夏の終わり
日刊スポーツ
「熱血サイト」から

(大阪エリア版 8月31日掲載)


家庭内の弱者が被害者になった

 きょうで8月も終わり。うんざりするほど暑くて、世間を震撼させるほどではないが、うんざりする事件が続発した夏だった。
日刊スポーツの実際の記事
 おととい出演した朝日放送の「ワイドABCDE〜す」(月〜金午後3時55分〜)の私のコーナー「週刊事件簿」でもこの夏起きた事件の総集編をお届けした。

 主婦100人に街頭インタビュー、この夏、印象に残った事件を挙げてもらい、関心の高い順にランキング付けした。題して「主婦が選んだ真夏の凶悪事件簿」。

 まず10位から6位。

 10位、駐車場の放置車両から女性の死体発見。40歳の男を逮捕(高槻市 8月21日)。9位、公演でペットボトルが破裂。小学生が重傷を負う(神戸市 8月13日)。8位、盆に帰らなかったことを兄に咎められた32歳の男が、兄の妻と娘を殺害(鹿児島県徳之島 8月16日)。7位、塩釜港で16歳の女子高生が遺体で見つかった事件で、出会い系サイトで知り合った30歳の男を逮捕(宮城県塩釜市 8月17日)。6位、マブチモーター社長宅の強盗放火殺人事件(千葉県松戸市 8月5日)。

 マブチの事件は謎を秘めたまま未解決だ。さらに上位へ進めよう。

 5位、主婦殺しの疑いで姑が逮捕された事件で、主婦の夫を「殺人の共謀」で逮捕(札幌市 8月2日)。4位、26歳の女が子どもを3人襲いケガを負わす(山口県宇部市 8月21日)。3位、高1男子が友人と祖父母を襲い重軽傷を負わす(岩手県前沢町 8月17日)。2位、1歳10ヶ月の村瀬翔ちゃん殺害事件(愛知県御津町 7月28日)と続く。

 この翔ちゃんの事件は私も現場に行ってきた。翔ちゃんは新家のゲームセンター駐車場の車から行方不明になり、4キロ離れた海面で遺体で見つかった。現場は臨海緑地に面した海岸。私は泣いていた翔ちゃんを誰かがヒョイと車に乗せ、この緑地に連れて来て、故意か過失で翔ちゃんは海に落ちた気がする。

 そして、主婦たちに最も関心を集めた事件、その第1位は今月19日、愛知県刈谷市で10ヶ月の乳児が30歳の母親に泡盛を飲まされ、死亡した事件だった。

 この母親は子どもがなつかないと言って悩み、何度も児童相談所にも足を運んでいたという。一種の育児ノイローゼで、無理心中をはかったらしい。いわゆる幼児虐待とはちょっとはちょっと性格が違うが、1位にされるあたり、やはり、主婦たちにとっては、ショッキングな事件だったのだろう。

 この調査でも分かるように、この夏の事件は、家族間、それも女性や子どもが被害者になるケースが多かった。そして加害者もまた女性。

 うだる暑さ、光の見えない社会の中で、家庭では弱い女性が追い詰められ、そしてより子どもたちが犠牲になる。うんざりした夏は去っても、うんざりする事件は残るのか‥‥。

(日刊スポーツ「熱血サイト」大阪エリア版 毎週土曜日担当)



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