道路特定財源というものがいま、にわかに話題になっている。 ![]() まず、この道路特定財源についてしっかり頭に入れておかないと、この論議どこかおかしくなってしまう。これは、戦後、車が普及してくるのに、日本の道路事情は極めて悪かった。亡くなった黒田清さんが読売紙上に「悪路5000キロ」なんて連載をしていたぐらいなのだ。 だけど、当時、道路整備のための金がそうそうあるわけではない。そこでいまをときめく田中真紀子さんのお父さんの角栄さんたちが一計を案じ、じゃ、道路の整備、建設なんだから、道路を使う人たちから税金を取って、その金は道路にだけ使ったらいいじゃないかということになったのだ。 道路を使うとなると、まず車を走らすガソリンだ。車は道路を通るんだから、車両重量税もかけよう。自動車取得税もつけよう。ということで、出来たのが道路特定財源なのである。 では、どれほど税金を取られているのか、というとガソリンの場合、揮発油税のほかその他もろもろの税金を乗せられて、1リットル当たり53円80銭の税金がかかっている。こちらの方は、国道や高速道路など主に幹線道路にあてられている。ガソリンだけでは不公平だとディーゼルに使う軽油にも軽油引き取り税がかかり、こちらの方は1リットル当たり32円10銭。これはもっぱら県道や市町村道に使われている。 なにしろ見ての通り、車はビュンビュン走っているんだから、その税収たるや半端でない。いま5兆7000億という税金が道路特定財源となっている。つまり国家予算の15分の1は道路だけのためにしか使えないようになっている。 それでなくても苦しい台所事情なのに、これほどの金を道路、しかもめったに車が通らないような地方の道路に当てるぐらいなら、もっといろんなことに使おう。それにご他聞に漏れず、この金は自民党の道路族の温床になっている。ならば聖域なき改革の中で、これまでアンタッチャブルだったこの金についても、論議しようと言い出したのが今回の見直しなのだ。 だけどこの論理、ちょっとおかしくないか。そんなことなら、なぜガソリン1リットル100円として、その半分以上もの税金を取るのだ。税金を20円ぐらいにして、リッター70円程度にした方がよほど景気対策になるじゃないか。ガソリンが半値になったら、人も物ももっと活発に動く。 まず、そういう論議から始めるべきではないのか。その手始めとして、私はガソリンスタンドのあの98円とか105円の看板を税抜きの40円とか55円にしたらいいと思っている。40リッターいれて、2200円ぐらいのところを「ハイ、税金が53円80銭なんだから、4400円ね」とやられたら、みんななんでこんな目に遭わないとならないのか。もっと真剣に考えようという気になってくるはずである。 (日刊スポーツ「熱血サイト」大阪エリア版 毎週金曜日担当) |