もう、ずっと前にここで『雪ん子』って詩を書いたコトがあったが、その詩を書いたドブロクって言う酔いどれ詩人の友達が、若い頃に大阪は西成区の路上で自費出版の詩集を売っていたコトがあったそうな。路上にシートを敷いて、その上にガリ版刷りだかなんだかの詩集を並べて、道行く人に「どうぞ、読んでいってください。」と声を掛けたんだそうな。今じゃ、ストリートで音楽をやってお金を貰ったり、詩を書いてお金をもらったりしている人も少なく無いが、20年以上前の当時じゃ、誰も見向きもしなかったそうな。手伝ってくれた友人と「売れないな〜。」って言ってたら、そこへ一人の男が寄って来たんだそうな。あ…と思い、ドブロクはその男を見上げて「どうぞ、読んでいってください。」と眩しそうに声を掛けたら、その男はこう答えた…。
「おおぅ?ワレ、誰に断ってココで商売しとんじゃい!?」
慌てて、シート毎詩集を纏めて抱え、脱兎のごとく逃げたそうな。
今じゃ、そんなコトは無いんだろうな。だから若い者もショバ代払わずに路上で商売が出来るのだろう。最近じゃロックなんかも路上でやってるのには驚くが、ヤクザも警察も何も言わないんだろうな…。実に、自由になったモンだ。ふと思う時がある。私が若い時分に自由が自由が〜と望んでいたコトを、今の若者は十分手に入れてるじゃないかと。そんな風に思うコトがあるのだが、何かこれじゃいけないような気になる。それは自分が若者で無くなったからなのだろうか?
若かった頃、ストッパーのようなモノがあった為に確かに不自由に感じたが、ストッパーがあった為にエスカレートするコトも無く助かったコトもあったので、どっちが良いのかは何とも答えが出にくいのである。
一昨日だったか、最近忙しくてあまり話すコトの無かった義弟と話す機会が出来、帰りの電車の中での出来事を話してくれた。いつもはバイクで仕事場(店)のある三ノ宮まで行くのだが、ここんトコ台風やらなんやらで電車で通勤していたのだ。
帰りはいつも遅くなるので最終電車に近い時間なのだが、その電車に4人の女子高生が乗っていたんだそうな。そんな時間に例の短いスカートの制服姿で、なんやペチャクチャ喋ってて、同じ車両に乗ってた義弟は、ひと際目立つその娘達を何気なく見ていたんだそうな。いや、義弟だけじゃなく、同じ車両に乗っていた者達は誰もが、その場にそぐわないその4人を気にしていたに違い無い。「非常識な…。どんな教育受けとんねん?何処の奴等や?」曲がったコトが嫌いな義弟は、そう心でつぶやきながら、鬱陶しいので見ないようにして窓の外を眺めていたんだそうな。
「オッサン、何見とんねん?今、ウチのパンツ見とったやろ?」
4人の中の一人の娘の声で皆が、そちらを振り向いた。どうやら、4人の前に座っていた一人のサラシーマンの男が、女子高生のパンツを見ていたらしい。男は黙ったまま否定するようにかぶりを振ったが、なおもその娘は男に突っかかっていったそうな。
「何、言い逃れしとんねん?今、見とったやないか〜!アホか〜!どういうつもりやねん?エ〜?オッサン。ウチのパンツ見たかったら金払えや、ボケ〜!二万でエエわ。金払いぃ〜や。オイ、聞いてるか〜?オッサン!」
義弟も一瞬何を今言ったのか解らなくなるくらい、その罵倒は尋常じゃ無かったそうな。男は見る見る真っ赤になり慌てふためきだしたが、それでも彼女達は他の者を加わって、さらに男に詰め寄ったそうな。
「そ〜や、そ〜や。オッサン、金払いぃ〜や。」
「何、黙っとんねん?金出しぃ〜や!」
「パンツ見とったねんから、当たり前やろ?」
「タダで見んなや、二万でエエ言うてるやろ?オッサン!」
ふゆきは一言も言い返すコトが出来ず…って違った。男は一言も言い返すコトが出来ずにコソコソと次の駅で電車を下りて行ったそうな。
まったく、どないなってるねん?と言いたい話である。パンツ見せてるような短いスカートはいてるクセに、見られたからっちゅうて金を取るとは何ゴトだろうか?実際、最近の女の子の一部はそこらに平気でパンツ丸出しで座るし、それで見てしまったからちゅうてイチイチ金取られてたらオッサンも良い迷惑では無いか。昔、1度間違って入ってしまったボッタクリ・バーだってそこまでエゲツないコトせんかったぞ。何を考えとんねん?何を?
そこで私は考えた。せめて、せめてそのパンツはシェアウエアってコトにしてくれんか?気に入ったパンツにはお金を払うってのでどうだ?二万ってのも相場的に高いぞ。千円にしなさい。世の中お金ばっかが大事じゃない。そして、その千円は君達に対するオッサンの声援と思っていただきなさい…って、どっかのサイトみたいだな。しかし、そうしなさい。それならまだ話も通る。うん。
さて、一部始終を見ていた義弟は、自分が絡まれずに良かったと安堵したと同時に、この異常とも言える光景を目の当たりにし、心の中でこう叫んだそうな。「非常識な…。どんな教育受けとんねん?一体何処に住んでる奴等や?」
その4人は義弟が降りる垂水で一緒に下車したそうな。