2009 ボランティア日記(後期)
 
 
 住吉区でのボランティア、1年ちょっとになる。現在の活動状況は次の通り。
 
    ◎浅香識字・日本語教室 毎週火曜日 7:00〜8:30pm
    ◎住吉日本語教室 毎週木曜日 7:00〜8:30pm
    ◎日本ライトハウス 盲人情報文化センター 対面リーディング 不定期
    ◎高齢者施設 歌唱訪問 不定期
 
 いずれも人を相手のボランティア。特に毎週1回、1対1の日本語教室では、ついつい情にほだされる。かといって、仕事と割り切るのも本意ないし、はてさて、どこまで立ち入っていいものやら。私としては誠心誠意付き合ってあげたい。

<2009.1>    

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11月26日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。中国の徐 香蘭(ジョ コウラン)さん。女性、53才。担当の先生が休みなので臨時で受け持つ。教本にあることは解るが応用となるとむずかしい。出てくる言葉を使って短い話をしてもらう。「あたたかい」“きょうはちょっとあたたかいです”“おふろはあたたかいです”など徐さんはいくつか話してくれる。そこでわたしは一つだけ付け加えさせていただく。“この教室の人たちの気持ちは暖かい”。
 
11月24日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 雨。今日から新しい人を担当。フィリピンの山下エレナさんはもう来ないという。新しい相手はガーナの青年、イディリス モハメドさん26才。日本人の奥さんと結婚するために4年前に日本へ来たそうだ。日本語の会話はかなり通じる。「あたま」から「つまさき」まで人のからだの器官を勉強する。漢字の勉強をしたいという希望があるので出てくる文字を簡単なものからいくつか書き取りしてもらう。「口」「目」「手」「足」。彼にはまだ知らない言葉がだいぶあって、肘まできたとき、腕相撲をしながら“ひじをついて腕相撲をする”と説明する。モハメドさんはまっくろの黒人。まっくろと黄色の手で腕相撲。
 
11月12日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。中国の林 香(リン コウ)さん。先生にお願いがあります。という。仕事上でいるので、大阪弁を教えてくださいという。わたしは根っからの大阪人だからいいですよ。と言ったものの、いざやろうとするとなんだかむずかしい。わたしの日常話していることばが大阪弁だし、標準語を話したとしても多分に大阪弁的なのである。なるべく意識的に、1時間半の勉強の中に大阪弁を持ち込むことにしよう。
 「上を向いてあるこう」を何度か繰り返して読んでもらう。
 
11月10日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 雨。フィリピンの山下エレナさん。今日は時計、時間、そして数字。英語ではわかっても、日本語では認識がむずかしい。何度も何度もやるしかしょうがないのだろうか。なにかいい方法があるといいのだが。まあ根気よくやりましょう。「上を向いて歩こう」を少し。この歌は家で日本人の旦那さんが歌ってくれるそうだ。
 
11月6日(金)盲人情報文化センター 対面朗読10:00〜11:00am
 晴。3月以来、久しぶりの大内さん。プロテスタントのナザレン教団の方。マリアの受胎告知の解説。クリスマスに向けての準備であろう。前の時からグレゴリオ聖歌が好きだと聞いていたので、わたしのCDをあげる。目の見えない大内さんのために作った、日本語訳詞朗読つきである。ついでに、CD「宮沢賢治を読む」も差し上げる。
 
11月5日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。中国の林 香(リン コウ)さん。一回抜けて今日は2度目。先週は引っ越しで忙しかったそうだ。日本語教本2を使って色々な文例を勉強する。そのあと、やおら「上を向いてあるこう」を持ち出す。“この人はさびしいのですか?”“はい、さびしいのですけれど、上を向いてしっかり元気に歩いていこうという歌です”。一通りうたってあげる。林さん気に入ってくれたみたい。
 
10月27日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。フィリピンの山下エレナさん。これ、それ、あれ。これはなんですか。先週の復習。きょうは新たに、歩く、歩こう、歩きます、歩きなさい。ほか、動詞の変化をやる。そして終わりに数字の読み方。お金を出して、必要なだけそろえるのは出来るのに、読むのは出来ない。桁が認識できないようだ。何度やっても出来ないと、つい、いらいらしてしまう。いかんなあ。わたしにとっては簡単でも彼女にとってはむずかしいのだろう。
 
