思いつくままに (6)
◆インターネットオークションのこと
今年はじめから、インターネットオークションに、これまでのORC演奏会ライブCDを出品しはじめました。名演奏家の銘盤が並ぶ中で、私共の手作りライブCDは、一般向きではありませんし、決して人気があるとは言えませんが、それでも、これまでに70枚ほど落札されました。落札者は、北海道から九州まで、広範囲に渡っています。売り上げはともかくとして、私としては、遠くの見知らぬ人に聴いていただけること、とてもうれしいことなのです。
現在のところ、インターネットオークションでは、こうしたライブCD出品は非常に珍しいのですが、もっと色々な特徴あるライブCDが出品され、行き交うようになれば、面白いのになあと思います。インターネットオークションは、そうしたことに大変適していると思うのですが。
以下は、ある落札者との交信における、私からのメールメッセージです。
オークションの出品傾向は、仰せの通りです。日本のクラシックファン気質を現しているのでしょう。日本人はとにかく有名に弱いのです。この間、ゴッホの絵が出て来ましたね。1万円だったものが、ゴッホと分かった途端に数千万円になるのですからまるで笑い話です。それが良い絵かどうかは二の次。これではゴッホが可哀想な気がします。
日本の音楽演奏家も、まず有名になることを目指します。有名校を出て、名だたるコンクールで好成績を収めないと活動できないのです。合唱の世界でも同じです。肩書きのある人を指揮者に招き、コンクール(私は大嫌い)で入賞すると、団員が増え、お客さんが集まるのです。勢い、合唱団の目的は、キレイであること、上手であること、間違わないこと、ということになります。勿論みんな、表現が大事と言うことは解っているのでしょうけれど。音楽にとって、きれい、上手というのは、大切な要素ですが、しかしそれは大きな落とし穴でもあります。それだけでは音楽ではないのですから。
徳川300年の鎖国のあと、明治開国以来流れ込んだ日本の西洋音楽も、そろそろコピーから脱して、本当に大事なものに目覚めなければならないのではないでしょうか。
ある人がこんな恐れ多いことを言いました。「たまきさんの出品は小沢征爾が出品しているようなものやねえ」
(2003.10)
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