<<目次へ <戻る 初めての優先搭乗 次へ>

国内出張の多い私はおそらく年に20往復くらいは飛行機に乗っていると思う。荷物の多い時などできるだけ早く乗り込んでバゲージルームを確保したいところなのだが、同じような考えを持つ人は多いらしく搭乗開始前からゲートには長蛇の列ができてしまう。そんな時に流れる「最初に3歳未満のお子様連れの方をご案内いたします」というアナウンスほどむかつくものはない。いつからこのような扱いになったのかは定かではないが、少なくとも5年ほど前はスーパーシート客が優先搭乗権を持っていたはずだ。高い運賃を払っているのだからこれなら納得がいく。

しかし、タダで乗っているくせにギャースカ泣きわめくがきんちょ連れの非常識な連中になんで優先搭乗させなければならないのだ! こっちは仕事帰りで疲れているのだ! と心で何度となく叫んできた私であったが、ついにその鬱憤を晴らす時が来た。そう、年越しを私の実家がある大阪で迎えるべく今日はゼロ歳児を連れての搭乗なのである。搭乗開始時刻の10分以上前からゲートに並んでいる連中に一瞥をくれ、私はソファに陣取って余裕をかました。そして例のアナウンスが流れると、待ってましたとばかり娘を抱いておもむろに立ち上がった。並んでいた連中の羨望の眼差しが私に注がれた(ような気がした)。

が・・・。なんと私としたことがここはボーディングブリッジ使用ではなくバスでの輸送だったのだ。優先搭乗とは名ばかりで、これでは輸送用のリムジンバスに真っ先に乗り込めるというだけだ。がっかりしたものの、飛行機までの乗車時間は思いのほか長く、座れたというだけでも満足すべきなのだと自分に言い聞かせた。澄夏は離陸前と着陸後に少しだけ泣いたが、まあまあ合格点をあげられるくらいお利巧さんにしていてくれた。ただ、狭いMD90の中での横抱きは辛い。妻と交代で抱いていたが30分で腱鞘炎になるかと思った。

今回は行きはJAS帰りはANAを利用したが、軍配はANAに上がる。JASが気に入らない点の第1はチェックイン時である。せっかく年末の混雑を避けてチケットレスサービスを使ったのに、自動チェックイン機が子供の分のチケットの発券には対応していないらしく、結局列のできている有人チェックインカウンターに並ばされた。非合理的な二度手間である。しかしそんなことよりも、ANAが明らかに優れている点が別にある。なんとANAには機内に据え付けるベビーベッドがある。予約時に子連れであることを申し出れば取り付け可能な席をリザーブしてくれ、当日は離陸後水平飛行に移ったら、キャビンアテンダントが目の前の壁にハンモック状の簡易ベッドを装着してくれる。帰りの澄夏は少しぐずったけれど、航行中は概ねベッドの中で大人しくしていてくれたので効果はあった。「ひよこクラブ」の付録によるとJALにもこういうサービスはないらしいので、乳幼児を持つ皆さんが飛行機に乗るときは是非ANAを選んでみて下さい。

搭乗券は名前が印字される分JASが偉い