|
|
|
商標「秘書士」拒絶審決取消請求事件を振り返って・・・・この事件は、特許庁で登録を拒絶した民間資格名称である「秘書士」を、東京高等裁判所では逆転判決で登録を認めた事件
(平成16年行ケ第206号審決取消請求事件)
|
|
|
「○○シ」と称している資格は大別すると、@国家資格とA公的資格があります。そのほか民間会社や団体等が付与する民間資格というものがあります。
@国家資格は、「資格の名称」も含めてその資格の内容についてそれぞれの該当法で規定されています。各該当法の規定に従って資格登録等を受けた者がその業務について資格名称を使用することができるようになっています。「○○士」「○○師」とかが一般的です。
A公的資格は、公益法人などが制定するもので、各団体が実施する試験の合格をもって、その資格の名称を名乗れるという仕組みになっています。やはり「○○士」と称するのが一般的です。
公的資格や民間資格もその履修実績を証してはいますが、直接的な監督官庁がないものも多く研修他の自立性で基盤軟弱であり、「士業」としての通用力は不明なものがあります。
しかし何れの資格名称も「○○シ」の呼び方ですので、資格間において「国家資格であるか、公的資格であるか、民間資格であるか」をはっきりと即座に区別しにくいのが現状です。
ところが「○○士」という資格風名称を、役務の名称として法的な保護を求めて商標登録出願する例があります。
出願の意図は、商標法は資格を保護する法律ではないのですが、その名称の内容が不明でも、他の国家資格等と混同を生じないなどの登録要件を充足すれば、原則登録する建前ですので、この商標法の独占性を利用して資格名称の独占的使用権を確保しようとするものです。
現在のところ前記資格3者を区別するような仕組みや制度はありませんし、商標法には保護すべき義務と拒否できる限界とがあり、運用によっては広い意味での資格間誤認を招来する危惧もあります。
なんとか平穏に誤認を防止し区別する方策はないものでしょうか。例えば、・・・・
仮想方策1 一般的に区別表示を奨励する
資格名の後に、例えば 国家資格ならJ、公的資格ならK、民間資格ならM、を付す。
仮想方策2 各該当法で類似となる名称の基準をあらかじめ定めておく
例…「「・・士」は用いることができない」「このような表現は誤解を生じやすいので使用を控える」など、各該当法で具体的基準を定めておくと、公序の意味が明確化できる。
商標法に、資格風名称の、不登録基準を定めるか、一括的に拒絶する条項を設けておく。
仮想方策3 「資格基本法」を立法し、区別表示を義務化する
抜本的には資格全般に渡って受け皿となる基本法を制定する。区別表示を義務化する。
仮想方策4 商標法で登録をする場合には、商標登録後の適正使用義務や、不正使用の場合の取消条項を定める
これらの仮想方策は資格間の混同防止のための提案例示です。 |
|
|
商標「秘書士」の拒絶審決取消請求事件は、登録不許可か登録許可かの正当性の争点も大事とは思いますが、むしろ商標法で登録をした場合は、その後の適正使用を義務化して、安心・信頼できる公正公明な資格区別表示を奨励することのほうが急務かつ肝要であることを示唆してはいないでしょうか。 |
 |
|
|
|
|
|