鈴木宗男衆議院議員がついに逮捕された。北海道の木材会社が国有林を盗伐、行政処分を受けたことに対し、処分後、損を取り返すように特別な計らいをしてやってくれと林野庁に働きかけて現金を受け取った斡旋収賄容疑である。 ![]() 先日のテレビ番組でもコメントさせてもらったが、はっきり言って、一国の国会議員を逮捕するような容疑ではない。宗男議員は疑惑の総合商社とか、疑惑のデパートとまで言われた人物である。検察はその疑惑のデパートに、ピアノから豪華応接セットまであったのに、出口で見たら、大根1本抱えて出てきたようなものだ。国民ががっかりするのも無理はない。 北方領土のムネオハウスやディーゼル発電機建設、アフリカのダム工事。さらには秘書のムルワカ氏に対する疑惑。領土変換での二重外交。国民の多くは、この政治家が汚濁にまみれていることはとっくに見抜いている。何も400万円ばかりの収賄を徹底的に追及してほしいなんて思っちゃいない。 それは当の宗男議員にしても同じことじゃないか。「俺をくくるのに、こんな容疑かよ」と面食らっているに違いない。だから逮捕前の弁明でも「検察は最初から逮捕ありきで私を標的にしていた」なんて尻をまくられることになる。 私から見ても、この事件は筋が悪すぎる。 大体「やまりん」という会社は、1997年、宗男議員が沖縄北海道開発庁長官として初入閣したとき、600万円の祝い金を出している。なのに今回、贈賄とされた1998年8月、官房副長官に就任したときに持参した金は500万円、それも宗男議員は400万円と言っている。メジャーでもない大臣に就任したときの祝いが600万円で、官房副長官になったときは、賄賂込みで500万円では筋が通らない。 しかも、宗男議員が怒鳴りつけた効果もむなしく林野庁は要求に応じず、不正行為は成立しなかった。それに、宗男議員はこの金の授受が新聞で暴露されたため、その年の末、全額を返金しているという。 それやこれやを突き合わせて行くと、もし、宗男議員が公判段階で、起訴事実を認めた上で「お金も返したし、実害はなかった。しかし国会議員の行動として反省すべきだ」とあっさり頭を下げたら執行猶予をつけざるを得ない。そのとき検察はどうする。 何も宗男議員の肩を持って智恵をつけようというのではない。議員はより巧妙に、そして検察の力は確実に弱くなっている。 だからこそ、政治は検察権力でなく、主権者である国民が自分たちの力で正さないといけない。事件はそんな側面も見せている。 (日刊スポーツ「熱血サイト」大阪エリア版 毎週土曜日担当) |