遺伝子組み換え食品って本当に安全なの(1999年)
●1999/12/27毎日新聞「遺伝子組み換え作物,開発するけど食べません,米バイオ企業の社員食堂」
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26日付の米紙ニューヨーク・タイムズが掲載したAP電によると,遺伝子組み換え作物を開発・販売している米生命科学大手モンサントの英国本部カフェテリアでこのほど、組み換え作物が使用されないことになった。
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欧州連合(EU)欧州委員会が10月,遺伝子組み換え作物を使った食品に使用表示を義務づけたため,英国のグラナダ・フード・サービスは、同社が運営する社内食堂では,欧州で「フランケンシュタイン・フード」と呼ばれる組み換え作物を使用しないことにしたが,顧客の中にモンサントも含まれていた。
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遺伝子組み換え作物への反対派は、メーカーが自社の組み換え作物から守られている矛盾を批判しているが,モンサントの広報は「当社とは関係のない決定。選択の自由は尊重する」と受け流す構えだ。
●1999/12/18神戸新聞「遺伝子組み換え作物,OECDが作業グループ設置へ」
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安全性や環境への影響などで議論が続いている遺伝子組み換え作物について。経済開発協力機構(OECD)は18日,加盟国の政府代表による作業グループを設置する方針を固めた。
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専門家による作業部会はあるが,国際的な調整を進めるためには,政府レベルでの取り組みを強める必要があることで一致した。来年1月下旬にもスタートする見通しで,先進国が遺伝子組み換え作物について総合的な論議をするのは初めての場となる。
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遺伝子組み換え作物への対応は,来年の主要国首脳会議(沖縄サミット)の主要議題の一つ.OECDでの検討の動向がサミットの論議に大きな影響を与えるだけに,議長国の日本としても積極的な取り組みを進める構えだ。
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遺伝子組み換え作物について今年6月のケルン・サミットの共同宣言は。OECDに対しバイオテクノロジー規制監督・調和など二つの作業部会で食品の安全性への影響などを論議するよう要請。専門家が検討を進めている。
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しかし,安全性の問題はないとする米国と,慎重な対応を求める欧州などとの対立が激化。販売や生産の統一基準作りなどは難航しており,現状のままでは来年の沖縄サミットまでにOECDが一定の結論をまとめることができるか不透明。
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作業グループは,世界貿易機関(WTO)や国連食糧農業機関(WHO)など国際機関で進んでいる検討内容を整理し,総合的に論議を進め,各国機関での取り組みを後押しする方針だ。
●1999/12/18毎日新聞「遺伝子作物など二段階で論議,米とEU合意」
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米国と欧州連合(EU)の17日の首脳会議(サミット)で,両者が扱いをめぐって対立してきた遺伝子組み換え作物などを含むバイオテクノロジー(生命工学)について,「二段階の枠組み」で来年から議論を進めることで一致した。
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遺伝子組み換え作物の承認や表示など安全性をめぐる規制制度を具体的に議論する規制当局の会合と,宗教的も含めてバイオテクノロジーの文化的側面を議論する賢人会議の二段階に分ける。
●1999/12/16毎日新聞「遺伝子組み換えで米社を集団提訴」
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米環境保護団体のエコノミック・トレンド財団と全米家族農業者連合は14日,遺伝子組み換え作物の種子販売で世界最大手の米モンサントに対し,損害賠償を求める集団訴訟を起こした。原告側は,モンサントは
(1)他社とカルテルを結び市場支配を狙った (2)安全性を十分確認せずに組み換え種子を販売した−などと主張,国内外の農家が被った損害を賠償すべきだとしている。同作物の安全性をめぐる議論が一段と高まるのは必至だ。
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加筆:1999/12/15神戸新聞に同じ記事。
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「損害賠償の金額は明らかにされていないが,数億ドル規模によるとの試算もあり,種子業界に大きな打撃を与える可能性がある」
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「価格つり上げなど米独占禁止法に違反する行為を繰り返した」
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「人体、環境への危険性を適切に試験しないまま組み換え種子を販売し,組み換え作物非組み換え作物の混合出荷を招いたため,結果的に消費者に拒絶され,幅広い農家が損害を受けることになった」
●1999/12/15神戸新聞「遺伝子組み換え食品,安全検査を義務化,確認済み表示も」
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開発メーカーが自主的に行っていた遺伝子組み換え食品について,厚生省は14日,食品衛生法に基づき,安全性検査を義務付けるとともに,検査を受けた食品については「確認済み」の表示を行う方針を固めた。同日開催した食品衛生調査会(厚相の諮問機関)のバイオテクノロジー特別部会で報告した。
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同部会では,食品衛生法に定める食品の成分規格や製造基準の中で,遺伝子組み換え技術を利用した場合は「厚生大臣が安全性を確認したものでなければならない」とする規定を盛り込むことで意見が一致した。厚生省は既にトウモロコシなど29品目で安全性確認済みとしている。2001年4月をめどに表示義務付けを始めるため、それに合わせて実施される見通し。
●1999/12/12毎日新聞「econoこちら梅田3丁目eye,反グローバリズムの波」
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シアトルでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議で、会場周辺にはWTOのあり方に異論を唱える数万の市民が集まった。消費者運動家,環境保護家、労働運動家、協会関係者,無政府主義者…。それは「グローバリゼーション時代のウッドストック」(インターナーショナル…ヘラルド・トリビューン紙)だった。
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会議の混乱劇をテレビで見ていて、一年前大阪で会ったアメリカの市民運動家ロリ・ワラックさんのことを思い出した。世界的ネットワークを持つ「グローバル・トレード・ウォッチ」の代表。消費者運動指導者のラルフ・ねーだーが創設した「パブリック・シチズン」の一部門で,先進国や大企業主導で進む貿易・投資の自由化に反対活動を展開していた。
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自由化にはどんな弊害があるのか,ワラックさんは,北米自由貿易協定(NAFTA)加盟の国々で起きた出来事を話してくれた。たとえばカナダ。マンガンを含むガソリン添加物の輸入禁止国だったが,相手国政府を直接提訴できるNAFTA条項に基づいて米国の輸出企業に賠償請求の訴えを起こされ,輸入禁止を解除せざるをえなかった。
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米国でも問題が起きた。「学校給食は国内産」との決まりがNAFTA発足でなくなった結果,メキシコからの輸入のイチゴを食べた児童多数が肝炎になったという。「環境,食品安全,労働などさまざまな面で、今の自由化は問題」。こぶしを振り上げ熱っぽく語る「自由化の闘志」は迫力満点だった。
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※現代の世界の通商、金融などの枠組みというのは、「WTO,IMF,世界銀行」のようですが、みんな評判が悪いですね。「IMF」は,結局各国の金融の自由化により投資の自由化を押し進め,,国家財政をも上回る国際金融資金の圧倒的な流れを作り出し,世界的な通過危機を招いている。「世界銀行」も日本のODA援助の国際版で,環境を破壊するような無駄な国家プロジェクトに大金をつぎ込み、しかも国の借金として債務超過に陥る。WTOは,「規制緩和」と「グローバリズム」という「錦の御旗」で,確かに世界の経済発展や貿易の平等化に貢献してきた面はあるものの,農業問題と環境問題を考えたときには,自国の農業の破壊と,環境破壊の国境超えを促進する面が出てきている。
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IMFや世界銀行の問題,債務超過問題は,早くからスーザン・ジョージさんが指摘してしました。手元に本がないですが,朝日選書で「食糧危機」,「世界銀行」,「債務超過問題」という三部作が出ています。WTOについて評価する立場からは「ガットからWTOへ−貿易摩擦の現代史」(池田美智子,ちくま新書),世界的な金融自由化の問題点や反グローバリズムについては金子勝さんの「セイフティネットの政治経済学」(ちくま新書),「反グローバリズム」(岩波書店),「社会運動236」(市民セクター政策機構)が参考に(稲田)。
●「デュポン社の非組み換え除草剤耐性大豆(STS)の作付が増加,NTV今日の出来事より」(1999/12/9)
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1999/12/8(水)NTVの「今日の出来事」で組み換えの特集をやっていました。多分組み換え問題をシリーズで取り上げていたようです。TV朝日「ニュースステーション」でも,WTO絡みで組み換え問題を取り上げていました。
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NTV「今日の出来事」:放送日は忘れてしまいましたが,前回は害虫抵抗性のジャガイモを家庭農園で作ったカナダの人の話でした。店で害虫抵抗性だと言われて,喜んで種芋を買って受け付けたものの、出来たジャガイモは大きな実に成らず,小さな粒がたくさん連なったような奇妙な実だった。毎年出来た作物を楽しみに食用にしてきたが、とても食べる気にならず、みんな捨ててしまった。新聞記事にもなって,記者が,開発元のメーカーに問い合わせた所,組み換えが原因ではなく、土壌や天候など環境のせいだ、という回答。
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12/8(水)は,STS大豆の話。STSというのは,「Synchrony Treated Soybean」の略で、デュポン社が開発した「非組み換え技術で開発した,除草剤Synchrony耐性大豆」です。モンサント社などが開発している組み換え技術による「除草剤耐性作物」は,自社の除草剤(モンサントであればラウンドアップ)にのみ耐性があって,除草剤を散布しても枯れないようになっているので,自社の組み換え作物+除草剤のセットで初めて効力が発揮できる。組み換えは安全だというキャンペーンにも関わらず,EUでの組み換え作物の輸入実質禁止,日本での組み換え表示の義務化と非組み換え大豆の輸入増大などで,好調に作付を増やしてきたアメリカの組み換え大豆も,ここに来て作付が減りそうな気配。もっとも,食べる側の「安全性」問題で作付が減るのではなく,最大の顧客である日本で非組み換え大豆の需要よりも、価格の高く売れる非組み換え大豆の需要の方が多そうな気配だからだ。で、特に注目されているのが。STS大豆。デュポン社の開発した除草剤Synchronyに耐性を持つ大豆で,なおかつ非組み換え技術で開発されたものなので,万一圃場などに他の組み換え除草剤耐性大豆が紛れ込んでいても、セットで撒かれる除草剤Synchronyで枯れてしまう。組み換え大豆が混入する危険性がない。まあ,確かに,STSは組み換えではないものの,もうひとつの問題である農薬散布(環境への影響、作物への残留)などの問題は解決されていないですね。「非組み換え」ばかりに目を取られると,「農薬」の問題がおろそかになってしまう。STSが増えて「非組み換え」だと喜んでいても、除草剤の使用量は変わらないだろう(稲田)。
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STSについては
加筆1999/12/21:「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーンニュース」の31号(99/12/17)にSTS大豆の話が。
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「今日の出来事」の特集は12/2から4回シリーズ。
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STS大豆はスルホニルウレア系除草剤「シンクロニー」に耐性を持つ大豆を自然交配と突然変異誘発(化学薬品処理)による品種改良によって作り出したもの。
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STS品種の栽培は1992年から。シンクロニーをかけると,普通大豆とラウンドアップ耐性大豆は枯れるが,STS大豆は枯れない。シンクロニー散布で枯れなかったSTS大豆には,組み換え大豆は混じらないので,IPハンドリング体制(98年確立)にのせ,高付加価値商品として日本に輸出を始めたという。
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99年の予想量で10万トンのSTS大豆が輸入された。2000年には500〜600万エーカーの作付が推定されている。
●1999/12/5毎日新聞「WTO,バイオ部会に商社は感心」
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遺伝子組み換え食品など「バイオテクノロジーに関する作業部会」の設置が論議されたことに,商社では米国製大豆などの輸入を手がける立場から感心を示している。岸田誠・三井物産戦略研究所主任研究員は「野放図な研究開発をさせられないという声が加盟国の側から起き,WTOは他の国際機関とも連携して検討を進めるべきだ」と話している。「米国は組み換えの表示は不要としてきたが,消費者の理解を得るため軟化した印象を受ける。非政府組織(NGO)などの消費者パワーがWTOを動かした」(丸紅飼料油脂原料部)との声もある。
●1999/11/28神戸新聞「農水省方針,非組み換え表示を制限,販売目的の乱用防止」
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農水省は27日,遺伝子組み換え食品の義務表示導入に伴い,組み換え品種が存在しない作物とこれらを原材料とする食品については「遺伝子組み換えでない」と表示することを禁止する方針を決めた。近く公表する食品表示基準の最終案に禁止規定を盛り込み,2000年4月からの表示義務化に合わせ実施する予定。
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食品・流通業界は。イメージ向上や販売促進を狙い,商品が「非組み換え」であることを自主的に表示する例が増えている。農水省は組み換え品種が実際に流通している大豆など5種類の作物については義務表示導入後も自主表示を認める方針だが,そうでない作物にも認めると混乱を招くと判断した。