10月22日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。中国の林 香(リン コウ)さん。初めて来た人。28歳男性。福建省福清(フーチン)出身。台湾の対岸である。うなぎの大生産地、日本へもたくさん輸出しているという。仕事はコンピューターソフトの開発。
 しばらくぶりに、賢治の「あめにもまけず」林さんの力では読むのは簡単に読めるのだが、理解は難しいという。「からだの器官」を使って短い話を作ってもらう。髪の毛のところでは、“お母さんが歳をとって、髪の毛が白くなりました”と話してくれた。
 
10月20日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。フィリピンの山下エレナさん。これ、それ、あれ。これはなんですか。簡単な会話を勉強する。むかし、英語をはじめて習ったときのThis is a penと同じだなあ。
 中国へ帰っていて久しぶりに来た、七夕のときの紙芝居で織姫役をやった人が、おみやげの「なつめ」をみんなにくださった。小さなウメぐらいの大きさで、食べてみるとリンゴのような食感。わたしは生まれてはじめて。早速勉強に使う。“そのナツメをください”
 
10月13日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。フィリピンの山下エレナさん。今日は仕事休みだったそうだ。朝からしたことを話してください。その質問に彼女は答えられない。彼女が日本語に接するのは週に一度この日本語教室だけのようだ。もう半年近くなるが全く進歩が見られない。ちょっと彼女にはむずかしいのだが、「上を向いてあるこう」を読んでもらう。
    上を向いてあるこう なみだがこぼれないように
 当分毎回これを繰り返そう。なんとかこれくらいの日本語は解ってほしい。
 
10月10日(土)盲人情報センター 対面朗読10:00〜12:00am
 晴。来年行政書司の試験を受ける方にその参考書を読んであげる。この人は杖なしで歩けるほどには見えるのだが、本は読めないのだそうだ。むづかしくて優しさのない言葉の羅列。法律というのはこの手の言葉でないと表現できないのだろうか。2時間朗読すると本当に疲れる。
 対面は、相手の目の代わりをすること。自分の好みで読むのではないのだ。とはいうものの、やはり自分も楽しみたい。アマチュアやなあ。
 
9月29日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 曇り。フィリピンの山下エレナさん。さあ今日はなにをしましょうか。ことばは違っても人間同士、なんとか気持ちが通じるものなのだが、エレナさんはなかなか通い合うものが生まれない。これはつらいことなのだ。コーディネーターの先生がやさしいひらがなの本を薦めてくれた。レベルとしてはちょうど良いかも知れないのでやってみる。でもこれなら私がいなくてもいいように思う。もっと言えば彼女一人でもできるのだ。わたしは、日本語を教えるのにかこつけて、日本を伝えたい。
 
9月24日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。ヴェトナムのグエン・フィ・ミンさん。からだの器官の名前。ひらがなはすぐ読めるのでその部位を解ってもらい、難しいのもあるけれど漢字で書いてもらう。音読みと訓読み。「あめにもまけず」どれくらい相手にしみこんでいるのかあまり感じられない。日本語の古い語法はどうなんだろう。やる意味はあるのだろうか。このところ感動がないなあ。
 
9月17日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 曇り。ヴェトナムのグエン・フィ・ミンさん。ヴェトナムにはグエンという苗字が多い。先週のグエンさんはグエン・ディン・サンさん。ややこしい。名前で呼ぶことにしよう。ミンさんは顔は知っているが私の担当は今日がはじめて。おとぎばなし「浦島太郎」をやる。浦島太郎が竜宮城でふるさとの村を思い出したように、ミンさんは日本にいて、ヴェトナムのことを思い出すのだろう。
 
9月15日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 曇り。浅香教室は今日は開店休業状態。私の生徒、フィリピンの山下エレナさんは来ておられた。「きょうはあさ6じにおきました」ただこれだけのことがむずかしい。何とか理解してもらって、ひらがなで書いてもらう。「ちかてつでえさかのホテルへいってしごとをしました。」
 ひまそうにしている英語の出来そうな若い人に手伝ってもらって、唱歌「うみ」を勉強する。
 “うみはひろいな おおきいな” 何度やっても良いうただ。
 
9月10日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 曇り。ヴェトナムのグエンさん。この人は何ヶ月か前に一度やったことがある。今朝からのことを少し話してもらって、谷川俊太郎の「日本語のおけいこ」を読んでもらう。ことばのリズム。
 新しい講師の方が一人みえておられる。最近、浅香教室へ来られるようになった方でまだお名前も知らないが、手持ちぶさたそうなので、お呼びして手伝ってもらう。最後に宮沢賢治の「あめにもまけず」。“毎日一度は読んでくださいね”。
 
9月3日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。ナイジェリアのマーブさん。マーブさんの生まれ育ったところのことを話してもらった。慣れない言葉で話すのはむずかしい。なかなか言葉が出てこない。じっと辛抱づよく、聞かせてもらった。
 
