児童ポルノは犯罪の温床
― 「単純所持の禁止」大いに賛成 ―
こうやってコラムを書かせていただいたり、テレビでコメントしていると、メールや電話で様々なご意見や、時には抗議めいた声も寄せられる。ひとの発言をまったく取り違えているものや、悪意に満ちた罵詈雑言などを除いて、どれも貴重なご意見として謙虚に参考にさせていただいている。だが、なかにはどうしても賛同できない抗議やご意見もある。
先日も、次期国会に上程が予定されている「児童買春・児童ポルノ禁止法改正案」に、児童ポルノを持っているだけで犯罪とする「単純所持の禁止」が盛り込まれていることについて「諸手を挙げて賛成」と発言したところ、あちこちから大層、お怒りの声が寄せられた。
曰く、「個人が楽しみで持っているだけで誰にも迷惑をかけていない」「明らかに言論弾圧だ。サンデープロジェクトで〈シリーズ・言論は大丈夫か〉をやっている人の言葉とは思えない」と、まるで私が反対の声を上げないのがおかしいと言わんばかりなのだ。だが、私はこれらの意見に対して一歩たりとも引く気はない。
そんな折り、東京で元小学校教諭(35)が児童を盗撮するために、小学校の運動会にもぐり込んだとして逮捕された。この男、自分のHP「クラブきっず」に女児の裸や、交通事故で亡くなった子どもの痛ましい写真を掲載、「あれ、かわいそうにお漏らししていますね」などと注釈をつけて、著作権法違反などの容疑で逮捕、起訴された。
男の父親は元神奈川県警の本部長である。遺体を掲載された遺族からは「こんな男を軽々に社会に戻すべきではない」という悲痛な叫びが上がっていたのに、東京地裁は「社会の中で更生できる」として保護観察つきの執行猶予という大甘判決。それから1年もたたないうちの犯行だった。
また大阪では、20年以上にわたって自分の教え子の身体検査の様子を撮った写真などを持っていた小学校教諭が、これを嗅ぎつけた学校ガードマンに恐喝される事件も起きている。この教諭が撮った児童の画像は、いまもネット上をまわっているという。
「ちょっと待ってくれ。私はそんな犯罪行為はしていない。ネットで見つけた幼女の裸画像をダウンロードして楽しんでいるだけだ」と目を吊り上げて怒っている方もおろう。だが、それは違う。
その画像がネット上に流れるまでに、すでに犯罪行為があるのだ。バカ親が、わが子がお風呂に入っている写真をネットの有料サイトに載せて金を稼いでいるケースもあるが、それ自体が現行児童ポルノ禁止法の「頒布」に当たる。幼女にあられもない格好をさせて「子どもは喜んでいた」というのも理由にならない。13歳未満の子どもとは、合意があったとしても強姦罪が成立するのと同様、これは強制猥褻罪になる。つまり児童ポルノ自体に犯罪がぎっしり詰まっているのだ。
言論表現の自由は、断じて変態や犯罪行為の自由までも保障したものではないのである。
(日刊スポーツ・大阪エリア版「フラッシュアップ」平成20年6月16日掲載)
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