日本は壮大な人体実験中!ゴミとダイオキシン(1999/5)
(ダイオキシン・環境ホルモンすくらっぷ)
神戸新聞「鶏卵,卵からダイオキシン,飼料に混入か,ベルギーで販売停止」(1999/5/29)
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ベルギー産の鶏肉と鶏卵から高濃度のダイオキシンが検出され、ベルギー保健省は28日,「予防的措置」として小売店に鶏肉、鶏卵の販売停止を要請する声明を発表した。汚染濃度などは来週、検査が分かり次第,発表することにしている。コラ保健相は国営テレビで「危険性は小さいが,危険がないとは言えない」と説明した。
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同日付けのリーブル・ベルジック紙は,農業省の検査で鶏肉の脂身1グラム当たり最大700pgのダイオキシンを検出。「単純比較はできないが,牛乳の場合で安全基準値は同5pgとされる」と報じて,危険性を指摘した。
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これまでの調査で,家畜飼料にダイオキシンを含む油が混入し,肉や卵を汚染した可能性が強いとしている。豚肉の検査も並行して行っているが,結果は分かっていない。ベルギー各地のスーパーなどでは28日朝,国産の鶏肉、鶏卵が売り場から一斉に撤去された。
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※鶏肉の1グラム当たり700pgというのは非常に高い数字です。「危険性は小さい」とは思えません。「ダイオキシンを含む油が混入した」ようですが,日本などでは飼料として使われる油は,冬場など飼料のカロリー分を上げるため、「タロー油」などです。最近では,「α−リノレン酸を豊富に含むアマニ油けん化物(アマニ油脂肪酸カルシウム塩)を成鶏用配合飼料に5%配合して、鶏卵卵黄中のα−リノレン酸とドコサヘキサエン酸含量を増加させる」という,いわゆる付加価値卵も国内にはあるようです(アマニ油けん化物が油として分類されるのかどうか不明ですが)。ベルギーでは,どのような油が使われているのだろうか(稲田)。
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※加筆 今回は鶏肉,鶏卵からダイオキシンが検出されたという記事でしたが、1993年頃ドイツで牛の飼料用に,乾燥オレンジがブラジルから輸入されていて、その飼料がダイオキシン汚染を引き起こした,という事件がありました。オレンジを乾燥する際,ススを出にくくするために添加された四塩化エチレンが原因と分かったそうです(稲田)。
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※再加筆(1999/6/10) その後の報道でも,「飼料中の油脂が汚染されていた」というだけで,具体的な原因がわかりませんね。別の未確認の情報では「モーターオイル」が使われていたという情報がありますが,石油製品のオイルを飼料に使っているのだろうか。それよりも、1957年に起きたアメリカの「鶏ヒナの大量死」事件、日本では1968年におきた「ダーク油事件」による鶏の大量死を思い出させる。アメリカの「鶏ヒナの大量死」事件では、数百万羽のブロイラーが死亡。原因が特定工場製の餌にあることが判明し、その中の脂肪成分だと分かった。獣脂から食用のオレイン酸やステアリン酸を精製する工程でできる副産物を飼料に使っていて、その獣脂の腐敗防止に使っていたPCP由来ではないか。食用製品の精製の際の高温のため,クロルフェノール類から生じた可能性もあるとのことです。PCPはの本では水田除草剤として,1970年頃まで大量に使われていたり、木材防腐剤ととしても使われてきた(現在は自主規制)。
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日本の「ダーク油事件」は、米ぬか油の製造の際に副生するダーク油を飼料に使っていて,原因も早くから分かっていた。しかしその後に起きたカネミ油症を未然に防げなかったし、その後台湾でも米ぬか油が売られカネミ油症事件を起こしている。鶏の飼料中には,3〜4%油脂が含まれているようなので、その油脂がどのように製造されているのか,原料や製造方法が疑わしいですね。多分素人には思いもよらない方法で、とんでもないものから、とんでもないやり方で製造しているんだろうなあ(参考:『ダイオキシン・ファミリー』中南元著・北斗出版)(稲田)。
毎日新聞「有毒のコプラナーPCB,公園などで異常値検出,大阪市」(1999/5/26)
