滝
日刊スポーツ
「熱血サイト」から

(大阪エリア版 8月10日掲載)


黒田賞応募作はいずれも力作ぞろい

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)が過去1年間の優れた報道に贈るJCJ賞に今年からおととし亡くなった黒田さんの名を冠した黒田清新人賞が創設され、先日、その第1回受賞者が決定した。
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 6日付けの日刊スポーツも報じてくれたように、記念すべき第1回の受賞者はフォトジャーナリストで神戸市在住の宇田有三さん(39)。受賞作はフィリピンをはじめ中米エルサルバドルやカンボジアのごみ捨場に生きる人々、とりわけ子どもやお年寄りに焦点を当てた一連の作品。写真に添えられた「世界で最も豊かな225人の富豪の資産は、世界の下位所得者の年間所得の実に47%に匹敵する」という世界の歪みを突いた言葉が胸を打つ。

 この黒田賞、第1回にもかかわらず31もの応募作品にめぐまれ、その上、力作ぞろい。読売テレビの「見棄てられた理由〜C型肝炎200万人の闘い〜」など、秀作が並び、私も参加した選考委員会は、白熱した議論になった。

 ところできょうのこの欄の真ん中にあるのは、その黒田清新人賞の正賞、木製のオブジェである(ちなみに副賞は賞金50万円)。これは私の事務所のスタッフの友人である気鋭の造形作家、伊達伸明さんが黒田さんをイメージして、日にちをかけて作りあげてくれたものである。

 ナタで割った2枚の桜材で高さ30センチ。その断面は、ジャーナリストとしての黒田さんの“切り口”を表し、側面から見るとちょうどペン先になるという。桜といえば、黒田さんはお花見が大好き。そのせいか「国歌は君が代ではなく『さくら』にしよう」とまで言っていた人だからまさにピッタシ。ご本人もきっと喜んでくれていることだろう。

 いずれにしても、第1回から素晴らしい作品にめぐまれ、いい作品に賞を出すことができて正直、ほっとしている。選に漏れたジャーナリストのみなさんもこれにこりずに来年からもぜひ作品を寄せていただきたいと願っている。

 また、新人賞選考のあと引きつづいて今年度のJCJ大賞の選考が行われ、こちらにも私は参加したが、大賞には防衛庁が情報公開請求者の個人情報リストを密かに作成していた事件を特報した毎日新聞社会部の大治朋子記者が選ばれた。

 これは国家が国民を監視している実態を暴き出し、底知れぬ恐ろしさを伝えてくれた素晴らしいスクープ。いいものが大賞をとってくれたと思っている。

 さて、その大賞と第1回新人賞の授賞式は例年同様、終戦の日の8月15日。当日は新人賞の創設に大変な力を注いで下さった黒田さんの2人のお兄さんも東京・日本プレスセンターに足を運んで、自らの手で写真にあるステキなオブジェを手渡してくれることになっている。

(日刊スポーツ「熱血サイト」大阪エリア版 毎週土曜日担当)



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