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妻の友人の妹さんが使っていたベビービョルン(注)のベビーキャリア(要するに抱っこ紐)を貸してもらった。これは育児先進国スウェーデン生まれのベストセラー商品で、カタログによると世界のスーパー・ママ・スター(なんじゃそりゃ?)たちがこぞって利用しているらしい。私が子供の頃はたぶんおんぶするのが一般的だったと思うのだが、今は駅弁スタイル(変な想像をしないように)が主流のようである。ちょうど一ヶ月検診の前日だったので早速練習してみた。新生児は首がすわっていないので装着したベビービョルンの中に対面式に包み込むのだが、慣れてないせいもあって子供は大泣き。お風呂に入れてご機嫌とった後にリトライしたらまあまあうまくいったが、慣れないものを明日いきなり使うのも大変だからということで、今回はおくるみ(赤ちゃんを包む正方形の布)に包んで連れて行くことにした。ところで、なんでおくるみのことをアフガンと呼ぶのだろう? 「ランボー怒りのアフガン」のアフガン、つまりはアフガニスタンと関係があるのだろうか? ランボーとおくるみというのはイメージのギャップが激しすぎて可笑しかった。

さて、母乳を飲ませてげっぷさせてオムツを替えてタクシーでいよいよ病院へ出発だ。運ちゃんは女性で二児の母らしく「私の子は4月1日生まれで低学年のうちは何かにつけて同級生に差をつけられたけど、8月生まれなら問題ないわね」「でも夏休みだからお誕生日会は開けないかもしれないですね」などとたあいのない話をしていたら、「夜泣きされて首を絞めようかと思ったこともある」などと物騒なことを言い出したのには参った。そうこうしているうちに病院に到着。産婦人科での妻の検診中、私が待合室で子供を抱いていたのだが、途中でぐずりはじめ色々手を尽くしてもなかなか泣き止んでくれない。妊婦さんたちの羨望と憎しみと蔑みの入り混じった視線を浴び(たような気がした)、恥ずかしいようなわくわくするような妙に高揚した気分を味わった。

さて、いよいよ子供の検診だ。小児科にはママと赤ちゃんが勢揃い。パパやおばあちゃんが同行している組もいくつかあるが、母子だけで来ている人もいる。見るからに大変そうで「こんな時ぐらい旦那も会社休めよな〜」と思ったが、まあ人それぞれ事情もあるのだろう。待合室はそれこそ上を下への大騒ぎで、赤ちゃんの泣き声が充満している。こういう場所なら澄夏も遠慮なく泣いてくれて構わないのだが、他の子の阿鼻叫喚の中で平然とすやすや眠っているあたりは大物なのかもしれない。退屈だったので他の親がするように私も当然のごとく我が子と他の子を比べてみた。パンクロッカーのようなつんつん髪の子や妙に大人びているけど顔が青白い子がいた。我が子は髪の生育ではまだまだかなわないが、顔はでっぷりしていてあごが二重で血色もよい。女の子なのにこのまま育てばフィル・コリンズだ。我が子はアカチャンホンポで1,000円くらいで買った(1,000円は余計だと横で妻が文句を言っている)黄色い服を着ているので女の子とわかるが、まあ普通に見たら性別ですらまだこの時期には言い当てられない。まだ人生のスタートラインに立ったばかりなのだから、この段階で他人と比較するのはやめようと思った。体重を測ると予想どおり1s以上増えており、まずは順調に生育しているようで一安心。

会計を済ませて帰りに妻が生命保険会社に提出するための入院の証明書を申請したところ、文書代が5,000円! 妻は帝王切開だったので病気扱いで一日5,000円の保険金がおりるのだが、これでは1日分損したようなもんだ。医者はこういうところで儲けているんだなあ。ちくしょう。

(注)1961年創業のベビービョルン社はストックホルムに本社がある社員30数名のファミリー企業。ロングセラー商品であるニューベビーシッター(動きに合わせてゆりかごのように揺れる赤ちゃんのリクライニングシート。4段階にリクライニングし、生後3週間から3歳まで使える)でも有名。

オムツを替えていざ出陣