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大阪市が実施した公園などの土壌調査から,ダイオキシンと似た毒性を持つコプラナーPCBの異常値件酢津されていたことが25日分かった。専門家は「検出値は国の基準値以下であるが,通常のごみ焼却などが原因とは考えにくい。コプラナーPCBを含むPCB(ポリ塩化ビフェニール)による汚染の可能性があり、調査が必要だ」と指摘。大阪市は過去に公園などでPCBの処理が行われたことがなかったか、調査に乗り出した。
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土壌調査は,大阪市内8カ所の直営ごみ焼却施設周辺56地点で昨年11月から今年3月まで実施。ダイオキシンではないとして調査対象から外していたコプラナーPCBも、ごみ焼却などで発生する可能性が高く、ダイオキシンに似た毒性があるとして始めて調べた。
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コプラナーPCBは,もともとPCBに微量含まれている物質。ごみの焼却などによっても発生することがあり,通常はダイオキシン濃度の5%程度が検出される。しかし,調査結果によると,東淀川区の空き地でダイオキシンが土壌1グラム当たり44pg(1兆分の1)検出されたのに対し。コプラナーPCB72pg検出。また大正区の児童公園でもダイオキシン29pgに対し,コプラナーPCB24pgを検出し、通常のごみ焼却による発生量とはけた違いの数字を示した。それ以外でも10地点程度で、ダイオキシン濃度の5%以上の数値を検出している。
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大阪市環境保健局は「コプラナーPCBの値は人体に影響を与える濃度ではないが,数値の出方がおかしいのは確か。過去の土地の利用状況などをきっちりと調べたい」としている。
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※大阪市はオリンピック誘致や「ユニバーサル・スタジオ」の建設にやっきですが、この候補地がいずれも埋立地や工場の跡地で、ダイオキシンだけでなく,多くの有害物質が検出されるという代物。大阪市は莫大なお金を投じて、ダイオキシンの除去や,安全宣言を出しているが,環境五輪の流れが強くなってきているおり、こんな公害五輪は自ら辞退すべきでないのか。赤字財政の問題も大きく、大きなツケを後代に残してくれるな。そんな自治体の姿勢だから、工場跡地で廃棄物の山の上に公園を作ったことは知っているはずなのに、いまさら「調査に乗り出す」という猿芝居は,おかしい。(稲田)
毎日新聞「神奈川県,環境ホルモン情報集,国よりデータ詳しく」(1999/5/24)
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環境ホルモンの毒性,汚染の解明はどこまで進んでいるのか,環境庁がリストアップした約70種類の化学物質の用途、法的な規制などはどうなっているのか−など環境ホルモンの最新情報をまとめた「環境ホルモン情報集」(334ページ)が神奈川県によって作製された。内容的には環境庁が発行した資料集「環境ホルモン戦略計画」より詳しく,関係者から注目を浴びている。
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同県は昨年12月から,環境ホルモンに関する市民などから相談を受けているが、不安感を抱く人が多い理由のひとつに,適切な情報が伝わっていないことを実感したという。そこで、専門家,市民団体,産業界などさまざまな立場から詳しい情報をまとめ、市民に提供することとなった。作製は専門家で組織した神奈川県化学物質等環境保全対策委員会・環境ホルモン部会に依頼した。
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同情報集は,環境ホルモンについて詳しく解説した5章と,環境庁が挙げた個別物質に関する情報の二部構成となっている。環境ホルモンの根本的な知識,毒性作用、体内ホルモンとの関係などについて、各分野の専門家が解説。個別物質については,性質と用途、毒性、生産量、法的な規制,動物実験の結果などの情報を載せている。
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具体的な項目では横浜市立大学教授の浦野絋平さん「化学物質の有害性について」,横浜市立大学の井口泰泉さん「野生動物への影響」,東邦大学教授の多田裕さん「母乳の安全性」,国立医薬品食品衛生研究所の三森国敏さん「農薬の安全性」,横浜市愛児センター所長の住吉好雄さん「先天奇形に関する調査から」,尚絅女学院短期大学教授の北條祥子さん「女性と環境ホルモン問題」などのレポートを収録している。
