に乗るときは、何も契約していないようだけど通常旅客運送約款という契約をしている。

29.短期消滅時効
料理屋、飲み屋への借金は1年で時効になる。売掛金、電気料金等は2年。税金は5年。特許権は20年。

30.庭木の切り取り
隣の家の人に枝を切ることは請求できるが、勝手に枝や実をとることはできない。ただし、根が自分の庭のほうに侵入している場合は、自分の境界線を堺として切断の挙にでてもよい。
もっとも、いきなり切ると不快な思いをするでしょうから、まずは状況を説明して、然るべき対応を求め、何もしてくれないようであればやむを得ず切るというような順序で交渉するべきである。

31.親の扶養義務
子供らは一応全員が同順位で親を扶養する義務がある。長男であろうと次男であろうと、嫁にいった娘であろうと、皆平等に扶養する義務がある。子供らは生活レベルを下げなくてもいいけれど、経済的余力があれば生活に困っている親を扶養する義務がある。

32.好意同乗による事故
友人の自動車に同乗させてもらっていたら、友人が不注意で事故を起こし、自分も負傷した場合、友人に損害賠償の請求をすることができるが、全損害を請求することはできない。

33.会社の車を無断運転して起こした事故
所有者が自ら運転している場合にかぎらず、他人に車を貸した場合、そのほか、たとえば車を預かっている修理業者、他から借用して車を運転している者、さらには、従業員に車を無断運転された事業主や名義だけ車の所有者となっている者も、その自動車によって他人にけがをさせたり、死亡させたりした場合には賠償責任を負わなければならない。簡単に人に車を貸してはいけない。

34.保証人と連帯保証人
いきなり保証人に請求をした場合、保証人はまず債務者のほうへ請求してそれからにしてくれ、ということができる(催告の抗弁権)。しかし、連帯保証人にはこのような催告の抗弁権がない。保証人が数人いる場合には、保証人の人数で割った金額だけの債務を支払えばよいが、連帯保証人の場合には、何人いても全額を支払わなければならない。

35.名誉毀損
「会社に不満を持っている人たちを扇動して、ある行動を起こそうという不穏な動きがある」などと、あらぬウワサを吹聴して回って、他人を窮地に陥れようとした場合、それを吹聴した人に対して、損害賠償として慰謝料を請求することができる。

36.実印と認め印
契約書におす印鑑が実印でも認め印でも証拠になり得る。実印をおしてあっても、こんな書面は知らないと主張されると、実印だけでは決め手にならない。むしろ印鑑より本人の署名のほうがはるかに価値が高い。

37.コインロッカーでの盗難
コインロッカーは単なる携帯品の一時的な保管場所を提供したものにすぎず、物の保管を引き受ける寄託契約や、銀行などの貸金庫のように安全な場所を提供する目的の賃貸借契約とは異なる。寄託契約では保管品に対して責任を負いますし、貸金庫契約では本人への無断開扉はたとえ家族でもできないしくみになっており、その限りで賠償責任を負う。しかし、コインロッカーでは使用期間は4日以内と定められ、それ以後はもちろん、それ以前でも無断開扉の制限はきわめて緩やかである。そして約款では通例、「鍵の紛失・盗用、天災等の不可抗力、使用者の誤用、官公署の押収」などによる保管品の滅失・毀損については責任を負わない旨が明記されている。

38.ゴルフ場でのケガ
ゴルフ場で打ったボールが先行プレーヤーにあたり、ケガをさせてしまった場合、注意義務に違反により、治療費などの賠償責任は免れない。なお、キャディの指示に従ってプレーしたとしても、同様に責任を免れない。後続者は前方や近くに人がいないことを確認してプレーをする注意義務がある。

39.留置期間
逮捕されますと、警察でそれに伴う留置が48時間認められる。それだけで取調べがすめば釈放されるが、そうでなければさらに検察庁で24時間引続き留置することが認められている。しかし、証拠隠滅・逃亡などの特別な事情が疑われる場合には、検察官は裁判官に勾留を要求し、裁判官が勾留を決定したときには、最初の3日間に引続いてさらに10日間留置される。そして事件が非常に複雑な場合や、被疑者が頑強に事件を否認しているような場合は、さらに10日間勾留が延長されることがある。その間に起訴しなければ釈放しなければならない。もらい下げをするには、最初の3日間が絶好のチャンス。これを逃がすと本格的に勾留されてしまう。

40.契約の成立
契約は口頭だけでも成立する。契約とは当事者双方の意志が合致して、物を売りましょう、買いましょう、貸しましょう、借りましょう、という具合に法律上の効果が与えられるものごとについて取り決めができることである。たとえ口先だけの約束でも、お互いに約束を守るという信頼関係があれば、強いて契約書を作る必要はない。契約書を作るのは、契約の内容等につき、記憶が薄れても大丈夫なように、また相手が違反しても、違反を証明できるように作成するものにすぎない。書面の標題が覚書となっていようが、念書となっていようが、内容が問題である。内容が契約書であれば、契約書としての効力が認められる。