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現在,国内で認められている遺伝子組み換え作物は大豆、トウモロコシ,バレイショ,ナタネ,綿の実。それ以外の小麦,砂糖などの作物にはそもそも組み換え品種がないため。「遺伝子組み換え砂糖は使用していません」などと任意に表示することを禁じる。
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食品表示基準の最終案では,組み換え義務表示の対象を農水省が8月に示した30食品から24食品に減らした。高オレイン酸大豆と同大豆油,関連製品に厚生省の安全性評価が出ないため,対象から外すなどしたのが原因。
●1999/11/11神戸新聞「遺伝子組み換え作物,米議員団,表示義務の法案発表」
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クシニッチ米上院議員(民主党),ギルマン下院外交委員長(共和党)超党派の議員団は10日,遺伝子組み換え作物を含むすべての食品に表示を義務付ける法案を発表した。議会への提出は来週始めになる見通しという。
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組み換え食品の表示では,日本が豆腐など30品目の義務化を決定し,欧州連合(EU),オーストラリアなども義務化素UR方針。カナダは業界による自主表示導入を目指している。
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これに対し,組み換え作物の生産が盛んな米国は表示に消極的で,今回の法案には農業関係議員などが反対するとみられ,成立は微妙な情勢だ。しかし,米市消費者同盟,グリーンピースなど消費者・環境団体も法案に指示を表明。米国で日本以上に厳格な表示制度が検討されることで,表示導入の国際的な流れが加速しそうだ。
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法案は,栽培,加工,流通の各段階で組み換え作物を含むかどうか確認し,組み換え食品と非組み換え食品を完全に分別する仕組みを構築した上で,農家や加工・流通業者に表示を義務付ける内容。対象となる具体的な食品や原料の例として,議員団は食用油,トウモロコシ粉,コーンチップ,ペットフードなどを挙げた。
●1999/11/9神戸新聞「農林中金総合研究所,食料の米国依存に警鐘,組み換え作物“質的危機”」
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農林中金総合研究所は,このほど「アメリカにおける持続型農業への取組実態」と題した報告書をまとめた。米国農業が安全性の論議が沸き起こっている遺伝子組み換え作物の生産増大に頼らざるを得ない現状を示し,食料の多くを米国からの輸入に依存している日本に警鐘を鳴らした。
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報告書は,遺伝子組み換え作物は害虫に強く農薬散布が少なくて済み,経済性と持続型農業に不可欠な環境負担の軽減を両立する目的で登場したと指摘。農業の自由化,国際化を推進している米国が環境保全に伴うコスト増を抑え,競争力を維持するには,組み換え作物を導入し,その比率を拡大せざるを得ないと説明している。
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その上で、食料自給率の低い日本は,輸入量を確保するたに組み換え作物の輸入に頼らざるを得ない構造が既に出来上がりつつあると断定。米国農業への過度の依存は「量的な食料危機」以上に「質的な食料危機」の発生を招いていると分析している。
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こうした現状を踏まえ,日本農業が輸入リスクを回避するための具体的な自給率向上を早急に打ち出し,環境に優しい安全,安心な農産物の安定供に存在意義を見いだすよう提言している。
●1999/11/4神戸新聞「クローン牛,流通業者の自主表示,農水省義務化見送り,消費者の反発必至」
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受精卵クローン牛肉の表示の在り方を検討してきた農水省は3日,消費者団体が求めてきた義務表示は見送り,流通業者の自主表示とする方針を決めた。週明けにも発表する。今後,自主表示を促すためのガイドライン策定などを検討する。
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分別流通にはコストがかかることや流通段階では一般の牛肉との区別が不可能なためで,任意表示の方針を消費者に示し,意見を聞くとともに「クローン牛」に代わる名称を公募する。
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ただ,流通業者が実際に表示すれば消費者が購入を控えることも考えられるだけに,「任意表示では実効性に疑問がある」との反発も予想される。
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受精卵クローン牛を公的機関が出荷する際には,「記録書」を添付してクローン牛であることを明示しなければばらない。その後,処理や流通の段階でもその都度,証明書を添付することで一般牛と分別することはできる。しかし,そのコストを価格に転嫁することは困難,と農水省は見ている。同省はクローン牛の安全性に問題は全くないとの立場をとっている。
●1999/11/2毎日新聞「遺伝子組み換えイネに特殊たんぱく質,害虫駆除に効果」
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遺伝子組み換え技術を使い,イネの葉に害虫のウイルス感染率を飛躍的に高めるたんぱく質を発現させることに福原敏彦・日本大教授(昆虫病理学)と早川孝彦・植物光学研究所主任研究員(分子生物学)が成功した。害虫にウイルス病を流行させて駆除するバイオ農薬がごく微量で効くようになるため,化学農薬の使用量も減らせるという。1日付けの米科学誌「」ネイチャー・バイオテクノロジー」に発表された。
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農作物や樹木の害虫の殺虫剤として,「核多角体病ウイルス」(NPV)と呼ばれるウイルスを使ったバイオ農薬が研究されている。福原教授らは昆虫ボックスウイルスという別のウイルスがNPVの感染率を高めるたんぱく質「感染増進物質」をつくることを発見し,昆虫ボックスウイルスの遺伝子をイネの胚細胞に組み込んだ。この胚細胞から育った遺伝子組み換えイネの葉には,感染率を高める感染増進物質が0.005%含まれ,このイネを食べたアワヨトウは、従来の約300分の1の量でNPVに感染することが分かった。この遺伝子は少なくとも2世代まで引き継がれることが確認できた。
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福原教授は「植物にはさまざまな昆虫ウイルスが存在してヒトも取り入れているので,安全面も問題ないだろう」と話している。
●1999/10/27神戸新聞「非組み換え大豆上場へ,業界の声受け世界初」
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農産物の先物取引をする東京都穀物商品取引所と関西商品取引所は26日,2000年4月にも,世界で初めて遺伝子組み換え技術を使っていない大豆を上場する方針を決めた。遺伝子組み換え農産物への消費者の不安を背景に,食品業界などから非組み換え大豆の取引を求める声が強まっていることに対応する。
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両取引所では,組み換え大豆が混入した通常の輸入大豆を取引しているが,これとは別に非組み換え大豆を上場。日本は世界有数の大豆消費国だけに,国際的な穀物相場や米国の生産現場にも影響を与えそうだ。
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国内の食品業界では,遺伝子組み換え大豆を敬遠する動きが強まり,東取穀取の米国産大豆の相場はことし8月ごろから急落。ことし10月決済分は,昨年11月のピーク時の半値以下まで値下がりしていた。
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輸入大豆は,両取引所にとって出来高の多くを稼ぐ看板商品。このまま売買規模が縮小すると痛手となるため,大口需要家や取引会社から要望が強い非組み換え大豆の新規上場に踏み切ることにした。
●1999/10/24神戸新聞「遺伝子組み換え作物,不使用表示に基準、分別証明義務付け」
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農水省は23日,食品メーカーやスーパーなどが遺伝子組み換え食品でないことを自主的に表示する際の基準を設けることを明らかにした。種まきから製品加工までの各段階で組み換え作物と分別して流通したことの証明を求めるのが柱。表示基準に違反した業者には,農相が立ち入りなどの強い権限を持つため,事実上の気味付けとなる。
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現行の品質表示基準は組み換え作物が混入する可能性を想定していないため,導入時の混乱を避けるためにも新たな基準が必要と判断した。早ければ今月中にも具体案を公開し,年内にも正式決定した上で,組み換え食品の義務表示時に併せて実施する予定だ。
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分別流通を証明する方法としては証明書を使う。種の購入,栽培,収穫段階では種子会社や農家が発行し,製造業者に渡るまでは仲買業者などが発行することを想定。・証明書を添付した上で取引が進み、最終的には食品メーカーなどが管理する。
<解説>許容混入率の明示が必要
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表示の信頼性を高めるためには,許容混入率を明示することなどが必要だ。分別証明書のやりとりでは,実証は公的機関や第三者機関ではなく,農家や取引業者間の信頼関係にゆだねることになりそうだ。このため,結果的に組み替え作物が多少混入していても証明書を発行する業者がいても不思議ではない。
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一方,農水省も,制度導入後,消費者団体などの告発を受け、業者の立ち入り検査に着手したとして,分別証明書などの関係書類が整ってさえいれば,原材料段階で2%程度の混入は容認する可能性もある。
●世界99/10月号「遺伝子組み換え食品,覆された安全性」渡辺雄二(1999/10/21)
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※世界99/10月号に渡辺雄二さんの「組み換え食品,覆された安全性」という論文が掲載。98年イギリスで公表された,ロウェット研究所のアーバド・バズタイ(プシュタイ)博士の実験結果の詳細報告です。プシュタイ博士の実験については,こちら,こちら,こちら。それから,遺伝子組み換え食品の最初の大きな食品公害事故である「トリプトファン事件」が1989年頃にアメリカで発生しました。遺伝子組み換え食品の安全性を考える上でも,また今後の遺伝子組み換え技術の発展にとっても,非常に重要な事件であったはずです。38人もの人が亡くなり,呼吸困難や筋肉の傷みなどを訴えた患者が1万人近くも出たというのに,被害補償はされたものの,原因の究明はウヤムヤのままです。このトリプトファン事件についても,詳細な報告をしています(稲田)。
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バズタイ博士が注目したのは,タチナタマメの殺虫タンパクではなく,マツユキソウという植物の殺虫タンパク(レクチン)。レクチンは,昆虫を殺す作用はあるが哺乳動物には害を及ぼさないことが知られている。レクチンを作る遺伝子を組み込んだジャガイモの安全性について実験を行った。
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ジャガイモは次の三種類。(1)レクチンの遺伝子を組み込んだジャガイモ, (2)通常のジャガイモ,(3)レクチンを添加したジャガイモ。組み換えジャガイモと通常のジャガイモの栄養成分を比較した所,タンパク質,デンプン,糖の量が明らかに違っていた。次に,遺伝子組み換ジャガイモと通常のジャガイモを,ラットに10日間食べさせる実験を行った。結果、組み換えジャガイモを食べたラットでは,脳,盲腸,結腸,膵臓,腎臓、肺などの臓器の重量が,通常のジャガイモを食べたラットに比べて明らかに低下していた。
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さらに,組み換ジャガイモ,通常のジャガイモ,レクチン添加ジャガイモを10日間食べさせたラットの免疫力を調べた所,通常のジャガイモやレクチン添加ジャガイモを食べたラットに比べ,組み換えジャガイモを食べたラットでは,リンパ球の増殖が少なく,免疫力の低下が確認された。
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レクチンそのものは哺乳動物には有害性がないので,組み換えの時に一緒に組み込んだプロモーター遺伝子(目的遺伝子を機能させる役割)によって何らかの有害物質ができたと考えられる。プロモーター遺伝子としてはカリフラワーモザイクウイルスのプロモーター遺伝子が使われることが多いが,「この遺伝子は植物の他の遺伝子を刺激して目覚めさせたり,あるいは新しいウイルスを作る可能性が高い」(メイワン・ホー博士)という。植物の遺伝子組み換えの場合,導入された遺伝子が,植物の核の中の遺伝子のどこに組み込まれるか、コントロールすることができない。当てずっぽうなのだ。
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パズタイ博士の実験は,組み換え食品の安全性の根拠となっている「実質的同等」理論を根底から覆すものとして,きわめて重要だ。
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1989年,アメリカで奇妙な病気が多発していた。白血球の一種の好酸球が異常に増加し,全身の筋肉が痛み,咳,皮膚の発疹,呼吸困難等を起こし,最悪の場合,志望する。こうした患者は推定6000人〜1万人に達したとされ,38人が死亡した。この病気を,好酸球増加・筋肉痛症候群という。患者たちがすべて日本の昭和電工が製造し,アメリカで販売していた健康食品の「トリプトファン」を食べていたことが判明。
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昭和電工では,1983年からバチルス・アミロリケフェシエシスという細菌が作り出すトリプトファンを抽出・精製し,製品として販売していた。トリプトファン生産効率を高めようと,遺伝子組み換えを行った。枯草菌という納豆菌の仲間の遺伝子が,組み込まれた。
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FDAとNIH(アメリカ国立衛生研究所)は,トリプトファンを分析し,EBT(エチリデン・ビス・トリプトファン)とPAA(3-フェニルアミノ・アラニン)という不純物が含まれていることを突き止めた。PAAは81年にスペインで好酸球増加・筋肉痛症候群と似た中毒事件を引き起こした物質であることから,これが原因ではないかとされた。不純物の発生量はEBTが150ppm以下,PAAが100ppm以下であり,厚生省の規格では問題にならないほどの微量であった。
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枯草菌という別の種類の細菌の遺伝子を組み込んだことによって,元の遺伝子に予期しえない変化が起こり,その結果としてEBTとPAAが生成されたと考えられる。一方,トリプトファンを精製する過程で,化学反応によって生成したと主張する研究者も少なくない。しかし,PAAは化学反応ではできにくいとされている。
●1999/10/18神戸新聞「遺伝子組み換えに反発,大豆トラスト,国産志向へ広がる運動」