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問い合わせは同県環境政策課TEL045-201-1111内線3735,URLはhttp://www.fsinet.or.jp/~k-center
神戸新聞「大丈夫?兵庫県ごみ処理広域化計画、RDF導入に残るハードル」(1999/5/23)
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ダイオキシンの排出抑制を狙い、兵庫県が「ごみ処理の広域化計画」をまとめたが、一つの柱となっている固形燃料「RDF」への加工方式をめぐり,賛否の反応が出ている。焼却施設が認められていない小規模なブロックを中心に,ごみを燃やさず,RDF加工へ転換する包囲sんが打ち出されたが,この手法は「本来のごみ処理技術」といわれる半面、「中間処理に過ぎない」などの批判も多い。RDFの受け入れ先が見つからず、運転年数の短縮を強いられた施設もある。
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RDFの製造は、ごみを高温で乾燥させ、クレヨン状に固める仕組み。環境対策の整った施設で燃やし、熱を発電などに利用する。製造段階で,有害な物質が出にくい、とされる。環境対策として厚生省が一日の処理量百トン以上の焼却炉のみしか新設を認めなくなったため,自治体の注目度は高い。
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厚生省によると,全国で昨年三月までに約20施設が稼働もしくは建設中。県内では宍粟郡で今年二月,第一号が稼働した。21日まとまった兵庫県「ごみ処理広域化計画」は,広域処理の導入で焼却施設を減らし、ダイオキシン排出を96%削減するのが狙い。対策の一環としてRDF化の五施設の建設が予定されている。
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しかし、実際には課題も少なくない。RDFの製造施設を備えた三重県の朝日町・川越町組合立環境クリーンセンターは今年三月,正式に廃止が決まった。1988年の開設直後こそ,施設の建設メーカーがRDFの受け入れ先を見つけてくれたが、その後は安定した取引先が見つからず,綱渡り状態。今は緊急避難として民間の業者に処理委託している。
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引き取り手がない最大の原因は,燃やした際に出るエネルギーの少なさといわれる。ごみに含まれる塩分も問題となる。兵庫県では受け入れ先確保のため,専門家らによる委員会で検討を続ける。厚生省は,都道府県を対象にごみによる発電施設建設を補助する制度を設立。しかし、宇都宮市に建設を計画する栃木県などでは,環境問題などからその発電所建設にも反対運動が起こった。
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大阪大学基礎工学部研究科の森住明弘助手は「燃料としての利用を目的とするため,熱量の多いプラスチックを混ぜるなど,リサイクル社会に逆行する動きもある。根本的な矛盾をはらんでいる」と批判する。
毎日新聞「ベオグラード空爆跡ルポ,ドナウ川に有害物質流出」(1999/5/22)
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北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆で化学物質が流出し,環境汚染が懸念されるベオグラード市郊外の化学プラントに21日、入った攻撃でタンク内の有害物質がドナウ川に流れ出し,当局は現在、魚の捕獲を禁止している。また爆撃直後の炎上によって許容値を超える有害ガス,ホスゲンやダイオキシンがプラント上空で検出されたという。
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プラントはペオグラード市北西約20キロのパンチャボ地区にあり,肥料やプラスチック製造用の原料タンクが数百あるほか,石油精製タンクが隣接。タンクの大部分は4月14日〜15日の空爆で爆発,炎上した。
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同市公衆衛生局のドショビッチ博士によると,空爆後,プラスチック溶剤に使われるエチレン化合物約1000トンが近くの運河に流れ、河床に沈殿した。エチレン化合物は人体に有害で発がん性も報告されており市当局は運河に続くドナウ川の一部で漁業を禁止したが,抜本的な浄化策がないという。有害なアンモニアも大量に運河に流れ出たという。
