ヘッドアップクロール
クロールは他の種目と比べもっとも速く泳げる泳法です。しかも少ない力で高い推進力を得ることができます。ただしプールとは違い底にタイルやラインはなく、コースロープなどもないオーシャンスイムではサイドで呼吸するクロールでまっすぐに泳ぐことは絶対無理です。多分普段プールで泳いでいるときと同じ感覚で20回程度ストロークをするとぜんぜん違う方向にを向いていると思います。左右の腕が同じ力で泳いでいる人などまずいなし、海には潮の流れなどもありますから曲がってしまうのは当然です。しかしクロールで泳ぐのが一番速いのでトップで泳ぐ選手達はほとんどをこの種目で泳ぎきります。ヘッドアップクロールを普通のクロールに混ぜて泳ぐのです。ただ顔を上げればいいというものではありません。そんなことをすればテンポを崩してすぐに体力を消耗してしまいます。

オーシャンスイムではヘッドアップクロールを使わなければならない、いろいろな状況が考えられますが、、場面あわせて2種類の形を使い分けます。

@遠くにあるブイなどの目標物を目指して泳ぐ場合 (ちょっと方向を確認して気分的に安心したい時など)

徐々にコースを修正しながら遠くの目標物(ブイ)に近づいていく時は、何ストロークかに1回という割合でヘッドアップクロールを行います。この時に使うのは、ヘッドアップ(前方確認)と通常の呼吸動作を組み合わせた形です。少しわかりづらいかもしれませんが、タイミングはキャッチにあわせて顔を前に向けたままで頭を一瞬持ち上げ、前方をすばやく確認、そのままプル〜フィニッシュにかけて頭を寝かせサイドで通常の呼吸を行います。(逆の手にあわせる場合はリカバリーの動作と同時に頭を持ち上げ、入水の動作にあわせて横を向き通常の呼吸に入る)そのとき少しバタフライのようにうねりを加えて上げると顔はより高く楽に上がります(呼吸付き片手のバタフライみたいな感じ)もっと簡単にいうと、呼吸の直前に頭を上げて進行方向を見極めるといった感じです。ヘッドアップクロールは使えば使うほど体力をどんどん消耗しますが、この方法で行うと比較的楽に前方を確認することができます。
私の場合、コンディションにもよりますが、だいたいですが6〜10ストロークに1回このヘッドアップクロールをします。どうしてもブイが見えないというときは2〜3回くらい連続して行うときもあります。それから前に顔を上げているときに息を吸わないほうがいいですね。あくまでも呼吸はサイドで行いましょう。

※2ビート、6ビートなどキックの回数は人によって様々。そのキックの回数によって若干ヘッドアップのタイミングは変わります。上記のタイミングはキックの回数が少ない人向けです。(入水後、キャッチまでのタイミングが早い人向き)※腕の1サイクルあたりのキックの回数によって多少タイミングがことなりますので経験者に習いましょう。

Aすぐ近くに障害がある時  (しっかりと状況判断したい時など)

簡単にいえば前で頭を持ち上げっぱなしのクロールをします。
折り返しブイの周りが混雑している時、バトルに入り込んでしまった時、前方の泳者を抜かす時など、比較的すぐ近くの障害がある時、泳ぐラインをすばやく見極めるために使います。通常のクロールの姿勢でただ頭を上げると必要以上に背筋に力が入ってしまい疲れてしまいまうので下半身を少し下げて(ナナメ下がりの姿勢)で行うといいでしょう。またこの動作はスピードのロスにつながるので、長くても4〜5ストローク程度にとどめましょう。(できるだけ瞬時にラインを決めて通常のクロールに戻しましょう)手の掻き方はキャッチ〜フィニッシュにかけてチョット下に向かって押さえるようにして掻くと比較的楽に頭が上がりやすいです。また水中の動作はあまり考えずに棒掻きでいいと思います。

以上がヘッドアップクロールですが、タイミングがとても大事でコツさえつかめば必ずできるようになります。トレーニングの方法としては、ある程度タイミングがとれヘッドアップができるようになったら、普段行っているインターバルトレーニングなどの中に混ぜて実施するのが理想的です。もちろんヘッドアップを無理に使わなくても平泳ぎを使えば問題はありませんが、オーシャンスイムといえばヘッドアップクロールが断然かっこいいですね!けれども初心者にとってこれは難しいテクニックでもあります。しかしやってできないこともないので前もってプールで練習してみてください。ぜひこの2種類のヘッドアップクロールを修得しましょう!

※注意 腰痛を持っている方はむきになって練習するとあまり腰によくないのでほどほどにしましょう。
 
ブレスト
平泳ぎは前で顔をあげて呼吸するのでオーシャンスイムでは進行方向の確認や周囲の状況確認、また息が上がってしまった時などに効果的な泳法です。泳ぎ方はスイミングクラブなどで教わるフォームとはちょっと違います。よくいう昔の平泳ぎ。手のひらは比較的底の方を向け、両手で片方ごとに大きく円を書くようにストロークします。キックも大きくゆっくりと蹴りましょう!スイミングクラブで教わる泳ぎとはまったく正反対ですね。なぜかというと前にいかに速く進むかという競泳の泳ぎ方では体力の消耗も早い。海ではそれよりも顔をどれだけ楽に上げていることが出きるかが完泳する重要なポイントになるからです。
 