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消費者が休耕地を借り上げ,農家に大豆を作ってもらう「大豆トラスト運動」が,兵庫県内でも広がりを見せている。豆腐や食用油など生活に欠かせない原料でありながら大豆の国内自給率はわずが3%。運動は急増する遺伝子組み換え食品輸入への反発から全国で始まった。収量が不安定な大豆栽培のリスクを消費者も負担する新しい仕組みは,国産大豆の拡大を図る方法として注目を集めている。
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大豆トラストは,消費者が1区画(33平方メートル)につき,4000円を出資して休耕地に栽培を依頼して国産大豆を手に入れる運動。
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阪神間で食品などを共同購入する生協都市生活は,今年から運動を始め,1区画2000円で消費者60人が参加。提携する神戸市の有機農業グループ'90「愛菜会」の協力で10アールの畑に7月に苗を植えた。このほど大豆の成長を祝って一部を枝豆として収穫。11月に収穫する大豆は,出資者で豆腐やきな粉に加工し,残りを配分する。
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食糧自給率向上などを目的とする生産者グループ「兵庫農民連」も今春からトラストを始めた。舞台は多可郡加美町,明石市、佐用郡南光町、神戸市西区、加西市,赤穂市の6カ所の畑計1.5ヘクタール。出資金は1口3000円で,700人が参加した。
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11月中旬には収穫祭を行い、大豆の選別作業や豆腐やみそつくりを行う。出資者は大豆4,5キロまたは,みそ,黒豆,しょうゆなを受け取るが,不作などで大豆が採れない場合は他府県で取り組む同様のグループから取り寄せる。収量が不安定な大豆栽培のリスクを,消費者も負担する仕組みだ。
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大豆トラスト運動のきっかけは遺伝子組み換え食品。安全性に疑問を持つ消費者団体などでつくる「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の呼びかけで,昨年から始まった。1998年度は全国15カ所で取り組まれ,約1000人の消費者が参加。本年度は兵庫農民連などが加わり全国53カ所に拡大した。生協都市生活のような独自の取り組みも増えている。
●1999/10/15毎日新聞「遺伝子組み換え,バチカンが承認,飢餓対策,神も許したまう?」
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遺伝子組み換えに否定的な立場を取り続けてきたローマ法王がこのほど。動植物の遺伝子組み換えに肯定的な見解を初めて発表した。これに対し,環境に対する悪影響への懸念から組み換えに反対の立場を取り続けてきたイタリア緑の党は「地球上の生物は神が作った。法王庁の見解は神への冒涜だ」と反発している。
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「法王庁生命擁護アカデミー」名で12日発表した公式見解は「動植物への応用は,自然の秩序を乱さない範囲であれば,世界の飢餓や疾病対策としての役割を否定的にとらえるべきではない」と指摘している。法王庁はこれまで,宗教的な立場から「遺伝子組み換えは,神の領域に踏み込む生命操作だ」など否定的な姿勢を示していたが,これまで正式見解の公表を控えていた。
●1999/10/6毎日新聞「欧州委員会,食品管理庁創設へ,遺伝子組み換え作物安全性を最優先」
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プロディ欧州委員長は5日、欧州議会で行った演説の中で,欧州連合(EU)内での食品の安全性を高めるため,今後3年間に独立機関としての「食品管理庁」の創設や行動計画を策定する方針を示した。また世界貿易機関(WTO)の新ラウンド交渉でも,遺伝子組み換え作物の安全基準に対して厳しい姿勢で臨む考えを強調した。
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EU内では今年夏,ベルギーで発生した食肉のダイオキシン汚染騒動などもあって,市民生活の安全性に直結する食品管理が新政権内の重要なテーマになっている。新設される食品管理庁は米国の食品医薬品局のような独立性のある機関にしたい意向だ。またEUの食品管理に関する関連法の基本的な見直し作業を来年末までに始め,2002年までにの施行を目指す。
●1999/10/3神戸新聞「組み換え作物に思惑,5カ国農相会議,食糧安保も見解相違」
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来年から始まる世界貿易機関(WTO)次期多角的貿易交渉(新ラウンド)の事実上の予備協議となった5カ国農相会議が、1日(日本時間2日)閉幕した。
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新ラウンドで組み換え作物の貿易ルールなどの問題を論議することを今回の会議で確認したが,各国・地域の思惑はばらばらだ。遺伝子を操作した作物は米国やカナダなどで盛んに栽培されいる。しかし,人体へや環境への影響が十分に解明されていないため,日本,欧州連合(EU),オーストラリアあ消費者の不安に配慮し,表示の義務化を決めた。
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EUは安全性が完全に保証されない食品の輸入を制限したい考えだが,米国は逆に,一定の安全基準を満たせば,差別的に取り組まないよう求めている。
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日本は植物防疫,知的所有権など関連協定の見直しを視野に入れているが,オーストラリアは「規制を強めると自由貿易を阻害する」と慎重だ。
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国民の生存に欠かせない食べ物を安定供給するため,国内農業を守り自給率を高める必要がある,と日本は食糧安全保障論を展開するが,米国,カナダ、オーストラリアは「自由貿易を進め、安価な農産物を国際的に流通させる方が世界的な食糧安保につながる」として市場開放を迫る。
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EUは小麦などに補助金を付けて輸出しており,輸入国の日本とは意見が一致しない。米国などはEUに補助金の撤廃を迫り,日本も国内生産重視の観点から削減を求めている。
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農業には水源涵養や美観創出など,国土や環境を保全する多面的機能があり,採算が合わなくても保護すべきだ,との主張では日欧の足並みがそろったが,輸出国側は「多面的機能は新たな保護主義の口実」と反発。両陣営の溝はなかなか埋まりそうになり。
●1999/10/2神戸新聞「遺伝子組み換え作物貿易,WTOで指針論議,日本提案を各国支持」
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五カ国農相会議は2日,遺伝子組み換え作物の貿易ルール作りを世界貿易機関(WTO)の次期多角的貿易交渉(新ラウンド)で論議するよう求めた日本提案を各国・地域が基本的に支持する態度を表明し、閉幕した。
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ただ,組み換え作物の輸出促進を狙う米国と,輸入を制限したい曽欧州連合(EU)の立場の開きは大きく、死ラウンドでの協議は難航が必至だ。
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農産物輸入国である日本は,農業の国土・環境を保全する多面的機能や食糧安全保障の重要性を指摘し,農業保護の必要性を訴えた。しかし、米国などの輸出国は市場開放を重視する立場から警戒感を示したおり,農産物貿易の自由化も厳しい交渉となることが予想される。
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中川昭一農相は今回の会議で,新ラウンドの農業交渉グループの中に遺伝子組み換え作物を検討する小グループを設置し,安全性や表示の在り方を論議する事を提案。各国ともこれを歓迎したが,米国など組み換え作物の主要生産国は,一定の安全基準を満たせば差別的に扱わないよう求めた半面,EUは安全性を厳格にチェックする必要性を強調した。
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また,農業保護が必要とする日本に対し、オーストラリアのトラス農水相は「条件の良い国で生産し、自由に輸入する方が安定供給に役立つ」と反論。多面的機能では,グリックマン米農務長官が「重要性は理解するが,自由貿易を阻害する口実にしてはならない」とけん制した。
●1999/10/2毎日新聞「組み換え作物、WTOで論議へ」
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5カ国農相会議は30日,カナダのモントリオールで開幕。2日目の1日から本格的な討議を始めた,s世界貿易機関(WTO)次期多角的貿易交渉(新タウンド)の事実上の予備的協議に入った。日本や欧州連合(EU)の提案を受け,遺伝子組み換え作物をめぐる問題を新ラウンドで論議するよう確認する見通しだ。
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1日は (1)新ラウンドの交渉方針,(2)農業の多面的昨日と食糧安全保障,(3)各国の農政改革,(4)農産物需給動向,の4項目で意見交換する。このうち新ラウンドに関し中川昭一農相は組み換え作物問題を集中的に討議する小グループの設置を提案。
(1)組み換え技術利用の可能性,(2)人体,環境への影響と安全性,(3)使用の有無の表示など消費者への情報提供のルール作り,の3点を課題に挙げる。
農相会議,表示義務化にカナダが理解
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カナダ訪問中の中川昭一農相は9月30日,オーストラリアのトラス農相,カナダのバンクリーフ農相と相次いで会談し,世界貿易機関(WTO)次期角的貿易交渉(新タウンド)の焦点となる遺伝子組み換え作物の問題を中心に話し合った。
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農水省の説明によると「組み換え作物の安全性を確認した上で,消費者の商品選択のために表示を導入する」との日本の考え方については,バンクリーフ農相は「評価する,科学根拠に基づくことが重要だ」と語り,表示義務化を容認する姿勢を示したという。
●1999/9/29神戸新聞「WTO農業交渉で日本、組み換え食品で追加提案、検討グループ新設を」
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来年から始まる世界貿易機関(WTO)の次期交渉(新ラウンド)の農業交渉に向けた遺伝子組み換え食品に関する日本政府の追加提案が28日、明らかになった。独立した農業交渉グループの下で、食品にかかわる問題を論議する新課題検討グループを設置。安全性評価や表示方法に関する各国の現状、国際的な組織での議論の現状などを検討事項として挙げている。
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29日の自民党農産物貿易特別委員会の両省を経て、30日からカナダで開かれる5カ国農相会議で表明。その後,WTO事務局に通知する方針。
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遺伝子組み換え食品の表示を一部義務化する方針を決めた日本は,同様の立場をとる欧州連合(EU)ろ足並みをそろえ交渉を有利に進めたい考え。農産物貿易の自由化を推進したい米国、カナダは必要ないとの立場だが,オーストラリアは義務化の方針を打ち出しており、対応が注目される。
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原案はダイオテクノロジーや食品の安全性について経済協力開発機構(OECD)の専門家会合が検討するなど国際的な場で論議が進む中で、WTOでも論議することが必要と指摘。考慮すべきとして,(1)遺伝子組み換え技術の持つ可能性についての正当な評価,(2)環境や健康に与える影響についての十分な評価,(3)消費者の関心に的確に応える必要,を挙げた
●1999/9/20神戸新聞「植物3万種絶滅の危機,遺伝子組み換えも要因」
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地球環境問題の民間研究機関である「ワールド・ウオッチ」(本部ワシントン)が18日,世界で約3万種以上もの植物の「種」が絶滅の危機に瀕しているとの報告を発表した。遺伝子組み換え農作物も一要因としており、規制をめぐる議論にも波紋を広げそうだ。
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AP通信社によると,報告は病害虫に強く多収穫になるよう遺伝子組み換え技術などを駆使した農作物の品種改良が進んでいることが,植物の多様性を失わせる一因と指摘。種の多様性が乏しくなると,予期しない災害などが起きた場合に農作物保護などの対応が困難になると警告している。
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報告では,世界で最も絶滅の恐れのある植物種が多いのは米国で,4669種が危機にある。米国では約100年前に存在していた野菜の種のうち,現在商業的に利用されているのは20%に満たない状況。中国では第二次大戦以降、小麦の種が90%近く絶滅してしまったという。
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世界的に進む生物の種の絶滅を防ぐ生物多様性条約の下で、遺伝子組み換え生物の国際的な取引規制が検討されているが、米政府などの反対で国際的な合意ができない状況となっている。
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加筆1:この記事の関連サイトは http://www.djc.com/news/enviro/10058382.html
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加筆2:遺伝子組み換えだけが問題なのではないでしょうが、FI(ハイブリッド)万能に傾いた品種改良や、また農業の現場での品種の選択,そして最近アメリカを中心に大豆やトウモロコシなどで増えつつある遺伝子組み換え作物が,種の多様性を失わせることを加速しているのは事実でしょう。何年か前に、アメリカでトウモロコシが干ばつのため大不作になったことがありました。F1の優れた数種類の品種に栽培が限定されていたため,干ばつに弱かったと言われています。世界の穀物市場で大きな比重を占めるので、世界的に相場が上がり日本の家畜飼料も大幅な値上げを余儀なくされるところでした。幸い翌年は大豊作だったため,大きな問題にはなりませんでした。日本でも、ほとんど市場に出回るような野菜などは,特定の品種の寡占状態です。例えば,よく例に出されますが、トマトと言えばほとんどが「桃太郎」。他の品種は食べたくても出回りません。それだけ,よくできた,バランスのよい品種だとも言えるのですが、栽培されなくなった品種は、自然に淘汰されて自然界から無くなってしまう。遺伝子組み換え作物と言っても、「無」から「有」ができるわけでない。基本となる「種」があってこそ。しかも、その種をどこから手に入れているかと言えば、一方では自国の種を絶滅に追いやって,他方では開発途上国から「収奪」して来ては,組み換えを行って「知的所有権」を振りかざす。今度は,作った組み換え種子を逆に開発途上国に輸出する。なんか,やくざも顔負けのあくどい商売だと思いませんか(稲田)。
●1999/9/15毎日新聞「遺伝子組み換え食品、高島屋も表示方針」
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高島屋の田中辰郎社長は14日,各店の食品売り場で遺伝子組み換え食品を表示する方針を明らかにした。表示が義務付けられるのは食品メーカーなどに限られているが,「安全性に疑問がある」との消費者の声不安の声に応えることにした。