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さらに,プラスチックの原料、ポリ塩化ビニールのタンクなども爆発し、ホスゲンが発生、上空で人体への許容値(2ppm)を越える3〜4ppmが検出されたほか,ダイオキシンも検出された。しかし、ベオグラード方向への南西風が吹いたため、1〜2日で平常値に戻った。
神戸新聞「コンビニ弁当レンジ加熱,環境ホルモンが溶出,神奈川県が実験結果発表」(1999/5/20)
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コンビニエンスストアなどで販売されている弁当を電子レンジなどで加熱した場合、ふたなどに使われているポリスチレン製の容器から,環境ホルモンの可能性を指摘されているスチレンダイマーなど二種類の物質がわずかながら植物油に溶け出すことが,神奈川県が19日に発表した事件結果で分かった
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厚生省は二種類の物質について「現時点ではただちに使用を禁止しなければならないほどの危険性は認められない」としているが,同県消費生活課は、取扱い上の注意を容器に表示することを義務化するよう、国に働きかけていく方針。
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同課によると、実験は市販の弁当などに使われている十一種類の容器を対象に実施。いずれもふたは合成樹脂のポリスチレン製だった。ふたを裁断しや破片と植物油を入れて電子レンジで三分間加熱したところ、うち四種類から最高で1ミリグラム中に5.2μg(100万分の1)のスチレンダイマーが溶けだしており、スチレントリマーも六種類の容器で確認された。また加熱せずに放置した場合でも,スチレンダイマーが七種類の容器で、スチレントリマーは十一種類すべての容器で確認されたという。
神戸新聞「宝塚市ごみ施設訴訟和解へ,新設炉並に改良,ダイオキシン濃度基準の1/10に」(1999/5/20)
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宝塚市のごみ清掃工場でプラスチックなどを混合焼却することによってダイオキシンが発生するとして,住民らが同市に運転差し止めを求めた住民訴訟の和解協議が19日,神戸地裁で開かれ、市側が「二つの炉を改良し,排出ダイオキシン濃度を既設炉の国の基準値の十分の一にする」との和解案を示した。原告側は「基本的に受け入れる方向で検討する」としており,提訴以来約11年ぶりに次回協議で和解が成立する見通し。
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ダイオキシンをめぐる訴訟は各地で起こされているが,国の基準値より厳しい条件で和解が成立するのは異例で、他の既設炉の排出規制にも影響を与えそうだ。
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訴状などによると,同市は1988年7月から,同市小浜に新設された清掃工場で,ビニールやプラスチック系ごみの焼却を開始。住民ら18人は「人体に有害なダイオキシン類が発生する」として,同月6日に提訴した。
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師が提示した和解案は「焼却炉二基を来年度中に改良し,ダイオキシン濃度の排出基準値を1立方メートル当たり0.1ng(10億分の1)に抑える」「ごみ減量化やリサイクルなど幅広い環境対策に取り組んでいく」の二点。0.1ngは国が1997年1月に決めた新設炉の基準で,既設炉の十分の一という厳しい基準。原告側は「」こちらが当初から求めていた数値で,ヨーロッパなどの国際基準にも匹敵する」と評価している。
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※宝塚のごみ裁判についての経過はこちらを。今でこそ能勢や所沢、新利根町など各地でダイオキシンをめぐる市民運動,裁判が展開されていますが、11年前に混合焼却反対,新設炉の操業差し止めを求めて提訴したときは、一体どうなることやらと、心配しながら見守ってきたものです。中心的に関わって来られた方々,また市労働組合の方々、裁判の証人として何度も法廷に立って下さったN先生には本当に頭の下がる思いです。この和解が他の既設炉の規制にもいい影響を与えることを願っています(稲田)。
毎日新聞「多摩川のコイの生殖障害,原因は尿中の女性ホルモンか」(1999/5/10)
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東京,神奈川を流れる多摩川のコイで報告された生殖障害の原因をめぐって,環境ホルモン問題に詳しい「三菱化学・環境安全部」(東京)の西川洋三さんは「人や家畜の尿に含まれる天然女性ホルモンが原因ではないか」との論文を社団法人「日本芳香族工業会」(東京TEL03-3666-5341)の機関誌「アロマティックス」1999年1・2月号に掲載している,環境ホルモン論争に一石を投じそうだ。
