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平成19年6月に知的財産高等裁判所より商号と不正競争防止法に関する判断が出されました。
事件の概要は、某企業が周知営業表示たる○○製薬株式会社の商号と類似する商号を使用し、営業の混同を生じさせ営業上の利益を侵害したとして不正競争防止法第3条に基づき商号の使用差止と商号の抹消登記手続を求められた事案です。裁判所は○○製薬株式会社の商号には周知性があることと、相手側企業の使用する商号はそれと類似することを認め、主張通り相手側企業に商号の使用差止と商号の抹消登記手続を命じました。
上記事件からも分かるとおり、大企業でさえその有名な商号の周知性を証明するには司法の判断を仰がなければなりません。また、有名な商号になればなるほど便乗して利益を狙う輩の標的になりやすいのもまた事実です。このような紛争に巻き込まれると費用と時間のロス、終にはその企業イメージを落とす結果にもつながってしまいます。では、紛争に巻き込まれないようにするにはどのような方策を採るべきなのでしょうか。
クライアント様が自社の商号を守るための対策としましては商号を商法(会社法)と商標法で保護するツーウェイ(2WAY)方式が考えられます。
商号には商号専用権があり自己の商号を他人が不正の目的で冒用する場合には,差止め請求ができます(会社法8条)。また不幸にも商号を真似された際には、登記をしてあれば訴訟では有利に立つことができます。商号を登記するのは当然の対策と考えます。
しかし、商号を登記するだけでは対策としては不十分です。なぜなら、商号登記をした会社名と同一または類似の商標が先に商標登録されていた場合は、会社名を商標として使用することができなくなるおそれがあるからです。
つまり商品・役務の名称《商標》として自社の商号を使用することができなくなり、別途ブランド名を考えなくてはならないという弊害が生じるのです。
こうならないためには商号を商標として登録する、つまり商号商標を登録することをお勧めします。この対策のメリットは、下記の通りです。
@ 商号は営業所ごとに登記を要しますが、商標権は全国に法域が及びます。
A 登録された商標については,商標権者は独占排他的な権利を有し(商標25条),登録商標と同一または類似の商標を無断で使用する侵害に対して差止請求(商標36条)や損害賠償請求ができます。
B 商号は文字のみ登記できますが、商標は文字と図形を組み合わせて登録できます。
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