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小売業では大手スーパーのジャスコが農産物や自社開発製品などについての全面表示を自主的に決めたが、大手百貨店が表示方針を示したのは初めて。百貨店業界の対応が注目される。
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田中社長は「消費者の関心が集まっており、百貨店が表示をやらないで済む問題ではない。当社の食品売場は,大豆などの食材を加工した商品が多く、当社の方で組み替え商品のすべてを調べることは難しいが,組み換え商品か否かの表示は可能だと思う」と述べた。
●1999/9/11神戸新聞「日清食品、大豆を非組み換えに,即席めんで初めて」
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日清食品は10日、即席めんの油揚げ,みその原料となる米国産の大豆について,全量を遺伝子組み換え技術が使われていないもにに切り換える方針を明らかにした。即席めんメーカーでは初めて。
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大豆を使っているのは「きつねうどん」「みそラーメン」など10品目。米国で大豆は収穫期となる11月以降の調達が対象で、在庫もあるため製造に使うのは来年2月からになる。
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日清食品は米国かと中国っから年間6000トンの大豆を輸入しており,「中国産は組み換え技術を使っていない」と説明している。
●1999/9/11神戸新聞「遺伝子組み換え食品、厚生省安全審議見直しも、業者任せの現状批判」
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遺伝子組み換え食品の安全性を議論する食品衛生調査調査会バイオテクノロジー特別部会が10日開かれ、法的な拘束力のない現状の安全審査制度の不備を指摘し再検討を求める意見が相次いだ。厚生省は同調査会の会長や部会長との間でこの問題をどう取り扱うか検討する方針で、業者任せになっている審査のあり方が見直される可能性も出てきた。
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遺伝子組み換え食品を国内で販売する場合、業者は厚生省の指針(ガイドライン)に基づいてて自ら安全性を評価し、データを添えて食品衛生調査会に申請。同調査会は評価が適切に行われたかどうかを判断し,安全性を確認する仕組みが設けられている。
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しかし、指針には法的な拘束力がなく、業者が安全性の確認を申請するかどうかは業者自身の任意にゆだねられている。厚生省は「」強力に行政指導しており,対象業者は全て安全性の確認を受けている」との立場だが、未承認の遺伝子組み換え食品が国内に流入する可能性が以前から指摘されてきた。
●1999/9/8神戸新聞「ジャスコ遺伝子組み換え表示、流通大手で初,自社開発製品に」
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ジャスコは7日、遺伝子組み換え農産物を原料に使った可能性のある自社開発の製品について、その旨を表示することを明らかにした。ジャスコの自社開発製品で主原料に遺伝子組み換え農産物を使った製品はないが,「不分別」と副原料に組み換え農産物を使用している可能性がある製品について表示することにした。豆腐や納豆なといった自社開発製品「トップバリュー」などの中で,確認できた33製品に関しては9日から表示を始める。今秋までにすべての製品で確認作業を終了する。
●1999/9/7毎日新聞「遺伝子組み換え食品、どうやって判断、検査ビジネス大盛況」
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現在は組み換え作物と従来の作物が生産流通段階で分別されていないことが多い。このため,組み換え作物が混入しているかどうかを調べる検査が利用されるようになった。検査技術として,組み換え遺伝子自体を検出するPCR法と,組み換え遺伝子が作るたんぱく質を調べる酵素抗体法(エライザ法)の二つが実用化されている。
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PCR法はDNAが微量でも検出できるように増幅する技術。原理的にはサンプルに組み換え作物が0.01%しか含まれていなくても検出できるという。遺伝子は熱に比較的強いため,PCR法を使うと原料だけではなく,ある程度加熱された加工品でも検査できる。
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昨年業務を開始した米ジェネティックID社の日本事務所の検査受託件数は6月末まで毎月数十件だったが、7月から急増して300件にもなった。宝酒造とビー・エム・エルも、それぞれ、三菱商事,日商岩井と組んで、検査・認証業務を近く始める。
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一方、輸入穀物の品質検査をしている日本油料検定協会(本部・神戸市)は11月から商社などの委託でエライザ法を使った大豆の検査を始める。エライザ法は,組み換え遺伝子が作るたんぱく質に結合する抗体たんぱく質の性質を利用する。抗体にあらかじめ蛍光物質を付けておき、その光を検出する。たんぱく質は熱で変質しやすいため、加工品に適用するのは難しい。現在は,除草剤耐性の組み換え大豆に使えるだけだが、日本に輸入されているのはこの品種だけなので、原料大豆を水際でチェック酢するには向いている。
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しょうゆ、コーン油,ナタネ油,ジャガイモ加工品などはPCR法で遺伝子検出できないため,表示義務の対象から除外されている。しょうゆは大豆を発酵させる過程で微生物がDNAを分解。油は精製過程で200度以上の高温をかけるためDNAが壊れたり,水分を除外する精製過程でもDNAが取り除かれる。ジャガイモ加工品のマッシュポテトやポテトチップからもDNAを検出できなかったが,原因は不明だ。
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同じPCR法でも、検査会社ごとに感度や誤差に違いがあり,結果が異なる可能性がある。特許などの問題もあり、検査手法を統一することは難しいとの見方だ。
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農水省は「生産・流通過程での厳密な分別こそが,組み換え食品の表示内容を決める最大の根拠だ。食品メーカーなどが検査を利用する場合は,流通過程での分別にミスがないかどうかなどを確認する意味で行うべきだ」と話している,
●1999/9/6神戸新聞「遺伝子組み換え作物、飼料には使用せず,畜産農家に切り替え広がる」
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トウモロコシや大豆など遺伝子組み換え(GM)作物の輸入が増えているが、兵庫県では畜産農家の間で飼料を非GM作物に転換するケースが出てきた。高まる消費者の関心を背景に,農水省は一部のGM食品の2001年(平成13年)年度からの表示義務化を決めたが、消費者の要望は輸入穀物を飼料としている酪農家にも寄せられており、養鶏、養豚農家へも広がりを見せている。
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米国からのGM作物は,遺伝子組み換えをしていない従来の作物と分別されずに日本に入る。京大食糧化学研究所の村田幸作教授らの分析では,輸入された米国産大豆のGM大豆の混入率が1996年度は1%だったが,98年度は33%と急増している。
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氷上郡酪農協では飼料の3割を占めるトウモロコシを,昨年4月から分別輸入された非GM品に切り替えた。トウモロコシは大豆と並ぶGM品。きっかけは,提携する県内の消費者グループや大阪淀川市民生協から「遺伝子組み換え飼料を使わないでほしい」という強い要望があったためだ。
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課題は飼料の2割を占める輸入大豆・ナタネかすの非GM化。トウモロコシと異なり商社の分別供給ルートが確保できず,インドからの輸入も検討した。結局,安定供給が望めないため、今月から他の国産材料を試用することにした。
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塩見忠則組合長は「エサを変えることは勇気がいる」としながらも「牛への影響を見ながら完全な非GM化を進めたい」と話す。
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洲本市酪農協も昨春から非GMトウモロコシに切り替えた。こちらも提携する大阪いずみ市民生協の要望がきっかけ。完全非GM化を目指して新しい配合飼料を検討しており、川忠行組合長は「非GM品はまだ量が少なくコストがかかる。非GMのトウモロコシに代えただけでも飼料代が1割も上がるので大変だが、消費者がもotメル牛乳を作りたい」と言う。
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飼料の非GM化の動きは,一部の養鶏や養豚農家にも広がっている。氷上郡市島町で500羽の平飼い養鶏を営む橋本慎司さんは,昨春から仲間と非GMトウモロコシに切り替え,えさからGM品を除いた。
●1999/8/27毎日新聞「遺伝子組み換え大豆、コープこうべ商品ごとに不使用表示」
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コープこうべは10月から食品などの安心と安全をいっそう徹底させるため、遺伝子組み換え大豆「不使用」の表示を商品ごとに付け、また、ダイオキシン発生との関係が疑われている塩素系ラップの取扱いをやめる。
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遺伝子組み換え大豆を使っていない豆腐・あげ書商品については,これまでは売り場に「不使用」を表示していたが,消費者の要望を入れパッケージごとに表示する。対象はコープこうべ食品工場で生産する豆腐類10品目とあげ類は13品目。遺伝子組み換え食品を使った場合は、その棟表示する方向だが,まだ使用商品はないという。
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生食品を覆うラップは1978年からポリエチレン系を使っているという。
●1999/8/25毎日新聞「遺伝子組み換え生食用トマト,キリン,商品化断念」
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キリンビールは24日までに,遺伝子組み換えトマトの商品化を断念することを決めた。農水省と厚生省が安全性に問題がないと認めているものの、消費者の根強い不安感に配慮した。同社はビールの原料になるコーンスターチなどについても,来春から組み換えが行われていないトウモロコシに順次切り換えていくことにしている。(神戸新聞1999/8/25より:ビールの副原料としてトウモロコシ年間約20万トン使用。ほぼ全量米国から輸入)
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関係者によると,農水省が30品目に上る組み換え食品の表示規定を最終決定した今月10日以降、消費者から同トマトの発売の可能性について問い合わせが多数寄せられたという。トマトは表示義務品目の中に入っていないが,消費者の不安感を重視した。
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このトマトは,米企業が開発した「フレーバーセーバー」で、遺伝子操作によって完熟しても腐りにくく,鮮度が長持ちするよう改良された生食用。カゴメも89年から,遺伝子組み換え技術を使った加工用トマトの商品化を進めていたが、「消費者のコンセンサスが得られていない」として97年秋,開発を断念している。
●1999/8/22毎日新聞「遺伝子非組み換え大豆をさがせ,中小食品メーカー団結」
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遺伝子組み換え食品で義務表示の指定食品となった豆腐やコーンスナック菓子などの中小食品メーカーが、組み換えでない「分別」の大豆とトウモロコシを確保するため,農水省の肝いりで協力しあうことになっった。大手と違って独自に確保するのが難しいためだ。
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同省の委託事業として,食品産業センターが9月に検討委員会を発足させる。同委員会には中小食品メーカーのほか商社もオブザーバーで参加し、10月には輸入先の米国に現地調査団を派遣し,実態調査と同時に生産・流通段階での分別ルートを確保する。
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味噌や納豆などは品種指定しており,組み換え大豆は入っていないと言われる。
●1999/8/21神戸新聞「植物油など関税ゼロに,組み換え作物,カナダなど協議提案」
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世界貿易機関(WTO)次期多角的貿易交渉(新ラウンド)でのカナダ政府の農業分野協議方針が20日、明らかになった。大豆、ナタネなど油糧種子・植物油の関税をゼロにするなどの市場開放を推進するのが柱。
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米国と欧州、日本が対立している遺伝子組み換え作物をめぐる問題で,協議機関を設けることも提案している。
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カナダは世界有数の農業国で,オーストリアなどと「ケアンズグループ」を構成。これまでも日本などに農産物の市場開放を強く迫ってきた。
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カナダは新ラウンドでも自由化に重点を置き、主産品の油糧種子・植物油,大豆,守るとなどは関税撤廃を要求。ほかの作物も,可能な限りにの関税引き下げを目指す。
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遺伝子組み換え作物の安全性問題を早急に解決し、貿易促進を図りたい考え。協議機関で既存ルールの妥当性を検討するとともに,WTOで本格的に交渉する必要があるかどうか話し合うよう求める。
●1999/8/17神戸新聞「経済私評・遺伝子食品で独自外交」
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遺伝子組み換え食品の表示問題は,対象を絞るという妥協的な方向で着地したが,表示を「する」「しない」でははっきりと前者に踏み切った。以前だったら,主要国の対応ぶりを見てという大勢論で行ったであろう。
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2000年からの世界貿易機関(WTO)の農業交渉でわが国は,欧州連合(EU)と連携以上の関係をつくり、農業が各国の社会で果たしている国土、景観の保全など「多面的機能の尊重」という考えで、米国、カナダ、オーストラリアの市場万能論に対抗する構えである。品目を限定した点では米国にも配慮し、さらにその政策決定は最近やや独自性を見せ始めたわが国食糧外交の象徴といえよう。
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他方、米国と一緒に「貿易障壁の恐れ」と言っていたオーストラリア,ニュージーランドも,わが国で結論が出るや、両国共通の表示方法の検討を始める早業だ。
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欧米に対して独自性を出し始めたが,平均1ヘクタールの零細農業ぞろいのアジア諸国と今後、どうつきあっていくのだろうか。