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多摩川にいる雄のコイが卵細胞を持つなどの生殖障害が横浜市立大学や帝京大学の研究グループによって報告されているが,これまでは原因として,合成洗剤の原料などに使用される環境ホルモンの一つ、ノニルフェノールに疑いが向けられたきた。女性ホルモン作用に「似た作用を持つノニルフェノールを水槽に混ぜてニジマスなどを飼うと、ノニルフェノールの濃度がわずか10ppb(10億分の1)で,雄が雌特有のたんぱく質(ビデロジェニン)を作り出すことが分かっている。
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これに対し、西川さんは「ビデロジェニン」を作る作用では,人や家畜の尿に含まれる女性ホルモンの17β−エストラジールの方が強い」と女性ホルモンに疑いを向ける。17β−エストラジールは、ノニルフェノールでビデロジェニンがつくられた1000分の1の0.01ppb以上でビデロジェニンをつくり出し,下水処理場から川へ排出されているからだ。
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建設省が昨年、全国の河川で行った「水環境中の内分泌攪乱物質の実態調査」によると,17β−エストラジオールは256地点のうち12カ所で0.01ppbを越えていた。環境庁の調査でも,105地点のうち11カ所で0.01ppbを上回った。一方、ノニルフェノールが10ppbを越える地点はどちらの調査でもなかった。
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西川さんは「女性ホルモン様ホルモンに関していえば,尿中の女性ホルモンの「影響が合成化学合成物質に比べ圧倒的に大きい」と主張,女性ホルモン研究の必要性を指摘している。
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※多摩川のコイのメス化については、横浜市立大学の井口泰泉さんが国内での事例として,ノニルフェノールが原因ではないかと発表しています。一方、中西さんは,多摩川のコイは元々霞ヶ浦で養殖されたもので,その段階でホルモンが使用されており、そのホルモン剤がメス化の原因だという情報を紹介しています。あと、女性ホルモンで思い出すのは,今年の春わが国でも許可された「ピル」。先進国で許可されていないのは日本だけだと言われると、やっぱり時代の流れで許可は仕方ないのかとも思いますが、環境ホルモンとしての「リスク評価」が日本ではほとんど論じられていないようにも思います。ピルや治療用としての女性ホルモン,それから下記の記事にあるような牛肉の肥育用ホルモンなど、これ以上女性ホルモンを体内に取り入れるのは、人間への影響だけでなく、排泄した尿までも環境へ影響を及ぼしかねない(稲田)。
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中西さんのサイトはこのあたり。
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加筆 別処珠樹さんのサイトにある「英国環境庁の内分泌攪乱物質」に関連記事。
神戸新聞「米国産牛肉に発がん物質,EU,来月から輸入停止」(1999/5/8)
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欧州連合(EU)欧州委員会は3日,米国産牛肉の肥育に使用されている6種類の成長促進剤の一つで天然ホルモンの「エストラジオール17ベータ」は発がん物質であるとする専門委員会の報告書を公表した。
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欧州委員会は促進剤を使った米国産牛肉(ホルモン牛肉)の輸入を禁止。さらに最新の調査で,促進剤を使っていないはずの米国産牛肉にも促進剤の残留物が含まれていることが分かり,6月15日から米国産牛肉の輸入を停止することになっている。
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報告書は、米国の牛肉業界が使用している成長促進剤の中のエストラジオール17ベータは「完全な発がん物質とみなすべき証拠がある」と指摘し「発がん,がん促進の効果がある」としている。
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他の5種類の成長促進剤については、発がん性効果が予見されているとしながらも「現時点では入手可能な情報では,質的な評価をするのは不適切だ」としている。