バック
ず〜っとクロールや平泳ぎでは結構疲れます。そんな時は背泳ぎで気分転換&リラックス!クロールのローリングを上手く利用しリカバリーの手を大きくあげながらひっくり返り背泳ぎに。バックになったらゆっくり2〜3回ストロークを行ってもいいし、キックだけで進むのもいいと思います。かなり気分的に楽になるはずです。背泳ぎからクロールに返るときもローリング大きく行い、それを利用しながらリカバリーした手を反対の手の入水ポイントに入れるつもりでからだごと振りかぶってしまえばスムーズにクロールに返れると思います。
 
ブイの折り返し
もちろん平泳ぎで少しずつ確実に方向転換していくのが一番簡単な方法だと思います。しかし、クロールで泳いでいたのを平泳ぎに変えるのは減速してしまいます。そんなときは片手のクロールを使います。ブイが右回りだったら左手だけをかく!要するにボートのオールを片方だけ漕ぐのと一緒です。かいていないほうの手は進みたい方向に向けます。もちろんからだも意識して曲がりたい方向に向けましょう!(背筋を使ってチョット斜めにのけぞるような感じ)また手のかきかたは体よりもだいぶ外側をかかくといいです。普通の両手クロールではどうかというと、どうしても大回りになってしまいます。しかもブイに手があたってしまったりします。(ブイが硬いと痛いんですよ)クロールはまっすぐ速く進むにはもっとも適した泳ぎといえますが、方向転換するには適しているとはいえません。しかしチョットした工夫でかなりスムーズに折り返しができると思います。オーシャンスイムにとって折り返しは重要なポイントとなります。ぜひ修得しましょう。ただしブイの周りが混雑している時は、けっしてその中には入り込まないように、平泳ぎなどで蹴られてしまうような可能性もあり危険ですからね。
 
バタフライ
時にはバタフライも使えるんですよ!それはスタートとゴールの時です。水深が1mにも満たないようなような浅いところではクロールよりも速く泳ぐこともできるんです!

どうするかというと第一キックのタイミングで足の裏で砂を思いっきり蹴り、手の指先から前に飛び出すのです。飛び出しては潜り一度砂にしゃがみこんでまた前に蹴り出す。それを繰り返します。バタフライというよりイルカ飛びの連続動作ですね!遠浅の時や浅瀬を横に進む場合なんかにもかなり有効適な手段です。
 
トラブル
@脚がつったら・・・
足がつる(こむら返り)ということは、さまざまな原因が考えられるようです。筋過労や瞬発的な負荷が加わった時、また血中水分の欠如や電解質のアンバランス等が上げられ、筋肉への酸素供給の不足と老廃物の排除が不十分となり『つる』という状態が起きるようです。このことから判るのは、長時間の運動や、大量に汗をかいて脱水状態になったときに起こるということです。また冷たい環境で皮膚の知覚が低下している時にも起きるようです。まさにオープンウォータースイムレースそのものを指しているかのようです。よって『いつこのような状態になってもおかしくない。』ということです。足がつってしまったらもうしょうがない?ちょっと無責任ですが…!@ガマンできればそのまま泳ぐA一度止まって自分で足を伸ばして回復を待つB救助を頼んで棄権するのいずれか選んで下さい。
 
しかし、大事なのは予防です。つらないようにすればいいのです。レース前やレース中(ルール上OKであれば)は常に水分を補給すること。のどが乾いた時は、すでに脱水状態になっていると聞いたことがあります。少量ずつこまめに補給しておきましょう。それから常識ですがストレッチですね!泳いでから後悔しないように、ふくらはぎの部分は特に念入りに行いましょう!

Aゴーグルが外れたら・・・
ゴーグルは、他人と接触したときなどにとれてしまう可能性があります。とれないまでも水が入ってきたりするかもしれません。そんな時はあわてずに、仰向け(背面キック)になり、レンズを片方ずつ直しましょう!立ち泳ぎをしながら直すのも一緒、片方ずつです。特に立ち泳ぎはレンズを両方いっぺんに直そうとすると多分沈んでしまいます。

B水を飲んでしまったら・・・
ここでの『水を飲む』とは呼吸に失敗して水が気管支に入ってしまうということです。こうなった場合、あせってもう一度呼吸をしても、思うように吸えず、パニック状態に陥る可能性があります。このようなときも仰向けになって気持ちを落ち着けながらゆっくりと呼吸をしましょう。少しの間、この状態でいると徐々に回復してくると思います。

 
完泳の心得(ワンポイント)
@姿勢を整える      姿勢を整えることで抵抗を減らします。少ない力でより進めるようになります。
A呼吸は毎回または1/3  酸素は車でいうガソリンと一緒、常に補給しないとからだが動かなくなります。
Bテンポを一定に保つ   陸上のジョギングと一緒です。軽やかなテンポでリズムに乗せて泳ぎましょう。
C最短コースを泳ぐ    面倒でも常に最短コースを探してを泳ぐことが結果的に時間の短縮につながります。
D上半身(腕)で泳ぐ   キックを必要以上に使うことは余分な酸素使うことにつながります。
Eスタートであせらない  オーバーペースに気を付ける。泳ぎ始めは『ちょっと遅いかな?』くらいで・・・
F先を急がない      『そのうちゴールできるや』と気楽に考える。『前の泳者を抜こう』なんて思わない。
Gバトルを避ける     他の泳者と体がぶつかりあうとイライラの原因になりペースを崩します!

Hヘッドアップ      進行方向の確認をこまめに行い最短距離を見つけよう。初心者は平泳ぎでOK!
 

アドバイス1   アドバイス2   アドバイス3   アドバイス4