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※日本の農政が,本当に米国寄りではなく,EUと連携していくのであれば,やはり自給率の向上が欠かせない。大豆、小麦、トウモロコシなど,アメリカからの圧倒的な輸入に依存している以上,米国から離れることが現実的に可能なのだとろうか。アメリカ以外の輸入国の分散と自給率の向上が急務。どの作物を,どれくらい国内で自給するのかという,具体的に目標設定が必要だ。しかもそれには、品種の改良などの基礎的な研究から,始める必要がある。イネ以外の穀類については,輸入を前提を国内では栽培技術の研究が放擲されたきたのだから。コメの価格が下がってきた今こそ,転作をうまく利用すれば穀物の自給率向上も望めると思うのだが。要は,長期的な農政の道筋を農民や市民に明らかにすることから始まる(稲田)。
●1999/8/15毎日新聞「遺伝子組み換えトウモロコシ、未承認の品種を使用」
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未承認品種の検出を指摘された米モンサント社の日本法人,日本モンサントは「検出された三つの品種は1997年に開発を中止している。商業用に栽培していないので,製品に混じるはずはない」とのコメントを関係業界に通知,検査結果を暗に批判した。
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これに対し,ジェネティックID社はすぐさま反応し、米国本社のジョン・フェイガン会長と社長の2人が来日、今月上旬,東京で記者会見した。米国立衛生研究所の元研究員でもあるフェイガン会長は,遺伝子を検出するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)と言われる検査法を使い、食品については独自の検査法法をいち早く開発。今回の検査結果については「厚生省がすでに承認したトウモロコシの品種は四つあり,その遺伝子の反応パターンは分かっている,3品種のスナック菓子で判明した遺伝子の反応パターンは,承認済みのパターンとは全く異なる」と主張した。
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同社の判別精度は0.001%と高く、例えば10万粒の大豆に一つの組み換え大豆が混じっていても判別できる。席上、フェイガン会長は「米国の穀物商社に当たった結果、昨年、これら未承認品種が90万エーカー(1エーカーは約0.4ヘクタール)に栽培されたことを確認した」と指摘したが、日本モンサントは改めて「栽培の事実はない」と反論、対立している。
●「遺伝子組み換え作物の表示問題を考える」(1999/8/14)
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遺伝子組み換え作物(GMO)の表示問題がようやく本決まりになりました。まあEU並の表示といっていいのだと思います。EUの場合も,表示でGMOを規制しているというより、市民の側からの強い反発、研究者の間から出ている研究モラトリアムの雰囲気,流通側での非組み替え食品の扱い、ベルギーでのダイオキシンによる飼料汚染などによる食品への安全性への動きが重なり,実質的にGMOがほとんど流通していない状況を勝ち取った,ということなのでしょうか。それに比べると、日本の場合、EUに比べ食糧自給率がかなり低く、特に大豆・小麦・トウモロコシ・ナタネなどは,アメリカに頼らざるを得ない。言い換えれば、アメリカから「組み換えの表示や分別は貿易関税障壁だ」といういろいろな圧力を受けざるを得ない。ということは、必然的に今回表示義務務からはずれた大豆油やしょうゆ,それから家畜飼料などにGMO(特に大豆)が大量に出回ることを意味している。やっぱり国産大豆の自給率アップ運動(大豆トラスト)、生協などの自主表示と国産大豆使用運動などで、国産の農産物を少しでも増やして行くしかないだろう。今後,WTOやG8サミット(来年の沖縄サミット)の場でも、GMOの表示問題はEUvsアメリカという間に入って、日本の外交や指導力が問われる。
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GMOの表示問題については、安井至さんのサイトにくわしい解説が4編(稲田)。
●1999/8/13神戸新聞「クローン牛で農水省、表示義務化結論先送り」
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農水省は13日、食用に出荷される受精卵クローン牛の表示問題について,法的な表示義務化の結論を先送りすることを決めた。実験段階では飼育頭数が少ない上、消費者団体の反発で商業化のめどが立たず、一般食品が対象の日本農林規格(JAS)表示などにはなじまないと判断した。ただ,遺伝子組み換え食品などに対する消費者の安全志向の高まりに配慮し,幅広い観点から論語を続けていくため、消費者・学識経験者が参加する懇談会を設置する考え。研究機関で飼育されていクローン牛からの製品だとわかるものは表示を行政指導し、分別不可能な加工・飼料用の内蔵,血液、骨など副産物は原則出荷しないようにする。これまで最高和牛のクローン66頭が食用として出荷され、3月末現在で164頭が飼育されている。
●1999/8/11神戸新聞「30品目に表示義務,2001年から実施へ」
●1999/8/11毎日新聞「遺伝子組み換え食品,表示義務30品目に,2001年施行」
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農水省は10日,食品表示問題懇談会遺伝子組み換え食品部会に,4日の同部会での意見を取り入れた遺伝子組み替え食品表示の最終案を提出し了承された。同省はJAS法の審議やWTOへの通報などの手続きを経て、2000年4月に告示し、01年4月からJAS法に従って施行する方針だ。
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最終案では「高オレイン酸大豆」「コーンスターチ」「コーングリッツを主な原材料とする食品」を追加,「コーンスターチを主な原材料とする食品」を削除し30品目なった。
●1999/8/11毎日新聞「加工業者団体、国産大豆100%だけ,組み換えに表示で対抗」
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全国豆腐醤油油揚協同組合連合会など豆腐や醤油や納豆,みそ,しょうゆ,きな粉,凍り豆腐などの大豆関連加工業者の8団体は10日,国産大豆100%を使用した商品にだけ「国産大豆使用」の表示にすることを決めた。2000年4月からは一斉に新表示になる。国産大豆50%以上なら国産大豆使用と表示していた日本豆腐協会も足並みをそろえる。
●「遺伝子組み換え牛成長ホルモン・BST(BGH)をめぐる議論」(1999/8/11)
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遺伝子組み換えの研究がなされ,また実用化されているものは,今度表示方法が決まった,大豆,ナタネ,トウモコロコシ,ジャガイモ,小麦,ナタネ,ワタなどの「遺伝子組み換え作物(GMO)」だけではありません。あまり報道されませんが,医薬品の開発は巨大なマーケットですし、これこそが本命かもしれません。また食品添加物キモシン(チーズ発酵酵素)や牛成長ホルモンBST(BGH)なども実用化されています。特に,牛成長ホルモンは,かつて使用されたDESなど合成ホルモン問題の時と同じように、家畜に影響を及ぼすだけでなく、それを摂取した人間にも「環境ホルモン作用」を与えるのではないかという議論がなされています。「ホルモン」というものが,生命活動に非常に大きな影響を与えるということが理解され始めている時期に、病気でもない生命に、やたらとホルモンを投与すると感覚が理解できません。牛肉のホルモン投与の問題についてはこちら。今度出版される「モンサント・ファイルズ」にも多分書かれていると思いますが、多国籍企業モンサントの、なりふりかまわず自社の利益追求を行う姿に,唖然とさせられます(悪の帝国・マイクロソフトの行いと重なって見える)。それと,もう一つ、アメリカが提唱する「WTOシステム」こそが,食べ物の安全性や自国の農業を考える上で、諸悪の根元のような気がします「不自然な収穫」(光文社刊)中の「BST牛乳をめぐる論議」の要約下記にをまとめました。(稲田)。
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本来,BSTは乳牛が自然に産出するホルモンであり、牛乳生産量を増加させる機能も古くからもわかっていた。しかし,屠殺した牛の下垂体からしか抽出できないため、大量生産するには遺伝子組み換え技術を待たなくてはいけなかった。現在は,BST生産遺伝子を取り出し、大腸菌に組み込み培養するという方法を取っている。モンサント社が開発し,米食品医薬品局(FDA)が認可したBST(ウシソマトロピン/商品名ポジラック)は,牛に注射すると牛乳の生産量が25%上がると言われている。1994年2月から,BSTが使われた牛乳がアメリカで生産され始めている。
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モンサント社は大学などに多額の研究助成を行い,BSTが安全であるという試験,研究を多数集めた。しかし、このデータを分析したイギリスの3人の科学者,ミルストーン、ブランナー,ホワイトは、モンサント社が1991年の論文の発表を妨害したと非難した。論文の主旨は「BSTを投与した牛では乳房感染症が増加して,膿や細菌数が増加する」。モンサントは、FDAへの申請のために、莫大な金を使い、政治家を巻き込み、反対勢力を封じ込めようとした。FDAは9年間検討かけて,1993年後半に,BSTを承認した。
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モンサント社は,販売開始前の94年2月に、BSTにより年間約10億ドルの売上げを見込んでいた。アメリカ、カナダ,そして欧州連合(EU)へと進出する予定だった。しかし、98年後半になっても,カナダでの承認の見込みが立たず,EUは2000年以前にBSTの承認を考えるつもりはないと言明。マレーシアやナンビア,メキシコで導入、ブルガリア,トルコ,ロシアで承認された。しかし、アメリカでの反対運動は,電話と手紙で6万件の反響があり,消費者への警告状も200万通以上配布され、牛乳廃棄抗議行動などで、BSTの販売は伸び悩んだ。
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BSTについては表示は必要ないと,乳製品企業は主張し続けている。1994年にモンサント社は、牛乳にBST未使用と表示した小さな乳業企業を告訴した。豊富な資金力を誇る多国籍企業相手の法廷闘争を避け,表示は中止された。しかし、ほとんどの州では,加工業者が牛乳やチーズにBST未使用と表示することを許可する法律が通っている。
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1996年1月にイリノイ州の公衆衛生学部の教授で,ガン予防協議会の議長であるサミュエル・エプスタインが、代表的な公衆衛生学会誌である「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ヘルスサービス」にBSTと乳がんや結腸がんとの関連性についての研究を発表した。BSTを投与すると,牛から搾乳した牛乳中のインスリン様成長因子の濃度が高くなる。牛とヒトのインスリン様成長因子は化学的に同等である。BSTを投与した牛に由来する乳製品中のインスリン様成長因子の濃度は高く、これを飲んだ人の血液や乳汁中に移行する。これが細胞の増殖や分化を促進すると考えられ,結腸内膜細胞や乳房細胞に対し、ガン促進作用を発揮すると考えた。
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FDAの懸命な安全宣言やモンサント社のマスコミへの圧力,FDAを監視する立場にあるアメリカ厚生長官の安全キャンペーンなどにもかかわらず,1998年1月に「サイエンス」誌に,「インスリン様生長因子の血中濃度が高い男性では前立腺がんを発言する可能性が4倍増加する」という研究結果が,1998年5月9日号の「ランセット」に「インスリン様成長因子濃度の高い閉経後の乳がん発現の危険性が7倍に増加する」という報告がされた。つまり,BSTについては、人の健康に及ぼす影響については議論があるとしても、動物の健康に与える影響についてはほとんど意見の相違がない。
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BST使用すると牛の感染症発現率が増加するため,抗生物質の使用量も増加する。抗生物質を投与された牛は、抗生物質が体内及び牛乳からほとんど消失するまで搾乳しないこととされている。1992年12月に発表されたバーモント州におけるモンサント社依頼試験では,BSTを投与しした牛では,乳房炎のための抗生物質投与量はBST未投与の牛の4倍以上多く,投与機関が平均の6倍以上長いことが明らかになった。BSTを投与された牛の牛乳の廃棄量は未使用の牛の7倍以上にのぼる。
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カナダでも,北米自由貿易協定をもとにした「規制調和」の要求圧力や、企業から大学へBST研究のための助成金が出されたが、酪農家や消費者の反対があり,モンサント社1995年7月までBSTの導入を見送ると発表。95年に企業側の自粛期限が切れたが、政治団体と消費者団体の承認が得られず,BST承認に向けての専門家委員会(人の健康と牛の健康に対する影響を考える)を設けることになった。1998年には,モンサント社からの圧力があり、アメリカにおける承認の根拠となった試験データ「BSTを投与したラットの30%で抗体濃度が上昇し,甲状腺に病変や嚢胞を発現した」が,カナダでは公開されなかったが、別の情報源から漏出した。1999年1月に,カナダ獣医師学会から出された報告書「乳房炎,跛行,受精障害の増加」は,モンサント社の申請を却下する根拠となった。
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1997年後期にアメリカは,世界貿易機関WTOで,EUがBST含有製品に輸入禁止を課すのは不公平であると提訴し、勝利をおさめた。さらに,医薬品や食物の安全性基準を策定する国際機関である国際食品規格委員会(Codex)に、世界中でBSTが使用できるような基準草案を承認するよう働きかけた。しかし、世界的な消費者団体が介入し、この草案を拒否することに成功した。カナダの規制システムも、今世紀の終わりまでにはWTOに提訴されるだろう。規制システムによる保護がなければ、牛乳生産を増強し、競争力をつけるために、酪農家はBSTに頼らざるをえないと思われる。
●1999/8/4毎日新聞「遺伝子組み換え食品,各国で温度差、WTOでも新焦点に」
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欧米などの遺伝子組み換え食品の表示に対する取り組みは、それぞれの国によって温度差がある。早秋連合(EU)は「組成や栄養素などが従来の食品と同等でない遺伝子組み換え農産物及びこれを原材料とする加工食品」に対しては表示義務を課している。しかし,現段階では実例がないという。
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「従来のものと組成や栄養素などが同等で加工工程後も組み替えられたDNAまたがこれによって生じたたんぱく質が残存する」場合も表示義務があり、DNAやたんぱく質が存在しないのは表示不要か任意表示だ。しかし,この対象となる食品リストはまだ示されていないという。
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米国とカナダは緩やかな規定となっている。既存食品より厳しい成分変化を起こしたり,アレルギーなど健康を害する危険性が増したりする場合は義務表示だ、それ以外は表示不要で任意表示は許されない。
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貿易機関(WTO)の次期ラウンドでも、遺伝子組み換え食品問題が貿易とも絡めて新しい焦点として浮上。農水省も適切な検討の場を設けるべきだと主張しており、遺伝子組み換え問題は国際的なテーマになってきている。
