
健康や自然環境が豊かに守られることは、人間が生き続けていくための基本的条件であり、経済的利益を追求するために、健康や自然環境が代償にされるのであれば、それは目的と手段が転倒していると言わねばなりません。農業近代化の意味を、いまあらためて吟味する必要があります。
兵庫県の農業においても同様の事情を見ることが出来ます。農業近代化にいち早く着手したという経緯もあって、他地域に比べ問題の範囲は広く根も深く、農薬多用による農業者の健康被害は、全県下に及んでおり、消費者に対しても農薬残留により深刻な不安を与えています。また水田や畑地あるいはその周辺を住みかとする、さまざまな生き物も大きな被害を受けています。
農薬ばかりでなく、化学肥料偏重、畜産排泄物の大量投棄は河川や地下水の汚染まで引き起こし、自然環境を日増しに悪化させています。兵庫県の農業も、これまでの歩みを深く反省せねばなりません。
周知のように、今日の農業は経済的にも社会的にも困難な状況におかれています。そのためになお一層、合理化・近代化を進めて活路を開こうとする努力がなされてきましたが、そうした努力に明るい展望をもつことはできません。これ以上の合理化・近代化は、農薬多用、化学肥料偏重を一層余儀なくし、農業者の健康を害し、自然環境を破壊するばかりでなく、消費者に対しても食卓の不安をより大きくするもので、これでは農業者と消費者が意志の疎通を欠き、互いに非難しあう状態からいつまでも抜け出ることはできません。
今日の農業の困難は、農業者と消費者が互いの協力関係を築きあげることの中から解決されるのものといえます。協力関係を築き上げ得る条件は、人間の健康と自然環境を豊かに守る農業を確立することにある。そのための努力こそ今日、最も重要なことといえます。
こうした課題に取り組むために、すでに全国的な規模で研究会・(全国)有機農業研究会が結成されており、徐々にその成果を生み出しつつあります。しかし、同時にもう少し地域に即した活動も必要と考え、全国研究会と行動を共にしながら地域に即した活動をするために、ここに兵庫県有機農業研究会を結成することにいたしました。
こうした活動は、農業者の努力と消費者の理解と支持があればなお一層大きな力を発揮することができます。趣旨に賛同される農業関係者並びに消費者の方がたの積極的な参加を期待いたします。 1973年11月 兵庫県有機農業研究会結成にあたり
その主な行事は、有機農業の成果を発表しつつ有機農業の理解を求めるための「有機農業研究大会」や「地区集会」、年に一度会員が一同に会して学習と親睦を深める「有機農業祭」などです。
結成から20余年の現在では、流通業界までが有機農産物をセールスポイントにする時代になりましたが、こんな時代になってきたからこそ、余計に生産者と消費者の提携を基礎にしながら、お互いが連合した有機農業運動を作り出す必要があるのではないでしょうか。兵庫県有機農業研究会はまた新たな課題に挑戦する時を迎えています。
私たちの生命は、食べ物で維持されています。その食べ物を育てるのが、健康な大地です。空気も水も土も汚染しない農法や生活スタイルが、地球の住民みんなに求められています。山の緑や農村なくして日本の豊かな生活環境は維持することは出来ないはずです。
そのポイントは、
TEL078-367-8567/FAX078-367-8578/Email: hyoyuken@mb1.kisweb.ne.jp
※兵庫県有機農業研究会の「しおり」(97/10作成)より転載させていただきました。