国内未承認の促進剤を使用,厚生省
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農水省は3日,欧州連合(EU)が米国産牛肉で発がん物質と指摘した成長促進剤「エストラジオール17ベータ」は,日本の薬事法では「承認されていない」(畜産局)と説明。今後EUが出した報告書を詳細に評価したい」(同)としている。同省によると,同促進剤はEUでは使用されていないが、米国以外の国でも使用されている。日本向けの輸入牛肉の中には,こうした促進剤を使ったものが含まれている可能性があるという。しかし、同省は促進剤と発がん物質の関連は「今のところ,聞いたことはない」(畜産局)としている。
神戸新聞「老朽船輸出,実は解体目的、アジアで環境汚染深刻」(1999/5/1)
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アスベストやポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害物質を含む老朽船がインドや中国などで解体され,環境汚染を引き起こす例があることが,30日までに環境保護団体グリーンピースなどの調査で分かった。
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解体の目的を隠して船籍がこれらの国に移されるケースもあり,保護団体は「発展途上国への公害輸出であり、有害な廃棄物の輸出を禁じたバーゼル条約の抜け穴になっている」と指摘している。このため、どう条約の締結国会議や,国際海事機関(IMO)などが、国際的な対策を検討することになった。日本の企業がアジア地域で船舶の解体を行っているケースもあり,今後,実態調査などの国内対策が必要になりそうだ。
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グリーンピースによるインドのムンバイ(ボンベイ)近郊とグジャラート洲の2カ所の船舶解体工場の調査では,十分な環境保全対策が取られないまま,海岸に乗り上げた巨大な老朽船を解体し,金属を回収。周辺の土壌から有害物質の有機スズ化合物が検出された。最も濃度の高かったボンベイ近辺の作業上の土壌中には1090μg(100万分の1)という高濃度のトリブチルスズ化合物が含まれるなど、環境汚染の原因をなっている。
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※上の記事の補足。「常石セブ造船」問題に取り組んでいる弁護士の方のサイトがあります。造船大国である日本や韓国などでは、人件費やコストの問題で、廃船処理が全くといっていいほどなされていないようです。で,結局はセブのような開発途上国に廃船処理を押しつけていて、有害廃棄物の外国への輸出と同じような構造を造船業界もかかえているようです。廃船・投棄になれば、有機スズ塗料の海洋汚染という問題も当然出てくるでしょうね。有機スズは環境ホルモン物質の疑いがあるとされている物質で、国内ルール的には規制されるようになってきていますが、いろいろ抜け道はあるものです。詳しくは下記のサイトを,「環境問題を考える法律家のページ」(弁護士小島延夫さんのサイト)
http://www.asahi-net.or.jp/~km7n-kjm/
(稲田)
神戸新聞「ダイオキシン,周辺地域,指針値超えれば,焼却場新設認めず」(1999/5/1)
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厚生省は産業廃棄物や家庭からのごみを焼却する施設の新設について,周辺地域が大気中のダイオキシン濃度の指針値を超えている場合には、認めないことを決め、30日に各都道府県に通知した。焼却施設が集中している地域でこれ以上,施設が増えるのを防ぐのが狙いだ。
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焼却施設のダイオキシン排出では,これまで施設ごとの排ガス濃度の規制で対応してきたが,個別には規制値をクリアしても地域全体で集積することで環境が悪化することから,二重に規制をかけダイオキシン対策を強化した。今回の規制で処理施設の許可権限などを持つ都道府県も、大気中のダイオキシン濃度データで一掃の把握が迫られそうだ,
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通知は環境庁が住居地域なお一般環境中のダイオキシン濃度の大気環境指針として定めている「い立方メートルね平均0.8pg(1兆分の1)以下」という数値を基準に,焼却施設の新設計画地域で既に指針値を上回っている場合は,都道府県は建設を認めないよう求めている。
(inada-noboru@nifty.com)