はじめて歩いた、新緑の六ツ石山
奥多摩、六ツ石山から水根沢ルートを初めて歩いたときの記録です。
頂上手前の防火帯は、なだらかな草地が続く広い道で、新緑の頃はそれこそ水彩画のように美しい景色で迎えてくれます。
お気に入りのこのコースは、2001年に再訪しています。
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【日 付】 1999年05月08日(土)〜05月09日(日)晴れ 【場 所】 榛ノ木尾根〜六ツ石山(1478.8m)〜水根沢
5/8(土) 連休の締めは奥多摩で
連休も終わろうとする5/8のお昼頃の事。
「あなた、明日山に行かない」と女房が餌を垂らす。
「うん、行こう」とその餌にパクついた私。
連休前半は奥秩父山系で、うんと散財したので近場に行くことにした。
日帰りコースで捜していたら、奥多摩湖パーキングから六ツ石山、水根沢ルートが候補に上がり、奥多摩がいいだろうということになった。朝7時頃から登り始めれば3時には下山完了、その脚で帰宅しても、そうは遅くならないだろうと判断。もっとも翌日はすぐ仕事なので、念の為、仕事道具他一式(靴とかスーツとかの、いわゆるネクタイ労働者着)を全て揃えて向かうことにする。
朝7時に登り始めるには、今夜中に現地入りしておかなくてはならない。初めて車で奥多摩に向かうことになる。日帰り、お気軽気分の登山だが、山を始めて間も無い女房の為に、更には自分の為に、今回は趣向を変えて1:25000と1:50000の地図を見比べながらルーファンの学習経験を織り込むことにした。
奥多摩湖には22:00に到着。さっそく車内でシュラフに包まって仮眠を取る。闇をつんざくバイクと車の轟音。どうやら此所はそういうところであるらしい。土曜日の夜は特別なのだ。パトカーが徘徊していた。駐車場にはテント組みもいた。なるほど、そういう使い方もあるか、、。次回の参考にしようと思った。車のライトが交錯して、なかなか寝付かれない。天井のガラス窓から星空を眺める。 ほぼ一時間措きに目が覚めたのだが、割合しっかりと眠ることができた。
◆ ◆ ◆
5/9(日) 地図を確認しながら、一歩一歩
06:00、かみさんより先に私が目覚めた。車の中が息で結露していた。綺麗なトイレで洗顔、簡単な食事を済ませる。登山支度の人も大勢いた。みなさん、けっこう車を利用しているみたいだ。地図を広げたが、眼前の山の傾斜と現在地が一致しない。どうやら駐車位置を間違えたようだ。ここから水根村のバス停まで10分ほど歩かねばならないことが、ほどなく判った。初歩的な間違いだ。準備を終えて湖に沿って水根村バス停まで歩き始める。朝の光が奥多摩湖の水面に溢れていた。
大麦代トンネルを左に見て奥多摩街道を向こうに渡る。そこが水根登山口となっている。夫婦連れのハイカーが先行していた。水根沢バス停に登山道の標識がある。現在地点の確認を行い、600mに高度計をセットする。村々の家屋を抜けてから、いきなりの急登が始まる。700mあたりで神社マーク。10分おきに地図を確認する作業をする。既に息がキレていた。
植林されている幹に50mおきに標高マークが記載されている。丁寧に管理されている印象を持った。989mまでは一気に詰める。ここは少し平らになっていた。地図の通りだ。(国土地理院様は凄い!)ようやく風の冷たさを感じる高さに到る。ここで低下した血糖値を補う。水を飲みおにぎりをぱくつく、タバコを一本。奥多摩湖の全貌が垣間見える。カメラを取り出す余裕がようやくできた。2、3人の登山者に追い抜かれる。皆、単独行者ばかりだ。
ここから更に登りをゆく。トオノクボからは緩やかな稜線に変わるはずだ。合流する地点の確認を予想しながら、1100mと1200mのまん中あたりになるはずだなどとぶつぶつ言いながら歩く。合流する線は2本。トオノクボまでは、あと僅か。地図を先読みしながら歩く作業ができれば、より安全に登山を楽しむことができるだろう。
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水彩画のように美しい緑の防火帯
トオノクボに到着する。そこはなだらかな高原を思わせる広さに思えた。 先行していた登山者がふたりほど休んでいた。 「こんにちわ」と挨拶を交わす。ここからは緩やかな登りとなる。ここまで来れば、あとはお散歩気分だ。地図上の1364mに到達する。標識はなにもない。
稜線の道を覆うように芽吹いたばかりの淡い緑が幾重にもトンネルを作っている。水彩画のように美しいと思った。スケッチブックを持参してくれば良かったと、かみさんがしきりに言う。その場で感じた色とか空気の膨らみ、あるいは匂いというのは写真では、なかなか出せないという。どうやら、そういう山登りが、この人には合っているようだ。
背丈30センチ前後の大きな草が群生していた。ちょっと気味が悪い大きさ。こんな時、図鑑を持参していれば調べることができるのだが。植物の名前がすらすらと出てこないのは悔しい。写真を撮影しながら、ゆっくりと歩く。ほどなく1478.8mの六ツ石山頂に着く。11:00。4、5人の人たちがいた。三角点に触れて記念写真パチリ。標高差878m前後、約3時間のアルバイトだった。
榧の木尾根を眺める位置に陣取り食事を取る。パンとチーズとカフェと夏みかん。春霞で視界はあまりよくなかったが奥多摩の景観を堪能する。今度はどのルートから登ろうか、、と早くも次の登山の事を考える。
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淡い緑に染まった水根沢を下る
12:00、食事を終えて下山にかかる。地図では将門馬場を右に見て山腹の脇をトレースするとある。全ての分岐点を左に左に行けば水根沢林道に入ることを確認する。ここまでかなり煩雑に地図を見て登ってきた。ここから水根沢を下り終えるまでは、かなりの時間を要する。沢沿いなので、きっと緑が綺麗だろう。のんびり行こう、、、。
沢の音のひびきを聴き、ブナの木肌に触れ、新緑の輝きに歓声をあげながら下山を続ける。都会ではもう見ることのできない緑色、溢れる匂いを満喫する。あっという間に里に降り着く。途中にワサビ田があった。こんなところにも人の手が入っていることに驚いた。人の逞しさみたいなものを感じた。予定を30分オーバーして下山完了。ああ、気持ち良かった。
文責: 青島原人