8月27日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。住吉教室はずっと開いていたが、まるで夏休みのようにひまだった。今日は久しぶりの学習担当。ナイジェリアのマーブさん。36歳男性。今日はじめて日本人の奥さんに連れられてやってきた。日本へ来て4年。日本語は少し話せる。今日1日のことを話してもらう。たどたどしい日本語だが一生懸命話す。人の良さがうかがえる。あたまからつまさきまで身体の器官の名前を勉強する。これは日本で病気になったとき役立つはずだ。マーブさんは真っ黒、「舌」と「手のひら」のところへきたとき、あざやかなピンクだがその白さに一瞬はっとした。
 
7月30日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。ヴェトナムのファンさん。いくつかの日本語の勉強の中に、“いつも まってます”という言葉が出てきた。“お国のヴェトナムで、あなたの帰るのを待っている人達がいます。お父さん、お母さん、ガールフレンド。みんな、いつも待ってます。”
 前回、彼は「あなた」という歌が好きだと言ったので、用意していたその歌詞を読んでもらった。
 
     子犬の横には あなた あなた
           あなたがいて欲しい
         それがわたしの夢だったのよ
             いとしいあなたは 今どこに
 
     家の外では 坊やが遊び
       坊やの横には あなた あなた
           あなたがいて欲しい
         それが二人の望みだったのよ
             いとしいあなたは 今どこに
 
 漢字も混じっていてかなり難しそうだったが、わたしが探し探し歌い終えると、ファンさんが言った。“この人はさびしいのですね”
 
7月16日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。中国の將さん。日本でどこへ行きたいかという話になる。將さんは北海道と富士山へ行きたいそうだ。富士山は遠くから見ておきなさい。登るなら立山がいい。立山には何がありますか?山があります。
 おわりに「あめにもまけず」を読んでもらう。まけずってなんですか?そこで、將さんと腕相撲をする。組んだ途端に將さんを倒して「わたしの勝ち」次は倒されて「わたしの負け」つぎは將さんが力をいれてくるのを懸命にこらえて「負けない」。「まけず」は「まけない」のこと。「あめにもまけない」「かぜにもまけない」。將さんの手が、柔らかくて暖かい。
 
7月14日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。とても暑い。冷房なし。山下エレナさん。「ことばのこばこ」という絵本風テキストを使う。くものむこうに なにがある--ひらがなだけの色つきの大きな文字。一見易しそうに見えるが、さてこれをどう説明するか。くものむこう- Over the cloud - はまあいい。だけど「なにがある」は私には訳せない。
 きょうは1学期の最終日。帰り、我孫子の居酒屋で講師団慰労会。次週から8月中は夏休み。
 
7月9日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 曇り、風が強い。中国の將さん。難しい本を持ってこられる。「一流の思考力」將さんはこれをやって欲しいとおっしゃる。ビジネスコンサルティングの話。要するに Know!×Act! 「知ってるだけでは駄目。やらねば。」ということがテーマの論旨である。難しいのであまり進めない。終わりに「海」を読んでもらう。「うみはひろいな おおきいな 月はのぼるし 日はしずむ」難解なものとシンプルなものの対比がおもしろい。
 
7月7日(火)浅香識字・日本語教室 7:00〜8:30pm
 
 曇り。今日は七夕。一学期終わりの交流会。催しは笹の飾り付けと冷やしそうめんと、紙芝居「たなばたものがたり」の上演。チョンチョンチョン、紙芝居が始まるよ、みんなよっといで。紙芝居をめくる人、おりひめ、ひこぼしほか登場人物は講師、生徒の中からやってもらった。わたしはナレーションを担当、紙芝居屋のおじさんだ。一年ぶりに出逢ったおりひめとひこぼしはしっかりと抱き合いましたという箇所は年寄りの私にはちょっと気恥ずかしい。とても面白かった。うまく出来たと思う。
 いつも英語の通じない私相手の山下エレナさん、きょうは英語の通じる人をさがして活き活きとはなしをしていた。
 
 
 
7月2日(木)住吉日本語教室 7:00〜8:30pm
 晴。ヴェトナムのファンさん。新しく来られた方、23才男性。中国の將さんお休みなので。
 天気の話になる。晴、雨、くもり。曇りと雲の違い。太陽と日は同じ。雲が出て太陽がかくれると曇り。太陽の話になると自然に月の話になり、やがて派生的に「うみはひろいな おおきいな」となる。「月はのぼるし 日はしずむ」
 

 
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