●1999/8/4神戸新聞「遺伝子組み換え28食品表示,2001年春から導入」
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農水省は4日,大豆やトウモロコシなどの遺伝子組み換え作物(GMO)を原材料に使用した食品の表示について話し合う「食品表示問題懇談会遺伝子組み換え食品部会」で表示を義務付ける食品として豆腐たみそなど28品目を指定し、しょうゆや植物油などは表示不要とした原案を示した。
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農水省は10日に開かれる次回部会の討議を経て,原案に沿った結論を出す方針。来年4月施行の改正日本農林規格(JAS)法に基づいて品質表示基準を告示し、一年の猶予期間を設けて2001年四月実施を目指す。しかし,科学的な検証可能性を理由に表示義務は限定的なものにとどまり、実際に対象となる食品の量は全体の1割弱とみられるため,全面的な表示を求めている消費者側の反発が強まりそうだ。
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ビールや焼酎などトウモロコシを原材料とした酒類については,組み換えられたDNAが検出された商品はなかったとの分析結果を公表,酒類はJAS法の対象外だが,しょうゆや大豆油と同じ分類で「表示不要」に該当する。
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「消費者は食品に遺伝しや特定タンパクが残っているかどうかに興味はない。GMOが使用されているかどうかを知りたいのだ」と口をそろえる。原材料の段階ではGMOかそうでないかは100%判別できるため、「生産者から食品メーカーに渡る流通段階で監視すれば,全面的な表示義務化は可能」とくり返し主張した。
●1999/8/3神戸新聞「遺伝子組み換え,28食品に表示義務,練り製品などは除外」
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表示を義務付ける食品として豆腐やみそ、コーンスナック菓子のほか植物タンパクを主な原料とする食品など28種類を指定した。全面的な表示義務化は見送られる。来年四月からの実施を目指している。
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一般消費者向けでない大豆粉やコーンスターチは「表示不要」とした。またGMOが原材料であっても、遺伝子や蛋白質が「加工工程で除去・分解等されることにより,食品中に存在していないもの」については「表示不要」を明確に打ち出しており,しょうゆや植物油などは義務化の対象から外れることになる。
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表示方法は「従来食品と同等でない」ものは「使用」を明記。現在,安全性評価申請中の高オレイン酸大豆油とその製品の指定を予定している。「同等」な食品は,GMOの原材料使用が分かっている場合は「使用」を表示,普通の作物と分別していない場合は「不分別」表示を義務付け、GMO原材料が使われている可能性があることを示す。
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原案は指定食品として,植物タンパクやコーンスターチを主な原材料とする食品を挙げているが,「主な原材料」は「全原材料中に占める重量が5%以上のもの」と規定。このため,植物タンパクを「つなぎ」として使用しているハンバーグやソーセージ,練り製品はほとんど表示対象外となりそうだ。
●1999/8/2毎日新聞「遺伝子組み換え作物,米大手使いません,ベビーフード材料」
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医薬品大手ノバルティス(本社スイス)の米国現地法人は,傘下の食品製造大手がーバーのベビーフードの材料に遺伝子組み換え作物(GMO)を今後使用しないことを決めたと明らかにした。AP通信が31日報じた。
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同通信社によると,ガーバーは「不安なく(消費者である)母親に製品を買ってもらう」ため,除草・除草剤への耐性をつけたGMOのトウモロコシと大豆などの使用を9月末までにやめる。これまで原材料の0.5%がGMOだったという。
●1999/7/28神戸新聞「遺伝子組み換えトウモロコシ,菓子から未承認品種」
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市民団体の「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン」事務局(安田節子事務局長)は28日,日本政府の安全性確認を受けていない未承認の遺伝子組み換え作物(GMO)を原材料とするスナック菓子などの食品が,国内で市販されているとの独自調査結果を明らかにした。29日に発表する。同事務局によると、米国のGMO食品検査専門会社に分析を依頼した結果、コーンスナック菓子3品目から,国内では未承認のトウモロコシの遺伝子組み換え品種を検出したという。
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分析は,日本企業や日本政府にGMOの品種を特定する技術が現状ではないため、米国のジェネティックID社(アイオワ州)に同社の日本事務所を通じて頼んだ。分析したのはスーパーなどで市販されているコーンスナック5品目とコーンスターチ1品目の6サンプル。市民団体によると,このうちスナック菓子3品目から米科学メーカーなどが開発した複数の遺伝子組み換えトウモロコシの品種を確認したという。
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GMOについて、政府は開発者に対し、輸入や食品に利用する際は政府の安全性各品を取ることを指針で求めているが、義務づけてはいない。
無防備な実態露呈
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解説:検出されたGMOについて,米政府は一部安全性を確認しているが、他国では安全性が確認されていないというダブルスタンダードが現実問題として存在している側面は否定できない。農水省によると,米政府はGMOの開発企業に対し,農家に種子を販売する際,輸出相手国の承認が得られていないものは自国内での流通に限定するよう指導しているという。しかし,関係者によると,収穫時に普通の作物とGMOを分別しているケースはまれで、ましてGMOであっても、米国では承認されているのに輸出相手国では承認されていない品種とに分別しているかどうかについては、分からないという。
※加筆(1999/8/10)
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「遺伝子伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」がジェネティックID社に依頼したコーン関連食品分析結果。分析依頼内容は,1.遺伝子組み換え体の存在の有無,2.存在する場合、その由来となる組み換え作物品種の特定。検査品目は,1.とんがりコーン(ハウス食品)2.ポリンキーあっさり味(湖池屋)3.ドンタコスナチョチーズ(湖池屋)4.プチコーン薄味(ヤマザキナビスコ)5.焼きモロコシ薄味(カルビー)6.玉三コーンスターチ(川光物産)の6種類。結果は,1.2.3.4.6から遺子組み換えコーンの含有が確認,うち1.2.4は農水省の輸入・開放系利用指針の承認、厚生省の安全性評価指指針適合確認を受けていない品種の存在が特定(金田さんからの情報です)。
※再加筆(1999/8/12)
●1999/7/27神戸新聞「組み換え大豆に疑問」
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遺伝子を組み換えて、除草剤に対する耐性を持たせた大豆は、従来の大豆に比べ,がんなどを防ぐとされる有効成分が少ないと、米民間研究機関が発表した。
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研究をまとめたのは,米倫理と毒性センターのマーク・ラッペ博士ら。除草剤耐性がある米モンサント社の組み換え大豆「ラウンドアップ・レディー」二品種と,基になった従来品種をほぼ同一環境の畑で育て,豆に含まれるイソフラボン成分を測定した。その結果、組み換え二品種は従来品種に比べ,同成分が12-14%少なかった,という。研究結果は,米誌ジャーナル・オブ・メディシナルフーズに掲載される。
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イソフラボンは,乳がんや前立腺がん,更年期障害などを防ぐ効果が注目され、日本人にこれらの病気が少ないのは、大豆の消費量が多いからともいわれる。
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ラウンドアップ・レディー品種は米国で栽培される大豆の50%近くを占める。ラッペ博士は「集中的に用いる除草剤が豆の成分に影響している可能性がある」と指摘している。
●1999/7/26毎日新聞「遺伝子操作は福音の技術か−ジェレミー・リフキンさんに聞く」
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米国の文明批評家ジェレミー・リフキン(著書「エントロピーの法則」,「バイテク・センチュリー−遺伝子が人類そして世界を改造する」集英社)へのインタビュー記事。特に「生命の特許権への反対」のコメントが印象的(稲田)。
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米特許局は1987年から遺伝子の特許を許可する方針をとっている。これは違法だ。「自然の発見」が特許の対象にならないのは世界共通の認識で,かつて化学者が発見したヘリウム、酸素、アルミニウム,チタンなどは、製造方法の特許はあっても物質そのものへの製品特許はなかった。生命の特許権が拡大し、遺伝子,染色体、細胞、臓器などがすべて発明品として扱われる時代に生まれた子供の情緒や知性はどうなるのだろうか。生命は単なる「実用品」や「発明品」にすぎず,もはや本来備わった固有の価値を持ち得なくなる。長年の進化が残した遺産である遺伝子群は,人類の共有財産であり,特定の国や企業,個人の所有物にすべきではない。
●1999/7/22毎日新聞「遺伝子組み換えブドウ栽培へ,独のワイン用」
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ラインガウ産やモーゼル産などで知られる世界的なワイン生産国のドイツで,遺伝子を組み換えたブドウの実験栽培が認められ「品質や生産の向上が期待できる」「いや、危険な実験だ」と賛否両論が起きている。
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ドイツはこれまで食物の遺伝子操作には慎重だったが,保健省のロベルト・コッホ研究所は19日,有害な貘バクテリアに強い品種をつくるため,実験ベースで認可すると発表した。これを受け、約100通りに遺伝子を組み換えたブドウ約2万本が22日からラインラウトファウル州などの農園で順次植えられる。
●1999/7/22毎日新聞「WTO新ラウンド,組み換え食品,政府が検討要求へ」
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2000年から始まる世界貿易機関(WTO)の新ラウンド交渉に関する日本政府の提案が21日までに明らかになった。交渉分野については,農業,サービスの2分野に鉱工業品関税,投資ルールなども加えた計11分野を提案しているが,遺伝子組み換え食品の安全性問題が急浮上していることから、新ラウンドでこの問題を検討する場を設けることを求めている。農業分野ではこの他、食糧安全保障や国土保全など農業の持つ多角的価値を強調し,米国など農産物輸出国からの関税引き下げ要求に歯止めをかけていきたい考えだ。
●1999/7/16神戸新聞「WTO次期交渉,食品安全性など重視,EU方針,市場原理優先に反発」
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EU欧州委員会は15日,世界貿易機関(WTO)の時期多角的貿易交渉(新ラウンド)の農業分野で、関税引き下げ以外に配慮すべき事項として,農業の多面的機能や食品の安全性など三点を重要視していく方針を明らかにした。
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EUは食品の安全性をめぐり,成長促進ホルモンを使って肥育した米国産牛肉の輸入を禁止し、遺伝子組み換え作物(GMO)にも慎重姿勢を示している。こららの輸出を推奨する米国がEU提案に反発、新ラウンドの大きな対立点になるのは必至で,日本にも大きな影響を与えそうだ。
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EUが求めていくのはこのほか、生産性向上のための薬剤濫用など家畜への虐待防止で、これら三点に配慮した貿易ルールづくりを目指す。高官は「こうした視点に背を向けた自由化は進めるべきではない」と語り、市場ルール優先に傾く米国やオーストラリアなどとの違いを鮮明にした。
●1999/7/16毎日新聞「遺伝子組み換え食品表示、農相『義務化が原則』」
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中川昭一農相は16日の閣議後会見で,「まだ中間段階だが,一つの方向性として原則的に表示を義務化するということがあの報告の中ではっきりしている」と語り、表示は義務化を原則とすることに前向きの考えを示した。表示方法としては,「使用」「不使用」「不分別」などの案が浮上している。その際、義務表示と任意表示の分け方などが焦点の一つになっている。
●1999/7/15神戸新聞「遺伝子組み換え大豆急増,輸入分の33%に,表示法の整備急務」
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豆腐や食用油などの原料用輸入された米国産大豆で、栽培時に特定の除草剤をまいても枯れないよう開発された「遺伝子組み換え大豆」の混入率が急増、1998年度分で三分の一に達することが15日,京都大食糧科学研究所の村田幸作教授らの分析で分かった。96年の遺伝子組み換え大豆の輸入開始後,農水省も混入率を米国の作付面積から推計,ほぼ同様の数値を得ているが、実際の分析でこれが裏付けられたのは初めてという。
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村田教授らは滋賀県工業技術総合センターと共同で,95年−98年に輸入された代表的銘柄の米国中西部の大豆を,国内の卸売り入手し実際に栽培,専用の除草剤をまいても枯れない遺伝子組み換え大豆の比率を計算した。その結果、遺伝子組み換え大豆は95年産には含まれなかったが、96年の1%以降は97年9%,98年33%と急増。米国での生産拡大に符合した。DNA分析で,実際に農薬耐性遺伝子が組み込まれていることも確認した。
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日本消費者連盟の安田節子さんの話:「GMOは安全性が揺らぎ,欧州では買われなくなっている。表示制度のない日本に集中的に輸出されることを懸念している。政府は米国に分別を求めるべきだ。食品には表示を義務付けてほしい」
●1999/7/15神戸新聞「遺伝子組み換えの食品,表示義務づけへ」
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農水省は14日,原材料に大豆やトウモロコシなどの遺伝子組み換え作物を使用した食品のうち,科学的な検証で組み換え作物を使用していない「普通の食品」と判断できるものについては,製造業者に表示を義務付ける方針を明らかにした。豆腐やスナック菓子,てんぷら粉などが対象となる。ただ食用油やしょうゆなどは,原材料に組み換え作物を使用しても製品では判別できないとして表示対象外とし,消費者団体などが求めていた表示の全面義務化は見送る。表示を義務付ける食品は農水省が指示するが,指定の範囲をめぐって論議を呼びそうだ。
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表示方法は遺伝子組み換え技術で栄養素などが変化した食品は,組み換え作物を使用していることを明記。栄養素が変化していなくても,普通の作物と組み換え作物を分別せずに原料として使用した場合は「不分別」と表示する。栄養素などが変化した組み換え食品は国内で流通していないため,当分は「不分別」の表示だけとなる見通し。
