PVAの合成についてです。
1.ポリビニルアルコールについて
ポリビニルアルコール(以下略 PVA)は側鎖にヒドロキシル基(-OH)をもつ高分子であるが、そのモノマーであるビニルアルコールは不安定で存在しない。アセチレンに水を付加させると絵ノー留型のビニルアルコールが得られるはずであるが、これは直ちにケトン型のアセトアルデヒドに変化してしまう。したがってPVAはモノマーの重合ではなく、ポリ酢酸ビニルのけん化によって合成される。それが以下に記述するものでもある。ただしCH3OH水溶液中で行うものとCH3OH−NaOH液で反応を行うものは反応の機構が違う。そのことについては後で記述。
PVAの性質としては、水溶性で強い接着力があり、ガスバリア性(空気を通さない)がいい。そのため織物の糊、紙のサイジング(洋紙の製造工程において、パルプにコロイド物質を加えて紙繊維の表面やすき間をおおい、液体やインクがにじまないようにする操作。サイズ剤としてはロジンなどがある。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)小学館
1988より)、乳化安定剤、化粧品、水に溶ける包装袋などがある。またPVAを酸の存在下でアルデヒドと反応させ、アセタール化を行うと、-OH基がとれてビニロンとなる。
2.ビニロンの合成
| 1 | 200mlのビーカーにポリ酢酸ビニル(75%エタノール溶液)約5gをとり50mlのメタノールを加え、かくはんして完全に溶解させる。 | 溶けにくいよ〜 | |
| 2 | これに別途調整した0.5M CH3OH−NaOH液10mlをかき混ぜながら徐々に加える。その後ビーカーを室温で静置する。 | ||
| しばらくすると(だいたい20分前後)少しずつ、白くなってきます。ぷるぷるしてくるのがわかるので途中で少しだけ降ってみるとわかりやすいかも、でも実験中に安易に刺激を加えるのはあまりよくないので注意。 | ![]() |
←途中っぽい感じ、 | |
| 1時間経過したPVA反応溶液 | ![]() |
ここまでくると後はあまり変わりありません。 | |
| これが完成系、杏仁豆腐みたいです、でもそれよりはやわらかいかも、ちょっとだけぷるぷるしてます。 | ![]() |
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| 3 | 2.の操作を0.5M CH3OH−NaOHを0.5MCH3OH水溶液中に変えて実験を行う。 | ||
| 加水分解された反応溶液。NaOH水溶液中だと加水分解反応が起こります。 | ![]() |
失敗するとこのまんま(爆) | |
| 4 | できたPVAをブフナー漏斗を用いて濾過し、よくメタノールで洗浄する。その際になるべく水分が含まれないように注意。ガラス棒を用いて圧縮濾過する。 | ||
| 5 | 濾過したものを一晩真空乾燥させ重さを量り収率を求める |
3.PVAの反応に関して
アルカリによる加水分解反応は反応溶液中の含水率によって反応様式が異なる。メタノール中ではまずエステル交換反応@式が進行する。
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@ |
速いエステル交換反応の後、生じた酢酸メチルが徐々に加水分解される。A式
| A |
従って、この反応ではアセチル基と等量の水酸化ナトリウムを使用する必要はない。しかし、含水率が高くなるに従ってB式に示す直接加水分解反応も起こりその割合が増加する。
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B |
水溶液中の加水分解では等モルの水酸化ナトリウムによって徐々に進む。
アルコールとしてエタノール、プロパノール、またはブタノールを溶媒とする場合も飯能寄港は〃であるが、反応速度はメタノール中が最も大きい。このようにポリ酢酸ビニルの加水分解反応は反応条件を適当に選ぶことによって加水分解度(ケン化度)が調節でき、希望するケン化度のPVAを得ることができる。
参考文献・・・専門化学実験V(高分子合成)教科書
基礎高分子科学 共立出版 著 妹尾 学氏ら
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