栽 培 相 談
 
 
1.
リカステ栽培のポイント  小原 吉春
2.
パフィオの現況について グリーンノート  上間 秀彦
3.
花色の表記について 宮崎 健一 (「ブラジルの原種」より)
 
 
 
1.
リカステ栽培のポイント 小原 吉春
 
 
・温度:比較的低温を好むので冬の最低温度は7℃〜12℃、夏は日中28℃〜  30℃、冬は室内でも越冬できます。逆に夏は戸外の木陰などに置き出来る だけ涼しい環境にします。
・灌水:水を好む蘭なので新芽が伸びている生長期には充分与えます。特に夏 は鉢内を水浸しにします。しっかり灌水することが重要です。リカステの出 来不出来は夏の水をさない、水やりで決まります。そうすればバルブは丸々と太りやがて大きな花が咲きます。夏は鉢の周りにもたっぷり灌水して夜温を少しでも下げることが大切です。バルブが完成し気温が下がってきた らやや水やりを控えめにしますが極端な乾燥は避けてください、特に花芽が 伸び始めた株は水を切らさないようにします。
・光線と通風:真夏は75%の遮光、10月から翌年春までは50%遮光で充分で す。バルブが完成したら12月ごろ葉先の3分の1ぐらいを切り取ることもあ ります、または葉を束ねます。その方が風通しも良くなりバルブ全体に光線 が当たるからです。
・花茎の支柱立て:花茎が少し伸び始めたら1本づつ支流を立ててやります。 花を同じ方向に咲かせるためには窓辺に置き、一方向から遮光した陽に当て ます、直射日光を当てると花茎が伸びません。
・植替え:時期は新芽が5cmぐらいに伸び始めた頃(4月)または秋になって バルブが完成した頃(10月)が最適です。バーク(SS)または水苔で植 え込みます。根はあまり捌かないで整理するだけにします、コンポストが古 くなる前に植えかけるのがコツ。未だ花が咲いている時はしばらく待って植 え替えます。花芽の時、最低温度を15℃〜18℃に高めると新芽も花芽も同 時に伸び出します、そして赤い花は色がうすい赤色になります。
・香りのあるアロマチカ(Lyc.aromatica) は夏の最高温度35℃、冬の最低気 温5℃で栽培できますのでリカステ栽培の練習にしてみてください。
 
Lyc. aromatica
 
 
 
2.
パフィオの現況について グリーンノート  上間 秀彦
 
 

ここ数年でパフィオを取り巻く状況はまた様変わりをしている。場所をとる多花性の人気が落ち、代わって注目を集めていたパービ系もほぼ個々の組み合わせについて花を確認し一息ついた感がある。一時無限の広がりを期待されたパービだがF1のインパクトに比べF2以降は印象の弱い花が多く同系統間での限界があっさり示されてきたためだ。そして株が小さい割に花が大きいブラキに火がつきブームを呼んだ。ことにオーキッドゾーンでつくられた巨大なS GratrixやWellesleyanumそして原産地タイの実生がもたらした完成度の高いleucochilumは大人気となった。
さてそんな中、根強い人気を保ちじわじわと進歩を遂げているものがある。原種と整形花だ。パフィオフリークは新しもの好きが多いが、原種をやらない人はいない。独特の形と色はまさにこの種の原点であり、どんなに改良が進んでもやはり人々は原石の輝きに魅かれるのだろう。その原種の中でroth, charlesworthii, fairrieanum などは実生を重ねた事によって各段に進歩した。アルバ個体も同様にかなり固定率が増し、値段も手ごろになってきている。これだけ世界に人が入りこんでいるのにいまだ新種がいろいろ発見されている事も驚きに値する。そして整形花はまったく逆に昔から最も交配がなされた、いわば人間が作り上げてきた花の代表といえるが、こちらも白、ピンクを中心にさらに進化し続けている。存在感や花持ちの良さ、それに一番花の欲しい冬に咲くことなど多くのメリットを持っており、これもすたれる事はないだろう。近年、自分で交配をされる方が増えた。昔に比べ全体のレベルが上がっている事や良い親を手に入れやすくなってきたせいもあろう。良いことだ。今まで交配は売る側が主にやってきたが、これからは多くの人が手がけるべきだと思う。ある程度の知識は必要だが多くの人々が様々な発想で交配に取り組めば、もっとバラエティーが出て楽しいだろう。一番の障害となる場所の狭さは、仲間とシェアしたり業者と提携する事で充分打開可能だ。審査においては相変わらずパフィオは入賞花が多い。各団体の年間入賞花の約6割を占め、大型ラン展でもパフィオのコーナーは際立ってたくさんのメダルがぶらさがっているのは皆さんも周知の事であろう。やはり他属よりも個体差がはっきり出るので良し悪しがわかりやすいのだ。審査といえば最近シルバーメダル(AM)が割に出るようになった。これは甘くなったわけではなく今までが辛すぎたきらいがあるので、むしろ良いものに対して積極的に評価しようという機運の表れで歓迎すべき流れではないだろうか。これからは特定の系統がブームになるという事は少なくなるであろう。要するに自分の好きなものをやればいいわけで、成熟期に入るこれからが本当におもしろくなってくると思う。
  