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表示の対象は現在,国内で組み換え作物として安全性を確認された大豆,トウモロコシ,ジャガイモ、菜種、綿を原料とした食品。このうち菜種油,綿実油とポテトチップなどのジャガイモ加工食品のほとんどは分別が不可能なため,現実には大豆,トウモロコシの加工食品に限定されそうだ。
●1999/7/14神戸新聞「遺伝子作物一転表示へ、米国,消費者不安に対応」
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グリックマン米農務長官は13日,遺伝子組み換え作物(GMO)が人体や環境に悪影響を及ぼすとの懸念が欧州や日本で高まっていることから,米政府として,表示の導入を容認し消費者の不安にこたえる,GMOの安全性に関する研究を強化する,といった対策を講じる,と発表した。
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農業バイオテクノロジー(生命工学)に関する諮問委員会を設置し,学界,企業,消費者,環境団体などの代表を集め,GMOをめぐる幅広い問題について検討することも明らかにした。
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米国はこれまで、「表示によりGMOが差別的に扱われる」と反発していたが,グリックマン長官は「情報提供のための表示が一定の役割を果たす可能性もある」と発言。日欧の情勢に配慮し,柔軟姿勢に転じつつあることを示した。ただ長官は,GMOの実用化を積極的に推進する立場は変わらないことを強調した。
●1999/7/14神戸新聞「農水省小委,遺伝子食品の検出で3分類」
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農水省の食品表示問題懇談会遺伝子組み換え食品部会は13日,組み換え食品を普通の食品と分別するため,技術的な検討を行っていた小委員会の報告書を基に議論を進めた。
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同報告書は,原材料に組み換え作物が使用されても製品段階で遺伝子を検出できない食品として,しょうゆや食用油,検出可能なものは豆腐やコーンフラワーを使用したてんぷら粉,検出できたりできなかったりする食品として納豆やみそ,スナック菓子に3分類した。しょうゆなどから遺伝子を検出できないのは,発酵の過程で遺伝子が分解してしまうため。
●1999/7/14毎日新聞「遺伝子組み換え,豆腐や煮豆表示可能,義務化導入は微妙」
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米国では大豆の作付面積の37%,トウモロコシは30%程度,カナダではナタネの38%が遺伝子組み換え作物と推計され,日本にも大量に輸入されている。
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※記事の内容は上の神戸新聞の二つの記事とほぼ同じです。世界の組み換え作物の作付割合がデータとして出ていますので、その部分だけ引用しておきます(稲田)。
●1999/7/14神戸新聞「三菱商事・宝酒造が合併,遺伝子組み換え作物判別,普通食品を認証へ」
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三菱商事と宝酒造は13日,食品の原材料に遺伝子組み換え作物が入っているかどうかを判別する新会社を合弁で設立することに合意した。新会社は最新の遺伝子分析技術を駆使するほか、原産地の調査も実施し,原材料に遺伝子組み換え作物をほとんど使用してないしていないことを確認した上で、「普通の食品」であることを認証する。
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将来の遺伝子組み換え食品の表示義務化をにらみながら,検査・分析市場を開拓し、普通の食品を求める消費者のニーズを先取りすることで企業のイメージアップにもつながると判断した。
●1999/7/1神戸新聞「遺伝子組み換え毒素大丈夫,コーン3種の輸入承認」
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農水省は30日,除草剤や,害虫に対して耐性を持つ遺伝子組み換えトウモロコシ三品種について,国内での栽培予定がなく生態系など周辺環境に影響を与える恐れもないので輸入を承認した,と発表した。
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米モンサント社が開発した三品種とドイツのアグレボ社が開発した一品種のコーンで、このうちアグレボ社のコーンについては,トウモロコシの花粉などから害虫を殺す毒素タンパクが検出されている。毒素タンパクは害虫だけでなく、チョウなど同じ種類の昆虫にも作用することが,米コーネル大の研究などで指摘されており、花粉が風や昆虫などで遠くに運ばれることの悪影響を懸念する声がある。このため農水省は,花粉に毒素タンパクが含まれた遺伝子組み換え作物については、新たな基準を作るまで国内での栽培について安全性の審査を凍結することを決めている。
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三品種とも,農水省による食品へ安全性の承認は受けておらず、スナック菓子なビールなど食品加工品の原料としての輸入は認められていないが,工業用への使用は可能。
●1999/6/24毎日新聞「遺伝子組み換え作物,仏が流通停止提案へ,EU会合」
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フランス政府は23日,ルクセンブルクで24日に開かれる欧州連合(EU)環境相会合で,EUとしてのルールつくりを終えるまで,新たな遺伝子組み換え作物の栽培、流通を停止するよう提案することを決めた。ショスパン首相が23日,ポワネ環境相ほか関係閣僚と協議して決めた。
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EUは現在,遺伝子組み換え作物をめぐる法規制の改正に取り組んでいるが,フランスは解禁に慎重な立場で、遺伝子組み換え作物であるという表示の徹底や生産,流通に関するEUとしての統一ルールの確立を求めている。
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ベルギーを震源地とする鶏肉などのダイオキシン禍で食品の安全性に対する関心が高まっているのを受けて,ドイツ・ケルンで18日〜20日開かれた主要8カ国(G8)首脳会議では,シラク大統領が食品の安全性を検討する地球規模の新国際機関の創立を提唱。G8宣言への盛り込みは見送られたが,パリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)の作業班で研究報告書を作成、次回への検討課題とすることを決めた。
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フランスはさらに22日,政府内に「食品衛生安全保障局」を新設。クシュネル保健担当相は同日、これをモデルに欧州規模の同様の機関を創設するよう訴えた。遺伝子組み換え作物の先進国・米国は,フランスを中心とする欧州側のこうした動きが米国産作物の輸入規制につながる可能性があると警告。ケルン・サミットでもカナダとともに仏提案に反対した。EU内部では英国が米国と比較的近い立場をとっている。
●1999/6/1毎日新聞「組み換えBtコーン,全米科学アカデミー,安全性秋にも結論」
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米国で今回の発表をきっかけに安全性や規制をめぐり論議が広がっている。民間団体「憂慮する科学者同盟」(USC)は,Btコーンの環境影響評価でゴーサインを出した米環境保護局(EPA)の失敗を指摘する。EPAはBtコーンがミツバチなどの益虫に与える影響を検討して問題なしとしたが、畑の周囲に棲息するチョウなど,益虫ではない種に対する影響は調べなかった。
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UCSの上級科学者ジェーン・リスラー博士は「EPAは今回の結果(チョウの幼虫の死)を予測すべきだった。毒素のたんぱく質を持つ遺伝子組み換え作物は農薬と位置づけ,農務省ではなくEPAが中心となって規制を協力に進めるべきだ」と提案している。
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有機栽培農家で組織する有機防疫協会は,組み換え作物の花粉などが周辺で栽培中の有機作物を汚染し、有機作物の商品価値を大きく損なう恐れについて懸念を表明した。これに対し、バイテク会社などで作るバイオテクノリジー産業組織は「室内実験と野外で現実に起きることは違う」とす声明を出した,トウモロコシ畑周辺の草の葉に付着する花粉はごく少量で、危険性を無視できるという。また,Btコーンは農薬の使用量を大幅に減らすことができるため、環境にプラスに働くと強調した。
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Bt遺伝子を組み込んだ作物の安全性や規制方法については,全米科学アカデミーの委員会が調査を進めており,今秋をめどに報告書がまとまる予定だ。
●NHK「地球法廷・遺伝子操作」番組の紹介(1999/5/20)
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※NHKではインターネットドキュメンタリー「地球法廷・遺伝子操作」という番組(BS第一/8月放送予定)を制作中。人類の未来に関わる根本的な課題である遺伝子DNAをテーマに,このテーマの当事者,専門家,そして世界の市民が時間をかけて討論し,双方向で議論が積み上げられてゆくプロセスを紹介するドキュメンタリー。開かれた議論の場として,インターネット上に「地球法廷・遺伝子操作」のホームページを開設し、議論の前提となる主な論点と基本的な情報を提供するとともに、日本語の意見は英語に英語の意見は日本語に翻訳して,地球規模の同時進行的な対話の実現をめざしています。
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ホームページの中身は (1)人の遺伝子は資源か? (2)遺伝子診断は何のため?
(3)遺伝子治療はどこまで認めるか? (4)生命は遺伝子で決まるのか?。ぜひご意見のある方は,討論にご参加ください。
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「地球法廷・遺伝子操作」のホームページアドレスは,http://www.nhk.or.jp/forum/life/dna/index.htm
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mailだけでなく,郵便もしくはFAXでの意見も受け付けています。〒150-0047東京都渋谷区神南神山4-14/NHKエンタープライズ21「地球法廷」係/FAX03-3468-89423/TEL03-3481-0141・0142
●1999/5/20神戸新聞「組み換え作物花粉,チョウ殺す,殺虫成分入りトウモロコシ」
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害虫対策のため,遺伝子を組み替えて殺虫材成分を持たせたトウモロコシが,チョウに害を及ぼす恐れがあると,米コーネル大のジョン・ローシー助教授らが20日付けの英科学誌ネイチャーに発表した。同教授らは、殺虫剤成分でBTと呼ばれる細菌毒素の遺伝子を組み込んだトウモロコシの品種を調べた。同品種は農薬の使用を減らせる上、害虫以外への有毒性は無視できるとされていた。
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しかし,この品種は花粉にも毒素ができることから,同助教授らはトウモロコシ畑の周囲に多いオオカバマダラというチョウへの影響を実験室で確かめた。このチョウは幼虫の間,畑の周囲に生えるトウワタという植物の葉を食べて育つ。研究グループは,トウワタの葉にBT遺伝子を組み込んだ品種の花粉を振り掛け,この葉と一緒に幼虫を飼育した。その結果,四日間で幼虫の44%が死亡。一方、遺伝子組み換えをしていない普通のトウモロコシの花粉を振り掛けた葉で育てた幼虫はすべて生き延びたという。
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トウモロコシの花粉は風で60メートル以上飛ばされて周囲に広がる上,花粉が出る時期とチョウの育つ時期が一致しているため自然の状態でも,チョウに被害が出ている可能性が高いという。
●「ル・モンド・ディプロマチック」日本語電子版の紹介(1999/4/19)
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前に岩波の世界98/3の「ル・モンド・ディプロマティック」誌の遺伝子組み換えに関する翻訳記事のことを紹介しましたが、日本語電子版があるそうです。日本語電子版の発行に係わっておられる斎藤かぐみさんよりmailをいただきました。遺伝子組み換えに関する記事だけではなく,仏語圏での社会・政治・経済・環境など広範囲にわたる,岩波の世界のような雑誌のようです。正式に翻訳の許可を取ってwebを立ち上げたようです。会費(月525円)を払えば月に10本ほどの翻訳をmailで送ってくれるそうです。営業的にはしんどいと思いますが,頑張ってほしいです。関心のある方はぜひ一度見て下さい(稲田)。
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ル・モンドディプロマティック日本語電子版は,http://www.netlaputa.ne.jp/~kagumi/9805-2.html
●1999/2/25神戸新聞「遺伝子組み換え作物取引,国際規制見送り,生物多様性会議閉幕」
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遺伝子組に改変を加えたなど,遺伝子組み換え生物の国際取引規制を導入するためカルタヘナで開かれていた生物多様性条約特別締結国際会議は24日早朝,規制協定となる「バイオ安全議定書」を採択できないまま閉幕した。
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遺伝子組み換え作物の輸出国である米国やカナダが,組み換え食品などを規制対象とすることに最後まで抵抗。妥協が成立しなかった。議定書は実態がつかめないまま輸出入が増え続ける遺伝子組み換え生物が,輸入国の環境や人間の健康に悪影響を及ぼすのを防止する狙いがあった。19975年から政府間の作業部会などで交渉を積み上げてきたが,規制導入はいったん見送られることになった。来年中ごろまでに,再び締結国会議を開き、あらためて議定書作成を目指す。
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事前通告や同意手続きの対象をめぐって議論は紛糾。発展途上国や欧州,日本は,栽培用の種子や微生物農薬など環境中に放出する組み換え生物に加え、食品,飼料,加工用の組み換え生物も対象に加えるよう主張した。これに対し,輸出国に栽培している作物の多くが既に遺伝子組み換え品種になっている米国、カナダ、アルゼンチンなど六カ国は,規制は新たな貿易障壁になるなどとして強く反対した。
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締結国会議議長を務めるコロンビアのファン・マイエル環境相は、少人数の非公式協議を設置。予定の日程を過ぎた24日未明まで意見調整の努力を続けたが,六カ国の強硬な反対姿勢を変えることはできなかった。
●1999/2/20神戸新聞「バイオ食品で国際取引規制、遺伝子操作の明示義務」
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遺伝子組み換え作物など遺伝子を操作した動植物や食品の国際取引を規制する「バイオ安全議定書」案が19日,コロンビア開かれた政府間作業部会で固まった。既に市場に出回っているトウモロコシなどの組み換え作物を含めて,輸出入の際に遺伝子組み換え品であることを明示し,人体や輸入国の環境に与える影響を事前に評価することを義務付ける内容。国際規制ルールができることで,組み換え食品の表示など日本国内でのバイオ技術規制も強化が迫られそうだ。
