日刊スポーツ・健康連載・病院の選び方・第6回

【早期胃がん】
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身近な医者から情報収集

 「早期胃がんは治る」と、一般的にいわれている。事実、日本の早期胃がん診療技術は、世界のトップ水準だ。つい最近まで胃がんは日本人死亡率の第1位だったが、胃がん患者数は依然最多であるにもかかわらず、肺がんが1位となり、胃がんは2位となった(厚生省「厚生白書」より)。胃内の微小がんを発見し、管を胃内にまでのばしてがんを摘出する、内視鏡診断と治療技術が抜群だからだ。

 だが「胃がんは治る」という恩恵にあずかれるのは、良い病院・医者にかかればの話である。内視鏡専門医がいない、あるいは経験年数が短く、患者の数をこなすことだけに腐心している医療機関・医者にかかろうものなら、胃内発生の2センチ以下がん病巣を、さらには他臓器への転移を見逃すという重大な結果を招く。

 では、どうしたら良い病院・医者を選ぶことができるのか。

 医療機関に対し第3者評価制度と相談サービスが充実しているアメリカと違い医療消費者サービスが進んでいないわが国では、まず、第1に早期胃がん発見率と治療成績に実績のある病院はどこかに精通している。自宅近くか勤務先近くの開業医を見つけた上で、相談できる日ごろのコミュニケーション環境をつくっておくことである。開業医にはがんセンターや大学病院消化器内科・同外科で、数多くの胃がん患者を診療してきたキャリア医者もいる。

 第2は、成人病検診や半日人間ドックで胃がん検査を必ず1年に1回は受けること。画像検査と胃生検(病理組織検査)で良性・悪性の境界あるいは悪性が強く疑われたならば、担当医を通じてがん専門病院に紹介してもらうことである。

 第3は一般病院にかかる前に、外来相談窓口でもって、どこの2次(総合・基幹病院)・がん専門・大学病院と連携しているか確かめておくこと。そのくらいの積極的な情報収集をお勧めする。

【医療ジャーナリスト 丹羽幸一】




●●●●●病気別に25の名病院リスト掲載●●●●●

【早期胃がん】
病院名診療科名所在地ワンポイント評価
旭川医科大学病院第3内科旭川市病巣部限定の縮小手術と内視鏡的切除術
国立札幌病院北海道地方がんセンター外科札幌市深達度と移転検査診断および原発胃がん切除術
札幌医科大学病院第1内科、第1外科札幌市内視鏡的治療と再発のない根治的期治療法
勤医協中央病院消化器外科札幌市正診率高く、予後のフォローアップに熱心
岩手県立中央病院消化器内科盛岡市胃がんの早期発見率44%の高成績
宮城県立がんセンター外科名取市早期胃がん切除術、高齢者縮小手術
太田西ノ内病院消化器外科郡山市高齢者の縮小手術と再発がん予防的治療法
群馬県立がんセンター東毛病院内科、外科太田市胃がん症例数2000以上、胃壁深達度診断
群馬大学病院第1外科前橋市内視鏡下手術、再建術
船橋社会保険中央病院外科船橋市早期の内視鏡下手術と再発防止のための温熱療法
埼玉県立がんセンター第5診療部埼玉・伊奈町胃がん正診率が高く、がん告知原則
国立がんセンター東病院消化器内科柏市残胃部分切除を行い、無再発症例多数
東京歯科大学市川総合病院消化器外科市川市胃がんのオーダーメード診療
日本大学板橋病院第3内科板橋区残胃による再発がん原因の防止的治療
東京医科歯科大学病院第1外科文京区早期胃がんの縮小手術と機能温存術
順天堂大学病院外科文京区転移・再発のない胃切除術
日本医科大学病院第1外科文京区ダメージの少ない手術法と全身免疫相関重視の治療
癌研究会病院消化器外科豊島区内視鏡下切除と縮小手術
国立がんセンター中央病院外科内視鏡部中央区胃がん症例数8000以上、内視鏡・病理部門高水準
慶応義塾大学病院外科新宿区腹腔鏡下胃内粘膜切除および局所切除術
昭和大学豊洲病院消化器科江東区X線と内視鏡診断と治療
神奈川県立がんセンター外科(第3科)横浜市高齢者縮小手術と手術中に細胞診を行う
東海大学病院消化器外科伊勢原市早期発見と根治手術およびQOL重視の治療法
新潟県立がんセンター新潟病院外科新潟市根治手術とやさしい医療を目指す
静岡県立総合病院消化器外科静岡市名古屋大学提携による根治的治療法