ことしも余すところ、あと3日、あわただしい中、いよいよ21世紀へのカウントダウンも大詰め。毎年のことではあるが、この時期、新聞、テレビ、ラジオからの取材が引きも切らない。当然のことだけど、この1年の私が選んだ10大ニュースというやつである。それに加えて今年は、20世紀のあなたの10大ニュースというのも、この年末は加わるから、それでなくても忙しいのに、一層あわただしくなる。 ![]() それはさておき、じゃ、私があげる10大ニュースとなると、ほかの評論家やジャーナリストとさして変わりがあるわけではない。高速バスジャック事件であり、雪印の中毒事件であり、三菱自工のリコール隠しであり、企業の合併倒産であり、加藤の乱である。おっと少しぐらいは明るい話題だってほしい。オリンピック女子の大活躍はうれしかったなあ。 国外に目を移せば南北朝鮮の対話はこれからとはいえ一条の明るい光が見えた。米大統領選挙では、民主主義って結構めんどくさいもんだということを改めて知ったけど、それを恥も外聞もなく、虫メガネで点検したところに、かえってアメリカという国の奥深さを見たというのが、私の率直な感想だ。 そういう意味で、では、今年20世紀最後の年をあなたはどう位置づけるのかというなら、私は、ほら、算盤で言うところの「ご破算で願いまして」の年だ。そういう年にしようとあっちこっちで言い続けている。 去年から今年にかけて、銀行なんか信用ならん、生保も損保もみんな一緒だ。警察なんて、根元から腐り切って、これはもう修復不可能だ。去年のJCOの原子力事故、そして今夏の雪印に始まった食品事故、車のリコール隠し。その揚げ句にやってきたのが、JRの運賃間違いというんだからもうなにをかいわんやである。かつてはあれほどの精密さを誇った国鉄、JRがあろうことか、金を間違えていたのだ。 つまり私たちが、信用出来る、これは大丈夫と思っていたものが全部とんでもないまがいものだったんだから、これはもう算盤をひっくり返すようにして、一度、ご破算にして、21世紀、もう一度、1から積算して行こうじゃないか、という趣旨なのだ。ただその中で唯一、ご破算に出来ないのは少年事件である。だけどこの問題の答えも案外身近にあるのではないか。あの戦後の混乱期から、高度成長へ。たしかにひずみもあったけど、少なくとも私たちが幼いころ、大人はキラキラ輝く目で日本の将来を語ってくれたではないか。一体、いつから私たちはそんな目で、社会を国を語れなくなったのか。だったら私たちはもう一度少年に少女に、キラキラ輝く目で語ってやれる国を作ろうじゃないか。そんな21世紀がやってくることを願って、みなさまどうぞよいお年を。そしてよい世紀を。 (日刊スポーツ「熱血サイト」大阪エリア版 毎週金曜日担当) |