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議定書は知らないうちに遺伝子組み換え生物が輸入されたり,健康や生態系に被害が出るのを防止するのが目的。22日から始まる生物多様性条約特別締約国会議で採択を目指す。作業部会で固まった議定書案は,規制対象を「バイオ技術で改造した生物」と規定。主に,近年相次いで開発されている殺虫剤成分を作る遺伝子や除草剤耐性遺伝子を組み込んだトウモロコシやジャガイモといった生物を想定している。小麦粉や植物油など遺伝子組み換え生物から作った産物については合意手続きの対象としないが、安全性などの情報提供は必要との項目を盛り込んだ。
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世界最大の組み換え作物輸出国である米国が,議定書の母体である生物多様性条約に加盟していないため、議定書は特に「非締約国との取引」を想定。取引は議定書の原則と目的に従って行われなくてはならないと定め,実質的に規制の網をかぶせた。
●1999/2/16毎日新聞「豪・NZ,遺伝子組み換え作物使用,食品に表示義務づけ」
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州政府などで組織した「豪州・ニュージーランド食品基準会議」(ANZFSC)は,遺伝子組み換え農産物を原材料にした食品に,その表示を義務づけることをこのほど決めた。同情報を関連産業界にトピック速報で伝えた「農畜産産業振興事業団」(東京)の海外駐在員情報によると,今回の決定は,例えば害虫や雑草に強い遺伝子組み換え大豆を精製した油や大豆食品に対し、「遺伝子組み換え」との表示を義務付ける。さらに原材料に遺伝子組み換え作物が使われているかどうか不明な場合には、製造業者に対し,何らかの形で「含む可能性がある」と表示するよう求めている。これま米国,カナダ,日本では「従来の食品とたんぱく質の組成が異なったり,人体に悪影響がある場合には,表示が必要」としていたが,今回の決定は、食品の組成が従来と変わらなくても,表示を義務付けた点が注目される。
●1999/2/14毎日新聞「遺伝子組み換え作物は有害,英国の研究者グループ5年間の開発凍結をアピール」
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ロンドンで12日,英リバプール大学のビビアン・ハワード氏ら13カ国20人の科学者グループが記者会見し、害虫を寄せつけないように遺伝子を組み替えたジャガイモなどは人体に有害だとして,こうした作物の開発を5年間凍結するよう求めた。これを受けて各種の環境団体や野党の保守党が遺伝子組み換え作物の開発凍結を主張。ブレア英首相は開発凍結を拒否する一方で,英国では安全性が確認された豆など一部の遺伝子組み換え作物しか市販されていないと強調,事態の沈静化に追われた。
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英国では昨年,ロウェット研究所にいたアーーバド・バズタイ教授が、開発段階にある遺伝子組み換えジャガイモをラットに食べさせたところ、免疫力の低下が見られたとの研究結果を公表して大問題になった,
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20人の専門家は、遺伝子組み換え作物の危険性について,発がんの発生率を高める可能性があるなどと指摘した。遺伝子組み換えによるジャガイモはまだ市販を許可されていないが,英国内通信PAが同日伝えた世論調査では,市民の62%が遺伝子組み換え作物の安全性に疑問を抱いている。
●1999/3「世界」(岩波書店)「遺伝子産業の脅威」(ル・モンド・ディプロマチック)誌より翻訳紹介記事
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著者:ジャン−ピエール・ベルラン(フランス国立農業研究所研究指教授),リチャード・C・ルウオンティン(ハーバード大学集団遺伝学教授)
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小見出し:品種改良から不毛作へ/自然に盾つく「生命科学」/投資家のカモ,生態学者
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<要約>1998年3月,そんな農業遺伝学は新局面を迎えた,米国の農務省と民間企業デルタ・アンドパインラインド社に,ターミネーター[とどめをさすもの]の特許が与えられたのである。ターミネーター技術とは,収穫した穀粒の胚の発育を阻止する殺し屋転入遺伝子の導入であるこれを入れられた植物は通常の条件下で発育して正常な収穫をもたらすが,とれた穀粒に生物としての繁殖力はない。1998年5月,多国籍企業モンサントは,デルタ・アンドパイント社ならびに87カ国で出願済みまたは出願中のターミネータ特許を買収した。
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交雑技術津は世界の農業研究の範例(パラダイム)となった。現在食用品種20種ほどがハイブリッド(雑種)であり,10品種ほどがこれに続くはずだ。全ての家禽と豚の大部分もハイブリッドである。
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だが実際には,この変種タイプが(ハイブリッド)それ以外のすべてと違うのは,次世代で収穫が減るということだ,はっきりいえば不毛[生物学的用語では不稔]だということだ,そこで農業者は毎年種子を買わなくてはならななくなる。
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この学会(農業遺伝学)は近親交配による減退を利用して植物を不毛にしているのだ。ヘテロシスという生物現象によって収穫をふやしていると信じ、肯定しているのである。しかし、トウモロコシの不毛化を政治的に実現するには,選択作業の生む幻想<品種改良>に人々の注意を引きつけておいて,追求目標の実現である<不毛>は覆いかくさねばならなかった。
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このほど2500人を解雇したモンサント社は,同社の種子を「無断で使う」農業者をあぶり出すために,近所・除草剤処理会社・種子商といった従来からの情報提供者のほか,ピンカートン興信所の探偵の力を借りるという古めかしい象徴的な行動に出た。
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バイオ公害の危険性についての,そして,遺伝子組み換え変種が公衆の健康と環境に及ぼす今日全く未知数の影響についての遺伝子産業の哲学は,モンサント社広報部長フィル・アンジェリ氏の稀にみる率直なことばによく要約されている。「我々が遺伝子組み換え食品の安全性を保証する必要はない,我々の関心はそれをできるだけ沢山売ることだ。安全性に留意するのはフード・アンド・ドラッグ・アドミニストレーション(公的監察機構)だ」。
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一,今変種が豊富にあるのは,第三世界を始めとする地球全体のお百姓さんが作ったからだ。この点を常にNGOと国連食糧農業機関(FAO)等の政府間組織は喚起している。米国の農業は世界中から自由に輸入した遺伝資源のおかげで築かれた。
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もう一つの道がある。アメリカ合衆国の卑屈な物まねをして生物特許権を認めるいまのEU政策に背を向け,生きものは「人類共通の財産」だと宣言することだ。
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そうして,環境に責任をもち長持ちする農業を可能にする科学的代案はすべて抹殺しようと狙う私企業の、すでに非常に進んだ支配を阻止するのだ。この60年の素晴らしい前進を可能にした知識と遺伝的情報を,自由に流通させ,行きものに対する権限を農業者,つまり我々各人に返す。経済戦争と遺伝資源の略奪を,国際協力と平和に換えることだ。
●1999/2/8毎日新聞「遺伝子組み換え生物の取引規制,国際協定になお難関」
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遺伝子組み換え技術で作られた作物の国際取引の規制について討議する生物多様性条約の臨時締結国際会議が22日から2日間,コロンビアで開かれる。組み換え生物が地域固有の生態系に悪影響を及ぼすのを防ぐためで,ここすで合意される議定書は組み換え生物の貿易を規制する初の法的拘束力を持った国際協定になる。しかし,対象の範囲や生態系に悪影響が出た場合の責任はだれがとるのかなどをめぐり各国の姿勢は大きく異なっており、交渉は難航しそうだ。
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デンマークの国立リソ研究所が96年に英科学誌ネイチャーに発表した論文によると,遺伝子組み換えでつくった除草剤耐性ナタネと近縁の雑草を一緒に育てたところ、除草剤に耐性をもつ雑種植物ができた。組み換えで導入した遺伝子が自然界に広がって定着する可能性を示すデータだ。逆に米アリゾナ大などは、害虫を殺す毒素をつくる遺伝子を組み込んだ作物を食べても死なない害虫が出現したことを報告している。
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遺伝に組み替え生物で環境への被害が生じた場合,その損失は莫大になると予想される。ところが,これまでは遺伝子組み換え生物の輸出入を規制する有効な国際制度はなかった。このため,遺伝子組み換え実験や遺伝子組み換え作物の安全性を国内でチェックする体制のない途上国を中心に国際的な規制を求める声が上がり,95年の生物多様性条約締結国際会議で98年までに議定書を作成することが決まった。
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途上国は遺伝子組み換え生物だけでなく,ナタネ油など組み換え生物からつくられた製品も対象にするよう主張している。これに対し,農作物輸出国の米国やカナダ,アルゼンチンなどは「国内で安全を確認している」と農作物を除外するよう求めている。一方日本や欧州連合(EU)は製品を規制することには反対だが、大豆やトウモロコシなど発芽能力を持った作物は規制すべきだとしている。
●1999/2/5神戸新聞「どうなる遺伝子組み換え食品表示,消費者側対食品業界」
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遺伝子組み換え食品の表示の在り方を議論してきた農水省の食品部会が一時中断に追い込まれた。「表示義務付け」を迫る消費者側と,避けたい食品業界。安全性という議論の根っ子の部分で,双方の主張は堂々巡りを続け、折り合える余地は全く見えなくなった。「(義務表示は)貿易障壁」とにらみを利かす米国に配慮して、農水省も腰が引けている。
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「安全性に問題ないと国が認めているのに,同じ国が強制的に表示させるとどういうことになるか。表示は義務ではなく任意でいい。遺伝子組み換え技術を使っているかどうかは関係ない」。食用油団体、日本植物油協会の代表は,組み換え食品の安全性に対する国のお墨付きを盾に,あらゆる安全性を強調,表示義務付けに反対意見を述べた。
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これに対し,消費者団体代表も「すべてを表示するのが食品表示の目的だ。だから義務づけを求めている」(消費者科学連合会)。同じ主張を繰り返すしかなかった。食品業界にとっては売上げに直結する問題だけに表示を簡単に受け入れるわけにはいかない。消費者側も人体への長期的な影響が未解明で,安全性に関して、従来食品と「実質的に同等」という分かりにくい説明に納得せず,部会は「安全性」という入り口の部分で堂々めぐりが続いた。
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農水省側も手をこまねいていたわけではない。表示を義務付ける案などを「たたき台」として示し、議論の収束を図ったことがある。しかし、非遺伝子組み換え作物と混ざって輸入される組み換え作物を「分別していない」との表示にとどめるなど限定的な内容だったため、消費者団体が「不十分」と反対。食品業界も「義務づけ」に拒否反応を示し、議論を進めることにはつながらなかった。
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完全に表示を義務付けると,原料となる組み換え作物の生産、収穫、輸送の各段階で,非組み換え作物との分別が必要になり,生産国の米国などに新たな負担を強いることになる。このため米国は折りに触れて農水省に圧力をかけ,部会の議論を一層複雑にしている。
●1999/1/20毎日新聞「いのちを次世代に,昔ながらの野菜の種保存に取り組む市民ネットたねっと」
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「京都の塩見さんが提唱されている「たねっと」運動が毎日新聞に紹介されました。「たねっと」運動の詳細はこちら。現在,奈良県の本多ヒデ子さんが嫁入り時に持参して50年間育ててきた黄ゴマの後継者を増やしたいと、希望者にはひとつまみずつ分けているそうだ。申し込みは80円切手を張った返信用封筒を同封し下記まで。
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たねっと事務局(「いのちのたね」のネットワーク):
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塩見直紀
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〒606-8136京都市左京区一乗寺東浦町45-6/TEL&FAX:075-703-9934
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E-mail:inspire@ro.bekkoame.or.jp
●1999/1/14朝日新聞「遺伝子組み換え生物,国際取引,許可制に」
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遺伝子組み換え動植物や微生物などの国際的取引について、相手国の同意なしには他に持ち込めないとする事実上の許可制が導入されることが,日本など約170カ国が参加する生物多様性条約・締約国会議の非公式折衝で固まった。来月にはコロンビアで開かれる臨時締約国会議会議で,法的拘束力をもつ議定書として採択される見通しだ。これまで野放しだった取引に、生態系など環境への影響を防ぐため,初めて国際的な規制の網がかかることになる。現代,指針などで対応している日本でも法整備などの対応が必要になるとみられる。
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最終案などによると、遺伝子を改変された動植物を輸出する場合には,その種類,数量のほか,環境への安全性評価データを事前に相手国政府に通知する。輸入国がその内容を審査して、安全性に問題がないと判断し、同意を与えなければ,持ち込みができなくなる。
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規制の対象として,苗、種子を含む動植物のほか、大豆など増殖する可能性のある未加工の農産物も含まれる。また自然界など施設外で利用され、病害虫を殺すよう作られた遺伝子改変生物なども対象になる。
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ただ、植物油などの加工品を含めるか,相手国政府の同意を求める手続きを進める主体を輸出国の政府や業者,輸入業者のだれにするかについては,対立点として残っており,来月下旬の臨時締約国会議で詰める。また自然界への悪影響が出た場合、輸出国側の損害賠償、現状回復責任の制度を盛り込むかどうかについても今後,決める。
(inada-noboru@nifty.com)