3.
花色の表記について 宮崎 健一

蘭の花の色彩変化、形態変化を表現する表記  「ブラジルの原種」より

表 記 語    意
Aco ガラス鏡の銀色に似た彩色(唇弁)
Alba 白色(album)
Albescens Albaに近似の意、極く淡い紫紅色彩色(唇弁)
Albina 白子の意、C.Guttataなどの赤色色素の消失した彩色(唇弁・花弁・萼片)
Amesiana Amethistinaに近似した彩色(主に唇弁)
Amethistina 紫水晶の彩色(主に唇弁)
Amoena 極く淡い彩色
Anelata 輪紋の彩色(唇弁)
Aquinii 分与を受けた彩色(唇弁から花弁に)
Aulea 黄金色の彩色
Candida 純白に近いほどに色素のない彩色
Carna 肉色(鮮赤色)の色彩(主に唇弁)
Clara 明るい彩色(Esculraに対意、花弁)
Coerulea 淡藤色 
Coerulescns Coerulea に近似した彩色(唇弁、花弁)
Cncolor 単一色の彩色(唇弁、花弁,蕚片)
Delicata 精緻な淡い静脈の彩色(花弁)
Escura 暗く濃い彩色(Claraに対意、花弁)
Flamea 燃えるような彩色(Aquiniiの彩色が花弁基部から入る)
Foleyana 花弁のような唇弁の彩色(淡青紫色が唇弁周縁に)
Irrorata 薄い霧を吹き掛けたようなボカシの彩色
Lilasina リラのような彩色(薄紫)
Mandaiana 喉中央部に黄紋を彩る彩色(唇弁)
Mosca 蝿が止まったような小斑点をつける彩色(花弁中央)
Oclata 左右対象の鮮明な眼状班をつける彩色(唇弁)
Punctata 鮮明な細点班を散らす彩色(花弁、萼片)
Purpurea 茜色(真紅色)を彩る彩色
Rosea バラ色(藤色)の彩色
Rubra 濃紅色の彩色
Russeliana 淡い色素の彩色
Sanguinea 鮮血(紫紅赤色)のような彩色(花全体)
Semi-Alba 白に近い
Striata 鮮明な条脈をつける彩色
Suavissima しとやかなピンクの彩色
Telha 赤いレンガ色の彩色
Vinicolor ブドー酒(濃紫紅色)の彩色
Workhauseri 人名に由来しLpuruprataに使われる青紫の彩色(唇弁)
Labeloide 唇弁に類似した花弁を有する花
Trilabelo 花弁が完全に唇弁に変化した花